オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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135 いつかを夢見て

ふと、目が覚める。

体内時計を確認するより、カーテンの隙間から漏れる月明かりで、おおよその時間がわかった。

魔石の戦士の体調、というのは、余程の事が無ければ悪くはならないし、俺の開発したベルトは少なくとも普段の生活の中で疲労が無いから夜眠れない、なんて作りにはしていない。

夜中、眠った後に異変や外敵を察知した訳でもなく起きる、ということはそう無い。

それは無論、元はプロトアークルだった俺のベルトにしてもそうだ。

 

満足げな表情で眠る難波さんを起こさないように拘束から逃れ、丸まる様に眠る難波さんの体にシーツを掛け直し、ベッドの外に。

吸い出されたものと催して来たものは違う。

普段の生活の中でまで、体内で出来た排泄物を作り変えて肉体に還元するほど人間を捨てたわけでもない。

トイレにて用を足し戻る最中、香る酒気に引き寄せられリビングへ。

 

「あれ、珍しいね」

 

ジル……グジルがソファの上で毛布をかぶって座り込み、徳利とぐい呑みで酒を飲んでいた。

 

「また晩酌か」

 

「いっつもじゃないよ。ほら」

 

ソファの隣を叩かれ、酒の注がれたぐい呑みを差し出される。

正直、酒の味に関しては未だに良さを理解できないのだが。

隣に座り、差し出されたぐい呑みを受け取り口にあて、流し込む。

 

「ん……美味い、気がする」

 

大学に入ってから、稀に付き合いで飲むことはあるのだが、そこで飲んだものよりも飲みやすい。

無論、飲みやすさがイコールで美味しさに繋がる訳ではないのだとは思うのだが。

この娯楽に関しては、学習能力の高さ、というのが今ひとつ役に立たないジャンルだ。

俺の曖昧な感想に、グジルは小さく控えめに吹き出した。

 

「呑ませ甲斐がねぇ」

 

「安酒でない、というのは何となくわかるよ」

 

最近では難波さんが偶にレクチャーしてくれるので、どれが良くてどれが悪い、というものの一般的な区別のされ方は理解できている、と、思う。

ただ極論、ある程度極まった魔石の戦士において、食物の摂取は必須な生存行動というよりも娯楽に近い。

味覚から得る情報を楽しむ娯楽だ。

そこに満腹感なども含まれるか。

 

「まぁ、私も別に良し悪しがそんなわかる訳じゃないけど」

 

「その割に高い酒だ」

 

「いや? こりゃ自作だから高くねーやつ」

 

違法では?

なんか地下秘密基地の一画でやってるなとは思ったが。

まぁ、法に関して言い出せば叩けば埃が出てくる通り越して埃の塊みたいなものだからどうこうは言うまい。

 

「酔えれば良い、くらいの娯楽だった訳よ、グロンギじゃ。リントのとこから奪ったり、ベに作らせたり」

 

訥々と語りだす。

 

「でもまぁ、コウジのとこに来て、酒をちょろまかして飲み始めるとさ、まぁ、これが、違うんだよ。感動したね。文化で心動かされたって意味じゃ、これが一番強烈だった気がする」

 

「ネズミの国より?」

 

「あれはまだ試してる最中、ネズミの国とか生意気だからしっかり精査しないと」

 

「年間パスポートがあれば沢山試せるものなあ」

 

違いない、と、小さく笑いながら、金属製のお猪口の底近くを持ってくるくると回す。

お猪口を持った辺りから熱が注がれ、内部でちゃぷちゃぷと音を立てていた酒が再び満たされていく。

アギトの力で加熱して、モーフィングパワーで水増ししたのだ。

成分が分かっていれば、大凡のものを再現できる。

生きた酵母菌が入ったもの、となると難しいが。

 

「前は出来なかったけど、便利だよな」

 

「ズじゃなぁ……」

 

「今はゴが相手でも行けるさ」

 

「ンはどうだ」

 

肩を竦めた。

 

