「ロイ、セラフォルー。おまえら、ずいぶん元気そうだな」
休憩を終えた俺と、一緒にいてくれたセラがロビーに戻ってきて早速アザゼルが半目になりながらそう言ってきた。
「ふふふ、何でかは教えてあげないわ☆」
「まあ、色々あってな………」
俺はあの後自分の部屋に戻ったのだが、無性にセラのおっぱいに触りたい衝動を抑えられず、セラを抱き枕に仮眠とるふりしてがっつり触ってしまったのだ。
セラも嬉しそうにそれを受け入れてくれたが、ちょっと驚かれた。その後
「とりあえず、作戦に支障はないな?」
「ああ、問題ない」
「大丈夫よ☆」
アザゼルの確認に俺たちは頷く。謎の衝動はどうにか収まった。が、いつ爆発するかわからないのは不安かもしれないが、今はそれどころじゃない。
俺はセラと別れ、一誠たちのもとに向かう。さっさと切り替えないとな。
「ロイ先生、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、問題ない」
一誠の質問に頷きながら答える。多少ダメでも、
俺は咳払いをして時計を確認、会議終了からきっかり一時間だ。
「よし、おまえら、行くぞ!」
『はい!』
一誠たちの返事と共に作戦は開始される。目的地は二条城、英雄派の野郎どもが待つ場所だ。
ホテルを出た俺たちは京都駅のバス停に来ていた。
ここからバスで二条城を目指す予定だ。一誠たちは冬服の制服を着ており、ゼノヴィアとイリナは教会の戦闘服も下に着ているそうだ。いざという時は脱いで戦うのだろう。
俺は上下とも黒のスポーツウェアだ。少し寒いが動きやすいからな。それで、ロスヴァイセは━━、
「うっぷ………」
口を手で押さえて吐き気と戦っていた。体調は回復しきれなかったようだ。そのロスヴァイセはヴァルキリー時代からの鎧に身を包んでいる。
それはそれとして、鎧越しにもわかるロスヴァイセの胸に目がいってしまうのだが、気にすることでもないか。
俺がロスヴァイセの胸にチラチラ視線を送っていると、
「赤龍帝!私も行くぞ!」
俺同様に驚愕しながらも一誠が訊く。
「九重!?待っていろって言われなかったのか!?」
「言われた。じゃが!母上は私が………私が救いたいのじゃ!頼む!私も連れていってくれ!」
九重の気持ちがわからないわけではない。何かしらの切っ掛けになるかもしれないが、ここから先は危険すぎる。
俺はそう判断して九重を剥がそうと手を伸ばすと、俺たちの足下に薄い霧が立ち込めてくる。
ぬるりとした気持ち悪い感覚の霧、これは昼間のものと同じだ!確か、『
この現象を把握したとき、対処する暇も、手段もなく俺たちは霧に覆われた。
気がつくと、そこは見知らぬ場所だった。
「ここは、北野天満宮ですね。………うっぷ」
横にいたロスヴァイセが吐き気混じりに解説してくれた。北野天満宮、二条城の北西ぐらいの位置だった筈だ。
改めて周囲を見渡してみると、俺とロスヴァイセ以外誰もいない。昼のように別空間に転移させられたようだ。
二人きりになると、妙にロスヴァイセのことを意識しちまうな。どうしたもんか………。
俺は気をそらすようにケータイを取りだし、一誠に連絡する。
三回の呼び出し音の後、一誠が出た。
『ロイ先生!これって━━━』
「先手を打たれたな。こっちは北野天満宮だ。そっちは?」
『京都駅の地下ホームです。九重も一緒にいます。それ以外の皆とはバラバラですけど…………』
「わかった。とりあえず、おまえは木場に連絡しろ。俺はアザゼルに連絡してみる」
『わかりました。集合場所は二条城でいいですよね?』
一誠の確認に俺は頷き、懐に入れていた地図を出す。
「ああ、いちいち拾いに行っていたら時間がかかっちまう。現地で落ち合おう」
『はい、後で会いましょう』
一誠はそう言うとケータイを切る。俺はそのままアザゼルに連絡してみるが繋がらない。連絡用の魔方陣を展開してみるがそちらもダメだ。
俺は溜め息を吐き、周囲を見渡してロスヴァイセに言う。
「とりあえず、二条城を目指すぞ。一誠たちを待たせるわけにはいかない」
「はい。行きましょう」
ロスヴァイセが頷いて歩きだそうとすると、
「ぎゃ!」
「ぐぎゃ!」
「ごぎゃ!」
どこからか現れた、見たこともない生物に取り囲まれていた。
俺は銃剣を取りだし、ロスヴァイセが魔方陣を展開する。
「ロスヴァイセ、援護を頼む」
「わかりました。━━━来ます!」
ロスヴァイセの忠告と共にその異形の生き物が飛びかかってくる!
俺は銃口を飛びかかってきた生き物に向け、一気に引き金を引く。滅びの弾丸が直撃した生き物は霞のように消えていく。
俺は一気に生き物の群れの中央まで踏み込むと、両腕を広げて引き金ひき、その場で独楽のように回転する!
近づこうとした生き物は刃に斬られ、距離をとった生き物は滅びの弾丸の餌食になっていく。
俺は回転を止め、近づいてきた生き物に刃を突きつけ、弾丸に多めの魔力を込めてから引き金をひく!
