オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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194 バチバチ!臨獣対幻獣!

人類は怪人を打倒できないのか。

改造人間は最強の兵器なのか。

同じく繰り返されてきた問いの一つ、巨大ロボは現実の兵器よりも強いのか、という問いに似ていて、しかし、決定的に違う問いだ。

 

兵器としての改造人間は結局のところ、現実に存在する歩兵の延長線上にある。

人型の巨大ロボなんてのはただの的にしかならない、なんていう冷笑的な答えを容易く口にする輩でも、これを否定する事はできないだろう。

 

例えば蜘蛛男。

粘着質かつ頑丈な糸を吐き、強い筋力と高いスタミナ、銃弾をものともしない強靭な肉体。

外付けの装備に依らずこれらの機能を獲得した兵士、として見た場合、これはまさしく通常の兵士の上位互換に当たるだろう。

なんせ人型なので装備の流用がきくし普通に兵士としての教育も可能だ。

 

だが、逆に言えば。

改造人間、怪人は人間の上位互換、人間の兵士の上位機種でしかない。

 

改造人間はより低いレベルで製造された通常兵器ならば破壊できたとしても、同じ技術レベルで作られたより特化した兵器には敵わない。

ショッカーの技術レベルで作られた戦車があれば、それはショッカーの怪人を容易く磨り潰せる様な性能だろう。

ショッカーの技術レベルで作られた戦闘機があれば、それはショッカーの怪人では影さえ捉えられずに死を押し付けられるものだろう。

 

本格的に世界征服を武力で成し遂げようとした場合、その軍隊の姿かたちがどれほど奇抜であっても、兵科の種類は表の世界のそれと大きく変わることは無い。

結局、より高い技術で作られたより強い軍隊でしかなくなる。

 

その上で、歩兵の上位互換になり得る怪人は、現行兵器の、例えば戦車砲の直撃に必ずしも耐えられるものか、という疑問がある。

答えは否。

何らかの神秘的な力に守られているというのでなければ(或いはそうであっても)、守りを貫くほど強力な力を加えれば死ぬ。

海外に密輸された、或いはそれを元に密造された神経断裂弾が海外でも人ならざる怪物を射殺した、なんて話も噂レベルながら存在している。

 

人々の生活を脅かす怪人、改造人間、人類敵対種族が危険で対抗が難しいのは、それらが街中で、人混みの中で活動しているからに他ならない。

怪人を屠れるだけの威力の重火器はそういった場所では軽々に使用できるものでもない。

怪人から人々を守るつもりが人々の生活を、街を、或いは人々そのものを破壊してしまうようではいけないし、そういった火器を所有する団体は当然そういった理性を持ち合わせている。

怪人を倒せるだけの武装を持った集団はそれ故に怪人に無力になってしまう。

 

そしてこれらは実のところ怪人側にも適用される問題だ。

特に人間を捕食するもの、人間社会に紛れるものは顕著で、大規模な破壊活動の結果警察に見つかる、善良で攻撃力の高い一般変身者に見つかるなどのリスクを考えて動くことになる。

平成の前、昭和の時代に悪の組織の怪人がいつの間にか見晴らしが良く爆破が起きても問題ない採石場などに移動していた理由もこれだ。

世界を支配したいが世界や文明そのものを破壊したい訳では無いタイプの組織怪人と、市民に被害を出したくない治安維持側の戦士。

互いの思惑が知らず知らずに噛み合う事で、戦いの中でシームレスに市街地から遠ざかる様な移動が成されたのだ。

 

疑問に思ったことは無いだろうか。

建物を容易く破壊出来るはずの膂力を備えながら丁寧にそれを避けて動く怪人。

銃火器の通じない怪人にダメージを与える火力はあるが、一般的なビルの壁を破壊できない銃火器。

これらはそのどれもが超科学や超文明技術の結晶で作られ、互いに、敵を倒したいが建物や市民を無駄に破壊したくない、という思惑からその威力を選択的に変動させているのである。

 

