オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版) 作:ぐにょり
時間は進み、その分だけ物事は変化を続けている。
ちゃぷ、と、音を鳴らすこの水面。
湯船に張られたお湯もまた時間を経ることでどんどんと熱を拡散していくし、生き物であれば寿命などを消費していく。
元が人類であればこの問題はほとんど必ずと言っていいほどつきまとう。
老衰、病死、という概念は魔石の戦士にとって存在しないものと思ってもらって構わないが。
「くすぐったい」
湯船の中、膝の上に載るジルが首だけ僅かに振り返り、横顔で目を細めて笑いながら言う。
撫ぜたジルの肌、腹部、グジルが身体の主だった頃に付けた傷は、今ではそれほど目立つ事は無い。
興奮や体温上昇で血流が良くなった時を除けば遠目にはわからない。
それでも普通の肌の部分とは色味が違い、凹凸もあるので近くで見れば一目瞭然、手で触れればそれはより顕著になる。
これは、新たに魔石を入れ直した時から変化は無い。
無論、魔石の、そして新たに製造したベルトの調整次第ではこの傷を消す事もできた訳だが、これはジルとグジルの連名で拒否された。
肉体的な老いとは掛け離れた位置に居る魔石の戦士だが、それは物理的な変化を抑え、戦士として常に絶頂期であり成長期である為の措置でしかない。
つまりそれは、精神的な成長、知識、記憶の積み重ねという意味での変化は魔石の戦士にも存在する、という事だ。
出会った頃、そして、殺した時期のグジルであれば、料理も洗濯も掃除も何もできず、或いは諸々の趣味に関しても存在しなかった。
或いは、ジルの変化はより顕著だ。
彼女は人格面で言えば四歳くらいだろうか。
誕生から四年という時間は人間の中では最も変化が激しい時期と言っても良い。
未熟な人型の獣が、人間という種族へと劇的に変化する、あるいはその下地を驚くべき速度で整える時期だ。
無論、グジルとしての知識もある程度受け継いでいるので通常の赤子と同じとは言わないが……。
それでも、グジルやジルを見ると、なるほど、戦士として戦い始めてから今までの時間は、これほどまでに人を変えるだけ流れたのだな、と実感できる。
俺も、この四年で大きく変わったと思う。
死を恐れる、という部分に変化は無いと思うが、死を避けるための行為に対するスタンスは大きく変化した。
良く言えば前向きになれた。
恐らく、グロンギがゲゲルを始める前の俺が今の俺を見たら結構引くのではないか、と、思う。
無論、今の俺はこの変化を受け入れた結果だから、過去の俺に出会っても『いずれわかる、いずれな……』とか平気でやるのだが。
結局のところ、向き不向きがあるのだろう。
俺には、死を避けるための、喪失を避けるための争いに対する適性があった。
そして、目の前には常に生存を脅かす、あるいは生活圏の文明を脅かす脅威が控えている。
それに備えるために必要な変化、状況に対する適応。
それが常に変化を与えている。
いや、変化しよう、という意欲を与えている、と言って良いだろうか。
この意欲が無くなると、生きているか死んでいるかわからないものになる。
例えばそれは、グロンギ以前に魔石を宿していた旧世代の魔石の戦士達のように。
俺が確認した沖縄の古物商の主のように、或いは、各地に散らばる異質な魔石の反応のように、目的も無く、それに対する対応もなく、ただ生き続けるだけの生は停滞でしかない。
或いは、それを自覚し、自死したものも魔石の戦士、あるいは、魔石を利用して変化した旧世代の候補者達の中には多く居たのではないだろうか。
もしも彼らが魔石の戦士としての学習能力や戦闘力などを駆使して何かを成そうとしたなら、世界は今のそれとは掛け離れた形に変化していただろう。
だが、彼らはそれをせず、魔石の無い生身の人間の文化の中に溶け込むようにして消えつつある。
できる、と、やる、は、何もしなければ繋がらない。
動機が無ければ、幾ら能力があっても変化する事は無い。
アクティブな敵は、大体そこらへんが直で接続されている。
グロンギは動機ありきで能力として暴力を付け足された種族だった。
マラークはそれ単体ならただの神の力の一片だったが、神の性格が糞だった為に動機という名の自我を得るに至った。
