グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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life05 脅威の聖槍

「喰らえ……」

 

曹操の声を合図に、俺たちの横を何かが通りすぎた。

サマエルが舌を延ばしたのだ。狙いは俺たちは後方にいたオーフィス。

確認しようと振り返った瞬間、俺たちは絶句した。

サマエルの舌が、オーフィスを完全に包み込んでいたのだ………。

突然すぎて反応しきれなかったが、明らかにいいことにはならないよな!

 

「おい、オーフィス!返事しろ!」

 

それを察したイッセーが叫ぶが、オーフィスの反応がない。聞こえていないのか、返す余裕がないのか。できれば前者であって欲しいが………。

俺は滅びの直刀でオーフィスを包み込む塊に斬りかかる!

━━━が、逆に塊に触れた直刀が消失し、刀身が半分以上なくなった直刀だけが手元に残った。

 

「何がどうなってやがる!手応えがなかったぞ!?」

 

俺が吐き捨てると、木場が塊ではなく、サマエルから伸びる舌に斬りかかるが、結果は同じだった。

攻撃そのものを消し去っていやがるのか?

俺たちが対応に困っていると、

 

Half(ハーフ) Dimension(ディメンション)!』

 

ヴァーリが背中の光翼━━『白龍皇の(ディバイン・)光翼(ディバイディング)』を出現させると、音声と共にヴァーリの周囲が歪んでいき、あらゆるものが半分になっていく。

イッセーたちから聞いた『物を半分にする』能力だろう。木とかに使えば長さが半分になるって能力らしいのだが、サマエルの舌にも黒い塊にも効果が見られない。

 

「これならどうだ?」

 

ヴァーリは効果無しと見ると魔力攻撃に切り替えて攻撃していくが、こちらも効いてない。

これは固いとかじゃなくて、攻撃自体が通っていない感じだな。

 

ゴクンゴクン…………。

 

不気味な音を立てながら塊に繋がる舌が盛り上がり、サマエルの口元に運ばれていく。見た感じ、オーフィスから何かを吸いだしているのか?曹操も「喰らえ」なんて言っていたしな。

それを見たイッセーは鎧を纏い、塊に殴りかかろうとする!

 

「イッセー、よせ!言っただろうが!こいつは最凶の龍殺し(ドラゴンスレイヤー)だ!おまえが触ったらどうなるか、おまえでもわかるだろ!?」

 

俺の制止の声にイッセーが叫ぶ。

 

「そんなこと言ったって、オーフィスを助けないと大変なことになるんでしょう!?」

 

イッセーの横からゼノヴィアが飛び出し、デュランダルのオーラをサマエルに向けて放つ!が、それを予期していたように、曹操が余裕で振り払った。

 

「開幕からいい攻撃をしてくれるが、二度はいかないさ」

 

チッチッと指を横に振る曹操。

まぁ、初見殺しは一度までだよな。タイミングは悪くなかったが………。

ヴァーリも白い閃光と共に鎧を纏う。

 

「相手はサマエルか。その上、上位神滅具(ロンギヌス)所有者が二人。不足はない」

 

ヴァーリの一言に黒歌とルフェイも戦闘の構えをとる。

俺たちもそれに倣うように戦闘態勢を整え、アザゼルもファーブニルの黄金の鎧を身に纏った。

舌にも塊にも攻撃ができねぇなら、本体をやるしかねぇ!オーフィスを奪われるのは危険すぎる!

 

「レイヴェルは下がっててくれ。大事な客分だ、死なせるわけにはいかない」

 

俺の頼みにレイヴェルは頷き、後方に下がってくれた。ここで死なせたら、俺もヴィンセントに会わせる顔がねぇ。

その後、改めて俺たちが戦闘態勢を取ったのを見て、曹操は笑っていた。

 

「このメンバーだと本気でいかなければ危ないな。ハーデスからは一度しかサマエルの許可は貰っていないんだ。ここで決めれないと、計画が頓挫する。ゲオルグ!サマエルの制御を頼む。俺がこいつらの相手をする」

 

ゲオルグはサマエルの制御をしながら言う。

 

「一人でやれるのか?」

 

「やってみるよ。できなければこの槍を持つ資格なんてないにも等しい」

 

そう言った瞬間、曹操の聖槍が光を放つ。

 

禁手化(バランス・ブレイク)

 

