オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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126 闘神の力

こと一般的な格闘家にとって、空中戦というものは想定の範囲外だ。

そも人間同士で戦う戦闘というものを想定した格闘技、或いは武術において、想定するのは同じく地面に二本の脚で立って構える人間である。

或いは相手が武器を持ち、鎧を着込んでいる程度の事を想定して技や型を作ることこそあれ、空を飛ぶ相手に対する備え、というものは存在しない。

というより、立って構えた状態から、過度に上下に距離の離れた相手に対して格闘を繰り出す、という状態がまず無い。

人間は空を飛ばないし、地面を這う様な位置に居ればそれは倒れているも同然であり、武器なりを使って止めを刺すような段階だろう。

 

そういう意味で言えば、イーグルアンデッドは本来、格闘術を主体にして戦う戦士に対しては非常に強い、という事になるだろう。

カリスを好敵手として再戦の約束を結んだ、というのも互いの戦術の相性にある。

カリスアローという飛び道具を主体に戦う関係上、イーグルアンデッドが相手でもカリスは真っ当に戦闘を繰り広げる事ができる。

逆にイーグルアンデッドからすれば、頑健な鎧に身を包んだカリスに対し、得意距離で有効打を与える事ができない。

 

カリスもカリスアローによる射撃こそ可能だが、それは必中という程でなく、ジョーカーの擬態でない状態ならば無数の特殊能力なども備えず、防御偏重で決め手が無い。

一方でイーグルアンデッドも高所から無数の羽手裏剣など飛ばす事ができてもカリスの鎧を貫く事は難しい。

一方的な戦いにならず、ある程度は千日手になる力関係。

現代の偽りのバトルファイト、或いはそれ以前から行われていた人類と異形との戦いを思えば、なんとも焦れったく地味で歯がゆくなる様な戦いに見えるかもしれない。

だが、普段は装甲と遠近両用の武器で安定した戦績を誇るカリス。

そして、高い飛行能力にある程度の近接能力、連射性の高い遠距離攻撃で一方的に相手を仕留める戦いを常とするイーグルアンデッド。

両者にとってみれば、滅多に出会うことの無い、拮抗した実力を持つ、自分が戦うに相応しい強者である様に思えたのかもしれない。

 

バトルファイトというものは総当たり戦ではない。

アンデッドであっても全てのアンデッドの能力を知っているわけでもないし、強さの基準は経験からしか作れない。

或いは、イーグルアンデッドやカリスが一万年前のバトルファイトで同じカテゴリのアンデッドと事前に戦っていればそこまで意識する事は無かったのかもしれないが……。

少なくとも、このイーグルアンデッドの中では、カリスは間違いなく自分と同格の戦士であり、()()()()()()()なのだ。

自らのカテゴリーを知っていながら、イーグルアンデッドの中ではクイーンやキングなどの格上よりも意識する相手。

 

つまり。

イーグルアンデッドは楽観している。

空も飛べず、飛び道具も持たず、空に逃げる自分にしがみついてくる様な輩は、有象無象の下級アンデッドの中にも多く居た。

それをしてくる相手は取るに足らない弱者なのだ。

 

だが。

赤いメタルファード……拳王流の拳士である風間剛の変ずる戦士、ガイファードは、一万年前のバトルファイトで彼が蹴散らした下級アンデッドとは違う。

空を飛ぶ敵に対し、地に立ちながら攻撃を加える事ができなかった訳ではない。

非戦闘員である神丘令……と、今は名乗っている旅の科学者へ被害が及ばないよう、あえてその場から離れる事を許したに過ぎない。

そして、ある程度の距離が稼げたのを確認したガイファードが、しがみつく両手の握力のみで保持した自らの身体を、ぐん、と持ち上げる。

空中で行うドラゴンフラッグの如く、しかし、自らの身体を支える部位は両手のみという状況で繰り出されるその動きは、半ば手首の筋力と並外れた出力を誇る全身の筋肉の反動のみで行われている。

 

