オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版) 作:ぐにょり
世界は混沌としている。
いや、俺が元居た、恐らく人類にはっきりと敵対的でなおかつ人類を滅ぼし得る能力を備えた生命が殆ど存在しなかった世界も混沌としていなかったと言えば嘘にはなるのだが。
人類以外の種族、人類の中から生まれる突然変異。
これらが存在するこの世界はそれにもまして混沌としていると言って良い。
彼らがもっと考えなしの存在であれば、それこそ表立って人類そっちのけで互いに潰し合ってくれたのかもしれないが、これが上手く行かない。
彼らは基本的に人類社会に隠れ潜む。
オルフェノクのように最終的にオルフェノクを主軸にしよう、みたいな連中でも無ければ、無闇に表に顔を晒す必要がないのだ。
だからこそ無数の敵対種族を同時に相手取る必要が無い今の状況が出来上がっている訳だ。
或いは単純に他の敵対種族の情報を追いきれていない、という種族も居るのだろう。
なんなら魔化魍を操る……というか、魔化魍で実験を行っている連中などはそもそも如何なる素性のものかもはっきりしていない。
オルフェノクにしても、組織力がそれほど強いかと言われると首をひねる。
何なら普通に同種同士で敵対したりもするのだ。
完全に徒党を組んでいるのなんてイマジンとネイティブくらいのものだろうか。
そも、ある種の敵に対しては人類側が積極的に隠蔽工作を行っているので生半可な手段では情報が手に入らない。
アンデッドなどがその良い例だろう。
或いは、魔化魍に関しても情報規制に国が関わっているようなものなので規模は大きい。
前者は知れば消され、後者は割とやんわりと巻き込んだり軽めの口止めで済ませてくれたりと対応は大きく異なるが。
なので、敵対種族、そしてそれに対抗する個人または組織、という構図に、横から余計な干渉を行う別組織、というものは中々現れない。
現れたとしてもどちらに対してもそれほど影響を与えられない弱小組織にとどまる。
結果として、その敵対構造の中に現れた何らかのイレギュラーが緩やかに流れを作っていく、という形になる。
古い時代であればこれは敵対種族でなく組織、そして対抗するのはそこからの離反者とも言える仮面ライダー達。
たった一人のミスクリエイトが巨大組織を完全壊滅にまで追い込む強大なエラーと化す。
運命力、などと最近は呼ぶのだろうか。
あるいはカルマ、業子。
人と人の運命に干渉する力の大小や相互作用に関する学問はこの世界では生まれていないが、他人や世界を否応なく巻き込んでいく、そんな力を持つものは間違いなく存在している。
ものすごくパワーがあるハチャメチャな人、という事ではない。
或いは、本人は常に死にかけている様な場合もあるだろうし、怪物に人格を半ば乗っ取られている一般人という事もあるだろう。
ただ……彼らが動いた結果、世界、世間、或いは一連の事件が大きく動く。
羽ばたきが巡り巡って異国で嵐になるか、ただ身体を少し浮かせるだけで終わるか、そんな違いだ。
そういう意味で言えば、死にかけたり死んだりしながらうろつきまわって居た、ここではない世界の芦原さんがこれに当てはまるし、なんならレンゲルの変身者なども含まれる。
彼らが本来辿っていた道筋を破壊する事で、彼らが関わる事で発生する筈だった事件は未然に防がれ、運命の大きなうねり、というものはやや穏やかになったと言えるだろう。
あかつき号事件の生き残りは何人か余分に生き残ったし、星座ガチャはテオスが思いつく前にどうにかできた。
まぁ……芦原さんの時はそれで減った犠牲者を補填するようにテオスが暴れだしたが、ここでテオスが暴れだしたのは俺のせいだ、というような事を言い出すのはただの精神的に参っている人のすることだ。
あれは勝手にテオスが張り切りだしてしまったのが原因なので、その張り切る原因になる出来事を起こしたお前が悪いなんて事を言い出されても困ってしまう。
悪党の言う、『お前という存在が俺を生み出したのだ』というのは、一理あるようで酷い暴論だ。