「今更。それに、ゴもンも、こういう使い方はしない」

 

「真面目そうだったからな」

 

「コウジもそうだろ」

 

「どうかな」

 

答えながら、お猪口を抱きかかえたりぐい呑みに頭を突っ込んだまま床に転がっているニャンニャンアーミー達を念動力でホットカーペットの上に動かし、適当なブランケットをかけていく。

一人呑みでは無かったようだ。

一升瓶に詰まってしっとり濡れたニーくんをひっくり返して取り出し、とりあえずバスタオルにくるんでおく。

ぽつり、と、グジルが呟いた。

 

「わたしはさ、コウジの事、好きだよ」

 

「どうした急に」

 

割と本気で。

 

「真面目な話」

 

頷く。

 

「戦士として見ても、強さにも生存にも妥協しないし、そのためなら嫌いな事でもやっていくし、やってる内に好きになろうって前向きなとこも、良いと思う」

 

「よせやい、当たり前の事だろ」

 

「当たり前じゃないから美点になる。リントは勤勉、って分けられる訳でもないし、グロンギだって、ゲゲルが至上だったけど、全員が全員突き詰めてやってたか、っていうと違う」

 

ジャラジとかな。

やり口は絶対趣味でしかないし、リタイアしてのラ入り狙いっぽかったもんな。

あとズだとルール確認できずに失格する馬鹿も居るし。

失格後もムセギジャジャになれると思い込んでるし。

インチキでパワーアップしても戦法は単純だしで最悪なのも居るしな。

 

「一緒に居て、戦士として身が引き締まる、って思う時もあるし、でも、ちゃんとリントっぽい事をやってるのを見ると楽しそうだな、って思う事もあるし、真面目にやりすぎて変なことし始めるのも可愛いなって思う」

 

「お、おう……」

 

べた褒めだ。

流石に照れる。

ちらりと横目で見れば、はにかむ様に笑って見せた。

 

「今は無理だけどさ、こうして、戦士として戦ったり、対策したり、そういうのが、一先ず、だいたい他任せにしても大丈夫なくらい落ち着いたらさ」

 

子供とか作ろうぜ。

その頃になったら、身体の方もちゃんと直して、産めるようにするから。

きっと楽しくなる。

そう告げるグジルは、よく見れば僅かに頬を赤らめている。

酒気で、かもしれないが。

 

「子供……子供かぁ」

 

この世界で、子供かぁ……。

 

「ま、別に今すぐって訳じゃないよ。どうせオルフェノクやら、何やら、十年二十年で解決できる話じゃないし、子供が居ると気軽に遊び回れないし、私も難波には色々言ってるけどセックス好きだしな!」

 

台無しだよ、と茶化す気にはなれなかった。

こいつもまぁ、本気で言ってくれているのだ。

恐らく、子供を作ろう、という部分も、今は他が楽しいというのも、セックス云々も。

 

「じゃあ、どっかのタイミングで、今より平和な世界にしないとなぁ」

 

生まれてくる子が、俺のようにここでない世界の記憶を持っていたとして。

なぜこんな地獄紛いの世界に産み落としたのか、などと、文句を付けられたくはない。

いや、俺と同じような生まれ、というなら、再び生まれ落ちた事の喜びの方が勝りはするだろうけれども。

そうでなくとも、無垢で無力な子供をこの世界に産み落とす、というのも残酷な話とは思うのだ。

 

「それもだけど」

 

「うん?」

 

「その時になってコウジが居ない、なんてのは止めてくれよ、今更」

 

「今更?」

 

「そ、今更。私を倒して、殺して、生き返らせた上に、リントの世界に馴染ませて、ここで生きていくのを楽しい、って思わせて、今更、私を置いて、居なくなったりはすんな」

 

「生き返らせたのは俺じゃないだろ」

 

「リントにしたのはコウジだよ」

 

「そうか?」

 

「そうだよ。だから……逃げる方が良い時は、迷わず逃げてくれ」

 