驚くのはイーグルアンデッドだ。

自らの足首に必死に捕まり振り落とされまいと足掻いていた獲物が、急に重くなった(激しい体重移動をそう誤認したに過ぎないのだが)かと思えば、まるで羽が生えているとでも言わんばかりに空中で姿勢を変え始めたのだ。

驚きの次に来たのは衝撃。

イーグルアンデッドの頭部を、逆さに身体を翻したガイファードの踵がひねりを加える様に撃ち抜いたのだ。

 

それは、木の気を使う回し蹴りである風花乱舞、そして地の気を用いる超音速の踵落としである地雷震、二種の蹴り技のミックスだ。

或いはこの一撃を傍から見れば、ブレイクダンス、或いはカポエイラの技の一種かと見間違う程のアレンジが加えられており、元の技の面影は殆ど無い。

しかし空中という支えのない位置で、無理な姿勢から放った一撃であったが、反撃などくるわけもないと思い込んでいたイーグルアンデッドにとってみれば完全に意識の外から放たれた一撃。

意識を失う、という事こそ無いものの、脳を揺らされた衝撃で平衡感覚を失ったイーグルアンデッドはよろよろとよろめきながら緩やかに落下していく。

空力で飛んでいる訳ではないアンデッドだからこその、空中で制御を失いながらの緩やかな墜落。

 

イーグルアンデッドも事ここに至り、掴んだ獲物がただの狩りの標的とはいかない事を理解する。

それこそ、面倒だとしても早い段階で振り落とすなりしていれば……。

落下の最中、蹴りを叩き込んだ反動で自分から離れていくガイファードへと羽手裏剣を飛ばす。

空中で唯一の支えであった自分の足首をも手放した以上、躱す事はできない。

そんな予想はあっさりと覆された。

捻るような身体の動きでたやすく姿勢制御を行ったガイファードは迫る羽手裏剣を拳で、肘で、膝で丁寧に撃ち落とし、全身のバネを使い軟着陸を果たす。

 

軽めの脳震盪、しかし、アンデッドの肉体は強力な再生能力こそ備えていないが、実際の生物と比べてやや曖昧な……、物理的制約に縛られない部分がある。

空を飛ぶタイプのアンデッドが飛行に適した翼を持たないのと同じ様に、ある程度、種族を代表して戦う戦士としてのイメージ通りの挙動を可能とする。

頭部を強かに蹴りつけられたとして、それほどダメージは長引かない。

無論、頭部がひしゃげる程のダメージなどであればバックルが開く程度の公平性はあるのだが……。

 

よろめきながら、イーグルアンデッドが再び離陸。

そして今度は距離があり、ガイファードが即座にしがみつける位置ではない。

明らかなイレギュラー。

カリスとの決着を付けることもできず、ライダーとやらに負けてしまっては種族繁栄の使命を果たすことができなくなってしまう。

兎にも角にも、この場を、この戦士から離れて仕切り直さなければ。

 

誇り高さよりも、種族を代表する戦士としての使命感からこの場を去ろうとするイーグルアンデッド。

その目の前で、ガイファードが鎧気装の時と同じく、周囲から気を集めるが如く両腕で円を描き、胸元に拳を構え──

 

「王気・極星拳!」

 

中段正拳突きに似た拳の一撃。

イーグルアンデッドとの距離は拳の届くものではない。

それはガイファードの修める拳王流であっても変わるものではない。

しかし、生体エネルギーを物理的エネルギーへと変換可能な寄生生物ファラーの特性を利用する事により、拳打に込められた気を、物理的破壊力を伴うエネルギー弾へと変換し、射出する事が可能なのだ!

