第四話です。
デュエルの指摘などがありましたら、遠慮なく仰ってください!!(出来ればオブラートに包んで……)
感想お待ちしております!!
デュエルアカデミアでの生活が始まって約3週間……入学したての1年生達がアカデミアでの生活に慣れ始めた頃……明日はアカデミアで月一試験が試験の日である。
この試験での成績次第では、寮の昇格もある為、レッドやイエローの生徒は筆記試験の勉強や実技デュエルの調整などに励んでいる。
そしてそれはブルーの生徒も例外ではない。何故なら、昇格があるという事は、逆に降格もありえるということだ。さらに言えば、ただでさえ成績の悪いレッドの生徒はここである程度の点数をとっておかないと退学と言う事もありえるのである。
そして、その大事な試験の前日……レッド寮の女子部屋にて、レイジ、千代、クリス、凛の四人は筆記試験に向けて猛勉強している。
「くー…くー……」
約1名……テーブルに身を預けて寝息を立てているクリスを除いて……
「おい千代……なんでコイツは試験前なのに勉強せずに盛大に居眠りしているんだ?」
「あはは……クリスちゃん、筆記は捨てて実技で勝負するって言ってたから……」
レイジの問い掛けに苦笑いをしながら答える千代。
確かにこのデュエルアカデミアにとって、普通の学校でもやっている教科の成績など二の次で、この学校では実技のデュエルの評価の方が圧倒的に大きい。
極論を言えば、たとえ筆記の成績が最底辺でも、実技の成績がよければ結構な評価がもらえる。
「いやいやいや、だからってまったく勉強しねーのはさすがにヤバイだろ?」
「別にいいんじゃないの? ほら、クリスちゃんってこの学校の入学試験を実技だけで合格したって話だし」
「あぁ……そう言えばそんなこと言ってたような……って、何で凛がそれを知ってるんだ?」
「だって僕、このアカデミアに在籍してる人達の個人情報はほとんど把握してるから」
「うん、その話に関しては後で俺達の部屋でじっくりと問い詰めるとして……確かにクリスは入学試験を実技だけでパスしたって言ってたけど、流石に今回もそれが通じるとは限らないだろ? 相手によっては負けるかもしれねーし、そうなったら目も当てられねぇぞ」
「あ、それはたぶん大丈夫だよ」
「なんで?」
「だって……クリスちゃんは凄く強いから」
疑問符を浮かべるレイジに、千代は笑顔でハッキリとそう言った。
「ふーん……強い……ね」
「クー……クー……むにゃむにゃ……」
レイジは未だに気持ち良さそうに寝息を立てているクリスを見ながら、そう呟いたのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
そして月一試験当日……
「…………(プシュ~)」
「ク…クリスちゃん、大丈夫?」
机に屈した状態で頭から煙を出すクリスを見て、オロオロしながら声をかける千代。
「うぅ…ちよ~……ボクはもうダメかもしれない……」
「……さっきの試験…全然解けなかったんだね……」
「うん……」
そう言って力なく頷くクリス。そこへ、レイジと凛が合流する。
「二人共、テストはどうだった……って、クリスちゃんは聞くまでもなさそうだね」
「ったく……だから昨日勉強しろっつったのに。自業自得だな」
「うっ……そ、そう言うレイジ君と凛君はどうだったのさ!?」
「俺は日頃の努力とヤマ勘が功を奏して、中々の出来だったぜ」
「中等部に居た頃の内容とあんまり変わらなかったから、僕も問題ないかな」
「そ…そんな……少なくともレイジ君はボクと同じ人種だと思ってたのに!! 裏切られた!!」
「裏切ってねーよ、っつかどういう意味だそれ?」
クリスの発言に赤い十字路を額に浮かべながらツッコミを入れるレイジ。
「ふーんだ! どうせボクは最初からこの後の実技試験で巻き返すって決めてるから別にいいもんねー!!」
「あ、そうそう。その実技試験のことなんだが、さっきPADに届いた学園からの全体メール見たか?」
「そう言えば、さっき届いてたね。まだ確認はしてないけど……」
レイジの言葉を聞いて、千代はPADを取り出して学園から届いたメールを確認する。
「え……これって……!」
そしてそのメールを見た途端、千代の表情が驚愕に変わる。
「なになに?」
