グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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Extra life07 儀式終了

「………………あれ?」

 

気がつくと、俺━━兵藤一誠の目の前には部長のお顔があった。後頭部には柔らかい感覚、これは、膝枕をされているようだ。

 

「大丈夫?怪我はしていないようだけれど、イッセーったら、あのあとに気を失ってしまったのよ?」

 

「だ、大丈夫です!」

 

俺は体を起こして回りを見渡す。サタレンジャーは見当たらないな。

 

「彼らなら消えたわ。突然ね」

 

俺の様子を見ていた部長が言う。そうか、倒したってわけじゃなさそうだ。

 

『相棒、あの男、先程のドラゴンショットを斬ってみせたぞ。あれで一介の悪魔とは、恐れ入る。だが、ま、あの男とあそこまでやれたんだ、おまえも成長したということだな』

 

あれを斬ったのか………。ロイ先生って、本当に何者なんだ?素直に剣を使った方が強いのでは………。

 

「二人ともよくやったね」

 

サーゼクス様の声だ。そちらに目を向けると、いつものサーゼクス様とメイド服のグレイフィアさん、頬が真っ赤に腫れているロイ先生が現れた。

 

「ロイお兄様、何があったのですか?」

 

「いや、ちょっとやり過ぎた」

 

 

 

 

━━━━━

 

 

 

 

「いや、ちょっとやり過ぎた」

 

俺は頬を撫でながらそう言った。

一誠のドラゴンショットを斬ったまではいいが、その後無意識のうちに一誠本人も斬りに行ってしまった。

そこにすっ飛んできた義姉(ねえ)さんに殴り飛ばされ、そのまま回収された。

まったく、これだから加減は苦手だ。

俺は溜め息を吐きながらリアスと一誠に言う。

 

「さて、兄さんから結果の報告をしてもらう。二度は言わないと思うからしっかり聞けよ?」

 

俺の言葉を受けた二人は姿勢を正して兄さんと向き合う。そして、兄さんは二人に近づいて優しく肩に手を置いた。

 

「よくやった。二人とも合格だ」

 

その一言を受けた二人は顔を見合わせて笑った。

 

「これで旦那様と奥方様もご安心されることでしょう」

 

義姉さんがそう言う。素早く切り替えてメイドモードってわけだ。

 

「一誠、悪いな。いきなり儀式に巻き込んじまって」

 

「い、いえ!そ、そんな!結果的に━━━ッ!」

 

「結果的に━━━なんだ?」

 

俺は出来るだけの笑みを顔に貼り付けながら一誠に続きを訊く。一誠は顔を青くしながら首を何度も横に振り口を開く。

 

「いえ、何でもありません!」

 

「………それはそれとして、リアスを頼むぞ」

 

「はい!」

 

俺が真剣に訊くと、一誠も真剣な表情で返してきた。なら、大丈夫だろう。

 

「おめでとう、リアスちゃん!」

 

横から現れたセラがリアスに飛びつき、そのまま頭を撫で回す。リアスは顔を赤くしながらも嬉しそうだ。セラも嬉しそうだしな。

 

「……あー、やっと終わった」

 

ファルビウム様が溜め息混じりに現れる。仕事をしてくれているのなら、とりあえずはいいか。

次に現れたのはアジュカ様だ。一誠の左腕の籠手をマジマジと見つめている。

 

「少し、キミの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を見てもいいかな?」

 

アジュカ様は返答を待たずに小さな魔方陣を展開、一誠の胸の前でそれを動かしていく。

 

「なるほど、おもしろいことをしようとしているじゃないか。神器(セイクリッド・ギア)の中に潜っているね。勧めたのはアザゼルか」

 

楽しそうに笑っている。ちょっと見ただけでわかるって流石だな。

 

「これはおもしろい━━━━」

 

その後も、アジュカ様の小難しい話がしばらく続いた。すると、

 