 

その威力たるや、特殊合金製のガイボーグの肉体に容易く大穴を開ける程のもの。

星の気を込めた飛翔する拳打が、イーグルアンデッドの翼を肩と共に刳り飛ばす。

空を飛ぶ為の象徴である翼を破壊されては、さしものイーグルアンデッドもどうしようも無い。

両腕に装備された巨大な鉤爪を用いて格闘戦を挑む。

 

右の鉤爪による振り下ろし。

左腕により爪でなく腕を抑えられ、逆にガイファードのコンパクトな動きによる右ローキックがイーグルアンデッドの下腿を激しく二度打ち据える。

痛みを堪えながら左の鉤爪によるフック気味の一撃。

だが、この一撃は誘導されたものだ。

痛烈な、しかも短い時間で繰り返し叩き込まれたローキック。

これを避けるために、ローキックで蹴られた側を遠ざける為に左を反射的に出してしまった。

 

ローキックを放っていた右足が下がる。

一歩下がった左足を軸にガイファードの身体がくるりと、いっそ武術の技と思えぬ程に軽やかに舞う。

左の鉤爪が空を切り、ガイファードの蹴り足が飛ぶ。

王気、風花乱舞……に、見せかけた、ミドルに近いローキック。

下腿部寄りの膝を横から打つ一撃に今度こそ決定的にイーグルアンデッドの体勢が崩れ、すかさずローを放った脚が前蹴りで距離を作る。

 

一方的。

しかし、それも無理からぬ事だ。

イーグルアンデッドは空から距離を取り相手を一方的に遠距離武器で倒すという強みを持った強豪アンデッド。

しかし、それ故に地上で、近接での戦いに関してはそれほど経験を積んでいない。

対してガイファードの扱う拳王流は地に足を付けて近い間合いの相手と戦うことを考えて作られた武術だ。

そして、ガイファードは秘密組織クラウンとの戦いから十年近く、海外で仮面の戦士達と共に戦いの経験を積み続けてきた。

空を飛ぶ相手を自らの土俵に引きずり込む手腕も含めて、接近戦の熟練度がまるで異なる。

 

翼を奪われ、地に立つ為の二本脚すら痛めつけられ、今にも倒れかねないイーグルアンデッドの目の前で、ガイファードが気を集める。

逃げる、避ける、という選択肢を取ることもできないと気付かされたイーグルアンデッドは、篭手状にも見える鉤爪をクロスさせ防ぐ選択を取る。

無論、この一撃を防いだとしてもジリ貧ではある。

拳王流の究極奥義である王気七星破。

その中でガイファードが最も得意とする極星拳は強力な破壊力を秘めた遠近両用の奥義でありながら、燃費の面で見ても極めて効率が良い。

連発されでもすれば、たちまちにイーグルアンデッドは再起不能に陥るだろう。

そうでなくとも、この場をガイファードを振り切って逃げる手段を失ったイーグルアンデッドにしてみれば、一撃でやられるか時間を掛けてやられるか程度の違いでしかない。

 

ガイファードの拳に集まる気の輝きを見ながら、イーグルアンデッドは加速する思考の中で打開策を探し……答えを見つけるよりも先に、頭部を貫く衝撃に思考を停止させる。

ガイファードの目の前、両腕をクロスさせて受けの姿勢を取っていたイーグルアンデッドの頭部に、突如として巨大な槍──矢羽があるところを見るに矢か──が突き刺さるのを目撃した。

矢の突き刺さり方から飛来した方角へと視線を向けるガイファード。

遥か彼方、海岸線ではなく、更にその奥の山の中に小さく見える人影。

 

―――――――――――――――――――

 

強化されているとはいえ、視力に関しては並外れたものという訳ではないガイファードには見えずとも、その戦闘を見守っていた改良型のコマンド・サテライトには、その向こうに居る神丘令には見えていた。

ガイボーグでもメタルファードでもガイアソルジャーでも、まして、改造人間でもない。

弦楽器の様な優美な曲線を持つ鎧……未知の設計思想で作られた装甲服が、人間に引けるとは思えない太く巨大な弓を、そして、番えた次の矢を向けているのを。

次の瞬間、神丘令の元にあるモニターに写っていた映像が途絶えた。

コマンド・サテライトが射抜かれたのだろう。

銃弾並……どころの話ではない。

恐ろしく速く、そして正確無比な弓矢による狙撃。

覗き見は許さない、という、何者かからのメッセージだ。

 

