グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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幕間編②
Extra life01 義姉訪日


修学旅行を間近に控えたある休日。朝っぱらからリアスが落ち着かない様子だった。

 

「大変だわ」

 

何て呟きながら自分の部屋と一階を何度も往復している。行ったら掃除して、戻ってきたら身だしなみを整えて、また掃除に行ってを繰り返していた。

 

「ロイ先生、部長、どうかしたんですか?」

 

一誠が俺に訊いてくる。俺はコーヒーに口をつけてから答える。

 

「今日はな、義姉(ねえ)さんが来るんだよ」

 

「ねーさん?ああ、グレイフィアさんのことですか?」

 

「ああ、その通り」

 

俺は一つ頷くと、ちょうど部屋から戻ってきたリアスに言う。

 

「リアス、気にしすぎだろ?そこまで義姉さんだって怖くないし」

 

「お兄様は知らないのですよ。オフの時のお義姉様の怖さを………」

 

顔を少し青くしながら言うリアス。俺的にはそこまででもないんだがな。むしろ優しかったような気がするんだが……。

俺は苦笑しながらもコーヒーをもう一口。

 

「部長にも苦手な人がいるんだな」

 

ゼノヴィアが頷きながらそう言う。まあ、次期当主である義妹(いもうと)と、そんな縛りがない義弟(おとうと)では扱いが違うのも無理ないか。そういう意味では、俺は義姉さんの本当の怖さを知らないのかもしれない。

俺はコーヒーを飲み終えると、再び部屋を見に行っていたリアスに言う。

 

「これ以上何が出てくるんだよ。ドンと構えておけばいいんじゃないのか?」

 

「そうも言ってはいられません。お茶の用意もしておかなければいけません。イッセー、あなたもきちんとしていてちょうだい。あなたのこともチェックするでしょうから」

 

「お、俺もですか?えっと、どうしてですか………?」

 

リアスに襟元を直されながら一誠が訊く。リアスは顔を真っ赤ながら答えた。

 

「あなたは………ほら、と、特別だから………」

 

「まあ、しっかりしておいて損はないと思うぜ?無駄にどうこう言われるのは面倒だからな」

 

「そう言うお兄様もしっかりなさってください!」

 

俺たちがあーだこーだ話していると、玄関のチャイムが鳴った。リアスは慌てた様子で玄関へと向かい、残された俺たちは頷きあってからゆっくり玄関に向かう。

開かれた玄関から現れたのは、セレブな衣装に身を包んだ義姉さんだった。相変わらず、綺麗なヒトだな。

それはそれとして、玄関まえにリムジンが止まっているんだが、あれで来たのか?変に目立ちそうだな。

義姉さんは俺たちに視線を向け、

 

「ごきげんよう、皆さん」

 

相変わらずの気品溢れる微笑を浮かべてあいさつをしてくれた。そして、義姉さんの視線が俺とリアスのほうに移る。

 

「お久しぶりです、義姉さん」

 

「ええ、久しぶりですね、ロイ」

 

「ごきげんよう、リアス」

 

「ごきげんよう、お義姉様」

 

俺はいつも通りにあいさつしたが、リアスの表情が固い。かなり緊張しているようだ。

 

「お久しゅうございますな、姫様、ロイ殿」

 

第三者の声。俺とリアスがそちらに視線を向けると、そこには頭部は龍で、体が鹿っぽく、全身を紅の鱗に覆われた謎の生物がいた!……と、一誠たちは思っている筈だ。俺はもちろん知っている。

その謎の生物は一誠に頭を下げる。

 

「これは赤龍帝殿。お初にお目にかかる。私はサーゼクス様にお仕えする兵士(ポーン)━━炎駒(えんく)と申す者です。以後、お見知りおきを」

 

「は、はぁ、こちらこそ、よろしくお願いします!」

 

一誠は戸惑いながらも元気にあいさつを返す。小さく疑問府を浮かべる一誠に簡単に解説を行う。

 

「一誠、こいつは炎駒。おまえにもわかりやすく言えば、麒麟(きりん)だな。伝説上の生き物で幸運を運ぶと言われている神聖な生き物だ」

 

それを眷族にできた兄さんは本当に何者なんだろうな?

俺はその疑問は飲み込んだ。兄さんが本当に何者なのか、考え始めてたらきりがない。

リアスは炎駒の頬を優しく撫でながら、少しだけ緊張がほぐれたようで頬を緩めていた。

 

「それではグレイフィア様、私はこれにて持ち場に戻りまする」

 

「ええ。ここまでありがとうございました、炎駒。私一人でも良かったのですが………」

 

「何をおっしゃいます。我らが偉大なる『女王(クイーン)』にして、主の奥方であるグレイフィア様が正式に訪問なされるのに護衛もなしでは………。と申しましても私がいなくても問題はないと思いますが。赤龍帝殿のお屋敷に幸運を少しでも運べれば幸いだと思い、馳せ参じたところもあります」

 

やはり、魔王の妻ってだけで大変なんだな。義姉さんの護衛だったら俺に声をかけてくれても良かったのに。

俺はそんなことを口にしたらシスコン疑惑をかけられそうなので止めておく。実際に俺はシスコンではない!

 

「炎駒、少しだけでも寄っていけばいいのに」

 

リアスは少しは寂しげに言うが、炎駒は安心させるように笑う。

 

「ハハハ、そのお言葉だけで十分ですぞ。私もサーゼクス様の眷族として、役目の多い身。冥界に戻り、それを果たさなければなりませぬ。それではこれにて。皆々様と再びお会いすることを願っておりまする」

 

炎駒はそう言い残して紅い霧となって消えた。

 

「私が冥界にいた頃、炎駒は話し相手になってくれていたの。よく背に乗せてもらったわ」

 

リアスは微笑みながら懐かしむように言う。俺がはぐれ討伐とかの任務に出ているときは他の奴に任せてたからな。

俺は微笑しながら、いまだに懐かしさに浸っているリアスの肩を軽く叩いてやる。リアスはビクッと体を震わせると再び緊張の面持ちになった。

義姉さんがそれを見て頷くと、俺たちに訊いてくる。

 

「さて、あいさつは手短に。それではお家にあがらせてもらってもよろしいのかしら?」

 

こうして、俺たちは義姉さんをもてなすこととなった。それにしても、リアスは緊張しすぎだと思うんだが━━━。

 

 

 

 

 

 

 




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