東方幻憶変 ~Fantasy of Gaia Memory~ 作:秋塚翔
霊夢「はあああああーッ!」ブォンッ!
依姫「ふっ!」ガキィンッ!
魔理沙「うおりゃあ!」ガキィンッ!
天子「無駄無駄無駄ァーッ!」カカッ
再び二対二で攻撃の応酬が始まる。ファングセイバーを展開して霊夢は剣を構える依姫と鍔迫り合いになりエンジンブレードを振るう魔理沙は攻撃を受ける天子と一方的な攻防で互角の戦いを繰り広げていた。
《ショルダーファング》!
霊夢「行きなさい!」ブンッ!
依姫「……っ!」ガキィンッ!
腰の部分から出た突起を二回叩いて今度は肩にファングセイバーを出しブーメランの様に飛ばす。辛うじて防ぐ依姫だがその隙に霊夢が間合いを詰めて再度突起を三回叩いた。
《ファング》!
《マキシマムドライブ》!
霊夢「牙突『夢想封印・零』!」
依姫「! ぐうッ!?」ズドオォォォッ!!
至近距離からセイバーを出した拳の突きが炸裂する。メモリ停止の技を使う余裕も無く刀身で受けた依姫はその威力に数m程吹き飛ばされた。
《エレクトリック》
魔理沙「痺れろドM変態天人!」
天子「あばばばばばッ♪」ビリビリッ!
こちらでもエンジンの効果で天子に攻撃を加える魔理沙。しかし彼女は電気マッサージをしているかの如く恍惚な笑みを浮かべ受けていた。
魔理沙「コイツ……真性のMだぜ。どんだけ痛みに強いんだよ」
天子「ハッハッハッ!私を倒すならチート並の攻撃で悶絶させる事ね!じゃなきゃ満足しないわ!」ダッ!
魔理沙「……ならそうしてやるぜ。気持ち良すぎて死ぬなよ!」
《スチーム》!
天子「うぷっ!?……目眩ましが何?そんなんで私は倒せないわ!」
何故かエンジンの能力・スチームで煙を撒き自分と天子を隠す魔理沙。だが視界が悪い中で天子は剣を振りより一層燃え上がった。
依姫「くっ……格好が多少変化して手強くなりましたね。油断をすれば反対に私が負けてしまいます」
霊夢「出来ればそう願いたいわね。神様を使ったら恐いし」
依姫「……ならば使いましょうか?今の貴女と私だと互角ですし」スッ
少々圧され気味の依姫。すると剣を正面に構えブツブツ何かを呟いた。
依姫「万物を照らす神々達の長よ。世界を輝かす火を貸し与えたまえ!降神『天照大御神』!」
《アポロン》!
《マキシマムドライブ》!
詠唱を終えると同時に右腰を叩いて太陽神を極限させる。すると刀身が赤く燃え上がり巨大な剣と化す。
依姫「火之迦具土神よ!我が御剣に神すら殺す愛宕の火を与えよ!」
ボワオオオオオウッ!!
更に火の神を降ろし一層炎の大剣を赤く燃え上がらせる。太陽神であるアポロン天照大御神に愛宕様の火を付加したその剣撃の名を───
依姫「陽炎『参神滅却衝焔剣』!」
ズドオオオオオンッ!!!!
霊夢「……っ!?」
途徹も無い火力の炎が霊夢目掛けて激しく邁進する。それを見た瞬間に喉や目や肌が水を欲する程で火焔が生き物の様に宙を飛ぶ。
このまま霊夢へ当たれば一堪り所か形を留めず灰になるかも知れない。だが霊夢は薄ら笑いを浮かべ───
ボワアアアアアッ!!
その炎を微動だにせず喰らった。
依姫「なっ……!?」ドビックリ
驚愕する依姫。弾幕に似せ避け易く撃ち込んだのに直撃した霊夢に……しかし驚きはそれで済まなかった。
バラッ
霊夢だった御札「」メラメラメラメラメラ
依姫「……!れ、霊夢の偽者!?」
そう、炎を受けたのは御札だった。攻撃し後ずらせた隙に偽者と代わり彼女の攻撃を受けさせたのだ。
ボオオオオオウッ!!