「あれが、アンデッドと戦う戦士か」

 

「さて、どうかしら」

 

背後、自分を警護するために残った拳王流使いの片割れに気のない返事を返す。

データを渡したいけ好かない元同僚の言葉によれば、アンデッドがらみの事件では警察はまともに動けていない。

上層部に圧力が掛けられ、民間の装甲服使い……()()()()()()が対応していると聞く。

だが、当時から知っている通り、そして日本を出て改めて外部から情報を集めて知ったが、日本にも海外に匹敵する程に無数の戦士達が居るのだ。

あれが、どこに所属する戦士、隊員、そういったものなのかは知らないが。

秘密主義を咎めることも出来ない。

そうしなければまともに活動できない、というのがこの時代なのだ。

表向きの顔を隠しているからこそ、ああしてアンデッドに関わることも出来ているのだろう。

自分が神丘令として一時帰国を果たし、勉強先の新たな師からの忠告を一先ず聞かなかった事にして事故に見せかけてアンデッドに関わって見せたように。

 

「……あれも貴方の差し金かしらね」

 

「何?」

 

「なんでも無いわ」

 

あの日に見た、二十二号の手勢であるという量産型の装甲服軍団。

技術的なデザインラインに共通点は無い。

無いが……どこか趣味的な、美術的な相似点があるように思えるのは、やはり強く印象に残っているからか。

 

人の領域を越えた戦い。

警察が介入する間もなく終わったという戦い。

多くの犠牲者を出した、人食い巨大生物の群れ。

 

あれらを、そして、これから起きるかもしれない同規模の、或いは、それを超えるような事態を想定して、新たな知識、新たな知見を求め、学び直しているが。

果たして、人類は生き残る事ができるのだろうか。

 

―――――――――――――――――――

 

遠く、海岸で起きた爆発。

その爆発に紛れて鳥の化け物を海に引きずり込む無数の猫を遠目に見ながら、銀と木目調の茶で彩られた優美な曲線を持つ装甲服が、大弓を下げ、息を吐く。

特殊合金を無数に、複雑に編み込み、張り合わせて作られた、人間が引くことを想定して作られていない、彼女の為だけに設えられた得物を持つ手が緩み、全身の装甲が剥がれ落ちるように分解し、弓を中心にコントラバスの形を取り、巨大な楽器ケースの中に自動で収まる。

装甲服によって押しつぶされていた胸元を整えながら携帯電話を取り出し、コール。

 

「……あ、交路くん? さっき海辺ででっかい黒い鳥の化け物が出たんだけど、あれって撃ってよかったんだよね? 交路くんとこの猫が持っていったし」

 

装甲服を着ていた女──難波祝が携帯を手に、巨大な蒼白のトライク、レイブレード・インパルスに腰掛けながら楽しそうに話す。

無論、戦士として並外れた技量を持つ以外は普遍的な年頃の女性(それでも実年齢からするとやや幼いのは魔石が加齢を抑えているからだろう)としての価値観を備える祝に戦闘に対する高揚も敵を倒したという達成感も無い。

が、好意を抱いた相手の役に立てたかもしれない、という予感は高揚を与えるには十分すぎるものだった。

 

基本的に、小春交路という男は難波祝に無条件で甘い。

物であれ行動であれ強請られれば、いや、願われれば余程の危険が無い限り叶えてしまう。

実際のところ、ある一定の時期までは、彼女が異性として好意を持っていることを伝えれば素直にそれを受け入れる可能性があった程だ。

 

だが。

それに反して、小春交路から難波祝に何か協力を求めるという事は無い。

日常生活の中で遊興に誘う程度のことこそあれ、こと荒事難事に関しては、いざ遭遇した時に万全に対応できる程度に指南する事があっても、力を貸してくれ、と願われない。

無論それが難波祝のことを案じての事であるというのは当の本人も理解してはいるのだが……。

 

