東方幻憶変 ~Fantasy of Gaia Memory~ 作:秋塚翔
霊夢「はあああああッ!」ドガァッ!
男「ぐっ……!?」ズザザザーッ!
サイクロンジョーカー霊夢の猛攻に風の騎士を圧し始める。幽体を生かして人間離れした剣技を繰り出す男だが霊夢に一撃も与えられない。
霊夢「これで決まりよ」パシッ!
《ジョーカー》!
《マキシマムドライブ》!
一瞬の隙を突き霊夢は切り札の極限を発動する。同時に突風が吹き霊夢の体が宙に浮き上がった。
男「うっ……!?」
霊夢「極蹴『ジョーカーエクストリーム』!」
ドガァァァァァンッ!!
そして男目掛けて両足蹴りを放つ。風を纏った急降下キックに男は防御をする余地も無く直撃し霧散した。幽体なのですぐ元に戻るが苦悶な表情を浮かべ倒れてしまう。
男「くっ……!流石だね。これでは僕の敗けを認めざるを得ない」ヨロッ
霊夢「そう。なら良かったわ」フゥ
何とか立ち上がる男は霊夢に向けて敗北宣言する。それを聞いて霊夢は一息吐いてメモリを抜いた。
男「君は子供じゃない……メモリを使える立派な大人だ。だから僕は敗けを認めて先に進むのを許すよ」
霊夢「アンタに認められずとも充分大人よ。外では二十歳以下は飲めないお酒をガブ飲みできるし」
男「ハハハッ、確かに大人だね……なら君はメモリを使う資格がある。これからも頑張るんだね」スゥーッ
霊夢「! アンタそれ……」
平然とした顔で言う霊夢に男は笑い掛ける。と、男の体が徐々に透け出している事に霊夢は気付いた。
男「ああ、どうやら丁度転生する順番が回ってきた様だ。残念だけど帰りは見送りできない様だね」
霊夢「そもそも良いわよそんなの」
そう言ってる内も男は透けていく。遂に消滅間近になった時、一吹きの風が男を撫でて男はフッと笑った。
男「ああ、幻想郷も良い風が吹く。生まれ出てくるならココと同じ良い風が吹いて彼らが居る僕の愛したあの街が良いなぁ……」フッ
そう呟いて男は消えた。最後に生前の記憶を呼び覚まして次なる生命となって生まれ変わる為に……
霊夢「…………」
初めて魂の輪廻転生を見たからか、或いは男……いや、園咲霧彦の本当の最期にジョーカーメモリの持ち主として何かを感化されたのか黙る霊夢。するとファングが寄ってきて尻尾を振った。
霊夢「ファング、良い子にしてた?終わったから行きましょうか」
ファング「ギャーオッ!」パタパタ
それに気付いて霊夢は手に乗せる。腕を伝って肩に乗ったファングを見届けると無言でその場を去る。心の中で男に今生の別れを告げて───
ドドドドドォォォンッ!
妖夢「神速剣『猴牙・猩々斬』!」
半霊「神速剣『捕縛・苦悶斬』!」
魔理沙「うおっと!?」ガキィンッ!
所変わり白玉楼。Rナスカ妖夢とナスカ半霊妖夢の高速連携攻撃に魔理沙は翻弄されていた。辛うじて防御できてるが攻撃できずにいる。
魔理沙(チィッ!二人に増えた上に赤い妖夢は速くて厄介だ!)
矢継ぎ早に襲い掛かる斬撃と弾幕を紙一重で捌き魔理沙は舌打ちする。再び危機に直面していた。
早苗「気を付けて魔理沙さん!」
魔理沙(もう充分気を付けてるぜ!だが今のまま慎重に戦えば負ける。どうすれば……っ!そうだ!)
心中で何かを思い付いたのか魔理沙は背後へ力一杯ブレードを振るう。するとギィンッ!と金属音を立ててナスカ半霊のブレードに当たった。
半霊「……ッ!?」グググッ
魔理沙「捕まえたぜ♪」ニヤリ
《エンジン》!
《マキシマムドライブ》!
ズバァァァンッ!
と間髪入れず動きを止めた半霊へとマキシマムの一刀両断を喰らわす。ブレードごとぶった斬られた半霊は元の姿に戻り倒れる。
妖夢「何ッ……!?」
早苗「妖夢さんの半霊を倒した!」
魔理沙「やはりな。お前と半霊とは同一存在でも完全に同調してない。幾らメモリの力を使えようと強度は影響を受けてないから弱いぜ」
ブレードを肩に乗せ魔理沙は笑う。対照的に妖夢は更に真剣な顔になり瞬間移動すると楼観剣を拾い上げて白楼剣と共に二刀流で構えた。
妖夢「やはり侮れませんね貴女は。ならば私も本気を出しましょう!」
魔理沙「! ま、まだあるのかよ?正直これで終わりにしてぇぜ……」
妖夢「」コオオオオオッ!
顔をひきつらせる魔理沙を無視して再び全身に力を込める妖夢。今度は黒いオーラが彼女を包んで染める。そして一言こう言った。
妖夢「 卍 解 」
魔理沙「なん……だと……?」
ドンッッッ!
同時に溢れ出す大量の黒いオーラ。それが収まると赤い装甲部分が黒く染め上げられた妖夢が姿を現した。
名付けるなら……レベル4ナスカ!
唐突なBLEACHネタ(笑)
『魂魄』が単語で登場しているので本当に何となく仕込みました。
鎧武でも斬月が出たのも理由です。
そして卍解は関係無くレベル4へと進化をしたナスカ妖夢。何故黒か?と言うと遊戯王5D(不動遊星が主人公)のダークシグナー編で登場したナスカの地上絵をモデルにした地縛神が黒いからです。