遊戯王―NEXT GX―   作:ZEROⅡ

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今回の話はなんだか…友情→ギャグ→ちょっとシリアス…みたいになっております。


そしていよいよ……オリキャラ投稿から選ばれたHINATA様のキャラをメインキャラとして登場させます!!


しかし今回デュエルは無しです。


オリキャラのデュエルはもう少し先へ伸ばします。


それでは、感想お待ちしております!!


新たな仲間とレイジの失態と……

 

 

 

 

 

レイジ達の単位が掛かった〝制裁デュエル〟は、レイジ達代表の凛の勝利で幕を閉じ、学園からの罰は反省文20枚で済んだのだった。

 

 

「けど驚いたよな、まさか凛のIQが200もあるなんてよ」

 

 

「らしいね。僕はそんな数字上の評価なんかには興味ないからどうでもいいけど」

 

 

「ははっ、凛らしいな」

 

 

その翌日、アカデミアの廊下を2人で歩きながらそんな会話をしているレイジと凛。

 

 

「それよりレイジ、もう体調の方は大丈夫なの?」

 

 

「おうよっ! 保健室で検査してもらったけど、先生が健康そのものだってさ。この調子で文化祭のデュエル大会を勝ち抜いてやるぜ!」

 

 

「気が早いね、文化祭は再来月だよ?」

 

 

「それほど楽しみってことさ! なにせ、俺と蓮の決着の場でもあるからな!!」

 

 

「ふーん……あの兄さんが、まさかレッド相手に決着の場を用意するなんて……よっぽど兄さんに気に入られたんだね、レイジは」

 

 

「? そうなのか?」

 

 

「そうなんだよ。兄さんはデュエルの腕が低ければ、ブルーの生徒でさえ相手にしないからね。そんな兄さんに一目置かれているレイジは凄いと思うよ」

 

 

「(蓮に一目置かれてんのは、お前も同じだけどな)」

 

 

レイジは苦笑しながら、内心でそう呟く。

 

 

「あ、そう言えばレイジ……あのカードのこと、何かわかった?」

 

 

凛の言う〝あのカード〟とは、レイジのデッキに突然出現した6枚もの白紙のシンクロモンスターカードのことである。

 

その問い掛けに対し、レイジは首を横に振る。

 

 

「なーんも。ダルクのカード以外は、未だに白紙のままだ。けどまぁ、俺にとっちゃ今はあのカードの事なんてどうでもいいんだけどな」

 

 

「え?」

 

 

「確かにあの6枚のシンクロモンスターカードが使えるようになったら、俺のデッキは大幅に進化できる。だけど、いつ絵柄が現れるかわからないカードより、俺は今の相棒達を信じてデュエルするだけさ」

 

 

屈託のない笑顔でそう言い切るレイジに、凛は一瞬呆気に取られたが、すぐに笑いを噴出す。

 

 

「ぷっ…ははっ……やっぱりレイジは面白いや」

 

 

「……前々から思ってたが、俺が面白いっつーのは一体どういう──」

 

 

レイジは凛の前に立ち、後ろ向きで歩きながらそう問いかけようとする。すると……

 

 

──ドンッ!

 

 

「うおっ!?」

 

 

「うわっ!?」

 

 

──バラバラバラ……

 

 

後ろ向きで歩いていたため、レイジは曲がり角から出てきた少年に気づかずにそのままぶつかってしまった。

 

そしてその拍子に、少年が持っていたカードが床に散らばってしまう。

 

 

「わりぃ! 余所見してた!」

 

 

それを見たレイジは即座に謝罪し、散らばったカードを拾い集め始める。

 

 

「いや、こちらこそ。カードを眺めるのに夢中で前を見ていなかった」

 

 

対する少年もそう謝罪しながら床のカードを拾い集める。

 

 

「よしっ……ほらよ、たぶんこれで全部だ」

 

 

「あぁ、ありがとう。うん、全部あるな」

 

 

カードを拾い集め終わると、レイジは拾ったカードをイエローの制服を着た少年へと手渡す。それを受け取った少年は、お礼を言いながら拾い忘れがないかを確認する。

 

 

「いや本当に悪かったな」

 

 

「気にしないでくれ、カードも無事だったことだしな」

 

 

レイジはもう一度少年に向かって謝罪し、少年は笑顔を浮かべながらそれを許す。

 