「そ、そう? 交路くんのくれた新しい武器のお陰だと思うけど……えへへ、ありがと」

 

携帯で通話しながら、一人山道の路肩に止めたトライクの上で身をくねらせる少女。

戦意が高い訳でもない。小春交路の様に未来に対して強すぎる危機感を抱いている訳でもない。

 

だが。

 

小春交路が望んでいる。

それを叶える事ができるのは嬉しい。

 

それだけの理由で、彼女は一角の戦士へと変貌する。

魔石の戦士として、装甲服を纏う戦士として。

死もあり得る戦いへ、不器用な愛だけをモチベーションに、彼女は躊躇うこと無く立ち向かうのだ。

 

―――――――――――――――――――

 

海中移動要塞の潜水艇出入り口に、ざばりと音を立てながら、頭部を失ったイーグルアンデッドと、それを引きずるニャンニャンアーミー達が現れる。

 

いや、よく見ればイーグルアンデッドを引きずっているのは一匹だけで、他は思い思いの海中生物を引っ張っている。

監視カメラ越しに見た時は全員で確保していたように思うのだが、途中で飽きて別の獲物を捕まえてきたようだ。

魚介類なら別にいいのだが、胎内に卵を抱えたウミガメは放してやりなさい。

 

──んあおぉん

 

結局、イーグルアンデッドはニーくんが引っ張ってきたようだ。

まぁ、頭部を失った為に思考能力を一時的に失っているので、運ぶのに全員は必要ない、という判断が各々の中であったのだろう。

ニーくんをタオル(しかも今治のやつだ)で拭いてやり、喉を撫で、脳作用をいじってα波やら快楽に繋がる脳内麻薬を強めに分泌させてやる。

これを繰り返し行う事で肉体が喉を撫でた時に反射的にリラックス状態に移行する様になっていき、より俺の言うことを聞きやすくなる、という寸法だ。

何しろニーくんをはじめ、ニャンニャンアーミーが俺の言うことに従っているのは教育の成果だ。

ニーくんに至っては半ば損得勘定とか、或いは一種の恩義、貸し借りが根底にある。

そういう野良猫気質のところも嫌いではないし、飼育の手間を考えればありがたくもあるのだが、やはりこうして普段から手間をかけて野良ではない状態にしておくのが、戦闘員の離反造反を防ぐ秘訣なのだ。

 

さて、難波さんと電話で話したところによれば、赤い正義の味方っぽい戦士は人間の姿に戻った後、普通に歩いて帰っていったらしい。

因みに正義の味方っぽいというのは人間の使う格闘技っぽい動きをしていたし、ヒーローっぽい見た目だったからそう判断したらしい。

その難波さんの勘……いや、観は正しい。

あれなるは、この世界の主軸であろうと思われる仮面の戦士とはまた異なるラインの正義の戦士である。

 

……と、思われる。

というのも、彼の敵である研究機関、秘密組織クラウンの痕跡がほとんど発見できない為だ。

彼の存在を確認したのがついさっきなので詳しく調べた訳ではないが……。

彼の敵組織が元の通りの活動をしたというのなら、富士山あたりが一度派手な変化を見せた事になる筈なのだが、その記録が残っていない。

が、それを言い出すとゴルゴムやクライシスが攻めてきた時の大都市が崩壊して地割れにビルが崩落しながら飲み込まれるような大惨事がまともに記録に残っていない事も不自然という事になる。

 

どういうことか、と言えば、やはりコレもゴルゴムの仕業、という事なのだろう。

世界基盤に根を張る秘密結社ゴルゴムが、世界を操作しやすい様に、危機感を煽るような記録を残さない事で民衆を平和ボケさせようとしているのだ。

それでも人の口に戸は立てられない。

口伝、というか、都市伝説の様な形で当時の被害は語られていたりする。

探せばクラウンの起こした事件に関しても情報が出てくる筈だ。

 