ミラーモンスターはそれこそ動機に突き動かされる能力そのものだった。
オルフェノクなどは変わり種で、本能に根ざした動機ではあるが、その出処は恐らくマラークだ。
では今年は、と言えば。
アンデッドこそ、動機の塊が能力を得た結果と言えるだろう。
地球上のあらゆる生き物の持つ、他の生物よりも優れた形で繁栄したい、という動機。
これがより合わさって生まれた統制者と、そこから発生するアンデッドという種族代表の戦闘ユニットだ。
始祖である、という主張もあながち間違いではない。
生きたい、増えたい、広がりたい、という願いはあらゆる生き物の根本にある。
そもアンデッドが始祖ではなく、種族ごとの集合無意識を束ねた半生物半エネルギー体、という仮説は、何もこの世界で得た情報だけから類推したものではない。
俺の知る、物語としての世界で、生物の始祖であるという設定では通らず、何らかのエネルギー体、情報体の一種であれば通る現象が確認できるのだ。
そう、『過去と未来の鎌田が……一つに!』現象である。
一部ではDouble-Action Abyss formと呼ばれる、時間軸の異なる二体のアンデッドの融合現象だ。
単純に考えればカテゴリーキングが二体融合した上で、平成一期の中では傑作と言って良い性能であるミラーワールド由来のデッキシステムで変身するのだから、これは恐ろしい強敵になると考えても良い筈なのだが……。
結果はなんともしまらないというかパッとしないというか。
思い返してみれば上級アンデッドでキラリと光る戦績を残したアンデッドは少数派だったような気もするが、それでもあれはあんまりな戦闘力だ。
元の鎌田がカテゴリーキングの中でも最弱だった、という可能性を考慮しても、そもそもこの現象に一切の説明が無いのがおかしい。
アンデッドは人為的に手を加えない限り融合しないし、融合したらしたで別物に変化する。
が、この現代の偽りのバトルファイトの中ですら、鎌田の様な同一のアンデッド同士の融合、という症例は確認できないし、しようもない。
実は融合した鎌田はあしゅら男爵のように未来と過去でセパレート状態でキメラになっているが、見た目が同じだからわからないのだ、という意見も無いではないが……。
アンデッドが種族の集合無意識をベースに投影される力あるヴィジョンのようなものであるとすれば辻褄は合う。
あれは、未来の鎌田が過去の鎌田を取り込んだのではなく、未来から来たと思しき訳知り顔で強気そうな鎌田という、現在の戸惑っている方の鎌田よりも強そうな鎌田が現れた為に、鎌田の種族、パラドキサカマキリの種族代表としてのヴィジョンがすり替わってしまったのだ。
恐らく、未来鎌田のイメージに過去鎌田のイメージが同期せず、そのまま未来鎌田の時間まで進んだ場合、何かしらの切掛で悪巧みをして過去の自分を乗っ取る作戦を練れる程度の知性を持つイメージが主流になったのだろう。
将来的に自分たちが良しとするイメージを、まだ思いついていない自分たちが受け取ってしまったのだ。
パラドキサカマキリたちにとっては未来知識で無双されたようなものだろう。染まるのもうなずける。
こういう場合はどうしても後出しの知識の方が強い。
過去から未来に進んでいく生き物は過去を神聖視しがちだが、結局のところ未来に対する強いあこがれがあるからこそ立ち止まらずに生きていけるのである。
未来は鮮烈だ。
ファミコン時代の名作がどうこう神ゲーがどうこう言うやからが居るが、ファミコンの時代に……そうだな、PS9……いや、PS3くらいでもいいか。
その辺の数十年後のゲーム機とソフト一式を持っていきプレイさせたら、そらみんなあまりのショックに七孔噴汁するだろう。
故に、アンデッドの個体としての記憶、というものは極めて不確かなものだ。
現代の種族の精神同調によって生成された最新のアンデッド達は、統制者というバックアップによってある程度戦歴を引き継ぐことが可能だとしても、種族間の最新の流行の形で形成される。
それはそうだ。
一万年あれば、生物の生態というものも変化を起こす。
一万年前の環境を想定してデッキを組まれても困るのだ。
大気組成など、巨大隕石が降り注がなくとも、大規模な噴火が一つ起こるだけで変わる。
生存圏がごっそりと失われてひっそりと絶滅した弱小種族も居るだろう。
が。
