学校のチャイムが鳴り響き、眠たげな目を擦る。授業は終わり、いつの間にか午後になっており、教室ではわいわいと学生達が騒いでる者、教室から出ていく者がちらちらと見え始め教室の騒がしさに、顔をしかめてもう1度眠りにつこうとする。
『マスター流石に寝すぎではないでしょうか?』
頭の中に声が響く。こいつは俺の能力で意思をもったAIだ。名はラビエルと言う。どうしてこんな人外じみた能力を持ってるかと言うと俺はいわゆる転生者と言うやつだ。
『
ラビ、頭に響くから少し落ち着け。そしてなんだ?
『親友のハジメさんが呼んでおります』
そこで俺が振り向くと、ハジメは助けを求めるような顔で俺を見ていた。南雲ハジメ。こいつは中学からの付き合いで親友だ。
「ナルミどうしよう!来ちゃうよ。」
「知らん、俺は眠いから寝る。あとは頑張れ」
そう言いつつナルミは眠りにつく。その後ろでハジメが
『マスター。外部から転移魔法陣がこの教室に干渉してきます。』
ラビがとんでもない事をさらっと報告した途端に、教室の床が光りだし魔法陣が現れた。その魔法陣は教室全体に広まり、光を放った。
光が放たれた後の教室には、誰もいなかった。
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両手で顔を庇い、目を閉じていたナルミはざわざわと騒ぐ無数の気配を感じてゆっくりと目を開いた。そして周囲を見渡す。
まず目に飛び込んできたのは巨大な壁画だった。縦横10メートルはありそうな壁画は神秘的な意味合いを覚えるようなものだった。
よくよく周囲を見てみると、自分達は巨大な広間にいるらしいと分かった。長く思考に陥っているとラビから説明された。
『マスター、ここは異世界のようです。データベースで調べる限りここはトータスという世界らしいです。魔力回路に異常はありません』
ラビからの説明を受けていると、見た目七十代くらいの老人が進み出てきて、外見に良く合う深みのある落ち着いた音声でナルミ達に話しかけた。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎しますぞ。私は聖教教会にて教呈の
地位のイシュタル・ランゴバルトと申す者。以後、宜しくお願いしますぞ」
そう言って、イシュタルと名乗った老人はこれからのことを話しだした
「なぁ、ハジメ。これテンプレ過ぎるよなぁ」
「そうだね。異世界召喚なんてラノベの中だけだと思ってたのに、実際にあってみると現実味が沸かないね」
「だよなぁ、どうせ魔王を倒してくださいとか人類のために救ってくださいとか戯言をぬかすんだろうな」
「ナルミ、そうなったら僕達どうなるんだろうね」
など、ハジメとこれからのことを話し合っていると、説明が終えたみたいだ。
要約すると、我々のために魔物を倒し救ってくださいだとか、元の世界には帰れないとか、迷惑極まりない事だった。