そんな千代の顔を見て、クリスも千代のPADを覗き込んで内容を確認する。
「えっと……実技試験の対戦表?」
そのメールの内容は、この後に行なわれる実技試験の対戦表であった。
そしてそこには……
神谷玲路 VS クリス・アンデルセン
万丈目凛 VS 遊城千代
と、表記されていた。
「え…えぇ!!? ボクの対戦相手がレイジ君で、千代の対戦相手が凛君!!?」
「うん、どうやら僕達四人で対戦カードを組まれたみたいだね」
「偶然とは思えん。大方、十代先生あたりが組み込んだんだろ」
「あはは……お父さんのことだから、否定できない……」
対戦表を見て、それぞれの反応を見せる四人。
「ま、もう決まったことだからしょうがねぇだろ。言っとくがクリス、手加減はしねーからな?」
「望むところだよっ! それに、この実技で負けたらボクにはもう後がないしね!!」
「いやそれは自業自得だろ。まぁ何にしても、楽しいデュエルにしようぜ」
そう言ってお互いに笑みを浮かべながら火花を散らすレイジとクリス。
「僕は千代ちゃんとか……お手柔らかによろしくね」
「うん、こちらこそ」
一方、こちらは二人と違って穏やかな空気で笑い合っていたのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
そして場所は移り、実技試験のデュエル会場。そこではすでにレイジとクリスを含めた生徒達がデュエルディスクを構えながら、対戦相手と対峙している。
《あーテステース、ティラミース。それではこれヨーリ! 実技試験を開始するノーネ!! 全員不正がないよう、正々堂々とデュエルするノーネ!!》
『『『『デュエル!!!』』』』
校長であるクロノスがそう宣言すると同時に、スタンバイしていた生徒達は一斉にデュエルを開始する。そして当然、レイジとクリスも例外ではなかった。
因みに千代と凛のデュエルはこの次に行なわれる予定である。
「行くぞクリス!! 負けねーからな!!」
「もちろん! 勝負だレイジ君!!」
「「デュエル!!!」」
先攻
神谷玲路
LP:4000
後攻
クリス・アンデルセン
LP:4000
◆◇◆◇◆◇◆◇
「俺の先攻、ドロー! 俺は『ガガギゴ』を攻撃表示で召喚!」
ガガギゴ
LV:4
ATK:1850
「カードを1枚セットして、ターンエンドだ」
レイジ
LP:4000
ガガギゴ(ATK:1850)
伏せカード:1枚
手札:4枚
「ボクのターン、ドロー! よしっ…ボクは『ジェムナイト・ガネット』を攻撃表示で召喚!!」
ジェムナイト・ガネット
LV:4
ATK:1900
「ジェムナイト……宝石の戦士か!!?」
「そうだよ! ボクのデッキはジェムナイトで構成されてるデッキさ!! ジェムナイト・ガネットでガガギゴを攻撃!! ガーネット・フィスト!!」
ジェムナイト・ガネットの炎を纏った拳がガガギゴを殴り飛ばす。
「くっ……」
レイジ
LP:4000→3950
「カードを1枚セットして、ターンエンドだよ」
クリス
LP:4000
ジェムナイト・ガネット(ATK:1900)
伏せカード:1枚
手札:4枚
「俺のターン、ドロー!」
「この瞬間、ボクはリバースカードを発動! 『岩投げアタック』! 自分のデッキから岩石族モンスター1体を選択して墓地へ送って、相手ライフに500ポイントダメージを与える。ボクはこの効果でデッキから『ジェムナイト・エメラル』を墓地へ送るよ。喰らえ、岩投げアタック!!」
「なっ!? うわぁ!!」
レイジ
LP:3950→3450
「俺は墓地に存在する水属性モンスターのガガギゴをゲームから除外し、手札から『水の精霊アクエリア』を特殊召喚!!」
水の精霊アクエリア
LV:4
ATK:1600
「さらに手札から『水霊使いエリア』を召喚!」
水霊使いエリア
LV:3
ATK:500
「今日の主役はお前だ! 頼むぜエリア!!」
『えぇ、任せてレイジ!』
レイジの言葉に、エリアは頷きながら答える。
「よっしゃ! 俺は水霊使いエリアと水の精霊アクエリアを墓地へ送り、デッキから『憑依装着―エリア』を特殊召喚!!」
憑依装着―エリア
LV:4
ATK:1850
「その子もレイジ君の精霊かぁ……でもエリアの攻撃力じゃあ、ボクのガネットには僅かに及ばないよ」