偽者である御札を燃やしたその炎は余りの手応えの無さに勢いを止めず更に直進する。そして直進した先で待っていたのは───
天子「ぷうっ!やっぱり煙が邪魔で見えやしn…………あんっ?」
───天子だった。
ボガアアアアアーーーンッ!!
天子「この痛みはまだ人類に早過ぎるうううゥゥゥゥゥーーーッ!?!?」
依姫「て、天子ィィィィィッ!?」
炎が天子へ直撃する。三柱の神様を合わせた火焔は頑丈なナイト天子を人間なら一瞬で灰だったろう威力でこんがりと焼いていく。
天子「がはッ……♪」ドサァッ!
そして炎が収まると真っ黒な天子が凄く恍惚な笑顔を浮かべて倒れた。傍らに排出したナイトメモリもありそれは彼女を倒した事を意味する。
霊夢「ふぅ……上手く行ったわね。見事に掛かってくれたわ」
依姫「!? れ、霊夢!」
と同時に霊夢が岩陰から姿を現す。その右横に魔理沙も並んだ。
魔理沙「計画通りだな霊夢♪煙幕で撹乱して依姫が最大の攻撃をしたら私が天子をそこへ誘導する作戦が。これで一人撃破だぜ」
依姫「な、何ですって……!?」
防御に特化したナイト天子と攻撃に特化したアポロン依姫。最強の盾と最強の矛たる二人は霊夢達にとって脅威だろう。だが最強の矛と盾……そう、矛盾であるが故に突破手段は実に単純明快だった。最強の互いをぶつかり合わせれば良いのである。今回は矛盾せず矛の勝ちだ。
霊夢「やっぱり持つべきは親友ね。アイコンタクトで判り合えるなんて私達も付き合い長いわ」パシンッ
魔理沙「当然だぜ。私が親友なのを感謝してくれよな♪」パシンッ
ハイタッチして成功を喜ぶ霊夢達。対する依姫は笑顔で気絶する天子を尻目に怒りを露にしていた。
依姫「良くも……良くも天子をッ!覚悟しなさい貴女達!」ジャキッ!
力を利用され親友を倒された依姫は再び剣を正面に構え詠唱する。
依姫「万物の祖となる宇宙神よ……我が身を借りその姿を現したまえ!降神『天之御中主神』!」
轟ッッッッッ!!
「「!?」」
天子「」ビクンビクンッ
唱え終わると依姫の雰囲気が変わり周りの空気が震え出す。大きな力にまるで世界が戦いている様だ。
依姫「ハアァァァァァッ……!」
魔理沙「おいおい、ラスボス登場は物語展開的にまだ早くないか?」
霊夢「メタそうな事を言わないの。確かにラスボスみたいだけど……」
ビリビリと伝わる威圧感に霊夢達は恐怖を感じる。このまま呆けてたら確実に先程の炎以上に消し炭になり一回休みでは済まない。
霊夢「魔理沙、切り札はある?」
魔理沙「藪から棒に他力本願かよ?あるが成功するかは半々だぜ」ピッ
当然霊夢に言われ魔理沙は苦笑して一枚のスペルカードを取り出した。それはにとりから貰った物で言わばアクセルカードである。
霊夢「今の私達で勝てないだろうし一か八かソイツを使うしか無いわ。失敗すれば仲良く三途の川行きね」
魔理沙「それは勘弁を願いたいな。変形『バイクフォーム』!」
カードを掲げて魔理沙は宣言した。すると仮面ライダーアクセルになりボディが変形していく。完了すると一台の赤いバイクへと変わった!
魔理沙「い、痛ぇ……これは何度も気軽に使えないな(汗)」
霊夢「面白い能力を持ってるわね。私もこう言うの使いたいわ」
バイクフォームに変化した魔理沙。その座席に用途が判るかの様に座りサイクロンメモリを取り出した。
《サイクロンジョーカー》!
ファングを抜きサイクロンを挿して緑と黒の装甲と銀のスカーフを着けバイクのハンドルを霊夢は捻った。エンジン音が重低で鳴り響く。
霊夢「さぁ、行くわよ魔理沙」グイッ
魔理沙「おう!二人で振り切るぜ!振り落とされんなよ!」ブォンッ!