 

「……ん?」

 

 

すると、少年はレイジと、その隣にいた凛の顔をジッと見始める。

 

 

「君たちは……ひょっとしてレッドの神谷玲路と万丈目凛ではないか?」

 

 

「? そうだけど……お前は?」

 

 

「おっと、これは失敬。俺はラー・イエロー1年の『桐沢 奏太(きりさわかなた)』だ」

 

 

少年……奏太は軽く頭を下げながらそう名乗る。

 

 

「そっか。知ってるみたいだけど、俺は神谷玲路。で、こっちが万丈目凛だ」

 

 

それに対して、レイジも自己紹介をする。

 

 

「ところで、何で俺達のこと知ってんだ?」

 

 

「え? だってキミ達……正確には遊城千代とクリス・アンデルセンを加えた4人だが……学園では結構な有名人になっているんだぞ」

 

 

「有名人って……マジで?」

 

 

自分達が学園の有名人と言う言葉にレイジはポカンとしながら聞き返し、カナタは頷きながら答える。

 

 

「マジだ。遊城千代は入学試験でクロノス校長を破り……万丈目凛は先日の制裁デュエルで2年のブルーの生徒を倒し……キミとクリス・アンデルセンはこの間の月一試験で、誰もが認めるデュエルを繰り広げたじゃないか。正直、何故キミ達がレッドなのかと疑問に思うよ」

 

 

「いやーそこまで言われると……流石に照れるぜ」

 

 

そう言って困ったような表情をしながら後頭部を掻くレイジ。すると、今まで黙っていた凛が口を開く。

 

 

「あぁ、思い出したよ……桐沢奏太。確か入学試験での筆記をトップで合格して、この間の月一試験の筆記でも学年1位をもぎ取った、今年の1年の中でも有数の秀才だ」

 

 

「いやいや、キミ達に比べれば大した事はないさ」

 

 

「つーか凛、お前よく知ってんな?」

 

 

「言ったでしょ? 僕はこのアカデミアに在籍してる人達の個人情報はほとんど把握してるって」

 

 

レイジの質問にシレっと答える凛。

 

 

「はははっ、面白いなキミ達は。よければ、もう少し話をしたいのだが……」

 

 

「あぁ、いいぜ。場所はレッド寮の部屋でいいか? ちょっと狭めぇけど、茶ぁくらいなら出すぜ?」

 

 

「それはいい。ご相伴に預からせてもらうよ」

 

 

「んじゃ行こうぜ!」

 

 

レイジがそう言うと、3人はレッド寮に向かって歩き出したのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「だからさ、もしこの状況を切り抜けるとしたら、俺ならまずはこのカードを使って相手の主力モンスターを叩いて一気に流れをこっちに持っていくな」

 

 

「ふむ…確かに合理的だが、もし相手の場にカウンター罠などが伏せてあったらどうする? 確実に流れを持って行きたいのならば、このカードを採用した方がいい」

 

 

「……なるほど、確かにこのタイミングでこのカードを使えば確実に流れを持っていける上に、カードのデメリットがメリットにも変わるな。さすが秀才! 良い手だぜカナタ!」

 

 

「レイジこそ、カード効果の理解力と状況を見極める観察眼は中々のものだ」

 

 

「レイジ、カナタ、お茶入ったよ~」

 

 

「おっ、サンキュー」

 

 

「ありがとう、凛」

 

 

凛から湯飲みに入ったお茶を受け取って一息つくレイジとカナタ。

 

レッド寮にやって来てから約30分。その間に3人で繰り広げたカードの戦術談義経て、すでに3人はお互いを名前で呼ぶほどに意気投合した。

 

 

「いやー今日はいつもより勉強になったぜ。さすが秀才、カード知識が豊富だぜ。俺なんか手持ちのカードの効果しか知らねぇし……」

 

 

「僕は興味を持ったカード効果しか覚えてないからね。っていうか覚える気しない」

 

 

「はははっ! レイジから聞いていたが、本当に凛は変わった性格なんだな」

 

 

「よく言われるよ、言われたところで変えるつもりなんてないけど。けど変わってると言えばカナタも変わってるよね」

 

 

「俺が?」

 

 

「普通のイエロー生やブルー生なら、落ちこぼれのレッドにはまず関わろうとしないからね。基本的に僕達レッド生は見下されがちだから。その点で言えば、積極的に僕達に関わろうとしているカナタは結構な変わり者と言って良い」