「わかってるさ。だから俺は手札から装備魔法『ワンショット・ワンド』をエリアに装備。このカードを装備した魔法使い族の攻撃力は800ポイントアップする」
憑依装着―エリア
ATK:1850→2650
「エリアでジェムナイト・ガネットを攻撃!!」
『アクア・バースト!!』
エリアが持っている杖から放った水の魔法が、ガネットを飲み込んだ。
「うっ……!」
クリス
LP:4000→3250
「そしてワンショット・ワンドの効果発動。装備モンスターが戦闘を行ったダメージ計算時、このカードを破壊して、デッキからカードを1枚ドローする」
憑依装着―エリア
ATK:2650→1850
「ターンエンドだ」
レイジ
LP:3450
憑依装着―エリア(ATK:1850)
伏せカード:1枚
手札:3枚
「ボクのターン、ドロー! 手札から魔法カード『カード・フリッパー』を発動。手札を1枚捨てることで、相手フィールド上の全モンスターの表示形式を変更する。 よってエリアは守備表示になる!」
憑依装着―エリア
DEF:1500
「そしてこの効果によって墓地へ送った『ジェムナイト・オブシディア』の効果発動! このカードが手札から墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するレベル4以下の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。ボクはこの効果で『ジェムナイト・ガネット』を復活させるよ!」
ジェムナイト・ガネット
ATK:1900
「さらに手札から『ジェムナイト・フュージョン』を発動!!」
「っ……ジェムナイト専用の融合カードか!?」
「そうだよ! ボクはフィールドのガネットと手札の『ジェムナイト・サニクス』を融合して、『ジェムナイト・ルビーズ』を融合召喚!!」
ジェムナイト・ルビーズ
LV:7
ATK:2500
「ボクはまだ通常召喚を行なっていない。『ジェムレシス』を召喚するよ!」
ジェムレシス
LV:4
ATK:1700
「ジェムレシスが召喚に成功した時、デッキから『ジェムナイト』と名のついたモンスター1体を手札に加える。ボクは『ジェムナイト・クリスタ』を手札に」
クリスはデッキからカードを1枚抜き取ると、それを手札に加えた。
「そしてジェムナイト・ルビーズのモンスター効果! 1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する『ジェム』と名のついたモンスター1体をリリースすることで、ルビーズの攻撃力はエンドフェイズ時までリリースしたモンスターの攻撃力分アップする!! ボクはジェムレシスをリリースしてその効果を発動! ジェム・ドレイン!!」
ジェムレシスのエネルギーがルビーズへと移り、ジェムレシスはその姿を消した。
ジェムナイト・ルビーズ
ATK:2500→4200
「攻撃力4200!!?」
「行くよっ! ジェムナイト・ルビーズでエリアを攻撃!! ルビーズ・ストライク!!!」
『きゃぁぁあああ!!』
ルビーズの攻撃が、エリアを跡形もなく消し飛ばした。
「くっ……エリア!!」
「まだだよ! ジェムナイト・ルビーズが守備モンスターを攻撃した時、相手に貫通ダメージを与える!!」
「なんだと!!? っ…ぐぁぁぁあああ!!!」
レイジ
LP:3450→750
「ぐぅ……この瞬間、リバースカード『ダメージ・ゲート』発動! 自分が戦闘ダメージを受けた時、受けたダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体を自分の墓地からフィールド上に特殊召喚する! 戻って来い、エリア!!」
憑依装着―エリア
ATK:1850
「じゃあボクは、このままメインフェイズ2に移行して、墓地の『ジェムナイト・フュージョン』の効果を発動! このカードが墓地に存在する時、自分の墓地に存在する『ジェムナイト』と名のついたモンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを手札に加える。ボクは墓地のジェムナイト・オブシディアをゲームから除外して、ジェムナイト・フュージョンを手札に加える」
