東方幻憶変 ~Fantasy of Gaia Memory~   作:秋塚翔

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何かこの辺で自分の考えうる限りの逆転劇を出し尽くした気がします。後々味気の無い戦いになりそうで怖い……(半泣)


第八話「⑨の妖精/奇跡は起こすもの」

「「はあぁぁぁぁぁッ!!」」

 

声を合わせて霊夢と魔理沙がチルノに突っ込む。迎え撃つチルノは大剣を振り上げ構えた。

 

魔理沙「魔符『ミルキーウェイ』!」

 

先手を掛ける魔理沙。星型の弾幕がチルノ目掛けて飛ぶ。それをチルノは冷気で凍てつかせる。

 

チルノ「うおりゃあーッ!」

 

続いてチルノが大剣を降り下ろす。刃先に向けられた霊夢は少ない動作で回避する。そして同時に封魔針を放つが同様にチルノは避けた。

そうした攻防戦が続くが、互いに決定打を見出だせずにいた。

 

チルノ「あぁもう!いい加減一発位当たりなさいよ面倒臭い!」

 

魔理沙「そりゃこっちの台詞だぜ。大分本気なんだぞ私達」

 

霊夢「ったく、面倒な位に強いわね……キリが無いわ」

 

やや疲れの色を見せる三人。こんな寒さで無ければ互いに汗だくになっている疲労感だろう。少なくとも常人ならそうである。

 

魔理沙「まさかチルノなんかにここまで苦戦するとはな……だが私にもプライドがあるんだ。いつも通り勝たせてもらうぜ!」

 

チルノ「アタイこそアンタ達二人にここまで張り合えるなんて思わなかったわ……だからこそアタイが最強と示すチャンスだから勝たせてもらうわよ!」

 

再び意気込んで武器を構える二人。一拍遅れ、霊夢も二人に続こうとしたその時……!

 

早苗「霊夢さん!これを!」ブンッ

 

地上に居た早苗から何かを投げられた。それを振り向いて反射的に掴み取る霊夢。そして手に収まったそれを見ると……

 

霊夢「! これは……」

 

それはガイアメモリだった。それも先程ルーミアが使っていた無の記憶を内包したゼロメモリだ。

早苗は霊夢に向かって叫ぶ。

 

早苗「これ位しか出来ませんが応援してます!頑張ってください!」

 

寒さに震える体を振り切って声援を掛ける早苗。それを見た霊夢は何を言う訳でも無く笑って魔理沙に目を向けた。

 

霊夢「魔理沙!チルノの引き付けは頼むわ!止めは私がやる!」

 

魔理沙「えっ?……おう、判った!」

 

一瞬怪訝な顔をした魔理沙だが、すぐに理解し了承する。同時に霊夢が手に持つメモリの起動ボタンを押した。

 

《ゼロ》!

 

無の記憶が囁かれる。そして霊夢はジョーカーを挿したコネクタにゼロを当てる。通常なら登録された使用者以外は使えないし、一人に複数本のメモリを挿すのは負担を考えて無理だろう。しかし……

 

その時、不思議な事が起こった。

 

早苗の「奇跡を起こす程度の能力」によりガイアメモリの常識が覆され、ゼロが霊夢の体内へ吸収されたのだ。

 

霊夢「……ふぅん、流石だわ早苗。まさに切り札って所ね」

 

だが霊夢の姿は黒い巫女装束のまま変わらない。しかし霊夢は感じていた。確かにみなぎる切り札と無が合わさったの力のたぎりを。

 

チルノ「それっ!凍符『パーフェクトフリーズ』!」

 

魔理沙「だったら私は……魔砲『ファイナルスパーク』!」

 

一方で魔理沙とチルノは通常スペカをぶつけ合った。

激しい激突音とフラッシュが霧の湖を包み込む。そして氷弾と光と熱の魔法が相殺し合い蒸気を発生させた。

 

チルノ「ッ!ま、魔理沙は何処!?」

 

蒸気で視界の悪くなった周辺を見回すチルノ。だが、その必要は無かった様で探していた相手が声を出し場所を知らせてくれた。

 

魔理沙「今だ霊夢ッ!」

 

しかしチルノの気はその言葉と共に別に逸れた。蒸気で囲まれた自分の周囲に気を配るチルノ。その時、背後から声が発せられた。

 

《ゼロ》!

《マキシマムドライブ》!

 

と同時に蒸気の陰から飛び出す腕。その腕はチルノの二の腕をガッチリと掴んだ。

 

チルノ「!?」ガクッ

 

突如脱力するチルノ。全身が力を奪われたかの様に動かず、突然の事にチルノは思わず困惑した。

どうやらゼロのマキシマムによって何処ぞの幻想殺し宜しく触れられた事で全身の力が無力化された様だ。

 

霊夢「悪いけど、これでアンタの氷は怖くないわ」

 

チルノ「霊夢……!」

 

左腕の主は当然霊夢だ。不敵な笑みを浮かべた霊夢は自らの右腰に右手を伸ばし叩いた。

 

《ジョーカー》!

《マキシマムドライブ》!

 

今度は切り札の力が極限を告げる。同時に霊夢の右拳に紫色のオーラが纏われ、切り札の力が込められる。

霊夢は拳を構えチルノを標的に定める。

 

霊夢「氷河期の時代はお仕舞いよ。私は暖かい方が好きなの」

 

チルノ「……ッ!」

 

霊夢「零符『ジョーカーゼロナックル』!」

 

ドゴォッッッ!

宣言と共に放たれる切り札の拳。その衝撃がチルノの鳩尾を貫き、背中へ形となって飛び出る。

 

チルノ「かはっ……!?」ポロッ

 

吐き出された酸素と共に舌から排出されたアイスエイジメモリが宙を舞う。チルノは元の姿に戻って拳による衝撃で意識を刈り取られた。

その過程が示す意味は一つ───

 

霊夢「アンタの最強を皆に示すのは当分先になっちゃったわね」

 

切り札を携えた黒い巫女と白黒魔法使いと奇跡を起こした蒼白の巫女の連携が生んだ勝利である。




もう早苗が居れば大丈夫なんじゃないかな?

本当は簡単な問題を出して考え込んだチルノの不意を突く、的な展開を予定してたんですが早苗が居る事も生かそうと思ったら不思議な事を起こしちゃった(汗)

奇跡って便利だなオイ。
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