例外が一つ存在する。
前回のバトルファイトの勝者であるヒューマンアンデッドだ。
何も、人類はその種族特性として記憶だけでなく記録として明確に情報を残せるのだ、みたいな人間贔屓な話ではない。
彼には協力者が居る。
秘密結社ゴルゴム。
この強大な組織が彼にとっての外部記憶装置としての役割を果たしていると言ってもいい。
或いは、他のアンデッドが一万年という時をただ単純に封印されたまま過ごしていたのとは異なり、ここに何かしらの協力を願う事で、一万年という時間を作戦立案に使う事だって可能なのだ。
次のバトルファイトまでに、これこれこういう事を考えて、あるいは研究しておいてくれないか、と頼んだとする。
無論ゴルゴムには素直に言うことを聞く理由などほとんど無いが、なにせ次のバトルファイトまでは一万年ある。
創世王の代替わりが五万年周期であるから、一万年も過ぎれば忘れられてしまう、なんて事も無い。
そして一万年もあれば、スキマ時間でそういえばヒューマンアンデッドがあんな頼みごとをしていたな、と思い出して貰い、気まぐれに案件を進めてもらうだけでもかなり詳細を詰める事ができるだろう。
それこそ。
この現代社会の形すら、ヒューマンアンデッドがゴルゴムに頼んでおいた案件の結果、という可能性すらある。
もちろん、ゴルゴムが都合よく世界を回すための形を優先はしているだろうが……。
まあまあ住みよい世界、というのは、存在するだけで支配種族のやる気を沸き立たせる。
バトルファイトを有利に進める為の、
ヒューマンアンデッドが負けた場合、今おまえたちが享受している快適な文明生活は全て失われるぞ、と脅されて、協力しない人間はそう居ない。
それでも他の種族のアンデッドとの絆を優先して従わない、みたいなのは確実に一年に一人二人くらい生えてくるだろうけれども。
実際、永遠の無効試合は魅力的だ。
支配種族シフトシナリオなぞ御免こうむる。
しかし、忘れてはならないのだが。
全アンデッド封印というのは統制者からもイレギュラー扱いをされている。
が……全てのアンデッドが封印された状態、というのは、珍しいものではない。
誰が勝者になっても変わらないかはともかく、少なくとも、ヒューマンアンデッドは勝利して人間を支配種族にしたあと、きちんとカードに封印されて統制者のモノリスとともに封印されている。
バトルファイトが正常に勝者ありで終結したとしても、最終的にアンデッドは全て封印された状態になるのだ。
そうでないなら、封印されたアンデッドの数はヒューマンアンデッドを抜いた数でなければならない筈だ。
つまり、剣崎一真が相川始を封印し、アンデッドにならずライダーではなくなった未来であったとしても、その先の未来でバトルファイトが再び開催されない、とは限らないのだ。
不確定さで言えば、ジョーカーを封印しない未来よりも情報が無い。
ジョーカーと剣崎、二体のアンデッドが戦わずに永遠にバトルファイトが終わらない世界ではしびれを切らした運営が強硬策に出て、結果的にはバトルファイトの黒幕とも呼べるものを打倒できる。
無論、これを狙うのならば数百年数千年という時間をかけなければならないが……。
時間は人を変える。
ヒューマンアンデッドが一万年前にゴルゴムに何か思索を託したかどうか知らないが、ヒューマンアンデッドにも考える時間が無い訳ではない。
数年前にほとんど全てのアンデッドが封印から解き放たれ、その後に即座にジョーカーによって封印されては居るが、ヒューマンアンデッドは事実上カードの状態でジョーカーに寄生して自由に行動できている。
考え事ならなおのこと、身体をジョーカーに預けて思索にふける程度は容易いだろう。
二年だ。
二年前にアンデッドの封印は解かれた。
二年前には特別な出来事は無かった筈だが……。
二年という歳月は、情報を集めるには十分過ぎる時間だ。
しかも、ヒューマンアンデッドは人間という種族の長所を全て兼ね備えていると見て良い。
モーフィングパワーもそうだが、頭脳、五感、それらは魔石の戦士を基準として見てもなお高い可能性だってある。
無効試合狙いかと聞いた時、やつは
その上で、後始末のあてがある、と、後始末の必要性を示唆した。
結局、後始末を任せる相手が俺なのかゴルゴムなのかすら答えていない。
何を学んだ?