何処かの暴力警官の如く、悪党は最終的に罪を犯して犯罪者になるのだからさっさと摘み取ってしまえ、ではないが、大体の原因は生まれてきた悪党にこそあるのが世の中である。
悪党が踏ん切りをつける良いきっかけになったからと言って責め立てられては社会の中で生きていくことなどできない。
そういう意味では、レンゲルの変身者を脱落させ、レンゲルバックルを解体し作り直しているのは間違いなくプラスになるだろう。
葦原さんの時とは訳が違う。
市街に無闇にアンデッドを開放する様なアホをされないだけで、今年のアンデッド騒ぎはかなりシンプルになる。
また、レンゲルがライダーやジョーカーに喧嘩を売りに行かないのでその分のリソースを別に割く事ができるのも良い。
そのためにレンゲルの中の人の心の闇が未解決になったからといって、それで道を踏み外すなら元から道を踏み外す素養を持ちつつどこかのタイミングでカウンセラーなどに相談しなかった中身が悪いだけだ。
俺は知らん。
むしろレンゲルとしての活動を未然に防ぐことでリモートによる遠隔大量殺人という罪を犯させないようにしてあげたのだから、これで将来的に犯罪者になるというならもうそういう人間だったという事になるだろう。
カテゴリーエースの干渉が無ければ過去にちょっとしたトラウマがあるだけの気弱な青年で済む事を祈っておこう。
ともかく、余計な横道を作る要因を潰した事で、今年の事件の流れは非常にシンプルになった。
なにしろリモートのカードはこちらの手元にあるのだ。
いや、一度レンゲルバックルの中のカードは全て開放したのだが、それも既に再封印が成されている。
アンデッドが封印すれば封印するほどきちんと減っていき増える事が無い、というのはシンプルでとても良い。
逆に。
余計な出来事が起きない為、動きの予想しにくいアンデッドが出たりもする。
オーキッドアンデッドがつつがなく封印されたことで、その後のカリスの元カレ……ではない、イーグルアンデッドがどのタイミングで動き出すか、というのもあやふやになった。
そもそも相川始がプロカメラマンの助手として動いている間に接触した筈だが、そこにオーキッドアンデッドが粉かけに行って、そこにイーグルが割り込んでくる……という形だった。
が、オーキッドアンデッドが既に居ない状況で、イーグルアンデッドはどうやって接触を取るつもりなのだろうか。
あの場面に偶然に合わせたと見るには明らかにタイミングが良すぎて疑わしい。
明らかに出待ちをしていたように思えるのだが……。
こちらには一応監視を付けているが、それもどこまで当てになるやら。
モールアンデッドのようにニャンニャンアーミーが狩りの練習の成果としてバラバラの状態で家に運び込んでくるような事もあるにはあるが、流石に空を飛ぶ上級アンデッドとはそうそうに遭遇しないだろう。
ニーくんもネットを駆使してアンデッドの情報を調べてはいるが、天王寺の隠蔽が効いているのか有力な情報は出てこないようだ。
いや、流石に俺も情報収集までやってもらおうと思っている訳ではないのだが……なんか本猫がやる気を出しているので、一応PCは与えた。
だが検索履歴を消す、という機微が無い為か、アンデッドの情報収集の合間に釣り情報や魚を使った料理レシピ、通販で買えるマタタビ、そして繰り返し行われるちゅーるに関する検索履歴が、アンデッドの情報収集という名目でネット環境を利用する気まんまんなのがわかる。
やはり、直接的に自分の欲望の為にネット環境をねだる、という行動がまるで飼い猫のようで気に食わない、みたいな気持ちがあるのだろうか。
ニーくんは野良猫としての記憶があるからか、そこらへんの機微が難しい。
すっかり家猫暮らしに馴染んで自作の多脚ルンバ(緊急時浮遊機能及び可変分離合体機能及び自動ゴミ分別及び自動ゴミ出し機能搭載型)に乗って散歩を済ませている量産型達を見習って、もっと柔らかく生活して欲しくもあるのだが。
まぁ、そこらへんは生きていく内に慣れていく事だろう。
「こうじ」
声に振り向く。
グジル……ではなく、ジルだ。
こいつも最近覚えたテレパスで自らの喉や口唇、舌に個別に指令を送る事でついに発話が可能になった。
グジルも赤ん坊にまで退行した甲斐があったというものだ。