パンチ力やキック力が一桁二桁違う戦士たちが、なんとなく同じ土俵で戦えている理由はまさにこれだ。

暗黙の了解というわけではないが、周辺被害を考えた場合、最大出力がどうあれ実際に出せる力はどうしても制限されてしまう。

 

そういった意味では。

この世界、この歴史に侵略してきたイマジンはかなり文明に気を使って活動している。

当然の話で、歴史を自分達の産まれる歴史に分岐させる目的で動いている以上、歴史が完全に途絶えるような振る舞いは出来ない。

 

彼等イマジンがその能力を最大限発揮しようと思うのなら、時の砂漠という、他の歴史に一切関係無いリングの中で戦うしか無いのである。

 

―――――――――――――――――――

 

向かい合う黄金の戦士と漆黒の戦士。

 

「臨技」

 

「幻技」

 

構えは鏡写し、中国拳法の震脚の如く砂の大地を踏み抜く。

時間そのものと形容されながら性質としては砂でしかない大地が、激しい踏み込みだけでは説明し切れない勢いで炸裂する。

 

「「微塵隠れの術(ティルトウェイト)!」」

 

不気味な虹色を湛える空を掻き消すように地上に二つの太陽が発生した。

禹歩と呼ばれる呪術的ステップに時間制御技術を併用した個人単位核融合攻撃。

現代の黒沼流アクガタにおいても熟練者にのみ禁術として真っ先に伝授され、使用可能シチュエーションを叩き込まれる基礎的な熱核反応式撹乱攻撃である。

 

常人であれば強い熱により影すら残らず、そして肉体が消滅するよりも先に恐るべき放射線被ばくにより即死する、命の存在を許さぬ特殊な戦場。

高熱と強い放射線の中、二人の戦士がぶつかり合う。

アクガタにおいて微塵隠れの術は習得しただけでは運用できず、爆心地で受ける悪影響を何らかの形で無視できる術を覚えて初めて拳魔や拳聖を名乗ることが許される。

 

どこからともなく取り出した棍を振るい、舞うように戦う黄金の戦士。

その体表を見れば、黄金に輝く生命エネルギーが絶えず流動しているのがわかるだろう。

これはバットイマジンことカマソが過去、臨獣殿で一介の拳聖だった頃に編み出した封封念という技を発展させた名も無い防衛術であった。

硬い守りで防ぐのではなく、流動的な気の流れにより害あるものを受け流す形で発展した為、攻撃的気の運用を切り捨てている。

だが、それは幻獣カマソッツ拳の攻撃性能の低さには繋がらない。

 

相対する交路変身体の装甲が、棍の直撃を避けているにも関わらず切り裂かれる。

臨気凱装により形成された装甲は常の変身体よりも強度に劣る。

しかし、変身直後よりモーフィングパワー、アギトの力、呪術による強化を施され、更にクロックアップの応用技術である位相差障壁により半ば現世の物理法則から解き放たれた肉体は通常の手段では触れる事すら難しい。

 

核爆発を見慣れているのであれば、その手品の種をすぐさま見つける事が出来る筈だ。

二発の微塵隠れの術、即ち二発分の核爆発として考えた場合、放たれる放射線量や熱量光量が明らかに少ない。

これはカマソの纏う受け流す防衛術の応用により、棍を支持棒の如く使い空間全体に拡散する筈の熱量や放射線を誘導している為だ。

常人ならば何千何万と死ぬ程の威力を誘導し研ぎ済ませ、ほんの一筋の光の刃と化す。

 

幻獣カマソッツ拳の正体とは、禁術である熱核遁微塵隠れの術を初手で使用する事を前提とした、超侵略特化型拳法。

理論上、その攻撃は空間を切り裂き別世界へと刃を届かせる。

ミラーワールドの存在すら表の世界から害する事が可能となるのだ。

 

「いくぞ」

 

確かに放たれたカマソの声。

それはダンスにも似た華麗なステップと共に連続して巻き起こる小規模な核爆発により掻き消される。

吹き荒れる熱核反応による死の嵐。

時空さえ切り裂く光の剣舞。

死のコウモリを意味する神獣カマソッツの名を冠するにこれほど相応しい闘法は無いだろう。

その武威が示された時、周囲には屍すら残らず、ただ死という結果のみが残される。

この時代においてこれをまともに防げる存在は数えるほどしか居ない。

 

