グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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Extra life04 ハルマゲドン再び 開会式編

ライザー立ち直り作戦を成功させてすぐのことだ。

俺━━ロイは一誠を探して走り回っていた。下校時間のせいでどこにいるのかわからん。校内にはいなかったから、いるとしたら外なんだよな。

 

「くそ………ッ!どこにいやがる」

 

俺はそう吐き捨てながら歩を進め、校舎の角から顔を出すと、目にアザゼルから書類を受け取ろうとしている一誠の姿が飛び込んできた!

俺は角から飛び出しながらナイフを生成、それを勢いよく投げつける!

 

「わっ!?」

 

一誠が書類を取ろうと伸ばしていた手を素早く引っ込め、驚愕の眼差しを俺に向けてきた。

ナイフはそのまま飛んでいくと奥の木に突き刺さり、ナ塵になって消えた。

俺は一誠に駆け寄りながら叫ぶ。

 

「アザゼルッ!一誠は俺たちの側だ!手を出すな!」

 

「そうだぞ!イッセーくんはこちら側の者だ!」

 

いつの間にか並走してきた紅髪の男性もそう叫んでいる。って、

 

「兄さん!?なにやってんだ!?」

 

驚愕する俺をよそにアザゼルは舌打ちをする。

 

「チッ!魔王様まで現れやがったか!さらばっ!」

 

アザゼルは悪役じみた捨てセリフを吐くと素早く撤収していく。まったく、引き際を見極めることに関してはプロなんだからよ!

俺と兄さんは一誠の横につき、同時に息を吐いた。

 

「………油断を隙もない男だ。危うく義弟(おとうと)を堕天使の選手にされるところだった」

 

「ったく。大事なことは先に伝えといてくれよ。昨日のうちに言えただろうが」

 

「まあまあ、そう言わないでくれ。サプライズというやつだよ」

 

俺の愚痴に兄さんが軽く返してくる。そのサプライズのせいで危うかったんだがな。

俺たちの突然の登場に驚いていた一誠が俺たちに訊く。

 

「あ、あの、ロイ先生、サーゼクス様。な、何事なのでしょうか?」

一誠の問いに俺と兄さんは頷きあい、

 

「そうだな。とりあえず、話はあとだ」

 

「うむ、リアスの眷属が集まったら説明しよう」

 

と、いうわけで、俺たちはリアスたちと合流して一誠の家に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『三大勢力の運動会━━━━ッ!?』

 

兵藤宅のゲストルームで、リアスたちは間抜けな声を出した。

説明した兄さんは優雅に紅茶を飲むと頷く。

 

「うむ。実は三大勢力での親睦会ということで、スポーツに興じようという話になったのだよ。それで、スポーツ大会ならぬ運動会を開催することになったのだ」

 

「アザゼルが一誠を誘ったのも、多分これのためだな。あいつ、やるからには絶対に勝ちたいんだろうよ」

 

俺がため息を吐きながら言う。こういう大事なことは、もっと早めに伝えておいて欲しかった。

 

「私もさっき天界から連絡が………」

 

転生天使であるイリナが挙手しながら言う。ギリギリ連絡は天界もかよ………。三大勢力の連絡網はどうなってるんだ?まあ、伝わっているならいいか。

俺はそんなことを思いながらリアスたちに言う。

 

「で、おまえらには悪魔側の選手として参加して欲しいんだ。これは大事な異文化交流だからな、俺たちにとっても悪い話じゃないと思うぜ?」

 

俺の発言にリアスたちは「おもしろそう」とかなんとか言っており、好印象の様子だ。毎回命懸けの戦いよりは、少しはマシなはずだ。

これで三大勢力の関係も強化されれば、少しは対テロリストへの動きも迅速になるかもな。

俺と兄さんはリアスに目を向ける。俺たちの視線を受けたリアスは立ち上がり、俺たちに言う。

 

「了解しましたわ。私たちでよろしければ喜んで参加させていただきます!」

 

やる気十分なようだ。

こうして、俺たちは三大勢力が開催する運動会に参加することになった。何事も起こらなければいいんだが………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運動会の花火の破裂音が聞こえる。

俺が来ているのは三大勢力が運動会に使う会場だ。もちらん、やるのはそんじょそこらの場所ではなく、レーティングゲームのフィールド技術を応用した広めの空間だ。

それにしても、イリナ以外の天使を見るのは久しぶりな気がするな。天使にいい思い出がない気もするが、今は気にしないことにする。

因みにだが、悪魔は赤、天使は白、堕天使は黒のジャージが支給されており、選手全員がそれに着替えて集合している。

俺はリアスたちと別れ、今は、

 

「こんなに集まると、やっぱり壮観ね☆」

 

「だな」

 

赤いジャージに身を包んだセラと歩いていた。ジャージ姿のセラも新鮮でいいもんだな。

俺はジャージの袖を肘程まで折りながらセラに言う。

 