「……何かあるのか?」

 

「わかんね。私はホモじゃないからな」

 

ホモでないなら、確かに死を予知したりはできないよな……。

予知できても賭け事の結果くらいのものだ。

あと株値とか土地相場とか。

 

「女の勘? かも」

 

「女の勘かぁ」

 

あやふやながら、否定しきれないものがある。

いやむしろ、この世にはっきりと否定しきれる迷信の類があるのだろうか。

 

「信用しろよ。わたしを女にしたのもコウジなんだから」

 

にぃ、と、いやらしく笑う。

やっぱり酔ってるだけじゃないのか?

そう思いつつ、取り敢えずはグジルのアドバイスは受け取っておく。

クロックアップにアクセルベント、マシントルネイダーにミラーワールド、劒冑の飛行能力……。

どれも逃げに徹するのに使えば、間違いようのない手段なのだ。

そうそう、逃げられない相手、というものも出てくる事はあるまい。

 

―――――――――――――――――――

 

して。

逃げられない状況、というのをまず用意してそこに入っている人間というのは、得てして精神的に余裕があるものだ。

これを油断と言ってしまうのは如何にも暴力的である。

逃げられない状況を作っているつもりだって本人たちには無い。

堅牢な要塞にしても、少しでも用心深ければ脱出路くらいは製造しているし、その脱出路が敵にばれないよう、建造に関わった人間を始末したりするくらいの備えは古今東西行われている。

 

それでも逃げられない状況、というのは存在するし……。

逃さない、と思って追い立てる側、追い詰める側というのは、入念に準備をした上で迅速に事を起こす。

例えば何年も時間を掛けて脱出路の場所を割り出し、あるいは内通者を忍ばせて情報を盗むし、攻め立てる時はそもそも可能な限り逃げの判断を実行に移させる時間を与えないものだ。

兵は拙速を尊ぶ、という言葉もある。

 

例えばの話ではあるのだが。

究極のアンデッドを製造する研究を行っている研究所。

そこで日夜研究を行う研究員、その親玉である天王寺が居る。

二体融合アンデッドは既に解き放たれ、ある程度得られた成果で、どうにか究極のアンデッド……らしきものを完成させている。

天王寺はウッキウキで完成した……というより、統制者のモノリスにカードを投げ込もうとしていた。

まぁ、そういう素振りをしていた、というだけで、結局投げ込む事は無かったのだが。

ここを如何にして制圧するか。

 

この研究所の警備には穴がある。

いや、厳密に言えば、彼らの視点からすれば十分過ぎるほどに警備は強化されていた。

量産型、というには少々趣が異なるが、トライアルシリーズの技術を応用した警備兵の様なものは配備されていた。

が、それでも既存の建築物を利用したのは如何にも不味い。

下手に複数の移転先を用意していたから、完全に地下に潜る等の選択肢を選ぶ思考が阻害されてしまっていたのかもしれない。

 

なんとこの研究所、鏡が存在する。

更に驚くべき事に、モーフィングパワーによるプラズマ化への対策もしていないのだ。

まぁモーフィングパワーで直接的に殺害されたケースがこの世界では殆ど存在せず認知されていないからこその穴ではあるのだが。

これは未来人や古代人で無ければだいたい優位を取れる情報アドなので、完全に証拠隠滅を行う場面など以外では控えるようにしよう。

 

座り心地の良い革張りの椅子に座り、辺りを見回す。

警備に駆り出されていた急拵えのトライアルシリーズが、鏡に向けて研究所内部の設備を移動させ、そのまま鏡の中から生えてきた機械触手により取り込まれていく。

命令の変更方法がはっきりと確立されたトライアルシリーズは、この様に乗っ取りに対して十分な対策を施されていない。

製造した自分達以外は操作方法など分かりようがない、という思い込みから来るものだ。

 