何を企む?
無論、人間の代表、というのであれば、人間特有のミス、ガバだってあるのかもしれないが……。
「なやんでる?」
ざぷ、と、膝の上で身体を回すように、横抱きの姿勢になったジルが顔を覗き込む。
「難しいものでな」
殺して終わり、とならない敵は難しい。
物理的に殺せないというのはもちろん、ヒューマンアンデッドが封印されている現状では、下手にヒューマンアンデッドが乗り物として使っているジョーカーも封印できない。
面倒な事を企む敵は口を開く前に叩き殺すのが最善手なのだが、下手なアンデッドを勝者とした場合、支配種族がその時点でシフトしてしまう。
いや、もしかすれば、全力を出せば統制者の行う支配種族シフトに対抗できるのかもしれないが、不確定要素が多すぎるからやるべきではない。
「てつだう?」
「必要になったらな」
「にーくんはてつだってる」
大きめの盥の中で蛇口からのかけ流しのお湯で温まっていたニーくんが一瞬だけ『こっちに振る?』みたいに迷惑そうな顔をし、耳を伏せて聞こえないふりをする。
「稼働テストも兼ねてるんだよ」
俺の返答に、ぷー、と、唇を尖らせて、俺の肩の上に顎を乗せ、呟く。
「
「も?と、じゃなくて、で、でもなくて?」
「たいくつそうにしてる」
ふぅむ。
ジルに与えた契約モンスターも、ロードインパルスや仲村くんのセブンガーと同じ処置を施しているから餌は必要ないが、戦闘力を与えただけで戦闘の機会を与えないのでは腐るのも仕方がない。
「来年まで待て」
「ことしはだめ?」
「デッキを使うには……今年の獲物は的が小さい」
「じゃあ、かわりに、こんどおでかけ」
「いいぞ。どこに行きたい?」
「ちちぶさんちゅう!」
こいつはどこでそういうネタを仕込んで来るんだ……。
ともあれ、悩んでばかり、考察してばかりでも仕方がない。
結局の所、ヒューマンアンデッドが何を企んでいようとも、アンデッドの封印は進めなければならないのだ。
奴がどういう手を使ってきても対処できるように、こちらも柔軟に対応していくしかない。
まずは、気晴らしに上級アンデッドの細胞でも採取してこよう。
―――――――――――――――――――
都内、とあるペットショップにて。
神丘令は子犬へ向けてカメラを向け、シャッターを切る。
「中々難しいわね」
本物の神丘令からカメラの取扱に関して一通り聞いてはいるが、それでも決して本職に及ぶものではない。
この調子だと、相川始にも途中から勘付かれていたのではないか。
ふとそんな考えが浮かぶが、実のところを言えば、神丘令にとって、相川始が何を勘付こうとも大した問題では無かった。
既に、海外で得た知見を元に纏めたデータは警視庁……ではなく、ある程度信用のおける人物に預けてある。
後は……。
「こうして高い金で売られていくものが居る一方、毎年五十万匹の犬猫が処分されているそうですね。人間というのは不思議なものです」
背後からかけられた声に、神丘が振り向く。
そこに居るのはスーツを身に纏った眼鏡の男。
神丘にとって旧知の、しかし決して相容れる事のない嫌味な男を彷彿とさせながら、それでも決定的に違う何か。
消し難い暴力の気配を感じさせる男の言葉の揚げ足を取る。
「価値が認められたものが持て囃され、認められないものが消えていく、貴方の言う人間以外でもやっている事じゃないかしら」
