オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版) 作:ぐにょり
運のない奴ってのは何処にでも、いつの時代にでも居る。
なんて、言い切ることができるほど長い時間、多くの土地を渡り歩いた訳でもない。
戦いの中で運の良し悪しを語るやつも居る。
目くそ鼻くそを笑う、と、あいつなら言うのだろう。
戦いとは発生させてしまった時点で不幸なのだから、その勝敗如何に関わらず幸運の絶対値は低い。
本当に運の良い人間というものが居たら、そいつは私達の認識できる範囲には絶対に現れない。
戦いを当たり前とする価値観を持った人間と関わるなんてのは、荒事に関わってしまうなんていうのは、幸運とは言い難い。
今時代のリントの価値観としては正しいのだろう。
私も特に異論はない。
運の良い人間を見つけるのは至難の業だ。
わざわざそんなものを探そうなんて奴は良からぬ企みを持っているものだし、そんなものと関わるのは幸運ではない。
幸運な人間というのはたぶん、自分の人生を刺激のない平凡なものと捉えている、人混みに紛れたら個人として認識できないようなものの事を言うのかもしれない。
逆に言えば。
運の悪い人間、というのを見つけるのはとても容易い。
彼等は幸運を求めて、それらしい生き方を真似したりする。
でも、不運にも、平穏な生き方を許されない。
絶対に、何者かに見つかり、何かに巻き込まれる。
そうなる為に、奴等の人生は、恐ろしく尖ったものになる。
2007年、2月も半ばに差し掛かろうって日の事。
「はやにえだ」
一緒に釣りに来ていたジルが木の上を指さしてそんな事を言い出した。
季節外れも良いところだが、今の地球の自然環境は大規模破壊と強制再生でぐちゃぐちゃに乱れている。
地形が大きく変わったせいで気候にも影響が出ているし、あの光の雨の影響で植生もかなり変わった。
発生率そのものは下がっている魔化魍にしてもその分布のズレが激しく記録の取り直しをしているのだとか。
それでも大体の季節感ってやつはそう変わらないから不便はないが……。
「ちょっと持ってな」
「ん」
上着を預け、クソデカ速贄が刺さった……乗っかった樹の上にスルスルと登って行く。
「わ、誰?」
自転車に乗ったまま器用に樹の上で立ち往生しているすっとぼけた顔の男が、素っ頓狂な声を出してきた。
たぶん、今のこいつを見た10人中10人がお前の方こそ何?と聞きたくなるだろうが……。
自転車のフレームを掴み男ごと自転車を持ち上げ、木の枝を駆け下りる。
掠れた悲鳴を無視して地面に着地、自転車を降ろす。
「樹の上に何時までも居たらあぶねーぞ」
「あ、ありがとう」
「ございますは?」
「ありがとうございます……」
「よろしい」
ぺこぺこと頭を下げて自転車で走り出すあんちゃん。
自転車ごと、というのは珍しいが、今どきは高所で立ち往生してる人間ってのはそれなりに居る。
管理されてない野良オルフェノクや倍力服所持者。
そういう連中が調子に乗って高いところに登って降りれなくなるなんてのは今じゃそれほど珍しくもない。
高い所に登るのに必要なのは身体能力だが、降りるのには下を見る必要があり、度胸も必要になってくる。
オルフェノクならそのまま落下しても無事ということもあるが、それも程度によるし、才能が無ければ落下の衝撃に耐えきれない。
才能があっても落ち方によっては首の骨を折ってそのまま再び死ぬ、なんてこともあり得る。
剛力に任せてビルを登っていた野良オルフェノクが観衆の目の前で頭から地面に墜落して燃えて勢い良く灰になったのは最近の話。
落下の衝撃で広がった燃えかけの灰に対して野次馬が揃って手際よく消火活動を始めるところまで含めて、アフターオロチ現代日本を良く表した映像だと思う。
アングラサイトではその死に様を映したgifが面白動画として上げられる日も多い。
こういうのこそニュースで取り上げて注意喚起するべきじゃ?
とは思うが、少なくともテレビのニュースなんかでは積極的には取り上げていないらしい。
どうも、ただでさえオルフェノクは扱いが面倒臭いので、その中の馬鹿が勝手に死ぬのは意図的に放置されているようだ。
なんとも世知辛い話、とは思うが、この時代のリントであればガキの内に高いところから落ちると危ないからやめろ、というのは教わるらしいので、自業自得としか言えない。
因みに、コウジが安価でバラ撒いてる作業用倍力服は高所からの落下でどれだけのダメージを受けるかを注意書きに記載している。
あくまで服の延長なので首から上を覆わない関係上、高所からの落下は頭部を守っても慣性が首にかかって頸椎にダメージが入って良くて即死、悪ければ寝たきりらしい。
要するに、高高度での作業の安全を保証する装備ではない、という事だ。
高所作業は安全帯とヘルメットを着けて、ご安全に!
