俺━━サタンブラックとサタンピンクは第一の試練を行う部屋でリアスたちを待ち構えていた。
「遅いな。まあ、急いでいるわけでもないが」
「のんびり来てくれてもいいじゃない☆リアスちゃんも緊張しているのよ☆」
上機嫌そうなサタンピンクが言う。確かに急いでやることでもないし、覚悟を決めてからのんびりと来てくれもいいか。
俺は頷くと、気配を感じて部屋の入り口に目を向ける。
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俺━━兵藤一誠と部長は開けた部屋に到着した。
そこにはピンクとブラックの姿が!と言っても、レヴィアタン様とロイ先生だよね。
ブラックは俺たちに視線を向けるとぼそりと言う。
「遅かったじゃないか………」
「いや、何でそんなに弱々しい声なんですか?」
「細かいことはいいのよ☆さあ、試練よ試練!」
ピンクはブラックを適当に流して話を続ける。ロイ先生もオフの時はふざけるんだな。普段は真面目だし、長年任務に行っていたからなのかな?
それはそれとして、いったい何をするんだ?ロイ先生と戦うなんてことはないですよね?
俺が緊張していると、ブラックが指をならして何かを出現させる。あれは、音響装置?
「さて、早速だが二人にはダンスをしてもらう。抜群の相性を見せてみろ!」
「二人とも、頑張るのよ☆」
二人は言いきると同時に音響装置のスイッチを押し、優雅な音楽が流れ始めた!ダ、ダンス!?本当にいきなりですね!
「イッセー、いくわよ!」
「え、あ、はい!」
部長が差し出した手をとり、曲に合わせて踊り始める。
よくわからないけど、やるしかない!
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「存外やるものだな。母さんの教育が行き届いている」
「当たり前よ。夏休みの頃からやっていたらしいから」
俺とピンクは踊る一誠とリアスを見ながらそう漏らす。
あの甘えん坊な妹が、想い人とこの儀式をやっていると思うと、何かくるものがあるな。俺も年か…………。
俺がそんなことを思っているうちに音楽が終わり、リアスと一誠は終わりの挨拶を交わす。目立ったミスもなし、大丈夫そうだな。
俺とピンクは二人に拍手を送る。
「予想通り、二人とも息ぴったりね☆」
「ああ、この調子なら大丈夫そうだ。先に行け二人とも。また後で会おう」
俺とピンクの合格の言葉を受けた二人は、ホッとしたように笑うと第二の試練に向かう。この先はテーブルマナーと筆記問題だったな。リアスはともかく一誠は大丈夫だろうか…………。
「ふぅ、安心ね」
「だな」
俺たちはマスクを外して息を吐く。本当、この格好はキツいものがある。
俺は頭をかきながらセラに言う。
「まったく、見ていて思ったが、時間が流れるのは早いもんだな」
「本当ね。私たちがやったのはリアスちゃんが生まれるよりもずっと前だもの、そう思って当然よ」
「セラ………」
「何かしら?」
俺はセラを正面に捉え、少し照れ臭く思いながら口を開く。
「俺の想いはずっと変わらない。俺はおまえが好きだ」
「━━━ッ!?」
セラは驚きながら顔を真っ赤にして勢いよく俺に背中を向ける。両手を頬にやりながら体をモジモジさせ始めた。
俺も頬をかいてばつが悪そうに言う。
「俺が言いたかったことはこれだけだ。悪いな、驚かしちまって」
「だ、大丈夫よ。それよりもロイ」
「なんだ?」
俺が訊くとセラはこちらを振り向くと黙って目をつむる。これは、まさか………。
「………………」
俺はゆっくりと息を吐き、セラの頬に右手を添える。そして俺も目をつむりながら━━━、
チュ。
優しく口付けをする。俺からやるなんていつ以来だろうか。基本的にセラの方からぐいぐいくるからな。
ゆっくりと唇を離して目を開ける。
「ふふっ」
「何か、照れ臭いな」
二人して笑いながら見つめあう。するといきなりセラが抱きついてくる!
離さないと言わんばかりにギュッと力を入れてきているが、痛いわけでもなく、むしろ優しさを感じる。
俺はセラを抱き締め返し、優しく頭を撫でてやる。もうしばらくこの空気を満喫していたいが、今は━━━、
「さて、そろそろ行くとするか。今は第三の試練に行った頃だろ」
「むぅ~、もう少しこうしていたいけど、今日の主役はリアスちゃんたちだものね。今は我慢するわ」
「よっしゃ、そんじゃ行くか」
俺とセラは遺跡の奥地を目指して転移する。リアスたちはどうしているかな?
