突然凄まじいオーラを放ち始めた一誠が叫ぶ!
英雄派のメンバーは何かを察して曹操の元に戻っていく。
「モードチェンジッ!『
一誠が足を踏ん張ると、肩から背中にかけてオーラが集まり、何かを形成していく。
形成されたのはバックパックとキャノン砲だった。静かにだが、キャノン砲にオーラが集まっていく。
「なんだあれ、すげぇな………」
俺はぼそりと漏らす。あんなものをくらっちまったら、跡形もなく消し飛ぶぞ。
曹操もそれを察してか、額に汗を流している。そして、
「吹っ飛べェェェェェッ!ドラゴンブラスタァァァァァァァァッ!」
一誠のキャノン砲から極大の一発が放射された!足を踏ん張ったはずの一誠が少しずつ後ろに押され始めている!
その一発はまっすぐ英雄派の方に進んでいく。
「おもしれぇ、受けてやるぜ!」
ヘラクレスが前に立ちはだかり、一誠の一発を受け止めようとするが━━━。
「受けるなッ!避けろッ!」
曹操が叫びながら槍の石突きでヘラクレスを吹き飛ばす!同時に英雄派のメンバーは全員回避行動に移った。
的を失った一発は遥か彼方まで飛んでいき、空間全体を震わせる大爆発と共に町を吹き飛ばした!
なんてバカげた威力だよ!町が消し飛んだぞ!?
名前からして『
俺が思考をまとめる前に一誠が再び叫ぶ!
「モードチェンジ!『
一誠はドラゴンの翼を展開し、曹操に向けて突撃する!背中のブーストらしきものが増えており、速度がいつにも増して速いッ!
「まだだッ!装甲パージッ!」
一誠の叫びと共に鎧の各部が弾け飛んでいき、一気に軽装になった!そして速度はさらに上がる!
今度は防御を捨てた速度特化か!『
テンション上がりっぱなし俺を差し置いて、一誠は曹操に体当たりをかまし、そのまま飛び去っていく!
あいつ、急にパワーアップしやがったな。まぁ、喜ばしいことだ。そんで、『
「モードチェンジッ!『
一気に接近戦に突入した瞬間、一誠の鎧が肉厚なものに変わる。見るからに攻撃と防御特化、『
一誠は肉厚となった籠手で曹操を殴り付ける!凄まじい速度で曹操は地面に叩きつけられ、大量の粉塵が巻き起こる。
空中でも一瞬の攻防を終えた一誠はゆっくりと着地する。同時に鎧が元の状態に戻り、一誠は膝をついた。
パワーアップしたはいいが、加減ができていないな。そこは慣れとしか言えないかもしれないか。
血を流しながら立ち上がった曹操が、そんな一誠を見て言う。
「ルールを逸脱したキミだけの特性………。イリーガル・ムーブだな」
それを聞いて首をかしげる一誠。そのうち、専門用語を教えておかないとな。
「チェスの用語だ。不正な手、ようはズルだ」
「なるほど………。ん?どうした、ドライグ?」
俺の説明を聞いた一誠は、今度はドライグから話を聞いているようだ。
そして、ひとつ頷くと口元を笑ましながら言う。
「イリーガル・ムーブに、ポセイドン様が持っている槍、トリアンナか。いいね。じゃあ、こいつは
それっぽく名付ける一誠。それはそれとして、
「ア、アーシア、回復頼めるか?いい加減、血が足りなくなりそうだ………」
「は、はい!」
負傷した他のメンバーの回復完了を見計らってアーシアに声をかける。アーシアは少し慌てた様子で俺に回復のオーラを飛ばしてくれた。
それと同時に空間を振るわせる音が鳴り響く。空間が裂ける時特有の独特な音だ。
音の元を見上げれば、空間に穴が開きそうになっていた!
こ、これは、グレートレッドが出てきちまうのか!?これだと何のために頑張ったのかわからなくなるぞ!?
「始まったようだ」
曹操が血を拭いながら言う。やはりグレートレッドがここに来るのか!?
俺たちの困惑をよそに曹操が皮肉げに言う。
「あの魔方陣、そして今の赤龍帝の新しいパワーが呼び寄せたのかもしれないな」
「よし、『
ゲオルグが何かを口にしようとした時、疑問を感じたように空間の穴に目を向けた。
曹操もつられるようにそちらに目を向けて口を開く。
「これは、グレートレッドではない?この闘気………ッ!」
空間の裂け目から姿を現したのは、十数メートルほどの、蛇のような体のドラゴンだった!
ようやくか、待ちくたびれたぞ………。
俺はホッと息を吐き、曹操は驚愕するように叫んだ!