曹操が呟いた瞬間、神々しく輝く輪後光が曹操の背後に現れ、曹操を囲むようにボウリングの球ほどの大きさの七つの球体が空中に出現した。

静かな禁手化(バランス・ブレイク)だった。イッセーとかヴァーリのはオーラが弾けて鎧を纏うのに対し、こいつのは静かでいて、槍も大きく変化しないシンプルなものだ。

曹操が一歩前に出ると球体も合わせて動く。

 

「これが俺の『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』の禁手(バランス・ブレイカー)、『極夜なる(ポーラナイト・)天輪聖王の輝廻槍(ロンギヌス・チャクラヴァルテイン)』だ。と言っても未完成だけどね」

 

それを聞いてアザぜルが叫ぶ。

 

「亜種か!その聖槍の禁手(バランス・ブレイカー)は『真冥(トゥルー・)白夜の聖槍(ロンギヌス・ゲッターデメルング)』だったはずだ!くれったれが!あの七つの球体は俺にもわからん!」

 

なんだと!?あいつも亜種なのか!?面倒だな、これは………!

するとヴァーリが口を開く。

 

「気をつけろ。あの禁手(バランス・ブレイカー)は『七宝』と呼ばれる力を有していて、一つ一つに別の能力が付加されている」

 

それを聞いてイッセーが困惑気味に応える。

 

「七つ!?二つとか三つじゃなくてか!?」

 

「ああ、七つだ。と言っても俺も三つしか知らないがな。一応言っておくか、『攻撃力重視』と『浮遊能力』、それと『分身を作る』ものだ」

 

「とりあえず、それがわかれば何とかやれなくはないか。他の四つは、わかってからじゃなきゃ何とも言えないがな」

 

ヴァーリの情報に感謝しながら俺が返す。

何もわからないじゃ、余計にキツかっただろうからな。

すると曹操が手を前に突き出した。一つの球体が反応し曹操の手の前に移動する。

 

「七宝が一つ。輪宝(チャッカラタナ)

 

曹操が呟いたとき、球体が消えた!いや、これは………!

 

「ゼノヴィア!避けろ!」

 

「━━━━ッ!?」

 

俺の叫びにゼノヴィアは驚愕しながらも回避しようとすると、

 

ガシャンッ!

 

凄まじい破壊音がロビーに響き渡る。ゼノヴィアのエクス・デュランダルが破壊されたのだ!

あの球体、一撃でエクス・デュランダルを破壊しやがった!?そして、

 

「ごぶっ」

 

同時にゼノヴィアの腹を貫きやがった!ゼノヴィアが大量の血を流しながら崩れ落ちる。

くそ!あの速度で来るとなると、どうにもならねぇな!

曹操が球体を手元に戻しながら言う。

 

「まずは一つ。それの持つ能力は武器破壊。これに逆らえるのは相当の手練れのみだ。ついでに腹を貫いておいた。今のが見えないようだと、俺には勝てないな」

 

俺たちはその言葉を聞き、散開した。

 

「アーシア!ゼノヴィアの回復を!速く!」

 

リアスの指示を聞いたアーシアはハッとして、ゼノヴィアに駆け寄った。

その瞬間、イッセーと木場が曹操に飛びかかっていく!

くそ!仲間やられたからって焦りすぎだよまったく!

二人の攻撃を軽々とさばいた曹操は再び球体を手元に寄せた。

 

女宝(イッティラタナ)

 

その球体はリアスと朱乃、そして俺のほうに向かっていく。俺は二人のカバーに入るために前に出て球体に攻撃しようとした瞬間、

 

「弾けろ!」

 

曹操の言葉に反応した球体は輝きを発し、俺たち三人を包み込む。

 

「くっ!」

 

「こんなもので!」

 

「しゃらくせぇ!」

 

俺たちは攻撃を放つが、俺はすぐに違和感を覚えた。俺しか攻撃してないのだ。

その攻撃も球体に避けられているわけだが、リアスと朱乃は何で攻撃しなかったんだ?

俺が疑問と共に振り向くと、二人とも自分の手を怪訝に見ているだけだ。二人は手を突き出すが何も出ない。まさか………!

 

「それの能力は女性が持つ異能を一定時間封じる。これも相当の手練れでなければ逆らえない。これで三人」

 

それを聞いて俺たちは驚いた!何だその能力は!冗談キツイぞ!?てか何で女性だけなんだ?じゃねぇ!今、アーシアにそれをされたら完全にアウトじゃねぇか!

