グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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Extra life08 決戦 バトンリレー

三大勢力合同運動会もついに最終競技のバトンリレーとなった。

 

『各チーム選抜選手が各ポジションに待機しております。さぁ、長らく競い合ってきた運動会もついに最終競技となりました!』

 

アナウンスが今日最後というわけで、気力を振り絞って会場を盛り上げていく。得点も存外拮抗しており、このバトンリレーで勝敗が決まることだろう。

で、それはいいんだが………。

 

「何で俺がアンカーを任されるんだよ………」

 

「ま、お互い頑張ろうぜ」

 

いつの間にか俺が悪魔側のアンカーになってしまっていた。堕天使側のアンカーはアザゼルだ。

別にそれはいい。パン食い競争でも戦ったからな。で、本当の問題は、

 

「…………がんばりましょうね」

 

天使側のアンカーがガブリエルのことだ。相変わらず、顔を赤くしながら俺と視線が合わないようにしている。

まったく、面倒なことになりやがったな。

俺はその場で三回軽くジャンプをして、体の緊張をほぐす。負けた瞬間にまた説教はごめんだからな。

 

『さあ、最終決戦スタートです!』

 

俺の心配をよそにリレーがスタートした!それと同時に軽快なBGMが流れ始め、第一走者が飛びだしていく!悪魔側の第一走は木場だ。あいつの足ならぶっちぎりで行けるはずだ。

俺が安心していると、その木場に堕天使側の選手が光の槍を投げつける!木場は軽やかにそれを避けるが、いきなり何してやがるんだ!?

 

「アザゼル、あれはどうなんだ?」

 

「見えんなー」

 

俺の問いがはぐらかされた。まったく酷い総督だな!

それでもリレーは続き、第二走者にバトンが渡る。悪魔側の第二走者は一誠であり、既に鎧を纏っていた一誠は一気に飛びだす!

それに続くのが堕天使側の選手だ。特撮作品の悪役のような格好をした男、確かアルマロスだったか。どこからか取り出した斧を振り回しながら一誠を追いかけ回していく。

 

「あいつ、鎧脱げばいいのにな………」

 

「趣味は大事なものだ。覚えておいて損はないぞ」

 

俺の言葉にアザゼルが返す。趣味は大事だってことはわかるが、あそこまでやるか?

俺が首をかしげる中でバトンは第三走者に渡る。

悪魔側第三走者は兄さんだ。兄さんはバトンを受け取ると久しぶりに見る全力疾走を始める!相変わらず速ぇッ!

 

「娘の!朱乃の前で負けられのだ!」

 

「四大セラフ『神の炎』たるこのウリエルが魔王に負けるなど許されないのだッ!」

 

雷光を体にまとわせるバラキエルと、極大の聖なる炎を全身から迸らせるセラフのウリエルだ!二人の爆走は兄さんに負けていない!

と、兄さんが突っ込んでくるな!

俺はリードを開始して距離を稼ぎ始める。

 

「ロイ、頼んだぞ!」

 

「任せとけよ!」

 

俺は流れるような動きでバトンを受け取り、一気に加速していく!猛スピードでゴールを目指していると、背後から謎の気配を感じてそちらに目を向ける。

 

「こんな時のために完成させた秘密兵器じゃい!」

 

背後から猛追してくるアザゼル!その手には光と闇が入り交じった剣が握られている!

 

「てめぇらが散々煽った『閃光と(ブレイザー・)暗黒(シャイニング・)(オア)龍絶(・ダークネス・)(ブレード)』だッ!」

 

アザゼルはそう言ってその剣を振り回していく!一撃一撃がグラウンドを深く抉り取っていく!

俺が必死に逃げ回っていると、各陣営からの驚愕の声が届いた。

 

「なに!?完成していたのか!?」

 

「あれが噂に聞いた『閃光と(ブレイザー・)暗黒(シャイニング・)(オア)龍絶(・ダークネス・)(ブレード)』か!」

 

なんて聞いてる場合じゃなくなってきた!アザゼルがドンドン距離を詰めてきている!