という標語も欠かさず入れているのだとか。
あいつのこういう人類に過保護な一面は非常にレアだ。
隠れミッキーどころか乱丁でウォーリーの上半身が見切れてるウォーリーを探せくらいのものなので、今後も大切にしていきたい。
「うい」
「おう」
差し出された上着を着直していると、ガシャンという音と破裂音。
そういえば、最近は町中での発砲音もだいぶ増えた。
突如町中に現れる妖怪変化や人間に擬態する宇宙人などで人心が乱れているらしく、非正規の輸入銃器、国内での密造品、改造エアガンなどが手軽に手に入る護身具代わりに持て囃されている。
うちらの時にはそんなに起きなかったんだよな社会不安、なんか悔しい気もする。
気持ちがわかるなんて言うつもりは無いが、リントの心理は学んでるので理屈として理解はできる。
普段から装甲服だの倍力服だのに身を包むのは、日常を侵されている様で嫌、という層は一定数居るのだ。
何しろ服というのは基本的にずっと着ている。
自宅以外ではずっと装甲服というのは、心理的な負担が大きい。
対して、銃器であればカバンの中に忍ばせておくだけ、非日常を感じるのは取り出した時だけ。
無論、見つかれば法的にはアウトだし、ろくに訓練もしなければまともに当てることも難しいのだけど。
合理的ではないな、とは思うが、そもそもリントも自分達もあのテオスが作ったものなのだから仕方が無い。
人間は創造主に似て精神的に脆弱に作られているのだ。
あ、でも、がしゃんの後に破裂音だから発砲音じゃねーな。
殴打音も聴こえてくるし、シャバ僧の殴り合いだろうか。
『喧嘩の仲裁ならどっちも殴り倒して顔を見られずソッコで立ち去ればそんなに文句は出ないぞ』
記憶の中の役に立たないアドバイス。
『最後に残った一人を後ろからぶん殴って気絶させればその場に救急車を呼ぶだけで済むぞ』
記憶の中のあいつ碌なこと言わんな。
いや、そもそも人の喧嘩に好き好んで口出しするタイプでないんだろうけど。
『警察呼ぶ。これ最強だけど、喧嘩する様な連中だろ?ほっとけ』
これだな。
ジルがやっている念動発声、これを応用し、パトカーの音を鳴らす。
バタバタという走る音が聞こえて、殴打音が止む。
逃げ出したようだ。
なにしろ今の警察はマジヤバイ。
町のチンピラは警察をコソコソと避けて活動するしか無い。
仮に装甲服と密造銃で武装しても警察は普通に取り押さえてくる。
密造銃は警察の装甲服を貫けないし、装甲服の性能は警察のものが最上位。
市販品の研究も進んでいて、武装して気が大きくなってるだけの素人なんてただのカモだ。
更に言うと、取り押さえた相手が突如として怪人態になって致死攻撃を放ってくる事も珍しくない。
これはオルフェノクやらワームだけでなく、童子と姫を人間と見間違えて手痛い反撃を食らったという事例も多い。
なので、怪我なく取り押さえよう、という意識は払拭されていて、一先ず取り押さえて武器を突き付けてくる。
で、怪しい動きをした時点で少なくとも手足に穴が開く。
穴があかないタイプの装甲や皮膚をしている相手は手足を圧し折られる。
装甲服の警官なら、絶妙な加減の高圧電流を流し込まれることもあるらしい。
警察アギトに当たったら最悪だろう。
最初期の連中は単色ばかりだったが、今じゃ色を変えるやつもゴロゴロ居るし、二色同時とか光ったり燃えたり冷えたりとかの独自進化も始まっている。
そして装甲服部隊もそんなアギトを相手に訓練しているんだから推して知るべき。
本当にリントの戦士は変わった。
この状態でゲゲルが始まったらそれはそれで楽しそうではある。
しばしてこてこと歩いていると、ジルが地面を指さした。
「しようずみのぞうきん」
「まだ人間だよ」
地面に横たわっているのは、さっき助けた速贄のあんちゃんだ。
この短時間でよくも、というくらい小汚く砂埃にまみれている。
死体だったら警察なり保健所なりに連絡を、となるが、どうもこのなりで生きてるようだ。
リントの常人が素手で人を殴り殺そうとするとそれなりに時間がかかる。
余程運が悪くなければ当たりどころが悪くてすぐに死にました、なんてのは無い。
『生き物を一息で即死させるのって武器があっても案外難しいんだぞ。ほら、お前もしばらく息があったろ? 死ぬ様な怪我から死体になるまでって結構時間が要るんだよ』
『その反省を活かして頭を潰すようにしてきたんだ。だからお前以降の連中は復活してこなかったろ?』
これ冷静に考えると本人に言ってくるのだいぶリントとしてアレだな……。
まぁあいつはそこが良いんだけど。
ともかく、目の前のボロキレのあんちゃんは死ぬ様な怪我はしていないようだ。
生き物を殺す為の暴力を振るい慣れていない、カスの素人暴力によるものだろう。
打撲と、多少の内出血くらいか?