そんなジルは、その豊か過ぎる胸に押し込むように猫を抱えている。
「このこ、ごはんたべないよ。しなない? しぬ?」
「死ぬか死なないかで言えば、暫くは死なないと思うぞ」
──んぁぉぅ
俺の声に返事を返すように猫が鳴く。
無論、トライアルシリーズはアンデッドの細胞を用いて奇形化した生物をサイボーグ化させた生き物だ。
その生体が通常の生物と全く同じというわけはなく、通常の生き物と比べれば必要なリソースは少ない。
また、手足を伸ばす機能、そして大剣を使う為に付けた猫手の形を崩さずものを掴む機能のお陰でトイレは人間と同様の設備を使用でき、毛玉もそのへんに吐き出さずゴミ箱に直接吐き出す。
できるだけ世話の手間が少ない方が量産するにあたって便利だろうと付けた機能だ。
機能というか、知能が猫とアンデッドの間くらいはあるので教えればできるようになる、程度の話なのだが……。
伸びて掴めるマジック猫ハンドのお陰で全身に手が届くのだから体内の収納にペット用ブラシを入れて使い方を教えれば良いのでは、とも思ったのだが、どうも舌で行う毛づくろいは割と本能に根ざした行動である為あまり意味は無かった。
因みに、大型化が進みすぎたトライアルアニマル第一号である熊と異なり、サイズ感が元の生物である猫とそう変わらない為、理論上は通常の猫との間に子供を作る事が可能……な、筈だ。
潜伏時は通常の猫に擬態する関係上、少なくとも見た目の上では猫としての全機能が備わっている形になっている。
精子、卵子も一応は作れる事が検査ではっきりしている。
が、トライアルシリーズは言わばその総てが意図的に作られた奇形、或いは突然変異である。
見た目が整えてあるだけで遺伝子的には猫からかなり掛け離れているので、ちゃんと受精するか、受精卵が正常に成長するかは未知数である。
これが成功すれば、放って置いてもかってに増えてくれる戦力、みたいな運用も可能……とはならない。
遺伝子レベルで俺に従うように作っている訳ではなく、あくまで刷り込み教育の結果として従っているに過ぎないので、野生化した時点でただの超強いミュータント猫にしかならないのだ。
しっかりとした戦闘力をもたせるには奇形化だけでなくある程度の改造手術も必要なのだが、それでもアンデッドの能力を一部備えた野生動物が無闇に拡散するというのは好ましい事態ではない。
トライアルシリーズ……とりわけ猫はある程度のサイズがありながらタイムベント無し成長促進剤無しでも二ヶ月前後でボディは製造できる。
教育期間を考えても、並大抵のアンデッドを超える戦闘力と猫の俊敏性と隠密性を兼ね備えた兵士が三ヶ月で作れるのだから、これは下手に繁殖させるよりは総て一から作っていった方が良いだろう。
しかし、ニャンニャンアーミー同士の交配実験はそのうち行う事になるだろうから、単純な去勢は無し。
通常の猫と同じ様に発情するのでなく、こちらで機械的な処置を加えて初めて発情するようにしてある。
そうするとマタタビでは酔わなくなるが……まぁ、酔わない猫もそれなりに居るから、誤差として認識されるか。
なんなら擬態時の姿を普段は去勢済みの猫の形にすれば良いのだし。
「あと、ごはんできたよ」
「ああ……もうそんな時間か」
「きょうは、かつおのたたき。じしんさく」
ふんす、と胸を張るジル。
腕から取り落とされた猫も同じように胸を張っている(本来の猫なら構造上できない姿勢だが、しっぽで身体を支えることでふんぞり返る事ができる)が、お前は何かしたのか。
「このこがとってきてくれた」
「そうか。良くやった」
褒美に小さめのちゅーるをあげようと取り出すと、お気持ちだけで十分です、と言わんばかりに肉球を向けてきた。
が、二足歩行状態であるために、腹の中に何か入っているのが膨らみ具合で良くわかる。
ジルの手の中から床に落ちた時に『けぷっ』というゲップをしたのだって聞き逃していない。
水中戦闘形態を標準装備しているから、こいつらはやろうと思えば魚など採り放題だ。
恐らく、腹いっぱい食べた後、食べきれなかった分をジルに分けたのだろう。
まぁ……一匹で海潜って一匹で腹いっぱいになってその後の食事を単純に食べない、なんてやられるよりは経緯がわかりやすくてよろしい。