「━━『
増援の到着だ!まったく、来ないかと思ったぞ!もちろん増援は五大龍王の一角、
そこには小さな人影がひとつ。その人影は
その人影は高さなんてなかったかのように着地する。
「『妖』の気流、『覇』の気流。それらによって、この都に漂う
背丈は幼稚園の年長児ほどであり、全身に金色に輝く体毛を生やした猿のような妖怪だ。
その男性が
「久しい限りじゃい。聖槍のくそ坊主。でかくなったのぉ~」
曹操はそれを聞いて目を細めて笑った。
「これはこれは。闘戦勝仏殿。あなたが来られるとは」
「坊主、悪戯がすぎるぜ。せっかく天帝の使者としてやってたのに邪魔とはのぉ。神格化した英雄もいれば異形たちの『毒』になるやつもおる。のぅ、曹操」
「毒、ですか。あなたに称されるなら自慢できるものだ」
曹操が敬意を払っている。まぁ、相手が相手だから仕方ないか。
「ロイ先生、あのじいさんは?」
イッセーが聞いてきた。そういえば説明していなかったな。
「ヴァーリチームに美猴っていたろ?よくリアスと喧嘩する孫悟空の」
「はい」
「それの先々先々代って言えばいいのか?まあ、手っ取り早く言うと初代だ」
「てことは、あのじいさんが西遊記の!?」
「そういうことだな」
俺が解説を終えたところで初代孫悟空がこちらに声をかける。
「赤龍帝の坊や。よー頑張ったのぉ。悪魔の若造はもうちと頑張れぃ。まだ若いじゃろうが。ま、あとは儂とウーロンに任せい。ウーロン、お前は九尾を頼むぜぃ」
初代孫悟空の発言にとうのウーロンは、
『龍使いが荒いぜまったく!ただですら入るのに白龍皇の仲間の魔女っ子の力を借りたのによ!つーか!ヴリトラじゃねぇか!どれくらいぶりだ?』
なんか、イメージと違ってうるさいな。もっとタンニーンみたいなのを想像していた。
『変わらずだな』
ドライグが俺にも聞こえる声でそう言うってことは、昔からそうなんだろ。
「あとで色々と食わせてやる」
初代はそう言って煙管を吹かした。
『あとでたらふく食わせてもらうぞ!オラオラオラ!オイラは強ェェェぞ!』
文句を言いながらもやってくれるあたり流石だ。
「手っ取り早く曹操の子孫にお仕置きせんとなぁ」
初代が言った瞬間ジークフリートが飛び出した!
「お猿の大将!あの孫悟空なら相手にとって不足は━━」
「伸びよ、棒よ」
初代の呟きと共に持っていた伸びた棒が急激に伸びていき、そのままジークフリートを吹っ飛ばした!
ジークフリートを一発で瓦礫の中に。もう俺たちがやることはないな、この状況だと。
「儂にとっては不足じゃったようだの。若い魔剣使い」
いやはやまったく強いな。そこにウーロンの悲鳴が聞こえてくる。
『この狐強ぇぞ!おい!』
尻尾に捕まってるのか。そして相変わらずうるさい。
「気張れい」
嘆息しながら初代が言うが、
『オイラは龍王の中じゃ一番の若手なんだぞ!まだピチピチでい!』
「よく言うわな。その若手がいの一番に引退なんぞしおってからに。若さで乗り切れぃ」
『………わかったよ、がんばりたい!』
いいのか?そんなもんで。でも、まぁ、いいコンビだな。
そこでゲオルグが八坂姫を拘束していた魔方陣を解き、そのまま初代に手を向けた。目的を初代迎撃に変えたようだ。
「捕縛する霧よ!」
初代を霧が包むが、
「天道、雷鳴をもって龍のアギトへと括り通す。地へ這え」
初代が呪文と思われる言葉を呟き棒で地面を叩くと、一瞬にして霧が霧散した。言った通り、次元が違うな。
「まだまだあまいのぅ。そこの赤龍帝のように対話したらどうじゃ?」
さりげなく一誠を誉めたな。一誠もなんか嬉しそうだ。
「槍よ!」
今度は初代に聖槍が伸びてくるが、初代は指先だけでそれを止めた!
「鋭さはよし。じゃがそれだけじゃな」
曹操もそれを聞いて少し動揺してるな。
「曹操、ここまでにしよう。このままだと負ける」
ジークフリートが瓦礫から出てきて曹操に言う。
「退却だな。確かにこれ以上は」
曹操の一言に英雄派は反応して集合する。
「ここまでにしておくよ。では再び見えよう」
逃がすかよ!俺は直刀を生成しようとするが、一誠がオーラを溜めて籠手にキャノンを作りだす。
「いいぜ、坊や。手伝ってやるわい」
初代がイッセーの鎧を軽く叩く。するとイッセーからオーラが噴き出てきた。でもあれなら行けそうだな。だったら俺は手を出さないが、
「一誠、集中しろ!一発勝負だ!」
「はいッ!いくぜ、こいつは京都の土産だ!」
一誠の籠手のキャノンからオーラの弾丸を放つ!
「しゃらくせぇ!」
ヘラクレスが前に出て盾になろうとするが、
「曲がれぇぇ!」
一誠の叫びと共にオーラの弾丸がヘラクレスを避けるように曲がり曹操の顔面に直撃した!
「目が…赤龍帝ぇぇぇ!」
曹操が怒りに任せてこちらに槍を向けて何か唱え始める。
「槍よ!神を射貫く真なる聖槍よ!我が内に眠る覇王の理想を吸いあげ━━」
「曹操ストップだ!『
ジークフリートの言葉に曹操はある程度落ち着いたようだ。息を荒くする曹操に変わってジークフリートが続ける。
「退却だよ。外も限界だろう」
曹操が左目でイッセーを捉える。右目を駄目にしたな。
「わかっているさ。初代殿、ロイ殿、そして赤龍帝……否、兵藤一誠。ここいらで退却させてもらうよ」
俺は空気だな。まあ、別にいいか。
ある程度落ち着いた曹操は言う。
「兵藤一誠、強くなれ。ヴァーリよりも。そうしたら、この槍の真の力を見せてあげるよ」
それだけを言い残して奴らは、英雄派は消えた。一瞬目があった小次郎は、楽しそうに笑っていた。
英雄派は強い。特に曹操はその中でも強い以上に、なにか不気味な感じがした。
そして、小次郎。あいつは英雄派にいることに何か違和感を感じた。理由はわからないが、強い奴と戦いたいならヴァーリチームにいてもいいと思うんだが………。あいつにも何か別の目的が?
俺は珍しく敵の事情を考えていたが、すぐに次の問題解決のための手を考え始めるために、そこ思考を切り上げたのだった。
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