よくよく見れば、ダメージはかなり少ない。
相手が暴力のプロや暴力が趣味みたいな手合でなかったというのもあるだろうが、急所はすべて守り切っている。
戦いに慣れているわけではないだろう。
暴力を振るわれる事に慣れているのか。
「やばんなめになれてる」
「『ベ』はこき使うもんで殴る相手じゃねーだろうになぁ」
反撃してこない相手をゲゲルのカウントの一つにするでもなく、半端な暴力の対象として扱う。
反撃しない相手を殴るなら棒切れで木を叩いても効果は同じだと思うんだけど、それが楽しいという連中も居る。
不思議な話だ。
「たてる?」
ジルが倒れたあんちゃんの襟首を掴んで引き起こす。
やるなやるなと普段から注意してる猫を持ち上げる時の動作だ。
二ーくんは成猫の改造猫なので普段は抗議の鳴き声を発するだけに留めてくれるが、究極的に機嫌が悪い時は抗議の鳴き声と共に致死性の呪詛や強烈な放射線を発するので身体に悪い。
予め防御手段を構築していなければ死んでしまう。
少し機嫌が悪い時なら触れると火花が散る謎の花弁を撒き散らすくらいで済ませてくれるのだが。
このあんちゃんは非暴力の人っぽいが、それならそれで普通に首が締まって危ない。
良く見れば身体に纏わりついた砂も霊的存在のようだし、魔化魍スナカケババア的なものにやられている可能性もある。
生きているように見えるが持ち上げた瞬間に肉体が崩れて死んでしまう、ということもあるかもしれない。
摘み上げられながら、ひぇぇぇ、と、花火が上がる音のような悲鳴を上げる様子からすると肉体的には問題ないようだ。
「だいじょうぶ、大丈夫だから」
頭一つ分背の低い相手に釣り上げられながら元気に抗議の声をあげようとしている。
良く見れば前襟を自分で掴んで首が締まるのを防いでいる。
被暴力慣れし過ぎていて少し心配になるが、まぁ、こんな様子でこの見た目の年まで生きているんだから、ヒョロっとした印象より頑丈なんだろう。
本当に虚弱ならここ数年で死んでるだろうし。
この時代、どんなにもやしに見えてもオロチの生き残りなのだ。
しかも五体満足、見える箇所に火傷とかも無いというのだからその危機回避能力は推して知るべき。
人は見た目によらない。
「ん?」
ばしばしと霊的な砂を払い落としてやっているジルを待っていると、足元に電車のパスケースらしきものを見つけた。
落とし物を勝手に拾って自分のものにするのは現代の法律では犯罪になる。
警察にでも届けるのが善良な市民らしい行動だろうが……。
それはそれとして、私等が現代に復活して一年も経たない頃にSuicaという便利な代物がリントの世界に現れた。
私は電車を使わないから持っていないけれど、エレクトロキネシスの訓練でよく触っていた。
慣れれば手を使わずに遠隔で電子機器の操作ができて便利なのだけど、訓練の初めの頃はこのスキミングが中々上手くいかなくて難儀したものだ。
最終的に物理的に脳味噌を若返らせる事で修得できたけれど。
今では手慣れたものでクレカからデータを抜き取るくらいは朝飯前になった。
だからこそ、異様にプロテクトの硬い、というか、明らかに時代にそぐわない技術が使われていればわかる。
少なくとも、私が知っている範囲でこんな技術が使われているICカードは存在しない。
珍しいものを拾った。
このあんちゃんが木の上で引っ掛かってなければ、道端でチンピラに絡まれていなければ、こんな奇妙な落とし物には気付けなかっただろう。
何処かの秘密組織の秘密基地の通行証とかだろうか。
或いは何らかの変身端末の子機?