 

 

「そうだな、確かに凛の言うことはもっともだ。だが俺は物事を自分の目で見て判断する性質(たち)でね。それに……友人を作るのに、寮だの何だのは関係ないだろ?」

 

 

カナタが笑みを浮かべながらそう言うと、レイジと凛は目を丸くする。そしてカナタに釣られるように、2人も笑みを浮かべた。

 

 

「ははっ! 同感だ!! 改めて、これから友達としてよろしく頼むぜ、カナタ!!」

 

 

「あぁ、こちらこそ!」

 

 

「レイジ程じゃないけど、カナタも中々面白いね」

 

 

「褒め言葉として、受け取っておこう」

 

 

そう言ってレイジと凛の2人はカナタと握手を交わす。

 

 

「よっしゃ! んじゃあカナタ! 友達の証として、俺とデュエルしようぜ!!」

 

 

「おもしろい! 望むところだ!!!」

 

 

レイジとカナタはお互いにデュエルディスクを構えて立ち上がる。

 

 

「──と、言いたいところだが……実は昨日からデッキを大幅に改良していてね、まだ完成していないんだ。だから今はデュエルは無理だ」

 

 

「だぁー!」

 

 

カナタの言葉を聞き、レイジはズッこける。

 

 

「んだよー! さっきまでの俺のやる気を返せ!!」

 

 

「ははっ、悪い悪い。だがデッキが完成したら、必ずレイジとデュエルすることを約束しよう」

 

 

「ったく……約束だぜ?」

 

 

「あぁ、約束だ」

 

 

そう言ってお互いに床に座りなおすレイジとカナタ。すると……

 

 

「ニャーン」

 

 

「ん? ネコ?」

 

 

「なんだ、アテムじゃねぇか」

 

 

「いつの間に入り込んだんだろう?」

 

 

突然聞こえてきた方を見てみると、そこにはいつの間にかネコのアテムがいた。

 

 

「このネコはレッド寮で飼っているネコなのか?」

 

 

「レッド寮っつーか、寮長の十代先生が実家から連れてきたネコで、よくこの寮をウロチョロしてるんだ」

 

 

「そうなのか。ふむ、中々可愛らしいヤツじゃないか」

 

 

「ニャーン!」

 

 

カナタに優しく撫でられ、嬉しそうな声を上げるアテム。

 

 

「お前、ネコ好きなのか?」

 

 

「ネコに限らず、動物は全般的に好きだぞ」

 

 

レイジの問いに答えながらも、アテムを撫でる手は止めないカナタ。

 

 

「っと、そうだ! アテムで思い出した!」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「いや、千代から借りてたノートを返すのをスッカリ忘れててさ。ちょっと今から返してくる」

 

 

レイジはそう言って立ち上がると、机の引き出しから1冊のノートを取り出して、急いで部屋から出て行った。

 

 

「千代とは、遊城千代君のことかい?」

 

 

「うん、ちょうどこの部屋の真下の部屋にいるんだ。クリスとも相部屋だよ」

 

 

「そうか。レイジが戻ってきたら、俺も挨拶に行くとしよう」

 

 

「ん…あれ? そう言えば千代ちゃんって、この時間帯は確か──」

 

 

部屋に残されたカナタと凛がそんな会話をしている事も知らずに、レイジは千代の部屋へと向かっていく。

 

そして部屋の前に着くと、ノックもせずにドアを開け放った。

 

 

「おーい千代! 借りてたノートを返しに……きた…ぞ……?」

 

 

「へ?」

 

 

部屋に入るとほぼ同時に硬直するレイジと、いきなりの事で呆然とする千代。

 

 

それもそのハズ……何故なら今の千代は、お風呂からあがったところなのか髪の毛は湿っており、その手には制服を持って、今まさに着直そうとしている状態……早い話が、下着姿なのである。

 

 

「………………」

 

 

「………………」

 

 

片や顔を段々と真っ青に染め、身体中から冷や汗を滝のようにダラダラと流し……片や対照的に爆発するのではないかと言うほど顔を真っ赤に染め、涙目で小刻みに震えている。

 

 

 

 

 

「すんまへん」

 

 

 

 

 

何故か関西弁で謝罪しながらドアをゆっくりパタンっと閉じるレイジ。

 