「まさか、三大勢力がこんな形で争うことになるとはな。長生きするもんだ」

 

「ふふ、私の目標は達成なのかしらね?」

 

「これを続けられれば、達成って言えるんじゃないか?」

 

「それもそうね」

 

だいぶ昔に話したことを思い出しながら俺とセラが喋っていると、突然声をかけられた。

 

「レヴィアタン様、ロイ様、お久しぶりです」

 

声の主は高貴な雰囲気を放っている男性だ。頭の上には天使の輪が浮いている。

 

「あら、ミカエルちゃん。お久しぶり~」

 

「久しぶりだな、ミカエル。俺がジャックだった頃以来か?」

 

「はい、そのはずです」

 

天界のトップ、ミカエルだった。朗らかな笑みを浮かべている。

俺はタメ口で行かせてもらう。なんか、最近、相手にもよるが敬語を使うべきか悩むんだよな………。

そんな悩みを知らないミカエルは言う。

 

「今日はお互い、正々堂々と楽しみましょう」

 

「ええ、もちろんよ☆やるからには勝つけどね☆」

 

「ああ、やるからには勝ちたいな」

 

セラと俺が自信満々に返すと、ミカエルも変わらずの笑顔で頷いた。殺しあいにならないことを本当に祈る。

 

「ミカエル様ぁ。開会式が始まりそ━━━」

 

突然の声が途切れた。そちらに目を向ければ、ウェーブのかかったブロンドで、なんとなくおっとりした雰囲気の女性天使。って、こいつは………。

 

「ガブリエル………」

 

セラがジト目で睨みながら名前を口にした。曰く『最強の女天使』、曰く『天界一の美女』。そう、あのガブリエルだ。色々あって俺が胸にダイブしたあのヒト。意外と悪魔の中でも人気があると聞いたことがある。

ガブリエルはあの時のことをいまだに気にしているようで、俺と視線が合わないように目を泳がせながらゆっくりとミカエルの後ろに隠れた。

ミカエルは苦笑しながらも俺に謝る。

 

「申し訳ありません。ガブリエルはいまだにあの時のことを気にしているのです」

 

「いや、仕方ないって。俺も時々思いいたたたたたっ!」

 

俺の発言の途中で、セラが脇腹を全力でつねってくる!セラもその事を気にしているんだった!考えてみれば、セラがガブリエルをライバル視しているのは、そのせいもあるのかもしれないな!

俺は脇腹をつねられながら、流れる涙を抑えてガブリエルに声をかける。

 

「その、あの時は悪かったな。本当、うん」

 

 

「…………気にしていません」

 

……どこが?そんな上目遣いで顔を真っ赤にして胸を隠しながら言われても説得力が━━━。

 

「いたたたたたたたっ!」

 

ガブリエルに声をかけたせいなのか、再び力を込めてくるセラ。まったく、俺はセラ一筋なのによ!

俺の内心を知らないセラが固い笑顔で前の二人に言う。

 

「ミカエルちゃん、ガブリエル。そろそろ開会式でしょ?戻らなくていいの?」

 

セラの言葉にミカエルはあごに手をやり、失念している様子だ。

 

「そうですね。それではまた後程」

 

「それでは、また………」

 

ミカエルに続いてガブリエルもどこかに行ってしまった。それに合わせてセラも手を離してくれた。

俺は頬を擦りながらセラに言う。

 

「ったく、いきなり何するんだよ。痛いっての!」

 

「ロイが鼻の下伸ばしているからよ!もう!」

 

頬を膨らませてご立腹の様子だ。こうなると面倒なんだよな………。

俺は話題を切り替えるようにセラに言う。

 

「ほら、開会式だろ、さっさと行こうぜ?」

 

「話題をすり替えられた気がするけど、それもそうね、行きましょう」

 

セラが返事をすると、集合のアナウンスが流れ始める。いい加減行かないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開会式は無事に終わり、俺たちはそのまま応援スペースに移動する。

それにしても、さっきしおりを確認してみたが、妙に日本式だった気がするんだよな。ま、影響はされているんだろうが。

悪魔の応援スペースに到着すると、兄さんが前に出て演説をやろうとしていた。向こうから怒号やら「終末を彼らに!」とか聞こえているんだが、大丈夫だよな?

俺は心配をしながらも兄さんの言葉に耳を傾ける。

 

「天界もグリゴリも元気いっぱいのようだ。我々の負けぬように競い合おう。交流会といって手を抜いても失礼だ。━━━各々本気でやるように」

 

兄さんは爽やかな笑みで言葉を締める。

 

『ハルマゲドーンッ!』

 

兄さんの言葉に周りの悪魔たちが叫ぶ!掛け声からして、危険な匂いしかしないが、本当に大丈夫だよな!?

俺は嫌な予感を感じながら深く息を吐く。面倒事だけはゴメンだからな、そうならないことを切実に祈る。

 

 

 

 

 

 

 




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