そしてアンデッドであればまだギリギリ大丈夫なのだが、耐ミラーワールド加工を施されていないトライアルシリーズがミラーワールドに取り込まれてしまうとどうなるか。

部屋を片付け、荷物の持ち出しまでしてくれた挙げ句、自分で証拠の隠滅までしてくれるというのだから、これほど優れた兵士も存在するまい。

これをヘキサギアやロボタフでやろうとすると変な証拠が残る可能性があるし、ニャンニャンアーミーにさせても猫への迫害が起こる可能性がある。

 

人間社会において、立場のある、権力のある人間が背後に居る事件というのは厄介なものだが、完全に跡形もなく始末すると決め、それを実行したなら、この程度のものだ。

そもそもの話、彼らを野放しにしていたのは、使えそうなものを勝手に研究して勝手に作ってくれるから、という他に無い。

そして、

 

「はじめまして」

 

と、統制者のモノリスに語りかけるものの、それが返事をする事は無い。

未だ、このモノリスは活性状態にない。

死んでいる訳ではないのだが……今はイレギュラーな状態で何となく動いているとしか言いようがない状態だ。

こればっかりは、ミラーワールド経由で持ち運ぶのは難しい。

一種の異世界に運び込む事であらゆる生命の集合無意識である本体との接続が切れた場合、このモノリスを確保した意味がなくなってしまう。

切れた場合は消滅するのか、それとも物体として残りはしても端末は別に再生成されるのか。

興味がない訳ではないが、このモノリスにはこれからちょっと、一つ二つお仕事がある。

ケルベロスの実体化をこのモノリスが許すかを試すにしても、別の場所に運び出して、それから改めて、という事になるだろう。

 

―――――――――――――――――――

 

制御されていないケルベロスがどういう行動を起こすか。

そもそも、制御できる状態に持っていく展望が少なくとも天王寺配下の科学者連中にはあったようなのだが、そもそも制御前でありながらケルベロスの行動にはある程度の指向性がある。

モノリスによって生成された直後こそ周囲の科学者を殺戮したりしていたが、これは赤ん坊の癇癪のようなもので、落ち着いた後はアンデッドの本能に従って他のアンデッドを倒しにかかるのだ。

なんとも真面目なアンデッドである。

他のアンデッドを解き放とうものなら、科学者連中だけではすまず、他のアンデッドへたどり着くまでの道中で出会った人間を片っ端から殺して回ったり、変に巣を拵えたり、地下に人間を閉じ込めてみたりと余計な事をしていただろう。

 

だが、ケルベロスは全てのアンデッドの要素を備え、なおかつ生まれたばかりのアンデッドである。

種族としての習性、などというものは主体となる生物が無い為に存在しないし、生まれたてなので前回優勝種族に対するこだわりとか恨みも無い。

他のアンデッドを全て倒し、勝者となる、という、極めてシンプルなアンデッドの原理原則にのみ従った動きをするのだ。

 

そこにカードの収集機能が付いているものだから、リモートによる再参戦を防ぐ意味で他人のラウズカードを奪ってみたりもする。

恐らく、ギラファとジョーカー、先にジョーカーを襲ったのは距離が近かったという事もあれど、ラウズカードそのものにある程度アンデッドの気配が存在したのだろう。

つまり、ギラファとジョーカーが東京周辺をうろちょろしている間にケルベロスを解き放った場合、ほぼ確実にジョーカーを先に狙って動き出してしまうのだ。

 

そこで、俺は一計を案じた。

天原一家とジョーカーに、ジョーカー経由で一週間の沖縄旅行をプレゼントしたのだ。

ジョーカーは俺が接触すると同時にヒューマンアンデッドに乗っ取られ、快くプレゼントである旅行券を受け取り、沖縄へと渡航してくれた。

なお、ヒューマンアンデッドはヒューマンアンデッドなので、平気で人間を操り戸籍を手に入れていた為、飛行機への搭乗に際して一切の問題は発生しなかった。

 