 

その直後……部屋からレッド寮全体に響き渡るほどの悲鳴が上がったのは言うまでもあるまい。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「もぉ!! もぉ!! もぉー!!! レイジ君のバカァーー!!!」

 

 

「いやもうホント!! 心の底からごめんなさい!!!」

 

 

顔を真っ赤にしながら怒鳴る千代と、床にデコをこすり付けてこれでもかと言うほどの土下座をして謝罪するレイジ。

 

そして少し離れた場所で、そんな2人の様子を凛とクリスは面白そうに眺め、カナタはアテムと戯れながら見守っている。

 

 

「いやーこの千代ちゃんは時間帯にはよくお風呂に入ってるからなるべく部屋に入らないようにって、この前クリスちゃんに注意されたのをレイジに伝えるのをスッカリ忘れてたよ」

 

 

「あはは! 凛君はうっかり屋さんだね~♪」

 

 

「……そんな悪そうな笑顔で言っても説得力0だぞ?」

 

 

カナタは軽くツッコミを入れるが、当の2人は気にした素振りすら見せなかった。

 

そして、未だに千代に叱られているレイジはと言うと……

 

 

「(マズイ……早いとこ千代に機嫌直してもらわないと、明日から変態扱いされる!! だけどどうやって機嫌直してもらうか……ん?)」

 

 

何とか千代の機嫌を直そうと思考を巡らせるレイジ。

 

するとそんなレイジの目に、凛がどこからか持ってきたスケッチブックに何かを書いているところが映る。そして書き終えた凛は、そのスケッチブックをレイジに見えるように掲示した。

 

 

【今からここに書いたことを千代ちゃんに言って】

 

 

「(っ、そうか! 千代の機嫌を直す方法を教えてくれるんだな! さすが凛! 最高の親友だぜ!!)」

 

 

凛の心遣いに内心で感謝するレイジ。そしてその間に、凛は次の一文をスケッチブックに書いてレイジに見せた。

 

 

 

【良い身体だったぜ☆】

 

 

 

「(言えるかぁぁああ!!! 死ねってか!? 俺に社会的に死ねってか!!? つーか語尾の星がスッゲェ腹立つ!!)」

 

 

凛が書いた一文を見て当然激昂するレイジ。すると今度は、クリスがスケッチブックに何かを書き、それをレイジに見せる。

 

 

【もっと面白いことを】

 

 

「(求めんなぁぁああ!!! こちとら自分の名誉の為に必死なんだよっ!! お前らを楽しませる為にこんな状況になったわけじゃねぇぞぉ!!!)」

 

 

当然クリスが書いた一文に対しても激昂するレイジ。続けて今度はカナタがスケッチブックに一文を書いて、レイジに見せる。

 

 

【こんな状況になったのは自業自得だろ】

 

 

「(心を読むなぁぁああ!!! 何で分かったの!!? 秀才!? 秀才だからか!!? ってか自業自得でもねぇよ!! 単なる事故だよっ!!)」

 

 

「レイジ君聞いてるのっ!!?」

 

 

「はいっ!! すみません!!!」

 

 

内心でツッコミを入れていたレイジだが、千代の一括により即座に背筋を伸ばす。

 

 

「いやもう本っ当に悪かった!! 何でも言うこと聞くから許してくれ!!!」

 

 

「っ……!」

 

 

レイジが土下座しながらそう言うと、千代の言葉がピタリと止まる。

 

 

「……本当に? 何でも言うこと聞いてくれる?」

 

 

「え? お…おう、出来る限りのことは聞くが……」

 

 

目線を合わせるように屈みながらそう問い掛ける千代に、レイジは戸惑いながらも頷いてそう答える。

 

 

「……それじゃあ」

 

 

それを聞いた千代は、ゆっくりと口を開く。

 

 

「今度の日曜日……私と一緒に、ある人に会って欲しいんです」

 

 

「っ!? 千代!!? まさか──!!?」

 

 

それを聞いていたクリスは何か言いかけるが、それは千代が突き出した静止を意味する手によって遮られた。

 

 

「……それは構わないが、一体誰に会うって言うんだ?」

 

 

「……それは……」

 

 

レイジの問い掛けに、千代は迷ったように口ごもるが……やがて意を決したように言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相手の名前は『遊城 兜魔』……私の──お兄ちゃんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

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