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「そんなことが………」
「ええ」
俺、一誠は部長と共に第二の試練、テーブルマナーを終えてからサーゼクス様とグレイフィアさんの馴れ初めを聞いていた。一通り話してもらい、次の話題に。
「もうひとつ訊きたいことがあるんですけど」
「ロイお兄様とレヴィアタン様について、かしら?」
「はい」
俺はロイさんとレヴィアタン様の関係を先日まで知らなかった。いや、あの様子だと朱乃さんたちも知らされていなかったのかもしれない。
「二人は幼なじみで、幼い頃からよく会っていたそうよ。けれど、その当時はロイお兄様はあまりレヴィアタン様を、当時はセラフォルー・シトリー様だけれど、あまり好きではなかったと言っていたわ。レヴィアタン様のテンションは幼い頃からだったそうだから」
レヴィアタン様、昔からあんな感じだったのか。それが何で急に恋人に?
俺の疑問が顔に出ていたのか、部長は続ける。
「二人の仲が進展したのは三勢力の戦争の時。ロイお兄様がコカビエルと戦った後だそうよ」
「その時って、レヴィアタン様もその場にいたとかですか?」
「ええ、正確に言うと、ロイお兄様はレヴィアタン様を、当時のセラフォルー・シトリー様を助けるためにコカビエルと戦ったそうなの」
「そうなんですか!?ロイ先生って、意外と熱い男だったんですか!?」
「それはわからないけれど、その戦いでロイお兄様は右目を潰されてしまったのよ。左肩は支障のない程度に治ったそうだけれど」
右目を犠牲にしてでも好きなヒトを助けたって、それはそれで劇になっても良かったんじゃないのだろうか。
まあ、ロイ先生が拒否したのかもしれないか。あのヒトのことだし。
俺は改めてロイ先生のすごさを感じたが、逆にこうも思った。
「現魔王様の恋人を敵勢力に送り込むって、なかなかすごいこと考えますね」
「ロイお兄様は昔は新魔王派のエージェントとして仕事をしていたの。ある意味で言えば、一番旧魔王派を知っていたのがロイお兄様だったのかもしれないわ」
それでもかなりの無茶をするんだな。まあ、当時は状況が状況だったのかもしれないけど。
すると、一通り話し終えた部長が少し落ち込むような病になった。
「私は、お兄様方とお
部長はいつもその三人と自分を比べていたのか。上の皆さんが様々な形で活躍していくなかで、劣等感を抱いてしまったのかもしれない。
誰だって悩みはある。いつも優雅に振る舞っても、部長だって女の子なんだ。なんでそれを知ってちながら悩みを抱いていることに気づけなかったんだ。
俺は部長の前に回り込んで目をあわせながら言う。
「部長の悩み事………俺にはとうてい想像もつかないものだと思います。けど、俺は部長がダメだって思ったことは一度もありません。部長がいなかったら、俺はずっと前に堕天使に殺されていて、こんな最高の日々を送ることなんてできなかったです。部長は俺にとって最高の女性です。俺、一生ついていきますから、一緒にいろんなものを超えていきましょう!」
これか俺にできる精一杯だ。激励とは、呼べないと思う。でも、少しでも力になれたなら、俺はそれでいい。
部長は先程と違い、優しい笑みを浮かべる。
「イッセー、ありがとう。私、あなたがいてくれるなら、突き進んでいけると感じてしまうわ。超えていきましょう。━━共に、これからも、ずっと」
部長が見せてくれる笑顔が俺の力になります!部長が笑ってくれるから俺は頑張れるんです!
「……けれど、まだ部長なのね………」
「何か言いました?」
「いいえ、何でもないわ。行きましょう!次が最後よ!」
「はい!」
進む部長に俺は続く。部長が何を言ったのかはわからなかったけれど、ここからも頑張らないと!
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「兄さん、少しいいか?」
「どうかしたかい?」
「『あれ』だが、俺にやらせてくれないか?」
「急にどうしたんだい?」
「俺は、兄さんたちほど一誠のことを知れてないからな。妹を任せられるのか試したい。だから━━━」
「━━━力をぶつけてみたい。と」
「ああ。いいか?」
「任せるよ。どちらにしろ、僕かキミのどちらかがやることだ。今回はキミに譲るさ」
「悪いな」
「気にしないでくれ。だが、加減はしてくれよ?鎧があるから大丈夫だとは思うが、怪我をさせたら大変だからね」
「わかっているさ」
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