これなら、幾ら多くのアンデッドの気配がジョーカーからしたとしても、遠すぎる為に先ずは近場のギラファの方へと近づいていくだろう、という寸法である。

違った場合、ミラーワールドからは無数のヘキサギアが、こちらの世界ではニャンニャンアーミーを大量に増産し、猫海戦術でギラファを先に封じに行かなければならないところだ。

そうはならなかったのでニャンニャンアーミーは増えない。

ギラファが居そうな森の中で開放したケルベロスは、無事にギラファアンデッドの気配を辿って居場所を特定してくれたのである。

 

「優秀だなぁ」

 

他のアンデッドの気配なんて、上級アンデッドですら察知できる個体は稀だ。

対アンデッドにおいて、ケルベロスは非常に優秀な猟犬となる。

まぁ優勝されると本能しか無い全生命体の集合無意識が何を願うかさっぱりわからんのが危ないのでギラファ潰したら即座に封印するけど。

総合的に見た場合ケルベロスは運営側と同じ存在だ。

最悪、ギラファを封印した直後にケルベロスとジョーカーが残ってた場合、ケルベロスは運営の端末とカウントされてジョーカー勝利って裁定になるかもしれない。

 

実際、元のケルベロスだって新たなアンデッドとして迎えられたのではなくて、モノリスの変化型として運営に認識されていた、という可能性だってある。

不正なバトルファイトが行われていたので、一旦全部のアンデッドを封印してから仕切り直しするね、丁度いいからこのカードでもう一体封印用の端末作るね、みたいな。

ラウズカードを吸収したのもモノリスの代行だった、という考え方もある。

 

ケルベロスがギラファを追い詰めていく。

剣崎さんがキングフォームに変身していない、転じて人間とアンデッドの融合に関するデータが不足している状態であったとしても、ケルベロスの完成度には然程影響は無いようだ。

ケルベロスの材料は全てのアンデッドの細胞。

それ自体は、アンデッドの解放が計画的であった為に、最初の時点で全て計画的に採取できていたのだろう。

だが、人間とアンデッドの融合技術に関しては一朝一夕で用意できるものでもない。

だからこそ、機械を通じた擬似的な融合であるボード式ライダーシステム、細胞レベルで既存の生き物とアンデッドの性質を融合させるトライアルシリーズなどが製造され、運用されていた。

 

天王寺の肉体に施された改造手術に関してはデータが残っている。

見たところ、ラウズカードに封印されたアンデッドとであれば、過不足なく融合できる程度には完成していた。

それもそうだ。

天王寺は何も、BOARDでのみアンデッドと、怪物と人間の融合技術を研究していた訳ではない。

いや、それ以前に研究職であった訳ではないが……、彼の前の職場において実施されていた改造人間製造技術を幾らか持ち出せていた、というのが大きいのかもしれない。

BOARDと比べてもなお巨大な暗黒結社、ゴルゴムの技術の深淵はそう簡単に外部で再現できるものではないが、一部でも技術を継承できれば、人間の寿命を使い果たすまで研究してもたどり着けない程の優位性がある。

ゴルゴム式の欠点は、天王寺ラウザー(仮)と違って恐らくは不可逆式の融合だったのだろう、という点しか無いのだから、文句のつけようも無い。

それでもBOARD式のライダーシステムを作ったのは、それほどに生身の人間としての姿に未練があったのだろうか。

全生命を自らの忠実な下僕として作り変えようという大それた野望を抱えていたにしてはナイーブな話だ。

今となってはどんな考えがあったかは確認のしようも無いが。

 

見る間にケルベロスがギラファを追い詰めていく。

ギラファは強力なバリアと双剣のヘルター・スケルター、角の間から放つ光弾などを用いて戦う堅実なタイプだ。

能力としては盾をバリアに置き換え飛び道具をもたせたキングと言ったところだが、その最たる能力は知能だろう。

キングの様にやけっぱち気味に享楽に耽ったりはせずに、勝てる要素が揃うのを待つ。

これをアンデッドの中でもトップクラスに強いカテゴリーキングが行うのだからたちが悪い。

思えばダイヤスートの上級は知性の程度の差こそあれ、どれも知略を武器に戦おうとするタイプばかりだった。

こればかりは生まれたてのアンデッドであるケルベロスには備わっていない武器だが……。純粋に戦闘力という面で見ればギラファはバリアを除けばケルベロスの下位互換だ。

肉体からある程度離れた位置に発生する堅牢なバリアのおかげでまだしのげてはいるが、それも時間の問題。

 