依姫「これで最後よ!」シュバッ!
更に深くハンドルを捻ってタイヤに地を咬ませ駆け出す霊夢と魔理沙。根源神を降ろした依姫は剣を振るい最大の力で迎え撃つ。
《ジョーカー》!
《マキシマムドライブ》!
右腰を叩き切り札を極限する霊夢。そしてバイクを踏み台に飛び上がって両足を依姫へと向ける。
ガキィィィンッ!
依姫「……!?」ギリリリッ!
魔理沙「今だ霊夢!行けッ!」
そのまま直進した魔理沙が突撃して振るわんとする剣の動きを止める。次いで霊夢が蹴りを放った。
霊夢「連符『ジョーカーエクストリーム・ダブル』!」
依姫「! しまっ───」
ドガァァァァァンッ!!
加速された疾風と切り札のキックが防げる術の無い依姫へと炸裂する。寸前で魔理沙は変形を解いて回避し胸元へ喰らった依姫は吹っ飛ぶ。
依姫「~~~~~ッ……!」ガクッ
地に伏して尚起き上がろうとするがダメージに負け気を失う。と同時に掌からアポロンメモリが排出されてそれを見届けると霊夢達は腕を上げ勝ち名乗りをした───
早苗「ご無事ですかお二人共!」
少しして早苗が天界にやって来る。その頃には天子と依姫は目を覚まし今は座って談笑していた。
魔理沙「おう、遅かったな早苗」
霊夢「とっくに回収し終えたわよ。来て早々だけど帰るわ」
早苗「そんなぁ~……折角私の力をお見せしようとしたのに(泣)」
残念がり早苗はロックシードを外し変身を解除した。それを見た天子が興味深そうに様に覗き込む。
天子「ねぇ早苗?まさかそれ使って今の鎧を身に付けてたの?」
早苗「? ええ、そうですが」
すると不意に自分のポケットを探り赤いロックシードを早苗に見せた。
天子「それじゃあコイツも早苗の?アンタ達が来る前に拾ったけど」
早苗「っ!そ、それは!?」ドビックリ
それは妖夢から貰ったのと同じ様に仮面ライダーカブトが刻まれている赤色のロックシードだった。
魔理沙「何だコレ?南京錠か?」
早苗「……私のではありませんけど宜しければ頂けないでしょうか?」
天子「ええ、良いわよ。持ってても大した利用価値は無いからね」スッ
そう言いロックシードを渡す天子。ブレイドとカブト、何故あるのかは置いとき早苗は謎のロックシードを二つ手に入れたのであった。一方で霊夢は早苗の姿への質問を後にして依姫へ向き直る。
霊夢「それじゃあ早苗も来た事だしこれで私達は帰るとするわ」
依姫「はい、それではまた」
天子「また勝負しなさいよ二人共!今度は負けないからね!」
魔理沙「上等だ。次は私のマスパで悶絶させてやるから覚悟しろ♪」
天子「ええ、勿論よ♪」サムズアップ
無邪気な笑顔で親指を立てる天子。その心中は穢れまくりだ。
依姫「今回はこちらが負けましたが次はそう行かない。月の使者として勝たせていただきますよ?」
霊夢「はいはい、判ったわ」
自信満々に依姫は言う。負けず嫌いが天子との共通点かもしれない。
天子「それで次は何処に行くの?」
霊夢「取り敢えず永遠亭に行くわ。後回ししてちゃ終わらないし」
レミリアの運命通り永遠亭を避けて行く予定だった霊夢達。しかしそれでは埒が空かないと判断し行く事を決断した。
依姫「それでしたらレイセンが居るので私はもう暫く天界に居ると伝えておいてくれますか?」
魔理沙「おう、承ったぜ」
早苗「ではお二人共失礼します!」
こうして天界で二本のメモリを回収した霊夢達は次なる目的地、永遠亭のある迷いの竹林に向かって下界へ降りていった。その先に更なる強敵達が居る事を覚悟しながら───
更に新たなライダーロックシードを入手……これ、収拾着くかな(汗)
ちなみに天子と依姫が何故親友なのかは月人が穢れを嫌って天人は俗界から離れた穢れの無い存在なのでそこから馬が合い親友になったと言う個人的設定があります。