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藁を燃やして表面を焼いたらしいタタキは何がどう作用しているかは知らんがなんとも美味い。
特殊な換気システムを搭載した作業部屋を勝手に作った甲斐があったというものだろう。
たぶんガスではこうはいかない。
或いはアギトの力で焼いたらまた違う風味になるのかもしれんが。
食卓に付いたジルもグジルも美味しそうに食べ、グジルはジルの料理の腕の上達を我がことのように喜んでいる。
一方で猫どもの方は割と自由で、新たに仮設した小さめのちゃぶ台を囲み、各々様々な方法で食事を取っていた。
猫らしく餌皿にご飯とカツオのたたきを乗せてそこに顔を突っ込むもの。
座布団に腰を下ろし箸を使ってカツオをつまむもの。
一頻りカツオを爪で引き裂いてから満足気に食べ始めるもの。
凍らせてソルベにしてから食べるもの。
ニーくんは傍らにノートPCを置いて何やら作業しながら念力で食事を取り、他の猫に注意らしき鳴き声を向けられながら、それを軽くあしらって作業を続けている。
スピーカーから漏れ出る音を聞く限り、動画サイトに違法アップロードされたバイクヒーローの最新作を視聴しているらしい。
全国のお子さん達やその親御さん達ならご存知のバイクヒーローシリーズだが、最近始まった平成版はどうも未確認事件……というか、四号をモチーフとしているらしい。
何しろ第一話冒頭で関連事件被害者に捧ぐ……みたいなテロップが流れていたし、週刊誌で何故実在事件をモチーフに、みたいな特集が組まれていたので間違いない。
作中においては元ネタとなった未確認事件そのままの流れでなく、主人公のバイクヒーローの相棒役であった刑事さんは途中からG1を彷彿とさせる装備を身に纏い二号ヒーローとして活躍している。
なお、二号登場エピソードでは一条さんが特別出演しており、その際は恐らく数度監督に指導されただけで完璧に仕上がったであろう並の役者顔負けの流麗な演技を見せつけてくれている。
刑事さんに変身スーツを託すテストパイロット役なのだが、力を託す演技がまるで本人の素で、実はこれ雪山とか背景にした方が良かったんじゃないか、みたいな気すらしてくる。
……魔石由来の学習能力で演技力をつけたってより、相棒役の刑事さんに感情移入しちゃった、ってのが大きそうなんだよなぁ……。
五代さん相当の立ち位置に居る主人公のキャラ造形とか、知ってる人が居たら逆に笑うくらい五代さんモチーフ過ぎるし、関係者の誰かが情報お漏らししちゃったのかもしれない。
こういうアホみたいな情報漏えいがあるから下手に協力者も作れないし身バレを無限に警戒しないといかんのだよな。
既に作中の主人公と二号の刑事さんのカップリングで御腐れ様方が大喜びしている、という話も結構聞く。
露骨な描写は無いし、むしろ作中の二人の関係は割と五代さんと一条さんの関係性を上手くトレースしているなーくらいにしか感じないのだが、そういうくらいの描写の方が二次創作はしやすいのだろう。
「そういやバイクヒーローっていやさ、先週ついに出たよね」
「ああ……出るかなとは思ったけどな」
「てきか、みかたか、なぞのぶらっくばいく」
刑事さんの変身する素直に主人公と協力するタイプの二号ライダーではなく、所謂平成二号枠の様なキャラクターだ。
主人公と瓜二つの姿の色違いで、こころなしかダーティーな戦いをするやつである。
まぁ……お約束みたいなキャラだからモデルが居るとは限らないけど。
因みに主人公はバイクヒーローだが、このキャラは公式でブラックバイクでありブラックバイクヒーローではないらしい。
これは各学年誌やほにゃららマガジンやほにゃらら君などの幼年誌などでも呼称が徹底されており、作中の扱いも明らかにヒーロー側ではない描写があったりする。
なお、ヒーローと付けないとこは徹底されているものの、幼年誌では微妙な表記ブレの結果、名前の後にキラーとかクラッシャーとか付けられていた。
お前ら主人公と合流しないタイプの戦士に恨みでもあるのか。
まぁ……、このバイクヒーローの新シリーズが続くかどうかは未知数だ。