「ゲームの時には発動しないが、実戦向きに駒にひと工夫してみよう。ゲームでも使えたらおもしろいが、そこは対戦相手次第だな。━━身内が迷惑をかけたからね、これぐらいの礼はさせてくれ」

 

「い、いいんですか!?」

 

身内のってのは、ディオドラの野郎のことだろう。あいつ、牢獄でうなされているぜ、多分。

そんなことを思ったが、俺は疑問を口にしてみる。

 

「俺には入っていませんが、駒の隠し要素っていくつあるんですか?」

 

「眷族を持たないキミからの質問とは、だが、答えは教えられないな。隠し要素はユーザーが見つけてこそだろう?」

 

「確かに、そうですね?」

 

俺は首をかしげながらもそう言った。この人の考えていることを全て把握するのは不可能だ。

俺の質問に続いて、一誠が俺に質問してくる。

 

「ロイ先生。あのブラックはどうやって俺の動きを読んだんですかね?」

 

「ん?ああ、あれか。簡単なことだ。鎧装着型の禁手(バランス・ブレイカー)はオーラが出過ぎる。それに注意してやれば、ある程度動きを読める」

 

俺の言葉に一誠は口の端を引きつかせた。衝撃の事実だったのかもしれん。

俺は言葉を続ける。

 

「片目がないからな、そのおかげでオーラの流れに敏感なのかもしれん」

 

一誠は頷きながら溜め息を吐いた。そんなことをしているうちにアジュカ様の作業も終了した様子だ。

 

「さて、あくまで俺は切っ掛けをやっただけだ。これからどう成長するかはキミ次第だな」

 

ようするに、頑張れと。まぁ、何かあったら付き合ってやりますか。

 

「さて、帰るか。俺はある『ゲーム』を運営していてね。長い時間抜けていると支障が出たりする」

 

「アジュカ、例の一件か?それとも趣味か?」

 

兄さんの問いにアジュカ様は口の端を吊り上げて笑った。

 

「趣味は大事にしたいものだ。そうだ、赤龍帝くん、ロイ・グレモリーくん。キミたちも参加してみないか?なーに、ケータイひとつで参加可能だ」

 

何か、嫌な予感がするから、

 

「「遠慮しておきます」」

 

俺と一誠は異口同音で返した。それを受けたアジュカ様は苦笑する。

 

「それは残念だ。また会える日を楽しみにするよ。━━革新したまえ」

 

アジュカ様は転移魔方陣を一瞬にして展開するとそのまま消える。ファルビウム様もいつの間にか消えていたようだ。

 

「さて、屋敷でパーティーを催す予定だ。リアスの眷属たちもすでに呼び寄せてあるんだよ」

 

相変わらず、パーティーとなると仕事が早いな。

 

「そんじゃ、俺は一足先に屋敷に━━━」

 

「行く前にロイ分を補給なのよ☆」

 

「またかよ!?」

 

俺はセラに飛び付かれ、再び頬擦りされる。もう慣れたが、人目は気にして欲しいもんだ。

俺はその態勢で転移魔方陣を展開した。

 

「そ、そんじゃ、待ってるからな!」

 

「後でね~」

 

俺とセラは手を振りながら魔方陣の光に包まれていった。

 

 

 

 

転移が完了し、俺はセラを引き剥がす。途端にセラは不機嫌な表情になる。

 

「ちょっと、何するのよ!」

 

「今はパーティーだ。終わったら、またのんびり相手してやるよ」

 

俺はセラの頭を撫でてやる。セラは少し頬を膨らませていたが、すぐに笑顔になる。

 

「本当!なら、我慢しないとね☆」

 

「そういうことだ、会場に行くぞ」

 

「おー!」

 

こうして、盛大に行われたパーティーを、俺とセラは主役そっちのけで楽しんだ。

そして、パーティー終了後。俺は一晩中セラの相手をすることになった。

だが、久しぶりに会ったのだからいいだろう。俺がずっと一緒にいると誓った、俺の最愛のヒトなのだから━━。

 

 

 

 

 

 




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