クリスは墓地から2枚のカードを抜き取ると、1枚は制服のポケットに仕舞い、もう1枚はそのまま手札に加えた。
「ボクはこのままターンエンド」
クリス
LP:3250
ジェムナイト・ルビーズ(ATK:2500)
伏せカード:0枚
手札:2枚
「俺のターン、ドロー!!」
カードをドローしたあと、レイジは手札を眺めながら思案顔なる。
「(くそっ…強いな……千代が断言するわけだぜ。今のこの手札じゃあ、この状況を引っくり返すのは難しい……だったらこのカードに賭けてみるか)」
そう思い立ったレイジは、手札からカードを抜き取って発動する。
「俺は手札から『リロード』を発動! 自分の手札を全てデッキに加えてシャッフル、その後、デッキに加えた枚数分のカードをドローする。俺は3枚の手札を戻してシャッフル」
レイジは手持ちの手札を全てデッキに加えて、4、5回ほどデッキをシャッフルする。
「そして3枚をドロー!」
そしてデッキからカードを3枚をドローし、そのカードを確認するレイジ。
「…………ッ」
どうやら望んだカードが来なかったようで、レイジは顔をしかめる。
「カードを1枚セットして、ターンエンドだ」
レイジ
LP:750
憑依装着―エリア(ATK:1850)
伏せカード:1枚
手札:2枚
「ボクのターン、ドロー! ジェムナイト・ルビーズでエリアを攻撃!! ルビーズ・ストライク!!」
「永続罠…発動! 『デプス・アミュレット』!! 相手モンスターの攻撃宣言時、手札を1枚墓地に捨てることで、その攻撃を無効にする!!」
レイジが手札を1枚墓地へ送ると、ルビーズの攻撃はアミュレットによって防がれた。
「ちぇ~…カードを1枚セットして、ターンエンド」
クリス
LP:3250
ジェムナイト・ルビーズ(ATK:2500)
伏せカード:1枚
手札:2枚
「俺のターン、ドロー………くっ、ターンエンドだ」
またもや望んだカードが来なかったのか、レイジはドローするだけでターンを終えた。
レイジ
LP:750
憑依装着―エリア(ATK:1850)
デプス・アミュレット(発動中)
伏せカード:0枚
手札:2枚
「ボクのターン、ドロー! 手札から『ジェムナイト・フュージョン』を発動!! ボクは手札の『ジェムナイト・アイオーラ』と『ジェムナイト・クリスタ』を手札融合!!」
「くっ……また融合召喚か……」
「来てっ!『ジェムナイト・ジルコニア』!!!」
ジェムナイト・ジルコニア
LV:8
ATK:2900
「バトル! ジェムナイト・ルビーズでエリアを攻撃!! ルビーズ・ストライク!!」
「デプス・アミュレットの効果発動! 手札を1枚捨てて、攻撃を無効にする!」
「続けてジェムナイト・ジルコニアでエリアを攻撃!! ジルコニア・スタンプ!!」
「デプス・アミュレットの効果!!」
クリスの二連続の攻撃をデプス・アミュレットで防ぎきるレイジ。しかし……
「デプス・アミュレットは発動後3回目の相手のエンドフェイズ時に破壊される……つまり、このターンのエンドフェイズにデプスアミュレットは破壊され、レイジ君の最後の砦がなくなる。しかもレイジ君の手札は0……勝負あったね♪」
レイジの現状を口にしながら笑顔を浮かべて勝利を確信するクリス。すると……
「ふ…ふふふ……あははははははっ!!!」
突然レイジが高らかに笑い声を上げた。
「勝負あっただと? 冗談じゃねぇ! こんなに楽しいデュエルをあっさり終わらせてたまるかっつーの! 最後の最後まで付き合ってもらうぜ、クリス!!!」
レイジの言葉に、クリスは目を丸くしていたが、しばらくするとレイジに釣られるようにクリスも笑い始めた。
「にひひっ……やっぱりレイジ君は面白いね! いいよ、次のターンで何をするのか見せてもらうよ! ターンエンド!!」
クリス
LP:3250
ジェムナイト・ルビーズ(ATK:2500)
ジェムナイト・ジルコニア(ATK:2900)
伏せカード:1枚
手札:0枚
「行くぜっ! 俺のターン! ドロー!!」
デッキから勢いよくカードをドローするレイジ。そしてドローしたカードを確認すると、ニッと笑みを浮かべてそのカードを発動する。