では何故、カマソは絶え間なくその技を繰り返しているのか。

目の前に居る()()が、この時代においてカマソが知る数少ない例外であるからだ。

 

きし、という音がカマソの耳に届く。

カマソッツ拳の要の一つとも言える棍、制御棒を模した武器が半ばから切り裂かれたのだ。

同時に、吹き荒れていた核撃の嵐が消えうせ、静謐な時の砂漠の光景が蘇る。

 

「なるほど」

 

交路変身体。

切り裂かれた装甲が瞬きの半分の間に消え失せ、欠けのない姿を現す。

肉体の高速再生、ではない。

近似世界線から無傷な状態を読み取り肉体を上書きしている。

あらゆる時の流れが砂粒のごとく混在する時の砂漠だからこそ許される無法。

時間制御技術に対する深い理解があればこそのものではあるが……。

 

無論、常の回復能力でも同じ事ができる。

だがあえて珍しい、奇術の類で肉体を直してみせたのはデモンストレーションとでも言うのか。

いや違う。

カマソは理解していた。

あれはある種の感謝、或いは敬意を払う様な、そんな意志からのもの。

珍しいものを見せてもらった返礼。

アクガタ、その源流である黒沼流における流儀。

殺意に対し相応の殺意で返す習わし。

その証拠は、交路の手の中にある一筋の光。

カマソッツ拳が誇る攻防一体の術。

 

()()()()()のだ。

 

アクガタから変化した幻獣拳において、永らく暴かれていない謎の一つ。

拳魔や拳聖の編み出した技を、一目見ただけの創始者が程無くして研鑽法を伝授してくるという怪現象。

 

曰く、人より物覚えが良いだけ。

アクガタ創始者はそれだけの理由で門下生の編み出した技を全てより高度なレベルで修得している。

それを恐れ、公の場で奥義を振るうことを極端に嫌うようになった拳魔、拳聖も居るという。

 

今、交路変身体から距離を取りながらステップを踏み続けているカマソは、既に微塵隠れの術を発動していない。

熱核攻撃への防衛術と応用による光の斬撃。

それは外部からの攻撃を流動的な気の防壁により受け流し、力の流れを制御することで成り立つ。

同じ空間内で、より高度な制御能力を持ってこれを運用された場合、カマソッツ拳はその威力を奪われる。

翼をもがれた鳥ならぬ翼をもがれた蝙蝠。

それが今のカマソだった。

 

勝ちの目は失われたと言って良い。

カマソの勝ち筋があるとすれば、交路がカマソッツ拳の仕組みを理解するよりも早く息の根を止める事だった。

装甲を切り裂くのでは足りない。

初手で思考を司る部位を残らず焼き切る程度のことは必要だった。

 

今、カマソが殺されていない理由は単純。

これがインタビューだからだ。

ただ、情報を、未来に作られる技術を、記憶すらまともに連続していないカマソから引き摺り出す為、逆行催眠の如く戦いを持って記憶の補強を行おうとしている。

 

仲間のことを思うのであれば。

カマソは一切の抵抗をせずに殺されるべきだった。

たとえ数年をかけた歴史改変をすべてふいにするとしても、もはやこの場で1秒たりとも未来の情報につながるカマソ自身を存在させておくべきではない。

元の歴史に刻まれる形で無くとも、少なくとも情報を流す愚は避けられる。

或いは防衛術を使わずに微塵隠れの術を使い自らの痕跡を消滅させるべきだった。

これは呪いだ。

幻獣拳の、その原型たるアクガタの理念。

死なぬため、生き続ける為にあえて死に臨む。

死中に活を見出す。

それ故に、最後まで逃げること無く戦う。

死に臨み続ける。

 

カマソがただの棍と化した制御棒を構える。

黒沼流武器術正調の構え。

逃走はない。

徹底抗戦あるのみ。

 