興味を引かれ、しかし、周囲から『関わるな』と口を酸っぱくして言われたアンデッドなるもの。
これとの接触を済ませば、また海外にとんぼ返りだ。
まだまだ学ぶものも多い。
「ふんっ!」
神丘の内心を知る由もない、そして人間などと会話をする気も無いイーグルアンデッドは、神丘の返答にリアクションを返す事も無くアンデッドとしての本性を表し、鉤爪の付いた腕を神丘に伸ばす。
爪で引き裂く……訳ではなく、捕らえて連れ去ろう、という動きだ。
イーグルアンデッドにとってこの女はカリスの狙う獲物、カリスをおびき寄せ、一万年前の決着をいち早くつけるための餌に過ぎない。
当然、抵抗される事、逃げられる事など想定もしていないし、神丘にしても上級アンデッドの手から逃れる程の身体能力を備えている訳ではない。
だが。
イーグルアンデッドの腕を掴む手があった。
特に強化服などを装備している訳でもない、一見して生身の人間の手。
しかし、イーグルアンデッドの腕を押さえつける腕力は明らかに人間のそれではない。
人間離れした膂力の持ち主……肩に掛からない程度に髪を伸ばした、赤いライダージャケットを羽織る三十絡みの男。
実年齢と比べて比較的若く見えもするその男は、イーグルアンデッドの腕を掴みつつ、苦笑いを浮かべながら神丘に告げる。
「こういう無茶は止められてたろ?」
「あら、私はペットショップで犬と戯れてたら、偶々そこの怪人に襲われただけの被害者よ?」
「じゃあ早く逃げろ」
「腰が抜けちゃったから、ちょっと時間がかかりそうね」
そう言いつつ、神丘は悠々とカメラを収めていたバッグから球状の機械を取り出した。
次の瞬間にはふわりと浮き上がり、表面に見えるレンズ状部分をイーグルアンデッドに向けたそれは、コマンド・サテライトと呼ばれる機械を神丘が独自に再現、改良したデータ採取用のドローン。
気づけば周囲に人は居ない、いや、元からこうする事が目的だった為か、迅速に避難できる人員を店に配置していたのだ。
「ああもう、とんだじゃじゃ馬じゃないか!」
「ごちゃごちゃと!」
イーグルアンデッドが掴まれていた腕を力づくで引き離す。
事ここに至ってイーグルアンデッドの認識も改められる。
目の前の男の力、体格からして明らかに常人よりも逞しい体つきをしているが、鍛えているから、で済むものではない。
ライダーと呼ばれるものか。
なんにせよ、カリスをおびき寄せる餌を手に入れるには、目の前の男を排除しなければならない。
そう考え、男に対して今度は殺すつもりで鉤爪を振り下ろす。
が、これもまた男の手によって弾かれる。
空手でいうところの廻し受けだろうか。
男はイーグルアンデッドの鉤爪の一撃を弾く動きのまま、大きく両腕を回転させ、右拳を前下へ、左拳を引き気味に構える。
そして、裂帛の気合と共に、右腕を左に、そして左腕を右に突き出す。
突き出した腕を、再び大きな円を描くように、周囲の
取り込まれた気は大気から得たものではない。
この世の万物を構成する五元気。
これに風、そして星の持つ気を合わせた七星気。
世界の力、世界を流れる風の力、全てを内包する星の力。
これらを合わせ、一体化し、気の鎧として身に纏う、拳王流の究極奥義。
それこそが!
