グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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学園祭のライオンハート
life01 ゲームに向けて


修学旅行、山ごもり、運動会と何とか無事に乗り切った俺━━ロイは文化祭に向けた職員会議に参加していた。

レイヴェルも無事に入学し、様子を見に行ったらしい一誠からは「大丈夫そうですよ」と言われたのでそう信じたい。

 

「パンフレットにですね━━━」

 

「それだとコストが━━━」

 

「しかし━━━」

 

この学園、意外と外国からの生徒が多いため、その親族に向けたパンフレットをどうするかを話し合っているのだ。日本語は難しいからな。

俺がどうするか悩んでいる表情をしていると、突然アザゼルが立ち上がって露骨にだるそうな声音で言う。

 

「少し体調が優れないので抜けさせてもらいます」

 

「え、ああ、無理をなさらずに………」

 

アザゼルの言葉を()に受けてしまった教師の言葉を聞いて、アザゼルは「ご心配、ありがとうございます」と言って部屋を出ていく。あの野郎、マジでどっかに行きやがったぞ。

俺はチラリとロスヴァイセに目を向けて頷き合う。仕方ない、面倒だがあいつの分も頑張りますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

明くる日のこと。

リアスが一誠を連れてシトリー領の病院に行ってしまった。理由はある女性へのお見舞いだ。

その女性というのはミスラ・バアルという方で、サイラオーグの母親だ。

ある程度の話は任務から戻って聞かされたが、なかなか酷いものだった。

まず、俺たち兄妹が持つ『滅びの魔力』はそもそもバアル家の特色ということ。俺たちは母親であるヴェネラナ・グレモリー(旧姓バアル)から継いだのだ。

次に、バアル家の次期当主であるサイラオーグにはそれが継がれなかったこと。もっというと魔力も無いに等しいそうだ。

血と才能を重んじるバアル家の者たちはそんなサイラオーグと彼を産んだミスラさんを面汚しと蔑んだ。結果、二人はバアル領の片田舎に移り住んだそうだ。バアル家的には、そんな一族の面汚しの二人を外に出したかなっかんだろう。

それでも二人は、自分たち慕ってくれる一部の者たちと支えあって生活していたらしいが、ミスラさんがある病気にかかってしまったのだ。深い眠りにつき、やがて衰弱死してしまうという不治の病。

サイラオーグはそんな母親を心配しつつも止まることはなく、鍛えぬいた心と体で滅びを受け継いだ腹違いの弟を倒し、次期当主まで上り詰めたのだ。

それを知って一誠がどう思うかはわからないが、試合に影響しなければいいんだが………。てか、大切な時にいないな、俺。いれば何かしてやれたかもしれない。連れ出すのは慣れているからな。まあ、それはそれで大問題になっていただろうが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次は日のこと。

俺はリアスたちがよく使う床と天井、壁の全てが白い練習フィールドに来ていた。

 

「はぁっ!」

 

「甘いッ!」

 

一誠のブローを避けて魔力を込めた蹴りを放つ!鎧の堅い感覚だけが足を伝ってくる。この鎧、堅くなってきている気がするな。

「おらぁっ!」

 

「うるせぇッ!」

 

かけ声を共に放たれた蹴りを避け、滅びの直刀で斬りかかり、鎧に傷をつける。

一誠は後ろに飛び退いて火炎を吐いてきた!滅びの直刀を大剣に変えてオーラを飛ばして相殺、その瞬間に一誠が突っ込んでくる!

俺はその場から真上に跳躍して一誠のタックルを避け、直刀を投げつける!一誠は素早くドラゴンショットを撃ちそれを撃墜してみせた。

俺はゆっくりと着地し、一誠に言う。

 

「だいぶいい動きになってきたな。鎧のオーラもだいぶ安定してきているように見える。例のモードチェンジはしないのか?」

 

「やってもあなたには意味ないでしょ!」

 

「オーラが安定したと言ったが動きは読めるからな。モードチェンジしたら、その動きを余計に気にするだけだ」

 

「ですよね………」

 

モードチェンジしても、鎧を纏っていれば動きを読める。たいして問題はないはずだ。

俺は息を吐いて次の相手に声をかける。

 

「よし、木場。おまえの番だ」

 

「はい」

 

木場が聖魔剣を創りだして構える。俺としては、木場との模擬戦の方がやってる気になる。

俺が構えを作った矢先、木場が高速で動き出してフェイント混ぜながら俺を翻弄してくる!右に行ったり左に行ったり器用なやつだな。

俺はなんて事を思いながら背後から迫ってきた刃を直刀を背に回して受けとけ、そのまま弾く!

勢いよく反転して斬りかかり、木場とのつばぜり合いに持っていく!

 

「おまえは速いが力不足だ!今さらどうにかしろとは言わないが、こうなった時の対処法を考えとけ!」

 

「くっ!」

 

一気に木場を押しきって斬りにいくが、木場は持ち前のスピードでそれを避ける。俺はその木場を追撃し、走りながら斬り合っていく!

木場のセンスと『騎士(ナイト)』との相性が相まって、模擬戦をやる(たび)(うま)くなっている!

俺が斬ろうとした瞬間に木場はその場を飛び退き、聖魔剣を聖剣に変えた。そしてその聖剣を地面に突き刺すと叫ぶ!