まるで、門下生が敵に回った時に、逃げ回らせない為に作られたかのような。

門下生の多くが復讐者という出自を持つが故に押し付けられた掟は、図らずも門下生に望まぬ生と不本意な死をもたらす事となった。

 

―――――――――――――――――――

 

いやぁ……。

そういえばなんだけど、ハナちゃんさんの未来ってイマジンの襲撃で滅んでるんだよね……。

そりゃ滅ぶわ。

なんだあの歩く連装核弾頭マンは。

あんなものを首都の上空にフリーハンドで放り出してよく自分達の未来に繋げるとか妄言吐けたな!

 

まったく困ったものだ。

うちのアクガタ拳士達には自衛目的以外でのティルトウェイト市街地使用は徹底的に禁止してるからあの幻獣拳なる謎の強そうないい感じの拳術とは一切関係無いけどさぁ。

 

とまれ、謎の歴史改変者その一は見事瀕死にした上で改めて警官隊の前に配置してその死を確認した。

直接的に情報を吸い出せたわけでは無いが、一つの未来情報を得る事に成功した。

 

それはもちろんカマソッツ拳……ではない。

いや技として学習こそしたが、熱核攻撃と拳法の組み合わせは誰しもが思いつくようなものだ。

熱いは強い、眩しいは強い、放射能汚染は強い、これを拳法に取り入れるのは人類の進化の歴史を辿れば必然と言って良い。

そもそもステップによる足場の原子核を使った核融合、あれはクロックアップシステムを見て時間制御を覚えた門下のジェリー拳使いの技を元に考案されたものであり、そこまでは既知のものでしかないし、発動の理屈も解明されている。

 

複数回の歩行により発動する古い呪い、禹歩。

簡単に言えば言葉をキーにして発動する呪文を歩行動作に置き換えているものだ。

なので当然発動するには左右の足どちらか、つま先からか踵からか、どの方位に向けて踏み出すか、その他諸々、歩行動作に関わる要素を組み合わせて意味を持たせる。

当然核爆発などを起こそうと思ったらとんでもなく長いパターンが必要になる。

これを短縮する画期的な方法を編み出したのがジェリー拳のラゲクであった。

 

拳法として、或いは遁術としてのティルトウェイトは禹歩を使って発動するが、呪術的なプロセスで核爆発を起こしている訳では無い。

これは本来のジェリー拳における時間移動に禹歩を補助動作として組み込もうとして起きた事故を発端にして産み出された術だ。

空間を捻じ曲げて対象を違う時代に飛ばす時裂波、これに禹歩を組み合わせる事でより正確な時間指定を行おうという試みだったのだが……。

 

この時間指定で()()()()()()()を選択して時裂波を発動する事により、禹歩に使用した範囲の地面が一瞬だけ存在しなくなり、しかし転移先の時間が無い為に移動がキャンセルされ再出現する。

存在しない時間への移動はできないが術は発動する、という矛盾を解消する為に術の発動はキャンセルされ、禹歩としての意味を持たない一歩目へと時間は巻き戻る。

が、存在しない時間に飛んだ地面はその瞬間だけ物理法則から解き放たれる為に転移そのものがキャンセルされず、術発動前の地面と発動後キャンセルされて元の時間軸に戻ってきた地面が同じ座標に存在する事になり、核融合が発生する。

術の発生失敗によって効果が発動する世にも奇妙な技の完成である。

この世界の物理法則にアプデが入ったら使えなくなりそうなグリッチじみた技だが、この世界の神はアプデするよりもバグに文句言ってきた種族を絶滅させるタイプだから問題はない。

 

周辺被害、世界の何処で使っても国際問題が起きる、という二つの点を除けば現状最も効率的に破壊力を出せる、臨獣拳を学べば努力次第で誰でも覚えられる超優良技ではある。

これをより洗練された形で応用したカマソッツ拳もまた見事な技だった。

だが、問題はそこではなくカマソの振るっていた棍、制御棒だ。

 