「鎧気装!」
機械的改造手術を施されたガイボーグとしての肉体に、気の制御により完全に人間としての肉体と一体化したファラー──外宇宙から飛来した寄生生物。
これら要素が奥義による気の制御で完全に一体化、融合。
素の状態で常人の十倍の力を持つ、真紅に染まった靭やかな改造筋肉。
銃弾すら弾くメタリックな装甲。
それらが人間としての生来の肉体とファラーの力により有機的に統合された超戦士だ。
ライダーか、と、イーグルアンデッドが呟く間に、真紅の戦士は両腕を胸の前に交差させる形で気を集中。
集められた気が拳にまとわり付き炎の如く揺らめく。
「王気、烈火撃!」
放たれるのは燃え盛る炎のように激しい正拳の連打。
至近に居たイーグルアンデッドはそれを軽く飛んで回避。
拳打の範囲から逃れ、所詮は人間か、と嘲笑うつもりが、その身体を衝撃が貫く。
正拳と共に飛来した炎の如き気の塊が、避けきれたと油断したイーグルアンデッドへ着弾したのだ。
自らが覇者である筈の空に逃れる間も無く、イーグルアンデッドの身体がガラスを突き破りペットショップの外へと投げ出された。
赤い戦士はそんなイーグルアンデッドを追ってペットショップの外へと飛び出す。
イーグルアンデッドは明らかに想定していなかった未知の戦力を前にその場を飛び去ろうとし、それに赤い戦士がしがみつく。
「さて、どの程度のものか、見せてもらおうじゃない」
ペットショップの中、バッグの中に潜ませていたモニターを確認しながら、神丘令を名乗る女は、空の向こうに飛んでいくイーグルアンデッドと赤い戦士へ、口調とは裏腹な真剣な眼差し向けた。
謎の偽神丘令に付き従う謎の赤いメタルファード、一体何ファードなんだ……
☆恐らく今回もカメラ越しに謎の戦士を確認して探偵物語ごっこをするに至ったお風呂でのんびりしてる場合じゃないやつ
まぁでも他作品とクロスオーバーするほど流行った作品じゃなくてよかったなとは思ってそう
恐らく完全にノーマークだった
☆海外で自分と兄の治療を担当していた謎の天才科学者からのお願いで心とは裏腹な生き方をしてる謎のメタルファード
龍水晶はいつ破損しても交換が容易なように天才科学者が生成した代用クリスタルに変更されている
技術的に改造人間系なので警察には流用できないが、改造筋肉などの技術が装甲服に転用可能
今はペットショップ周辺に人が来ないようにしてくれている色違いでデザイン違いの兄も一緒
御年30歳だが多分ファラーとかの効果で見た目より若く見える
☆海外で出会った目的の博士とのディスカッションで良いインスピレーションを得たが、日本でまた別の脅威が動いていると聞いて取り敢えず途中まで思いついた新装甲服の設計図を知人に預けた謎の神丘令
たぶん海外で本物の神丘令と共に何らかの事件に巻き込まれてその縁で身分を借りる事になった
警察に直でいかないのは、実は警察上層部に根を張りつつある今動いているのとは別の敵対種族を警戒しての事
謎の結城博士からは今戻るのは危険だとされ、護衛として昔に治療した改造人間を二人護衛としてあてがわれた
人体改造は駄目だけど装甲服を肉体に組み込んでおくのは盗難防止に良いわね!
初期G3Xとかを見るにこの人の倫理観も大概
博士の所で色々技術を吸収した
☆ライダーワープよりはまだ言い訳が聞く飛行能力による場面転換ギミックのスイッチ(イーグルアンデッド)
空が飛べるがそれはそれとしてローキックで足元を強く責められる予定
カリスと雌雄を決する約束をした、というのが事実であった場合、ジョーカーでないカリスはだいたいこいつと拮抗する程度の実力しか無かった説もある
☆ウルトラマンZ
次で最終回とかうせやろ?
間違いなくZロスになる自信がある
もうゼットライザー買っちゃったよ……
今更プレバンでスペシャルエディション出るって言われても困るよ……
それならついでにダークゼットライザーも再販してくれよ……
あと赤鬼仮面さんの手書きウルトラマン動画も最終回と思うとそれも悲しい……
ウルトラ寂しい気持ちでいっぱいでございまs……
なんか話が書けないなと思ったらちょっと別のものを混ぜてみる
話が進んだら切り離せば良いのだ
ゲストの方の原作が元の話通りに進んでいるかは不明
でも日本で他に大きな事件も無い時期に起きたんだからライダーが協力してもっと小規模な段階で収まっていた可能性は高い
あくまで平成ライダーを振り返る話なので
でも気分転換に余計なものを一時的に挟み込む事もあるかもしれない
ホットサンドで通常の具を使うのに飽きて納豆挟んだり大福挟んだりするようなもの
そういう話なのですがそれでもよろしければ次回も気長にお待ち下さい