「魔法カード『天よりの宝札』を発動!! お互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにカードをドローする!!」
「この土壇場で強力な手札増強カードをドローするなんて、やるねレイジ君」
その効果により、レイジとクリスはお互いに6枚のカードをドローする。そしてレイジはドローした6枚のカードをザッと眺めると、再び口元に笑みを浮かべた。
「俺は『憑依装着―ダルク』を召喚!」
憑依装着―ダルク
LV:4
ATK:1850
「頼むぜダルク……」
『あぁ!』
「さらに装備魔法『団結の力』をダルクに装備!! 俺のフィールドに存在するモンスター1体につき、ダルクの攻守を800ポイントアップさせる! 俺の場にはダルク自身とエリアで2体……よって1600ポイントアップ!」
憑依装着―ダルク
ATK:1850→3450
「行くぞ! ダルクでジェムナイト・ルビーズに攻撃!!」
『ダークネス・ロンド!!!』
ダルクが持っている杖から放った強大な闇の魔法が、ルビーズを飲み込む。
「うあぁぁあ!」
クリス
LP:3250→2300
「続けてエリアで、ジェムナイト・ジルコニアを攻撃!!」
「えぇ!? ジルコニアの方が攻撃力が上だよ!? 自滅する気!!?」
「んなわけねぇだろ! 手札から速攻魔法『移り気な仕立屋』を発動! すでに装備されている装備カード1枚を、別の正しい対象に移し替える……この効果により、ダルクに装備された団結の力をエリアに移して装備させる!!」
憑依装着―ダルク
ATK:3450→1850
憑依装着―エリア
ATK:1850→3450
「ジルコニアの攻撃力を上回った!!?」
「まだだ!! 俺はさらに墓地から『スキル・サクセサー』の効果を発動する!!」
「スキル・サクセサー!!? いつの間に墓地に!!?」
「デプス・アミュレットの効果で送っておいたんだよ。墓地のこのカードをゲームから除外することで、モンスター1体の攻撃力を800ポイントアップさせる! 俺はこの効果で、エリアの攻撃力をさらにアップさせる!!」
憑依装着―エリア
ATK:3450→4250
「攻撃力4250!!?」
「行けっ!! エリア!!」
『アクア・バースト!!!』
エリアの杖から放たれた強大な水魔法がジルコニアを飲み込み、跡形も無く破壊した。
「うわぁぁぁあああ!!」
クリス
LP:2300→950
「カードを1枚セットして、ターンエンドだ」
レイジ
LP:750
憑依装着―エリア(ATK:3450)
憑依装着―ダルク(ATK:1850)
伏せカード:1枚
団結の力(装備中:エリア)
手札:2枚
「まさか、本当にあの状況から形成を逆転されるなんて思ってもみなかったよ……だけど、勝つのはボクだ!! ボクのターン、ドロー!!」
そう言って勢いよくカードをドローしたクリスは、さっそく行動を開始する。
「ボクはリバースカード、永続罠『リビングデットの呼び声』を発動!! 墓地に存在するモンスターを特殊召喚する。ボクは『ジェムナイト・クリスタ』を特殊召喚!」
ジェムナイト・クリスタ
ATK:2450
「手札から『ジェムナイト・ルマリン』を通常召喚!」
ジェムナイト・ルマリン
LV:4
ATK:1600
「そして…これがボクの切り札! 魔法カード『パーティカル・フュージョン』!! フィールド上のルマリンとクリスタを融合!!! いでよっ『ジェムナイト・パーズ』!!」
ジェムナイト・パーズ
LV:6
ATK:1800
「攻撃力1800……エリアにもダルクにも届いていないな」
「ところが、これだけじゃないんだよね~。ボクはパーティカルフュージョンのもう1つの効果を発動! このカードで融合召喚に成功した時、墓地に存在するこのカードをゲームから除外することで、その融合召喚に使用した『ジェムナイト』と名のついた融合素材モンスター1体の攻撃力をその融合モンスターの攻撃力に加算させる!!」
「なにっ!!?」
「ボクが選択するジェムナイトは当然、攻撃力2450のクリスタ! よってジェムナイト・パーズの攻撃力は2450ポイントアップ!!」
ジェムナイト・パーズ
ATK:1800→4250
「おいおい……さっきの仕返しのつもりかよ……」