当然、あれは実際の原子炉で使われているような制御棒とは似ても似つかない別物だ。

強度的に見てもイマジンが契約者のイメージから生成できる武器のそれを越えている。

おそらくだが、あれは類感呪術を利用した概念的制御棒、核反応を制御する為の機器として世界で広く扱われる制御棒を模す事でティルトウェイトで発生した核反応への干渉力を高めた呪具だ。

 

言わずもがなではあるが、カマソッツには本来核反応、核融合に纏わる逸話もない。

そもそも彼は最終的にカマソッツ拳のカマソという自我を復旧したが肉体的にはバットイマジンであり、その武具があるのなら蝙蝠に由来するものの筈だ。

そして、類感呪術に使われる呪具は一般的なものでなければ、マイナーな術になればなるほどその精度が重要になってくる。

そこらの木の棒を持ってきて制御棒と言い張るだけで核反応を操れるのであればそもそも呪具によるサポートは必要無い。

 

例えば彼が魔石の戦士だったなら話は早いが、実利的には戦士を増やし新たな技を生み出すための場所でしかない臨獣殿のメンバーに魔石を移植する未来は間違いなく無い。

特定の武器を召喚するタイプの変身能力もあるが、大概は外付けのデバイスによる変身、その中でもそれなりに高度なものに限定される。

というか、この後の歴史に産まれる技術は大体が外付けの装備に置き換わっていくのでそうならざるを得ないのだが……。

その中でも、変身前かつ変身用のデバイスが無くとも発動可能な特殊能力を持つ者たちが存在する。

ハイドープだ。

 

地球の記憶を封じ込めた変身デバイス、ガイアメモリ。

それによって異形の超人に変身した者たちはドーパントと呼ばれ、その中でも特に強くガイアメモリに適応し、変身前にまで影響を受け変異したものをハイドープと呼ぶ。

これらハイドープは適合したメモリに由来する訳では無い能力を持つ場合も多いが、単純にメモリの能力の延長線上の力を得る事もある。

 

これらは単純なメモリとの相性以上に、長期的なメモリの運用、地球の記憶との融合により人間としての潜在能力が解放された結果であるとの推測もある。

つまり、ガイアメモリは単純な変身装置であると同時に、長期的には超能力開発支援ツールとしての側面を併せ持つ、非常に有用性の高いデバイスなのだ。

 

現状、メモリの長期運用による超能力開発実験は極めて小規模なものだけを行っている段階だ。

少なくとも現行のメモリは全て俺製のものしか無く、あえて大型化し持ち運びを難しくし、その全てが変身機能をオミットした機能限定版となっている。

無論、それは俺の認識範囲内での話でしか無いのだけども、少なくともこの世界における園咲家は地球の記憶への接触には至っていない普通のご家庭であるし、財団Xも発見できていない。

 

という前提で考えた場合、ちょうどよく該当するハイドープ能力が存在する。

ハイドープという言葉が産まれるよりも前の存在であるのだが。

そう、バットドーパントの特殊能力だ。

あれも厳密には変身後に機械を超音波で操る、というものなのだが、その応用なのかブレードを突き刺した金属板を触手状に変化させて操作するなどの能力を見せている。

バットメモリは生産も難しくない類のものであるため、現在進行しているハイドープ能力覚醒実験においても利用されている。

これに成功すれば機械、金属限定の簡易モーフィングパワーとしての運用、そして歴史改変保安上の都合で研究できていないシシーラワームの能力を再現できる可能性が高いという事で重要度の高い研究ではあったのだが……。

 

「カマソだったか」

 

恐らくできるだろう、という当て推量で続ける実験でも試行回数によってはそれなりの成果を出せるが。

一度でも完成品のデータが取れたとなれば、実験から開発に移行可能だ。

ガイアメモリによる特殊能力開花実験はそう遠からず安定した超能力戦士(サイオニックウォリアー)開発カリキュラムへと進化を遂げる。

 

「臨獣殿の裏手にでも立派なお墓を建ててやろう」

 

お墓というか石碑かな?

