東方幻憶変 ~Fantasy of Gaia Memory~ 作:秋塚翔
????「ようこそ我が紅魔館へ。歓迎するわ博麗霊夢、霧雨魔理沙」
深紅の扉を開け、屋敷の構造を無視した広い部屋に入ると、そこにある玉座に一人の翼の生えた少女が座っていた。
その部屋によって、より幼く見える少女はレミリア・スカーレット。紅魔館の主で幻想郷の最強格とも言うべき夜の眷属、吸血鬼である。レミリアはクスクスと笑いながら肘を突き、眺める様に霊夢達を見下ろしていた。
霊夢「やけに他人行儀ね……まるで初めて会った時みたいだわ」
レミリア「まさにそれを再現したのだから当然でしょう?初心に帰って戦かおうって言うちょっとした余興よ」
眼下の霊夢達を見ながら愉しそうに口角を上げて笑うレミリア。その雰囲気は、この紅い屋敷の主人に相応しい位にカリスマが滲み出ていた。
ちなみにレミリアの第一声に『私は眼中に無いんですか……』と端で呟く緑の巫女は放っておこう。
魔理沙「成る程。ならば私もその余興に乗ってやるぜ……やい吸血鬼!痛い目を見たくなかったら大人しくお前のガイアメモリを渡すんだな!」
レミリア「ええ良いわよ。但し普通に渡したんじゃ楽しくないわ……だから判ってるわね貴女達?」
ミニ八卦炉を構え、一歩前に出た魔理沙にレミリアは笑って問う。それに霊夢も一歩前に出て魔理沙と並ぶと答えた。
霊夢「長い前振りは良いから始めるなら始めるなさい。聞かずとも私の格好を見れば答えは判るでしょ?」
自身の切り札の記憶を取り入れ黒く染まった巫女装束を指して言う。それを見てレミリアは笑顔のまま立ち上がると、バサァッ!と翼を一振りはためかせた。
レミリア「野暮な問いだったわね。ならば私も見せてあげましょう……私と運命と言う鎖によって巡り会ったガイアメモリの力をね」スッ
そう言うと何処からともなく二本のメモリを取り出した。恐らく魔術の類いだろうか、手品の様に何も無かった手の上に乗っている。
そして、その起動ボタンを指で同時に押した。
《バット》!《クイーン》!
地球の囁きが部屋中に鳴り響くと、レミリアは手のスナップを利用してメモリを頭上に放り投げた。回転しながら舞う二本のメモリは持ち主の元へ帰るかの様に急旋回すると、まるで吸血鬼がキバを立てるが如くレミリアの両首筋に突き刺さった。
そして体内にメモリが吸収されると同時に何処からか蝙蝠が出現し、レミリアの全身を覆った。
「「「……!」」」
その状況に少なからず驚く霊夢達。そして間も無く蝙蝠からレミリアの手が現れて群がる蝙蝠達を一振りで払うと、その全貌が明らかとなった。
レミリア「フフフッ……まだ太陽は高いけど本気で殺すわよ?」バサッ!
ピンクがかった服は真紅に染まったドレスとなり、外見を大きく見せていた翼はより大きく広がり四枚に増えた。眼光は満月の光の様に輝き、頭にはルビーをあしらったティアラが被されていおり耳には紅い蝙蝠の翼を模したピアスが着けられている。
その容姿はまさに女王……バットクイーンレミリアが地に降り立った。
レミリア「さぁ、まずは開戦の狼煙に私の力を受けてみなさい?」
《バット》!
《マキシマムドライブ》!
霊夢「!?」ザッ!
魔理沙「なっ……いきなりかよ!?」
降り立つや否や右腰を叩いて蝙蝠の記憶の極限を発動させる。そして飛び上がると蝙蝠の様に逆さとなった。
レミリア「とくと味わいなさい……魔牙『ダークネスムーンブレイク』!」
そして右足に蝙蝠の翼を象ったエネルギーを展開すると霊夢達目掛けて急降下した。
ズドォォォォォンッ!!
早苗「きゃあっ!?」ドサッ!
魔理沙「うおッ!?」ブワッ!
霊夢「くっ!」ザザザッ!
滞空時間があったので余裕で直撃を避けれた霊夢達だったが、その威力に床が直撃を受けた衝撃が霊夢達を襲う。彼女達は着地点よりも更に遠くへ吹き飛ばされた様だ。
レミリア「ふぅ、やっぱり慣れてないと加減が難しいわね。判らずに使ってたら、すぐに終わってつまらなかったわ」
蹴りの一撃に窪んだ床から出てくるバットクイーンレミリア。その顔はカリスマに溢れた夜の帝王たる吸血鬼に相応しい笑みが浮かんでいた。
威圧感の増した姿と力に身震いする早苗と魔理沙。しかし幻想郷に住む彼女達はそれでも怖じ気付かず各々の武器を取り出して臨戦態勢に入る。
霊夢「……全く楽しい夜になりそうね」ジャキッ!
そんな中で一人、霊夢は皮肉に近い以前レミリアに対して言った台詞を再び口に出した。
バット=蝙蝠、クイーン=女王……蝙蝠で女王と言えばレミリアと言った感じでこの組み合わせです。
個人的には激戦アレンジのセプテットが似合う姿が思い浮かんだなと自負していたりします(笑)