彼……ガイファードは、俺の知る限り、最期にどうなったか確認できないタイプの戦士だ。

世界の危機を救うために自己犠牲をかまして生死不明、みたいな最期だったような気もする。

その結果として、これまで日本に居なかったのだろう。

その最期からして無事ではなく、長期間治療を受けていた可能性もある。

しかし、彼らの肉体に使われている技術が他国に漏れている、という話も聞いていない。

恐らく、国に属さず、しかし改造人間技術に詳しい何者かに保護されていたのだろう。

そして、彼らが神丘令を名乗る小沢澄子と共に居た事から考えて、その人物もなんとなく察する事ができる。

 

彼らを追跡すれば、結城丈二と安全に接触できるのだろうか。

ガイファード、デスファードの性能は極めてざっくりとしたものしかデータに無い。

が、索敵能力に関してはそれほどでもなく、スパイカメラを付けるくらいは可能かもしれない。

しかし、結城丈二による再改造の疑いがそれら全ての前提を無意味なものとする。

ステルス機能など持ち合わせていなかった筈のゼクロスの隠密性を確認している以上、彼が関わった技術に関しては前提知識は当てにならないと見て良い。

やはり、彼だけは昭和の戦士の中で情報という武器の持つ価値を良く理解しているのかもしれない。

 

天然物のメタルファードの戦闘データが取れて、拳王流の奥義も幾つか、それも、鎧気装の発動まで確認できた。

これは予想外、かつ望外の貴重なサンプルだ。

欲をかかず、手に入れたアンデッドの細胞採取、トライアル関連技術の発展、それに。

 

「拳王流かぁ」

 

拳の王、という響きが実に尊大に思う。

今まで俺が出会った中で最も偉大な殺傷能力を持つ武術家は義経師範だ。

だが、師範はそれでも拳の王などと名乗らない。

 

「一文字変えさせるか」

 

散々技術を学ばせて貰って、土地まで融通してくれてる訳だし。

アンデッドへの対応の合間に、一つ恩返しでもさせて貰おう。

 

 

 

 

 

 

 




なんでガイファードを出したかって言うと、ガイファードのデザインがめっちゃ好きでそれよりももっとデスファードのデザインが好きだからなんですが
この話が本編に影響を与える確率は100%無いです
劇場版の一番の白眉は社長の同時変身だけど、劇場版、映画という舞台を活かしきった100%さんの股間隠し芸も現代のライダー映画で許されるギリギリのラインで面白かったと思うんですよね
まぁ普段裸系映画見ないからどうなのかは知らないのですが
とりあえず、アキラ100%は脱がないとアキラ100%だと認識できないんだなという事がわかる映画でした
演技がそれほど下手じゃないのも見分けつかなくなる原因の一つかなぁ
セイバーのパートは……ナオキです……
まぁあっちは戦闘がかっこよければ良いんですよ
あれ変身してない状態で持ってた剣の炎本物っぽかったですよね、パット見


ドラえもん(結城丈二)出木杉(小沢澄子)の、七星闘神ガイファード
ただ思いついたから出ただけのゲスト出演
というか、海外に送り出した小沢澄子を一時帰国させるにあたって
あの自尊心激高な小沢さんが力不足を感じて海外にまで飛び出したのになんの成果も無いのはマズイけどライダー系技術を先んじて持ってこられたりするとマズイ
ので、小沢さんは海外でライダー系以外と遭遇してそっちから技術を吸ってくる形にしよう、という事で出たという側面がある
取り敢えず肉体改造系の技術と派生技術を元にいくらか警察に繋がる人物にデータを渡した小沢さんなのであった
なお風間兄弟は原作最終回に似た展開の後に結城丈二に回収されて治療、修理された後に彼の護衛をしていたが、今回結城の元で新たな知見を得ていた小沢さんが日本の様子を見てきたいという事で充てがわれた
そもこの平成ライダー直結世界で一番能力が輝きを放ってしまうのが結城丈二とかいう頭脳の怪物(IQでは本郷さんが上だけどあっちは多分IQ高すぎて一周回って科学技術を本格的に修めるつもりが無いものと思われる)なので下手に出せない
が、出せないけど取り敢えずこいつを絡ませておけば原作に無かった能力を持たせてても特に問題がなくなる便利なギミックにもなる
結城丈二のキャラを描写するとするとこの時代ではスピリッツを根底に置くのが無難である為、主人公と合流させると一定の理解を示しその危険すぎる頭脳がミックスアップしてしまい、それに影響を受けて主人公が更に色々と拗らせてしまう原因になりかねない
そもスピリッツを根底に置いても意外とキャラが掴めないという部分が本編で登場する可能性を更に低くもしている
外伝の二人で突き抜ける、の方なら出番があるかもしれないが、よく考えるとあっちもあっちで結城さんの合流はかなり先だったな……ってなる