威力を増した弾丸は生き物を貫通した後、他の生き物も貫いていく。
俺は生き物を切り捨てながらロスヴァイセに言う。
「あれが一誠たちが言ってたアンチモンスターか。見た目の割に、存外脆いな」
「そうですが、油断は禁物です!」
ロスヴァイセがそう言いながら無数の魔方陣を展開、魔法攻撃でアンチモンスターを凪ぎはらっていく!だが、顔色が悪い!
「ロスヴァイセ、あんまり無理するなよ。俺が片付けっから」
「そんなわけには、うっぷ………」
ロスヴァイセが再び込み上げた吐き気を抑えていると、
「ぎゃぎゃ!」
その背後から飛びかかるアンチモンスターが!
「ロスヴァイセ、動くな!」
俺はすぐさま銃口をロスヴァイセの背後に向け、再び引き金をひく!
「え?」
ロスヴァイセは自分が撃たれると思ったのか驚愕の表情を浮かべるが、弾丸が顔の横を通りすぎて背後にいたアンチモンスターを吹き飛ばしたことを確認して、一転してホッと息を吐いていた。
「ロイ先生!そこは『避けろ!』とか『危ない!』でいいと思います!」
「そんなこと言ってる暇があったら俺が何とかするよ!」
俺はそう言いながら右の銃剣でアンチモンスターを突き殺し、背後に向けて左の銃剣を向けて引き金をひきまくりアンチモンスターを蹴散らす。これで、だいたい片付いたな。
俺は周囲を見渡しながらそう言うと、
「やはりアンチモンスターでは荷が重いかったか」
「そのようだな。だが、多少は消耗したはずだ。潰すぞ!」
俺とロスヴァイセの前に二人の男が現れた。英雄派の制服を着ているってことは、
「敵だな」
「そのようですね」
俺とロスヴァイセは再び構える。英雄派の男たちも構えると、俺から見て右手側の男の右腕に籠手が装着され、左手側の男の近くに氷の鳥が出現した。
「
「右の方のあれは
ロスヴァイセがわかる限りで情報をくれた。左はともかく右は厄介だな。
俺は銃剣を剣モードに変えながらロスヴァイセに言う。
「ロスヴァイセ、あの鳥遣いは任せる」
「わかりました」
俺が右に歩くと籠手をつけた男があわせるように歩く。あちらも、あの男が俺とやる気のようだ。
俺が飛び込もうとすると、籠手の宝玉が輝き始め、
「『
男の叫びと共に光が弾け飛ぶと、そこには
くそ!
俺は口には出さずに愚痴ると、男が一直線に突っ込んでくる!男はその勢いのまま拳を放ってくるが、俺はスウェーしてそれを避ける。
次に上段回し蹴りをしてきたが、態勢を低くしてそれを避け、無防備な膝の裏を斬りつける!
「がっ!」
膝を斬られ態勢を崩した瞬間、今度は鎧が薄い肩の付け根に刃を突きつける!
男は刺された勢いで両膝をつき、兜越しに俺を睨んでくる。俺はまっすぐ睨み返しながら右手を剣から離して直刀を生成、そして、
「恨みたけりゃ恨め」
直刀で首をはね飛ばした。どんなに鎧が堅くても、必ず装甲が薄い部分がある。そこをついてやれば、生身でも鎧装着型の
ロスヴァイセの方に目をやれば、そちらも終わった様子で息を吐いていた。
俺は懐からタバコを取り出して火をつける。
久しぶりに紫煙を吐き出し、睨んできているロスヴァイセに言う。
「たまには一服させてくれ。最近吸ってないんだからさ。昼に愚痴に付き合ってやっただろ?」
「ぐぬぬぬぬ!それを言われてしまうと、わかりました!今回は見逃します!」
「ありがとよ」
俺は礼を言いながら紫煙を吐き出し、ちらりとロスヴァイセの胸に目をやる。意外とあるんだな。セラよりも大きいか?
俺はそんなことを考えた途端、再び無性に胸が触りたくなってきてしまった!だが、この場にいる女はロスヴァイセだけ、触れるわけがない!
俺は自分を落ち着かせるように再び紫煙を吐き出すが、全然落ち着かねぇ!
俺はタバコを携帯灰皿に押し込むと大股でロスヴァイセに歩み寄り、両肩に手を置く。
「え?ど、どうしたんですか?」
ロスヴァイセが顔を赤くしながら慌てるように言ってきたが、それを無視して、
「ロスヴァイセ、悪い。もう我慢できん!」
「え!?」
俺はロスヴァイセの鎧の隙間をすり抜けるように手を伸ばし、そのままおっぱいに触れる!うん!セラ以上に指が埋まるぞ!
俺はわしゃわしゃと五指を動かして、ロスヴァイセのおっぱいの感覚を堪能する。
驚愕して硬直していたロスヴァイセから時々漏れる甘い声がさらに俺を攻撃してくる!や、やばい、鼻血吹きそうだ……。
俺がそう思った瞬間、
「キャァァァァァァッ!」
ロスヴァイセの悲鳴と共に拳が放たれた!もちろんロスヴァイセのおっぱいを堪能していた俺は回避なんてできることはなく、
「くぼあぁぁぁぁぁっ!」
豪快に吹っ飛ばされた!だが、後悔はしていない!これは名誉の負傷だ!
一誠、おまえのおっぱいに対する思い、俺にもわかったぞ!
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