「そのつもりだよ!! ジェムナイト・パーズの効果は、1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができ、そして戦闘によってモンスターを破壊し墓地に送った時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!!」
「っ……ってことは……」
「そう! どっちを攻撃しても、ボクの勝ちだ!! ジェムナイト・パーズでダルクを攻撃!! トパーズ・インパクト!!!」
ジェムナイト・パーズが持っている双剣が、ダルクに向かって振り下ろされる。
「さすがだぜクリス……どうやら今回は勝てそうにねぇ……だからと言って負ける気もねぇけどな!! 罠発動『
「へ?」
「ダルク……すまん」
『気にするな……負けるよりはマシだ』
ダルクがそう言うと同時に、彼の手に身に着けられた爆弾型の指輪が大爆発を起こした。
「ぐあぁぁぁあああ!!!」
「うわぁぁぁあああ!!!」
レイジ
LP:750→0
クリス
LP:950→0
―DRAW―
◆◇◆◇◆◇◆◇
「引き分け……だな」
「そうみたい……だね」
引き分けと言うまさかの結末に、レイジとクリスはディスクを待機状態に戻しながら、呟くように言った。
「あーあー……実技の結果がこれじゃあ、今回の試験……ボク本格的にヤバイかも」
「………いや、どうやらその心配は無用のようだぜ」
「え?」
レイジの言葉に首を傾げるクリス。すると……
パチパチパチパチパチパチ!!!
会場全体からレイジとクリスの二人に盛大な拍手が送られた。
「えーっと……どういうこと?」
そんな状況に、クリスは戸惑いながらレイジに問い掛ける。
「みんなさっきのデュエルを称えてくれてるんだよ。それほどにいいデュエルだった……ってことだ」
レイジがそう言うと、観客席から『いいデュエルだったぞー!』『レッドのくせにやるじゃねぇかー!』『お前ら本当に1年かー!?』などの声援が聞こえてくる。
「これだけの人を熱くさせたデュエルだ……そんなデュエルを展開させたヤツが、落第になると思うか?」
「………にひひっ…そうだね♪」
レイジの言葉に、クリスは満面の笑顔でそう言った。
「やっぱりレイジ君は面白いね! ボク、千代以外でこんなに人に興味を持ったのは初めてだよ」
「……凛にもよく言われるんだが、俺ってそんなに面白いか?」
「うん、すっごくね!」
「うーん……よく分からん」
そう言って困ったようにポリポリと後頭部を掻くレイジ。すると、そんなレイジの顔を見て、クリスはまるで悪戯っ子のような表情になる。
「じゃあそんな面白いレイジ君に、ボクからのちょっとしたサプライズ~♪」
「は? サプライズって、いきなり何を──」
クリスの言葉にレイジが疑問符を浮かべていると、突然クリスの左手がレイジの頬に添えられる。そして……
チュッ……
「……………は?」
レイジは一瞬、何が起こったのか理解できなかった。気がつけばクリスの顔が間近にあって、自分の頬には少し湿ったような感触……ここから導き出される答えは1つ。
それを理解したレイジは、即座に顔を真っ赤にする。
「お…おおおおおおまっ……いきなり何を……!!?///」
顔を真っ赤にしながらクリスに問い掛けるレイジだが、当の彼女はカラカラと愉快そうに笑っている。
「にひひっ♪さっ、次は千代と凛君のデュエルだよ~」
そう言ってそそくさと観客席へと向かっていくクリス。そんな彼女をレイジは慌てて追いかける。
「おい待て! 重要なことをさらっと流すなっ!! ちゃんと説明しやがれ!!」
「え~…言ったじゃん、サプライズだって~」
「サプライズ過ぎるわ!!」
「大丈夫大丈夫♪ボクの国じゃキスなんて挨拶みたいなものだから、深い意味はないよ~」
「お前の国と日本を一緒にすんなっ!!!」
「まぁボクは日本生まれの日本育ちだけどね♪」
「じゃあ国の話いらねーだろうが!!!」
「にししっ♪やっぱりレイジ君はおもしろーい♪」
「そう言う意味!? 俺が面白いって、からかってると面白いって言う意味か!!?」
レイジとクリスはそんなやり取りをしながら、千代と凛のデュエルを観戦する為に観客席へと向かったのであった。
つづく