☆物理的にも精神的にも重い女
因みに変身ギミックの根底にギルスがある為、ギルスフューラーのお陰で束縛の強い女まで完全にコンプリートできるかと思いきや、甘えたら甘えた分の倍くらい主人公が全開で甘やかしてくる為、束縛度に関してはそんなに
必要なのは束縛でも重さでもなく素直に想いを伝える事なのだが、最新話の段階で素直に告白をした場合、素直に受け入れて貰えるかは……
ここで結論を急がず末尾に「……」を使う事で我々は現在の我々よりも優れた知恵を持っていて欲しい未来に希望を託す事ができるのである
強化された腕力に無意識の内に内包する膨大な質量の移動による補助を掛けている為、単純腕力で並の非主人公ライダーを破壊できる腕力を持つ
が、それで相手をうっかり引き裂いたりすると悲しむだろうという事で、新たに遠距離用の大弓を持つ試作非生物型ゼクターをプレゼントされた
なお色々と語っているが、現在作中にて明らかになっている容姿の情報が主人公の両親に次いで少ない
なお、最近は主人公の好みが年上お姉さんタイプ、ということを受け、まずは形からと大人っぽいファッションを心がけた上でややズレたセレクトをし……ええい面倒だ今回のゼクター変身解除後の格好は雑魚様の私服って事ですよ!
よし、これで外見描写が一つ増えてヒロイン度が上がったぞ!
やったね!

☆順調に飼いならされていくニーくん
元から飼いならされていた気もするが
そもそも野生の猫は大人になると殆ど鳴かなくなり、成猫が鳴くという行動を取るのは飼い猫独自の行動であり、人間へ対する特別な対応である、ということを忘れてはならない
まぁトライアル化のおかげで猫離れした知能を持ってるから諸々一概に一般猫と比べられないのできっとまだ飼いならされてない野良猫の誇りとかある

☆ニコニコ動画
コメント付きで毎週平成ライダーが日曜日に見れるってだけでぐにょりはプレミア会員続けてますよ
ていうかそれ以外も大体の動画がコメ付きで見ると面白くなるからなんですけどね
最新話をコメ付きで見ると創作意欲が湧くと同時に、人気グロンギを出せない構成で書き始めた事に対するちょっとしたもったいなかったかなという思いも湧いてくる不思議
これを機にクウガ二次創作増えないかなぁ
ヒロインはほら、本編未登場のグロンギから出せばどうにでもなるし
アギトを同時に出さなければ味方に知らん内に殺されてる、とかありませんしね(笑)
……そのうち外伝で漫画クウガに介入とかさせようかなぁ……




こうして全てのアンデッドの回収現場を描いていくときりがないので、次のウルフとかは大胆カットすると思われます
このままブレイド編は技術回収の話になるかなぁ
まぁここまで毎年何らかの大イベントがあったのが逆に不自然ではあったし
主人公も散々技術集めて戦力整えてきたんだから、ここらで一切不備なく修める騒動があっても問題は無いよね
極端な話、次の響鬼とかは本格的に対処療法しかできない(公式で黒幕がはっきり描写されない)訳だし
そういう意識の低いSSでもよろしければ、次回も気長にお待ち下さい

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