俺は銃剣を取り出してアザゼルに射撃していく!が、アザゼルは放たれた弾丸を『閃光と(ブレイザー・)暗黒(シャイニング・)(オア)龍絶(・ダークネス・)(ブレード)』で弾いていく!

そして、ついにアザゼルの一撃が俺の間近に迫ってきた!俺はそれを避けるが、空振った一撃がグラウンドを大きく抉る!直撃はアウトだな!

 

「俺を殺す気か!?俺たち一応だが同業者で、これ運動会だろ!?」

 

「戦争じゃぁあああっ!悪魔と天使には負けん!俺がナンバーワンだ!」

 

くそっ!アザゼルのテンションがおかしなことになってやがる!張り切りすぎて思考が飛んじまったか!?

俺とアザゼルはゴールの数十メートル手前で対峙し、そのまま戦闘に突入してしまった!

 

『おーっと!アザゼル総督とロイ選手が対決だーっ!』

 

実況が煽ってきやがる!これじゃあ、退くに退けねぇじゃねぇかよ!

俺がアザゼルの一撃を放った避けると、奴は謎の迫力を放ちながら言う。

 

「ロイィィッ!おまえを倒してからゴールしてやるぅ!セラフォルーには後で謝っておくから問題ねぇ!」

 

「━━━ッ!セラの前で格好悪い姿は晒せねぇな!」

 

俺はそう返しながらアザゼルに斬りかかるが、しっかり受け止められる!もう、こいつムカつくのに地味に強いんだからよ!

俺とアザゼルがつばぜり合っていると、俺たちの横をガブリエルがそそくさと走っていってしまった。

俺は舌打ちをしてアザゼルを蹴り飛ばし、ガブリエルを追って走り出す。だが、地味に広げられた差が大きい!このままだと先にゴールされちまうか!

俺が焦っていると、

 

「ロイィィィィィッ!逃がさねぇぞぉぉぉぉぉッ!」

 

アザゼルが叫びながら俺に突っ込んでくる!そして俺に突きを放とうとしていた!

俺は素早く反転、銃剣をクロスしてその一撃を受け止める!すさまじい衝撃に襲われた俺は銃剣を明後日の方向に弾き飛ばされ、そのまま吹っ飛ばされていく。その方向にはガブリエル。………なんだこれ、デジャブ?嫌な予感しかしねぇんだが!?

俺は急いで勢いを殺そうとするが、もう遅すぎだ。今から勢いを殺してもガブリエルに激突しちまう!

 

「ガブリエルッ!避けてくれぇぇぇぇぇっ!」

 

「え?」

 

俺の叫びを受けたガブリエルは、足を止めてその場で振り向いてきた。あ、終わった…………。

俺は勢いのままガブリエルと激突。そのまま二人同時にゴールに突っ込んだのだった。

 

 

 

 

━━━━━

 

 

 

 

俺、兵藤一誠は走り終えて息を整えていた。グリゴリの幹部さんはまともなヒトがいないよ。アルマロスさんは横で「グリゴリィィィィィィィッ!」って叫びまくってたし。

それはそれとして、アザゼル先生に吹っ飛ばされたロイ先生がガブリエルさんにダイブしたんだけど………。当のお二人は砂塵に包まれて姿が見えなくなっているけどさ。

 

『あーっと!天使チームと悪魔チームがほぼ同時にゴールしたぞ!これはどちらが先にゴールしたのか、ビデオ判定に移らせてもらいます!』

 

そんな中、アナウンスが流れる。確かに、あの感じだとどっちが先かはわからないよな。

俺たちが結果を待っていると、砂塵が晴れていく。

 

『━━━ッ!』

 

砂塵が晴れた瞬間、会場が静寂に包まれた。俺たちの視界には、

 

「……………………」

 

「……………………」

 

ガブリエルさんの胸に手を埋めているロイ先生の姿が映った。

ガブリエルさんは顔を耳まで真っ赤にして動けなくなっており、羽が白黒に点滅していた。

つまり、ロイ先生は………!

 

『あの変態野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』

 

会場全体から放たれる怒号!それと同時に大量の光の槍や魔力弾などがロイ先生に殺到する!

ロイ先生は慌てながらもガブリエルさんをお姫様抱っこしてその場を退避した!先程までロイ先生がいた場所で大爆発が起こる!