 

 

禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

それと同時に、木場の周辺の地面から、あいつをぐるりと囲むように聖剣が出現し、同時にドラゴンを模した兜を被った甲冑の姿をした何かも大量に生み出されていく。

俺はそれを見て呟く。

 

「『魔剣創造(ソード・バース)』じゃなく『聖剣(ブレード・)創造(ブラックスミス)』の禁手(バランス・ブレイカー)か」

 

「はい。亜種ですが、これが僕のもうひとつの禁手(バランス・ブレイカー)、『双覇の龍騎士団(グローリィ・ドラグ・トルーパー)』です」

 

「なるほど、おもしれぇ!」

 

俺は二刀流の構えを取り、騎士団との戦闘に備える。そして、

 

「行きますッ!」

 

「来いッ!」

 

木場の合図で騎士たちが一斉にこちらに殺到してくる!俺は手にしていた二刀をブーメランのように投げつけて隊列に穴を開けると素早く二刀を生成しなおして突撃する!

木場と同じ速度で斬りかかってくる騎士たちを斬り倒し、再び木場とつばぜり合いなった!その瞬間、まだ倒れていなかった騎士たちが背後から迫ってくる!

俺は木場と競り合う手の力を抜かずに翼を展開。そこに刃を生成して背後の騎士を迎撃していく!

さすがに読んでいなかったのか、木場は一瞬目を見開いた。その隙が命取りってな!

俺は一気に木場を押しきると足払いをかけて転倒させ、直刀の切っ先を突きつける。

 

「とりあえず、終わりでいいか?」

 

俺の問いに木場が頷くと、俺は直刀を消して木場に手を差し出す。木場はその手を取ったら立ち上がらせてやる。

 

「あの騎士団、速さは申し分ないが、技量がまだまだだな。数で押すならもっと必要になるぜ?」

 

「やはりそうですか」

 

「ああ。だが、自分を囮にして背後から攻めさせるのはいいと思うぜ。本人がやられたら終わりだけどな」

 

「…………」

 

俺の言葉に返す言葉が見つからないのか、それとも疲れたのか無言の木場。そんな木場の肩に手を置きながら言う。

 

「だが、何かしら使えるはずだ。色々と試してみろ」

 

「はい」

 

木場は頷くと、とりあえずの休憩時間になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一誠のモードチェンジは使いどころだな。間違えたら負けるぞ」

 

「そうなんですよね。消耗が大きすぎて………」

 

「連携は必須だな」

 

「そこに僕やゼノヴィアがいればフォローに入れるけど、ゲームのルールによってはそうはいかなくなるからね」

 

俺たちはあーだこーだ話していた。一誠の新しい力はすさまじいの一言だが、その分消耗も激しいそうだ。その穴をどう埋めるか、まだまだ課題は多い。

 

「まぁ、実戦なら俺もフォローに入れるが、今回は応援ぐらいしかできないからな」

 

俺たちが悩んでいると、俺たちのサポートをしてくれていたレイヴェルが言う。ちなみに、レイヴェルも兵藤宅に寝泊まりしている。

 

「あの、その砲撃特化の『僧侶(ビショップ)』ですが、譲渡の力を飛ばすことはできないのでしょうか?」

 

「「「………………………」」」

 

レイヴェルの言葉に俺たちは一瞬黙りこんでしまったが、

 

「「いいね!」」

 

「なるほど、それはおもしれぇな!」

 

三人して笑顔で返した。本当にできるかは別として、やはり第三者からの意見は新鮮でいいもんだな。

 

「それができたら戦略が広がるな。一気にラッシュもいけるし、相手への揺さぶりにもなる」

 

「そうですね。遠距離からの譲渡が可能なら、前衛が下がらずに戦闘を続けられます。もう少し練り込む必要がありますが、おもしろい試みです」

 

「おおおおおっ!すごい!これならチーム戦でも活躍できそうだ!レイヴェル、ありがとうな!」

 

テンションの上がった一誠からの礼に、レイヴェルは顔を赤くしながら「これぐらい当然です!」と返していた。

さて、それができるようになったとしても、

 

「後は特別ルールとか、フィールドの問題だな。使えても一対一の状況だと意味がない」

 

「そこは当日にならないとわかりませんからね」

 

「少なくとも長期戦にはならないだろう。会場はアガレス領の空中都市アグレアスだ。あそこはヒトが入るぞ」

 

「確かに、アグレアスは冥界でも人気の観光地ですからね」

 

木場が冷静に返してくる。レーティングゲームはあくまでエンターテイメントだ。ファンの呼び込むために会場が決まり、ルールが設定される。ルールによってはチーム戦ができなくなる可能性もある。

 

「リアス様とサイラオーグ様はプロ前置きの若手ではありますが、人気はプロと変わりはありません。今回の一戦も大きく注目されていますわ」

 

レイヴェルが付け加えてくれる。アグレアスなら、その人気に応えられるだろう。

俺はゲームに参加したこともなければ、じっくりと見たことがない。今度のんびり見てみるかな。

俺が横でなんて事を考えていると、一誠が言う。

 

「レイヴェル、いいアドバイスだったぜ。さっそく試して━━━」

 

「今日はここまでよ」

 

背後から聞き慣れた第三者の声。振り向けばそこにリアスがいた。

一誠はリアスの突然の登場に驚いていたが、次の言葉で別の驚きに変わる。

 

「明日は記者会見だもの。あまり練習ばかりしていると、明日酷い状態で記者の前に出ることになるわ」

 

「き、記者会見………ですか?」

 

「ええ」

 

一誠はリアスの返事に間抜けな表情になりながら、

 

「えええええええええっ!?」

 

驚愕の叫びを発した。報連相は大事だぞ、リアス。

俺はそう思いながら小さくため息を吐いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 




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