曹操が突然高笑いをする。あの表情は、完全に戦いを楽しんでいるものだ。

 

「この限られた空間でサマエルとゲオルグを防衛しつつキミたち全員を倒す!最高難度のミッションだ!だが━━━」

 

曹操の言葉を遮るように黒歌とルフェイが手にオーラを集めていき、ゲオルグとサマエルのほうを狙う。

だが、そこにも曹操の球体が向かう。

 

「ちょこざいにゃん!」

 

黒歌が空いている手で球体を迎撃しようとしているが、

 

馬宝(アッサラタナ)、それは相手を任意の場所に転移させるものだ」

 

曹操の言葉と共に二人は転移させられてしまい、攻撃の矛先をゼノヴィアとアーシアのほうにずらされてしまった!今まさに放とうとしていた攻撃を、突然止めることなどできず、そのまま発射されてしまう!

 

「ふざけんな!『龍星の騎士(ウェルシュ・ソニックブースト・ナイト)』!」

 

イッセーがモードチェンジをしながら高速で飛び出し、どうにか間に入れたが、

 

ドドドドドドドォォォォォン!

 

爆発がイッセーを包み込んだ!

戦車(ルーク)』へのモードチェンジが間に合わなかったな。防御が低いままでくらったのか………。

二人の攻撃をもろにくらったイッセーは、血を吐いて倒れこむ。

曹操はそのイッセーを嘲笑するように見ていた。

 

「キミの弱点はわかりきっている。駒の変更にタイムラグがあることだ。そこをつけば、数手でキミを詰められるよ」

 

それを聞いたイッセーは、悔しそうに曹操を睨むことしかできない。ダメージが大きすぎる…………!

アーシアが回復しようとしているが、

 

「アーシア、回復は後でいい!ゼノヴィアを頼む」

 

「イッセーさん!しかし!」

 

そう言ってアーシアを止める。その瞬間、

 

「ヴァーリ!合わせろ!」

 

「俺は単独でやりたいんだがな………」

 

アザぜルが光の槍を構え、ヴァーリは魔力を拳に込め、曹操に打ち込んでいく!

 

「堕天使総督と白龍皇そして競演!これを御せれば俺はもっと高みを目指せるな!」

 

曹操はそれを嬉々として受け入れ全ての攻撃を避けていく。

こいつホントに人間なのか!?軽く超上の存在を越えてるじゃねぇかよ!

 

「鎧装着型の禁手(バランス・ブレイカー)の弱点は、オーラが迸りすぎることだ!そのオーラを注視すれば、どこから攻撃が来るか把握できる!」

 

二人の攻撃を避けながら解説をしてくる。俺もできるが、あんな二人同時は無理だぞ!?それを喋りながらとか、あいつ、ずいぶん余裕じゃねぇか!

 

邪視(イーヴィル・アイ)をご存じかな?眼に宿る力のことだ!俺は失った眼にそれを移植してね!」

 

そう言うと曹操が視線を下に向けた。その瞬間、アザぜルの足元が石化していく。

 

「メデューサの眼か!」

 

見たものを石に変える能力を持ったモンスターの眼!代案ってのはあれのことか!また面倒なもんを移植しやがったな!

 

ドズン!

 

鈍い音と共に鎧を貫通した聖槍が、アザぜルの腹部に突き刺さった。

 

「ぐはっ!……なんだ、こいつの強さは!」

 

アザぜルは血を吐きながら崩れ落ちた。

 

「あなたの弱点はその人工神器(セイクリッド・ギア)にあなたの力を反映しきれていないことです」

 

「アザぜル!おのれ!曹操ォォォォォォォッ!」

 

ヴァーリが怒りながら極大の魔力の塊を撃ちだした!

そこに再び球体が飛来してくる。

 

珠宝(マニラタナ)、これの能力は攻撃を受け流すこと。どんなに強力な攻撃でも、受け流す術ならある」

 

曹操がそう言うと、ヴァーリの魔力弾が球体の前方に発生した渦に吸い込まれた。

すると今度は小猫の前方に渦が発生した!

曹操の言う通りならつまり…………ッ!

俺が反応し小猫の元に向かっていく!その間に渦からヴァーリの魔力弾が放たれてしまう!

 

「バカ、なんで避けないの!白音!」

 

黒歌が小猫の前に立ち盾になるが、

 

「やらせるかよ!」

 

その黒歌の前に俺が立ち、銃剣て魔力弾を叩き斬る!

ま、間に合ったか………。俺はホッと息を吐くが、右手の銃剣を落としてしまう。

 

「ね、姉様?」

 

「あ、危なかったにゃ~。って、大丈夫!?」

 

「だ、大丈夫だ………」

 

だらりと下がる右腕。まったく感覚がない。繋がっているだけまだマシか…………。

さすが、ヴァーリの一撃だ。重すぎる………。

なんで黒歌を助けようとしたのかは疑問だらけだが、今は………!

