東方幻憶変 ~Fantasy of Gaia Memory~   作:秋塚翔

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先に言っときますがこの物語のメモリや住人達の能力、コネクタの位置にオリジナリティがあるのでご了承ください。


第三話「Wの天人/黒き巫女は切り札の拳を振るう」

霊夢「はあぁぁぁぁぁッ!」

 

切り札の力を取り入れた黒い巫女装束の霊夢は、その赤い瞳で前を見据え、黒い装甲の着いた両手足を躍動させて混沌と化した天候の渦中へ飛び込んだ。

 

天子「なっ!?バカ……!」

 

それを見て慌てる天子。幾ら弾幕とは言え、まだ慣れていないメモリとスペカの合体弾幕の中に躊躇無く飛び込むのは自殺行為だ。そう思った天子は思わず良心を垣間見せ、天候同士をぶつけて威力を弱らせた。

しかし、それが霊夢の狙いだった。

 

霊夢「あら有り難う。道を開けてくれるなんて親切……ねッ!」ドカッ!

 

天子「! ぐうっ……!?」

 

ニヤリと笑った霊夢は、密度の薄まった渦中を驚異的な身体能力でグレイズすると中心部に居る天子へ籠手の着いた拳を叩き込んだ。

天子はその衝撃に仰け反り、同時に周囲を渦巻いていた天気の乱気流は消滅した。

 

早苗「あっ!?天子さんの弾幕がスペルブレイクした!」

 

魔理沙「凄いぜ霊夢!今の黒い霊夢なら勝機が見える!」

 

驚く早苗とコブを冷やすのも忘れて興奮する魔理沙。さながらそれは心綺楼の背景に居るギャラリーであった。

 

天子「ふふっ……流石だわ。今の私にダメージを与えるなんて相当強いメモリと出逢えた様ね?」

 

霊夢「ええ、本当運が良いわ。近くに竹林の嘘吐き兎でも居るのかしら」

 

余裕を持った面持ちながらも、先程の一撃が効いたのか少しよろけている天子。一方、相対する霊夢は普段の異変解決を生業とした博麗の巫女の眼光に戻っていた。

 

天子「ふふふっ、それよ。その目を待ってたわ。初めて戦った時に見たその眼前の障害を打ち倒すって決意に帯びた目を漸くしてくれたわね」

 

霊夢「そう言う目かどうか知らないけどアンタのお陰ね。お礼を言っとくわ」

 

天子「言葉の礼は要らないわ。私が欲しいのは明確な決着……貴女との勝負の結果よ博麗霊夢!ハアッ!」

 

そう言って突如いきり立った天子は雷撃を霊夢に撃ち込む。それを読んでいたかの様に霊夢はグレイズすると懐からスペカを取り出した。

 

霊夢「良いわ!なら決着と行きましょうか!『夢想天生』!」

 

宣言と同時に不透明な透明状態になり、弾幕が天子目掛けて射出される。博麗の巫女の奥義が容赦無く天子に被弾した。

 

天子「ぐっ……!?」

 

余りの衝撃に再度よろめく天子。ジョーカーによって身体能力を高められた霊夢は、霊力も上がってドーパントの強靭さを取り入れ通じない筈の天子にダメージを与えたのだ。

 

霊夢「さーてお片付けよ。決めるわ」

 

弾幕を中断し、地面に降りた霊夢はそう言うと右腰に手を伸ばし軽く叩く動作をした。

 

《ジョーカー》!

《マキシマムドライブ》!

 

切り札の記憶が極限を告げ、同時に霊夢の右拳が紫色のオーラを纏う。そして霊夢は高く飛び上がり天子目掛けて拳を打った。

 

霊夢「切符『ジョーカーパンチ』!」

 

ドガァァァンッ!

強い激突音が響き、天子の胸部に拳が炸裂する。打撃が胸を貫き背中を通り抜ける。

 

天子「つッ……!まだよ!こんな一撃で終わるなんてつまらないわ!もっと私に貴女の強さを見せ付けなさいッ!」

 

しかし天子は倒れない。幾度も復活を果たした天気の記憶の前所持者のしぶとさが移ったのか、踏み留まって眼前に竜巻を作り出した。

それを霊夢は表情を一つ変えず見ながら再度右腰を軽く叩いた。

 

《ジョーカー》!

《マキシマムドライブ》!

 

再び切り札の記憶が極限を叫ぶ。今度は右足が紫色のオーラに包まれ、霊夢は竜巻が塞がる真正面に突っ込んだ。

 

魔理沙「なっ!?待て霊夢!幾ら今のお前でも竜巻相手じゃ無茶だ!」

 

早苗「ダメです霊夢さん!魔理沙さんの二の舞になりますよ!?」

 

天子「さぁ来なさい!力押しでどちらが勝つのか勝負よ!」

 

制止しようとする魔理沙と早苗に、迎え撃つ天子。流石のジョーカーと言えどウェザーの竜巻を制する力は持ち合わせてない。ぶつかれば十中八九弾き飛ばされるだろう。

しかし霊夢は三人の予想を裏切った。

 

霊夢「」シュインッ!

 

「「「ッ!?」」」

 

零時間移動。いわゆる瞬間移動で竜巻の寸前で霊夢の姿は消え、突然の事に驚く天子の真後ろに現れた。

 

天子「ッ……!」

 

それに気付いた時は既に遅し。霊夢は右足を突き出して天子に蹴りを放った。

正義の名の元に戦う仮面のヒーロー達の象徴とも言うべきそれに似た蹴り技。その名も……

 

霊夢「切符『ジョーカーキック』!」

 

ズガァァァンッ!

凄まじい威力の蹴りが炸裂し、天子はとうとう耐え切れず吹き飛び地面に突っ伏した。

 

天子「ぐっ……がふっ!?」

ドカァァァァァンッ!!

 

そして一度は立ち上がる天子だったが、切り札の蹴りに耐えられず再び倒れ、何故か爆発した。

ウェザーメモリが排出され、元の配色に戻る。それを見た霊夢は右手の指を回し誰に聞かせるでも無く呟いた。

 

霊夢「……決まったわね」

 

 




ちなみに爆発の際に天子が恍惚な笑みを浮かべたとか浮かべなかったとか……
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