少なくともカタギの持ち物に使われるような技術レベルじゃあない。
新たな争いの火種か。
なんだかワクワクしてきた。
交番には後日届けるとして、今日はさっさと持ち帰ってコウジに見てもらおう。
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などという、事の顛末を話されているのがその日の夜の話なのだ。
飯を食ってジルを風呂に入れて洗って乾かしてテレビを観ている時に、そういえばこんなの拾ったぞ、という報告を受けた時には度肝を抜かれた。
「で、なにそれ?」
「ライダーパス、時の列車、デンライナーに乗るためのチケット、ついでに変身アイテム」
通常時空の現在では手に入れようが無いレアなアイテムではある。
これを持ってゾロ目の時間に何かしらのドアや大きめの蓋などを開けることでそこを停車駅としてデンライナーに乗り込むことができる、という優れものだ。
そして、特異点はこのパスを使うことでフリーエネルギーを実体化させて仮面ライダー電王に変身できるわけだが……。
「ついで?」
「この現代においては……スペックがね」
うちが出してる作業用よりは良いけど、難波さんとこのに比べると、変身後のスペックに不安がある。
作業用のヘラクレスに力負けする警察のアスカみたいなものだ。
利点はある。
デンライナー関連アイテムは特異点と同じく歴史改変の影響を受けないので、最悪人類の歴史が消滅して現行の変身システムが全て使えなくなっても、特異点はパスさえあれば最低限電王には変身できるのだ。
また、歴史改変というと人や文明に対するタイムパラドックスばかり気にされがちだが、改変後の世界が人類の生存に適した場所である保証が無い、という点にも気をつけなければならない。
特異点の性質が歴史や時間に紐付けられ、その改変に影響されない、という特性を持つ以上、時間や空間のあり方が根本的に異なる世界に放り出される、という事は無い筈だ。
が、地球が惑星として成立せずに存在しない、大気組成が異なり呼吸出来ない、という状態にする歴史改変というのは、実のところとてもやりやすい。
生命に溢れた惑星を作り変えるより、原始惑星から地球型惑星にならないように妨害する方がやることは単純だからだ。
地球型惑星であるが大気組成が異なり一呼吸するだけで人間は即死する、くらいの些細な改変なら更に手間は少なく済む。
デンライナーのオーナーの許可制で複数発行も可能である、という量産の気安さなども含めて考えるに。
恐らく、電王というシステムの本来の用途は救命胴衣のような物なのだろう。
奇妙なほど低いスペックも、デンライナーが危険な歴史から特異点を救助するまで生き残るための最低限のもの。
あまり強すぎるスペックにすると、意図的かそうでないかに関わらず、電王による大規模歴史改変の恐れも出てくる。
デンガッシャーなども、サバイバル用の十徳ナイフのような物だとすればその多機能性にも合点がいく。
なに?その割に電王のマスクにはG3Xのパーフェクターに相当する呼吸補助機構が無い?
救命胴衣に酸素ボンベはついてないだろ、常識的に考えて……。
そもそも大気組成が変わるレベルの改変は、イマジン方式の改変だと余程の長生きの生き物を探してこないと難しい。
それに最悪、歴史に『変な格好の奴が現れたと思ったら苦しんで死んだ』みたいな情報が残れば時を遡って死ぬ前に回収しに行けるし。
救命胴衣が派手な色をしているのと同じようなもので、要救助時にデンライナーから見つけやすくあれば良いのだ。
「そもそも、未来も過去も好きに移動できる連中が戦う、なんて言い出すなら、もっと良いものを適当な時代から調達出来るわけだしな」
デンライナーの連中は立場的にはドラえもん一行ではなくタイムパトロールなので、ギガゾンビが出て来てもそれを上回る装備も用意出来る。
というか、紛失時の問題を考えなければ人類史の中で一番技術が発達していた時代から持ってくるのが普通だろう。
「未来の武器かぁ、秘密書類やきすて銃みたいな?」
「じゅうりょくしほうしゃせんしゃしゅつそうちとか」
「ダーウィンの大剣とかな」
真面目に言えば……近い時代で変身の敷居が低くて入手性が高くて高性能と言えばアバドライザーとかだろうか、因果の力が弱い連中しか居ないので適当な奴から掠め取っても歴史改変は殆ど起こらないだろうし。
量産型のデモンズドライバーとかも、製作者が製作者なので説明すれば一つ二つ譲ってくれそうではある。