実験動物や家畜にも慰霊碑は建てられるというし、そこに幻獣カマソッツ拳カマソとでも書いておけば、カマソ候補である門下生が将来的にカマソを名乗る事もあるまい。

ついでに先のカマソの技を十全に使いこなせるように叩き込んだ上で発展させるように仕向ければ少なくとも同個体にはならない筈だ。

 

「それは名誉なことだね」

 

「うむ」

 

ほんの数分前まで重度の放射能汚染地帯だった時の砂漠の中で聞こえる声。

おかしな話ではない。

時の砂漠は通常の理屈が通用しない不毛の大地だ。

そんな場所でデンライナーを待ち構えるような輩が核爆発の凌ぎ方を知らぬ筈もない。

そもそもの話として未契約のイマジンは砂で仮の形を取ることは出来ても基本的には精神体、物理攻撃は通らない。

 

「わかっていると思うが、契約に拠らぬ憑依術も通さん」

 

「まさか、そんなダサい真似をするつもりは無いよ」

 

イマジンは契約により人間に憑依するが、これには多くの抜け道がある。

特にこの世界には呪術的な技術基盤が存在しているため、イマジンに知識があれば未契約のまま霊体による肉体の乗っ取りが可能だ。

 

玄関先に現れて知人の声で扉を開けるように促してくるタイプの悪霊や、招かれないと人の家に入れない吸血鬼の類と同じく、呼び掛けに対する応答は初歩的な降霊術であり、これは生者が降霊をするのと逆の運用で死者が生者の肉体を乗っ取る時に用いられる場合が多い。

猛士の古い資料において、中国の尸解仙(肉体の無いタイプ)がこれで一時的に肉の身体を得て活動していた、という記録があった。

外様も外様の術者で明確に猛士と共闘した訳でもない相手であったらしく、まともな資料も残っていない話だったが……。

 

今のこいつの最初の発言は何の対策も無しに答えた場合は乗っ取られるまではいかなくとも憑依状態にはさせられていただろう。

肉体の主導権は取られずとも、都合の良い乗り物扱いされていたかもしれない。

 

少なくともこいつは霊体として振る舞い人に憑依する術を知識として有している、という事になる。

イマジンはその多くが記憶を持たない状態でこの時代にやってくる。

それは彼等が歴史改変耐性を持たない非特異点であるからなのだが……。

繰り返しになるが、イマジンは種族ではなく状態である。

カイ率いるイマジン軍団は正史ではない未来からやってきているため、そもそも参照できる過去が無い。

つまり、しっかりとした術の運用知識を備えたこいつは、その術を学んだ過去を参照できる状態なのだ。

 

不思議な話ではない。

そしてあり得ない存在という訳でもない。

例えば時間移動技術を持たない特異点が過去に移動する手段としてイマジンになる。

或いは単に、正常に接続された未来からやってきている。

そのどちらも、恐ろしい話ではあるがこの世界ではありふれた話、では無いにしろ前例もそれなりに存在する。

時間移動技術は一般的には禁忌とされているが、それができる者にとっては座標の移動と大差なく行われてしまう、そういうものだ。

なんとなれば、難波さんのとこに居たイマジンもこいつの同類だろう。

なんなら、現時点での自分が消滅することも厭わず歴史改変に手を出す様な輩に比べれば正気に近く理解しやすい。

 

「ちなみに」

 

顎でデンライナーの走行する方角を指し示す。

 

「特異点の坊やに防壁は張っていない。無論、デンライナーにもな」

 

俺の関係者と関係動物にはバリバリに対策を積んでいるが。

それ以外は素通しレベルだ。

当然野上良太郎にも何の保護もつけていない。

 

「……ん、なるほど?」

 

曖昧な返事をして謎のイマジンは姿を消した。

どうしろ、という話ではないが。

こいつが野上良太郎と契約するのは都合がいい。

特異点というのは外付け装備での強化に旨味が無く、特異点そのものへの強化が難しい。

結局、イマジンと契約して運命共同体を増やすのが一番妥当になってしまう。

今年もまた、難しい年になりそうだ。

 

 

 