ケルベロスが振るう左手の爪がギラファのバリアをボロ布の如く気安く引き裂く。

ケルベロスの武器はカード吸収を除けば爪と炎弾、光弾のみだが、それは全てのアンデッドの特徴を取り入れた上で備えた武装なのだ。

爪の切れ味は当然ヘルター・スケルターやオールオーバーのそれを上回るし、膂力にしても怪力自慢のキングと同等かそれ以上。

欠点にしても、シールドやバリアを備えていないという部分のみ。

それにしても物理攻撃ならば爪で切り払えば良く、エネルギー攻撃であれば光弾や炎弾で打ち消せば良い、という事なのだろう。

 

そして、ここでそのままケルベロスにギラファを封印されてしまうと予定が狂ってしまう。

天原親子とジョーカーはまだ沖縄から帰ってきていないのだ。

ケルベロスを一度止めて、その上でギラファを逃げられない状態でなおかつ封印せずに捕獲しておかなければならない。

ケルベロスがギラファをある程度痛めつけてくれていれば面倒は少なくて済むのだが。

ケルベロスの攻撃法が先から見て徐々に最適化されつつある。

バリアが破られる僅かな瞬間で距離を取る消極的な戦いもそう長くは続かず、バリアよりも脆い肉体はケルベロスの爪の一撃でたやすく両断されて封印されてしまうだろう。

 

研究素材としてケルベロスは良い素材だが、アンデッドとしての役割はここで終わりだ。

ケルベロスを封印、後にギラファを無力化し捕縛。

然る後、ジョーカー達の帰宅を待つ事にしよう。

 

 

 

 

 

 





クライマックス感無いじゃろ?
でもブレイド編あと長くて2から3話なので
どういうオチになるか
思いついたのは最近の事ですが、ブレイド編を見直すとどういう話か予想がつくかも
つかないかも

☆ガンガンに死亡フラグ立ててくウーマン
本人的には文化として死亡フラグというものは知ってるけど信じてはいないタイプなんだけどね
わたしを殺した責任ではなく生きていこうと思わせた責任を取らせるつもり満々
文化的に結婚?って感じなので誰とくっつこうが別に……って感じ
最有力は難波だけどあんまり進展無いなら後押しし続けるつもりもない
正ヒロインの波動を備える

☆ツヤツヤした顔で安眠してる場合じゃないガール
交路くんの役に立ちたい、という気持ちもあるが、心配して貰える、というのも嬉しい
総じて動きたいという気持ちと待ってるのも良いな、という気持ちが相殺してプラマイ0になってる
乗りてぇ風に遅れたやつはどうなるかを示しつつあるけど負けヒロインはこのSSに出さないって決めたから……
勝敗条件を明確に提示しなければどんな結末でも負けは無い
まぁ少なくとも今は幸せ
明日明後日?
そんな先のことはわからない

☆ここまで来ておいて一つの可能性を見落としているけどそれ毎年やってるマン
いい加減学習して欲しいワン
でも完全に学習して未知の危険まで防げたらお話として成立しなくないですか?
とか言いつつ良いオチが思いつかなかったらブレイド編はみんな安全に封印!やったね!
で終わるところだった
いや間違いなくバトルファイトは穏やかな終幕を迎えるから安心して欲しいんだけど
それでもオチは付く

次回、ブレイド編ラストバトル
と言いつつバトル描写は殆ど無い、かな、たぶん
ではどういうオチになるのかは、気長に次回をお待ち下さい
はたらく魔王さまだって八年待ったらアニメ二期来たしね
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