というかそのものを持ってこなくても設計図を撮影して勝手に作ってしまえば歴史改変の恐れもない。
ただ、正しいとされる未来、歴史というものはあれど、分岐も変化もするのが時間であり歴史である。
特定の歴史を辿らなければシステムとして成立しない武器、変身システムなども存在する以上、世界が時空にまつわるシステム面から破壊されでもしない限り動かせる電王は潰しが効く。
パスを使ってた特異点の力で実体化するので、遺物として残ってもその時代に影響を与え難いというのも良い。
まぁ最悪、拾われて解析されて兵器転用されたらその時点で何処の誰が拾ったか分かるので歴史の修正も容易いのだろうけど。
使用者に無理をさせやすいというのも加点対象だ。
未来から来た敵を相手にする、という条件下であれば、ある意味で特異点は無敵と言って良い。
例えば二月一日の特異点が歴史改変者の手により殺されたりする。
その時点の特異点は物理的な加害により死亡するが、それは翌日以降、或いは次の瞬間の未来に居る特異点からすると過去への改変行為であるため、消滅することはない。
そこで、未来の特異点を二月一日の特異点が殺された日にライダーパスを持たせて助っ人として連れて来る。
戦力的に敵を上回り、特異点が死なない歴史に修正されるまで人数を増やし、生き残ったら未来の特異点を元に戻す、などという疑似RXじみた戦法が可能なのだ。
通常の因果に生きる物であればタイムパラドックスで無限ループに陥るところだが、特異点は歴史改変の影響を無視できるので死亡確認後に死亡直前に送る増援でも問題ない。
神の路線にまつわる話でも複数の歴史から野上良太郎を連れてきて戦わせているが、誕生日でさえなければ、あの場面で野上良太郎が殺されていたとしても間に合ってしまうのが特異点なのである。
……まぁ、タイムマシンがある世界で『助けが間に合えば』というのは些か緩すぎる条件ではあるが。
なんなら活動拠点がタイムマシンだし、本隊であるデンライナー以外にもタイムマシンを持った一般人の桜井侑斗とかが居る訳だし、保険も万全。
「じゃあ、届けにいく必要はねーか」
「いや、もしかしたらSuicaと同じく決済とかにも使うのかもわからんし、無くして困っているといえば困っているだろう」
「おとしものは、とどけないと、どろぼう」
再発行するにも、こういうものは時間がかかる。
「でも、よるおそいし、おふろはいっちゃったし」
タイミング的に、電王になれないと死ぬ場面とかは過ぎてるだろうしなぁ。
というか、俺の知る歴史の通りにイマジンが発生しているかも怪しい。
この街に張り巡らされたヘキサギアの目は今日、怪人による落下殺人を目撃していない。
「明日、朝飯を食べたらにするか」
もはや、調べるのに遅い、という概念は薄れつつあるのだ。
一眠りして、身支度を整えてからでも大丈夫だろう。
食事と睡眠とセックスを蔑ろにする生き物は勝てないからな。
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そう遠くない後の世で、スマホ一つあれば買い物から各種交通機関の利用まで可能となる時代が来る。
ライダーパスが如何なるものか、と言えば、そこから電子マネー関連機能を外して、デンライナーでの各種サービスを受ける権利とサバイバルキットなどが付属したものだ、と考えれば良い。
適当な扉さえあれば、ゾロ目の時間、1時間に1回はデンライナーに戻る事もできる。
それはすなわち、食事や宿泊においてもその時代の経済活動に大きく関わらずに済む、という事だ。
逆に言えば、旅先の時間でデンライナーから降りた状態でパスを失うのは、財布と身分証を失うようなものだ。
時間旅行者を別の時代に残しておくのはデンライナー側からすれば望ましい話ではないので、そう長く放置されることも無い。
何らかの思惑が絡まないのであればの話だが。
「さて」
デンライナーの客車で旗の刺さったチャーハンを食べる紳士が、口元をハンケチで拭く。
奇しくも、未来を巡る戦いの舞台として選ばれたのはこの激動の時代。
結論から言って、この時代、この歴史が消滅する事は無い。
しかし、イマジンの世界へと繋がる歴史は閉ざされている、結末は決まっているとして、過程は幾らでも変わり得るのだ。
誰もが納得のいく形にも、誰もが不満を覚える形にも。
「上手く、回れば良いのですが」