会場の皆さんの怒りもその通りだろう!ロイ先生はガブリエルさんの胸、おっぱいを触ったのだから!羨まし……じゃなくてけしからん!

俺が怒りで拳を震わせていると、アナウンスが流れる。

 

『誰かあの野郎をぶん殴れ!最初に殴った奴のいる勢力が勝ちだ!』

 

「おい!?ちょっと、待━━━━」

 

『任せとけッ!』

 

 

アナウンスに会場の皆さんが応えてロイ先生に攻撃していく!何か聞こえた気がするけど気のせいだ!

俺は鎧のオーラを一層強くしてロイ先生に肉薄していく!

 

「ロイせんせぇぇぇぇぇいっ!一発殴らせてくださいッ!」

 

「ふざけんな!せめてガブリエルを避難させてくれよ!」

 

ロイ先生の発言と同時に攻撃が止んだ。ロイ先生は周囲を見渡してガブリエルさんをその場に降ろす。

ガブリエルさんは恥ずかしそうに顔を赤くして、おっぱいを隠すように腕をやりながら立ち上がり、少しずつロイ先生から離れていく。奥で待機していた女性天使に囲まれ、そこで皆さんに介抱されているようだ。

俺たちはそれを確認すると頷き合い、

 

『死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!』

 

一丸となってロイ先生に挑んでいく!ロイ先生は諦めたように息を吐いてその場を逃げ出した!

俺たちが追いかけようもしたその時、特大の氷の塊がロイ先生に降りそそいだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数秒後。

 

「クソッ!寄ってたかって俺をイジメやがって!」

 

「反省の色がないわね?もう一発行きましょうか?」

 

『いけいけ!』

 

「はっ!」

 

「ごふっ!」

 

縄で縛られたロイ先生がレヴィアタン様に殴られる。誰もレヴィアタン様を止めようとしない、むしろ煽っているぐらいだ。部長は額に手をやってため息を吐いていた。

あの氷の塊を落としたのはレヴィアタン様で、ロイ先生はそれを避けきれずに撃沈。そのままお縄となった。

一応、悪魔の勝ちでいいのかな?

俺はそんなことを思っていたが、ロイ先生を殴るレヴィアタン様を止めようとしたのか、サーゼクス様が声をかける。

 

「セラフォルー、その辺に━━━」

 

「サーゼクスちゃんは黙っていて!あの時はあの時、今は今なのよ!」

 

「どうしてこうなるんだよ………」

 

ロイ先生はそう言うとため息を吐く。ん?待てよ。

 

「サーゼクス様、戦争中に何かあったんですか?」

 

「ああ、知らないヒトもいるかもしれないね。ロイは戦争中にもガブリエルの胸にダイブしたんだよ。あの時はコカビエルに弾かれたんだ」

 

「なんで今言うんだよ!?」

 

ロイ先生が抗議するが、時すでに遅く、周りから殺気のこもった視線を送られていた。それを受けたロイ先生は縮こまる。

 

「とにかく、後は私がこってり絞っておくから、皆は閉会式に戻ってね☆」

 

レヴィアタン様の迫力ある笑みに、俺たちは頷くしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして、三大勢力の運動会は大きな問題を起こしながらも悪魔チームの優勝という形で閉会となった。終わる頃には各陣営のヒトたちの間には一体感が生まれ、勝敗関係なく満足げな様子だった。

 

「だ、誰か、た、助け━━━」

 

「あら、こんなところにいたのね。捕まえた☆」

 

何か聞こえた気がするけど無視をすることにした。

ちなみに、ガブリエル様はどうにか落ち着きを取り戻したようで堕天はしなかったそうだ。

後日、ロイ先生にガブリエルさんのおっぱいの触り心地を訊いてみたら、

 

「もうおっぱいはごめんだぁぁぁぁぁっ!」

 

と叫んで逃げられてしまった。レヴィアタン様に相当絞られたようだ。

完全に余談だが、この運動会は「来年も開催しよう」という話が進んでいるとかいないとか。

でも、できることならもっと平和的なものをお願いしたいです!

 

 

 

 

 

 




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