少なくとも、この世界における平成ライダーシリーズになるかはわからない。
なにせ元ネタになる敵との戦いの内、公式に記録が残っているのはアンノウンを相手にした二年目までで、三年目は認識すらされず、四年目は始まる前に敵の群れが滅びた。
五年目である今年は、どうなるか。
白井虎太郎が出版したとして……いや、そも白井虎太郎が生き残らなければBOARDのライダー達の戦いは知られる事は無い。
元の流れで生きていたとしても、この世界で生き残れるか、となると話は違ってくるからな。
そも。
仮に一種類しか敵対種族の居ない世界だとしても、完全に同じ結果になる訳ではない。
奇跡のような生還劇、なんてものも、奇跡が起きるか起きないかの再抽選が行われ、特に何事もなく死ぬ、なんて事もありえる。
或いはどこかの世界ではいにゅいは人間のまま普通に死に、或いは両親の代わりに剣崎さんだけが死ぬ、なんて事もありえる。
まして、生きるか死ぬかがヒーロー任せの、ヒーローの周囲に居る一般人の命など、なんの保証ができるというのだろう。
白井虎太郎の生き死には俺になんの益も不利益ももたらさないからどうでも良いが。
自衛能力の無い一般人が生きていくには辛い世界だなサム……。
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相川始は、栗原親子の目の前ではしないほどの仏頂面で、目の前のフォトグラファー、神丘令の突きつける写真を見つめていた。
突きつけられた写真は栗原親子……今は亡き栗原天音の父、栗原晋も写る、家族全員での集合写真。
冬の雪山で死亡した栗原晋が肌身離さず持ち歩いていたお守りだ。
「先生は……探検家として名高い栗原晋は、この写真を肌身離さず持ち歩いていたそうね。なんで貴方のところにこれがあるのか……。説明できる?」
ふふん、と、意地悪く笑う神丘に、数分前まで、或いは、先の取材まであった社会人としての丁寧さというものは見えない。
「そんな必要はない」
今、相川始として振る舞っているのは、スピリットのカードを用いて人間に化けたジョーカーだ。
カードに封じられたヒューマンアンデッドはこの状況に苛立ちを持つ事も焦る事も無く、むしろ楽しんですらいた。
ジョーカーの不器用さ、そして、目の前の女に口封じを行わない、無意識に魂に染み付き始めている未熟な人間性。
その萌芽に計画が順調である事を確信し、なおかつ、目の前の女性の剛毅さに感嘆している。
「だったら、説明してあげる」
す、と、取り出される、雪山の中に薄着で佇む相川始の写真。
遠景ながら目を凝らせばはっきりと判別できるそれは、相川始が少なくとも尋常な人間ではない事を物語っていた。
そして、その写真を確認したという事は、目の前の女は相川始が人間ではない可能性を考慮した上で、こうして強気に詰問している。
それは既に役目を終え、自ら始末を付けた始まりの女の事を思い起こさせるものだ。
或いは、物陰に控える、人間から生まれながら明らかに人間のそれを逸脱した気配を持つ護衛が居ればこその強気だろうか。
「栗原晋の最後の写真よ。貴方は彼の最後に立ち会った。それをこの家のご家族に隠している……のは、別に良いのだけど」
神丘の瞳がキラリと光る。
それは物理的な光ではない。
しかし、人間が人間に向けるものでもない。
「貴方は、人間の敵、味方、どっちなのかしら」
未知の現象、物質、生物を目の前にした、知的探求者特有の怜悧な光が宿っていた。
そういう訳で重要でないエピソードをスキップするという機微を思い出したのだ
クウガ編とかでもネズミとかは幕間で倒してたしなんなら唯一の昇格者も死亡後しか移してなかったしね
☆バイクヒーローシリーズ平成新一期第一作
バイクヒーローは龍騎世界でオルタナティブのデザイン元として存在する特撮ヒーロー作品
今作中ではクウガ……というか、対策本部と四号の話をモデルに作られた意欲作が放送中
実際に大量の被害が出た事件を子供向け特撮にするという点で一部から猛反発を受けて最近まで実現できなかったが
むしろそういう事件があった、という事実を風化させて危機感を薄れさせるほうがよっぽど危ないという世論に背を押されて放送スタート