デンライナーの車窓から見下ろす先。
そこは2007年初頭、人々は冷えたアスファルトの上、顔を蒼白くさせ力なく横たわり、その隙間を奇妙な形態のイマジンが悠々と闊歩していた。
相対的に見て原作キャラが喋ってる割合がそれなりに多い気がする
☆木の上に登っているやつ
この時代だとこれ自体は珍しくもない、というか、高いところに登る馬鹿自体は増えてる
少し後の時代になると鼠返しみたいな機構がある程度の高層ビルには標準装備になるのかもしれない
携帯も普及してるので降りれなくなった馬鹿が警察の装甲服部隊に救助される情けない場面も増えた
簡単に高いところに登れる身体能力が手に入る機会が増えたので落下死の件数も増えてる
電王世界だと初憑依時にどう頑張っても死ぬ飛距離を飛ばされた不良がなんか生きてたりするのでリアリティラインが違うというか、真面目に受け取ってはいけないギャグ的な描写が混在してるのだけど
この世界においては落下死でスコアを稼いだムセギジャジャとかも居るのでルールとして高いところから落ちると人間は死ぬ、というのが証明されてしまっているのでバットイマジンはめっちゃ殺してくる
まぁでもこの世界の未来人がベースなので素直にバットイマジンとして出力されるのかは次回
因みにそんな訳でモモタロス憑依で不良をギャグみたいに弾き飛ばすと普通に殺人になりかねないので良太郎は頑張ろう
☆治安とか
悪いけど、そのおかげで社会が回っているというか
何かに遭遇したときに最低限抵抗できる手段が無いと安心して外を歩けない、という人は増えた
で、去年のワームやらネイティブの件は大筋では解決してるけど、市民からしたら怪物に変身する奴ではなく自分たちに変身してる怪物の存在が明らかになったので、武器を手元に置いておきたい、という思いは少なからずあるらしい
役に立つかどうかって意味で言うと、ちゃんと神話存在が出てくるシナリオで渡された拳銃くらいの役目は果たせる(自決用)
はっきり言うと警察も拳銃の不法所持をいちいち咎められるほど暇ではない
それでも世界的に見ると驚くほど治安は良い方と思われる
きっと核落とされた後のメガテン世界の東京みたいになってる国はいっぱいあるので
☆遅いという事は無い
投稿は遅い
でも電王とかやる前にハイパーゼクターの出てくるカブトを放送したテレ朝側にも非はあると思いませんかあなた
歴史改変にならない範囲での時間移動はこれからも行われると思われるがどうか
思われるけど電王やったら次はキバだから時間移動出来てしまって作劇が面倒になる場面は少ないから良いでしょう
その次はディケイドだから時間移動よりも世界移動が問題になるし
☆意味有りげなオーナー
何を企んでいるかはぐにょりも知らない
まぁ描写的にも雰囲気が怪しいだけで「何もかもうまいこと収まらんかな」くらいのことしか考えて無いよ!
いざとなればこの人が戦闘用に調整された電王とかに変身すればなんとかなるのでは?
☆サバイバルキットとしての電王
サバイバルキットというか恐らく回収した特異点を無くさないための発信機みたいな
野生動物の保護とか個体数確認のために取り付けたりするじゃん?あれ
デンオウベルト自体も、実体化させた特異点の未来とか読み取って形変えてそうなんだよねあれ
最初からレギュラーイマジンの色付きボタンあるし
ボタンというか精神体の憑依システム自体は漂流先での最適な動き方を現地で幽霊とか拾って使うためのものなのかもしれない
こう、自分を案内してくれれば色々と便宜しますのでみたいな交渉をするものと思われる
推測が多いのは超全集相当の書籍が例年と比べて設定書いてくれてないからなんだけど、良い参考文献とか無いすかね
とりあえず仮面ライダー超辞典でベルトそのものがパスから特異点を経由して実体化してるのは確認できてるので、少なくとも主人公が奪い取りに行く心配は無い、買っといて良かった……
☆倒れ伏す街の人達
たぶんまだ死んでない
なんで倒れてるかは次回
そんなわけでぼちぼち進めていきます電王編
原作電王におけるイマジンの歴史ではなくこの作品世界における剪定事象世界なのでそれなりに変化があります
そもそもハナが生まれるかカイが生まれるかが分岐なら元の電王世界も歴史の分岐は過去ではなく未来にあった臭いし
この時代のことを知っている奴がいても不思議は全く無い
そんな振り返るものもあやふやになりつつある作品ですが、次回も気長にお待ち下さい