 

 

 




バチバチというよりピカピカ
バトル回を定期的に挟むことでいわゆる暴力系エンタメ(GIGN某)と言われる特撮ヒーロー作品二次創作としての自我を保っていく

☆地球では本気を出せない未来戦士たち
核攻撃をメイン武装にすることで不意の遭遇前でも本気を出せないようにするという現代臨獣殿による名采配
なお初手侵略先の未来は核の炎に包まれたがそれでは自分達の未来に繋がらないことに気が付いたので今の時代では固く使用を禁じられている
つまりコラテラルダメージというワケだ
ハナちゃんが睨んでる?
その気になれば今すぐにでも核爆発を起こすような戦士達の首魁と思しき相手に敵意を向けるその胆力……
お前も戦士にならないか?
たぶん令和時代なら普通にハナちゃんも変身してた
体感だけど令和になってからレギュラー女ライダー増えたよね

☆幻獣カマソッツ拳の使い手カマソ
地上に現れた太陽の中、一際輝く黄金の蝙蝠が居た
その蝙蝠が現れるところ、命の一切が許されず死を与えられたという
みたいなエピソード持ちの強敵(消えた歴史)
どれくらいの強敵かと言うと核エネルギー転用斬撃で作中初のミラーワールド内へのダイレクトアタックが可能
かつ、全身に纏った幻気によりミラーワールド含む特異な環境への適応力に優れ、ミラーワールド連れ込み勝ちが通じない
だが殺した
技も盗まれたし未来情報も多少抜かれた(バットメモリのハイドープ)
ン互換相手に初見殺しできなかった方が悪い

☆核遁術微塵隠れの術(ティルトウェイト)
遁術とあるとおり、本来は攻撃手段ではなく強い光と電磁波により相手の感知能力を潰すための技
つまるところ攻撃性能のついた太陽拳である
臨獣殿の中でも拳聖、拳魔と呼ばれる幹部クラスは全員修得している
時間移動で赤子の相手を殺すとかタイムパラドックスを起こして時間のループの中に閉じ込めるとかの攻撃手段が生まれつつあるので攻撃手段としては規模の大きさ以外に優れた点は無いので注意が必要

☆時の砂漠でデンライナー待ちしてたら見知った顔が居て「うわっ」てなったけどなんだか機嫌が良さそうなのでワンチャン狙いで話し掛けてきた謎の青そうなイマジン
前の赤いイマジンもそうだが、カイを裏切ってなんかやろうという漠然とした強い目的意識で動いてる連中は自分はまともですみたいな顔してるけど大体変人の類
どんくらいかと言えば核爆発と次元斬撃撃ち合う奴等が居てもそれ自体には驚きも無いし大した問題とも感じていないところ
特定の顔を見知っているし人体に霊体の状態で取り付く為の術にも覚えがある
過去の記憶?未来の記憶?イマジンには記憶とか無いんだよ?知らないのかい?とか言うし、イマジンには過去の記憶が無いとは言うが自分が記憶を持ってるかどうかには言及しない
意味深なキャラ付けをしているがただの設定が盛られただけの原作キャラなので後の絡みとかは無い
というか電王に限らず原作キャラはキャラが濃いので掘り下げ不足でキャラ付けが変になるのが嫌で下手に出せない部分もある
原作セリフをただ垂れ流させるだけのカカシにはしたくないけどキャラが言わなそうなセリフは言わせられないというか
特にタロス達は複数でのワチャワチャも含めてのキャラ付けだからよけい難しいところがある
それはともかく特異点にちょっかいかけるのに邪魔をされないなら好都合なのであった

なんで電王編はこんなに進めるのが難しいかと言うと
平成一期直列した結果と主人公がその中で頑張った結果の先にあると思われる歴史なので
それを踏まえて書こうとすると頭がこんがらがる
なんならこの世界で主人公が発生しなかったとしても電王はかなり改変されるライダーだと思う
でも書けば多少なり進むので
次回に何やるかまだなんも決まって無いけどそれでもよろしければ次回も気長にお待ち下さい
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