性質上未確認生物対策班が全面的に取材に協力している
五代さんについては素性はふせられているが、どういう人物だったか、という話を各方面に取材しつなぎ合わせた結果マイルド版五代さんみたいな仕上がりの主人公が生み出された
刑事役の人は子供向け特撮なんて……と当初は思っていたが、特別出演した一条さんとの僅かな共演時間で何かを感じ取ったのか役に入り込み始めたり
唯一二十二号に関しては情報があまりに少ない為、世間で噂される未確認ハンター的なキャラとして描写されるが表面上の行動としてはさして間違っていないのでグロ表現以外では結構な再現度を保っている
☆日本一顔が売れている刑事一条さん
ついにドラマ出演まで果たす
イケメン独身若手エリートで装甲服を纏って最前線で市民を守る警察官とかいう属性過多ながらそれでも一条さんは実直に仕事をし続けたりするのだ
同僚のハゲの人とか大食いの人に、朝のあれ、見たぞ! とか言われて困った顔を晒したりするがそれを見た婦警の間で更にファンが増えそう
更に魔石の効果で老けなかったりするから人気も下がりようが無い
☆食事は基本的に娯楽の一種扱いと言っても過言ではないニャンニャンアーミー
まったく必要ないって訳ではない
逆に通常の猫以上に食べる事もできるので戯れに海に行って魚を取ったりする
ニーくんが釣り道具をネット検索しているのは趣味の一環
猫としてはできない種類の狩猟を楽しもうという話
逆にニャンニャンアーミーは純正培養で野生時期が無いのでためらいなく海にダイブして水中モーター回して航行したりする
なおニーくんは魚料理を嗜むが、生まれた時から周囲に普通に料理できるジルグジル主人公が居た為おさんどんというくらいの母性は無い
☆ふわふわふさふさしたペットが珍しく、最近は常に猫を持ち歩くジル
ちょっと前の実験の結果喋れるようになった
なお喋らなくてもテレパシーで意思を伝えたりできるが、声を出す、というアクションが珍しいので取り敢えずテレパシーは自分発信自分受信メインで使用
☆なんの変哲もないゲストキャラだけど名前だけ見ると怪しさの塊なフォトグラファー
神丘令、神の丘の令とかもう明らかにバトルファイトの主催側じゃね、と思いきや原作では特に何事もなく退場した常人
原作に比べて相川始を問い詰める際もそれほど感情的ではない
師匠であるらしかった栗原晋に関してもどこか他人事な様子
なんか護衛が二人くらい居るけどこの世界じゃ別に人間の枠からはみ出てるくらいはもう珍しくないんじゃないかなって思えてきた
当然だが神丘令というのは偽名だぞ!
☆顔が面白いモグラのアンデッド
デザインの斬新さにそぐわぬ結構大規模な被害を出していたりする思わぬ強豪
都会の地下を爪だけで掘り進んで遊んでいたニャンニャンアーミーの内一匹に捕捉され、一匹の戦闘形態起動に反応した他のニャンニャンアーミーも集まってきて、どうにもならずにバラバラにされた
下級アンデッド以上の能力を持つトライアルシリーズ複数体連携技能持ちに囲まれた状況から抜け出し生存するだけの能力を持たなかったのが悪い
飛び道具を出せるのは良いけど有効な武器として扱うならマシンガンみたいに連射できるようにならないと弾幕で制圧されるから仕方ないね
偽神丘さん登場
なんか変な護衛が居るけどゲストだから何が出てきてもそんなに気にしなくていいです
ライダー縛りはそもライダーが戦隊クレしん釣りバカと世界観を接続できる(昭和を含めるとウルトラマンも絡んでくる)時点で無い様なものだし……東映じゃないとこから出してもいいよね、平成なら、もう
イーグルアンデッド戦で出したい
あんまりゲストキャラを長居させるとただでさえ進まない本編が進まないからね
今後は度々スキップはさむと思います
主にニャンニャンアーミーで倒せるタイプのアンデッドは
そうでもしないとホントに終わらないので
毎度毎度そうなんですが
基本ライブ感全開でやってて
書きながら続きの話を考えてるようなものなので
特に盛り上がりの無い落ちになる可能性もあるので
そもそも大きな危機を起こさないように、というのが主人公の基本方針なので
それでもよろしければ、次回も気長にお待ち下さい