 

「予定外だったが、これでロイ殿も詰み………」

 

曹操が冷静に告げてくる。

 

「俺の攻撃で仲間をやろうとしてくれたな………ッ!」

 

ヴァーリは更に怒りでオーラが高まっていく!切っ掛けはアザぜルと黒歌ってところか。俺は完全にやられたがな。

 

「キミは仲間想いすぎる。そこにいる赤龍帝のようだ。二天龍もずいぶんヤワくなったものだ」

 

「では、これならどうだ!我、目覚めるは━━━」

 

ヴァーリの奴、『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を使うのか!?

それを察知した曹操が叫ぶ!

 

「ゲオルグ!今だ!」

 

「わかっている!サマエルよ!」

 

ゲオルグが魔方陣を展開させるとサマエルの右手の拘束具が外れ、自由になる!

 

『オオオオォォォォォン』

 

その叫びと共にサマエルの右手がヴァーリに向けられる!

その瞬間ヴァーリを何かが包み込んだ!まるでオーフィスを包み込んだ塊みたいだ。

 

『オオオオォォォォォン』

 

再びサマエルが叫ぶと黒い塊が弾け飛んだ!

 

「ゴハッ!」

 

その中からボロボロになったヴァーリが出てくる。そのままヴァーリは倒れこみ、立ち上がれなくなってしまう。

あの白龍皇をあっさりと………。サマエルをどうにかしないとどうにもならねぇが、それを曹操がさせてくれねぇだろうな。

俺が考えを巡らせていると曹操は息を吐いた。

 

「どうだ、ヴァーリ?神の毒の味は?ここで『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を使わせるわけにはいかないのでね、これでカンベンしてくれ。俺は弱っちぃ人間だから、弱点攻撃しかできないんだ」

 

「………曹操!」

 

憎々しげに曹操を睨むヴァーリ。

 

「オーフィスもサマエルには何もできない。サマエルはオーフィスにも効く。俺たちの読みは当たっていたということだ」

 

曹操は槍を肩でとんとんとやりながら言ってくる。

今もオーフィスを包む黒い塊。まだ何かを吸いだしている様子だ。

 

「これであと何人だ?木場祐斗、塔城小猫、ミカエルの天使、そしてルフェイと黒歌と言ったところか………」

 

俺以外はどうすればいいかわかっていない感じだが、片手じゃどうにもならねぇ………!

すると、アーシアが俺の元に駆け寄って来ようとするが、曹操がそれを見逃さずに球体を放とうとする!

その瞬間、木場が飛び出して曹操に斬り込んでいく!

聖槍で聖魔剣を受け止める曹操。

 

「あなたは強すぎる!しかし、一太刀入れたいのが剣士としての心情だ!」

 

「いい剣だ。将来ジークフリートにも届くだろう。相性だけで言えば、ロイ殿とキミが無難に俺と戦えるだろう。だが、成長途中の今のキミでは俺には勝てないさ」

 

曹操が言うと聖槍を凪ぎ払い、それを木場が避ける。木場ら聖魔剣を聖剣に変え、騎士団を出現させた。

 

「新しい禁手(バランス・ブレイカー)か!ぜひ見せてくれ!いいデータになる!」

 

曹操はそれを球体を縦横無尽に動かして迎え撃つ。まるで兄さんの滅びの球体みたいだ!

全ての騎士を破壊した曹操は嘆息する。

 

「━━━これ以上やる意味はないな。その禁手(バランス・ブレイカー)は弱点が多すぎる。だがいい技だ。高めるといい」

 

それを聞いた木場は怒りの形相になっていた。

今の言葉は仲間を守るために戦う奴にこれ以上ない屈辱になっただろう。だが、治った………。

 

「助かった、アーシア」

 

「は、はい!」

 

俺の殺気のこもった声に、アーシアは少し怯えながら頷く。

俺は落とした銃剣を拾い、すぐさま二刀流モードに変更、左の剣を逆手持ちに持ち替えながら曹操を睨みつける。

それを受けた曹操は再び笑む。

 

「やはり、あなたとも戦っておかなければなりませんね」

 

「ああ。おまえらは、ここで殺す…………!」

 

京都ぶりの感覚。ああ、ここまで仲間をやられて、こけにもされたんだ、キレねぇわけがねぇだろ…………!

 

 

 

 

 

 

 

 




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