オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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27 夏の決心、秘める赤心

初めて彼と出会ったのは、入学式の日。

同じクラスに割り振られた同級生でクラスメイトの彼は、飛び抜けて強く印象に残る、という風でも無かった。

体格の良い、というよりも、良く鍛えられたスポーツマンの様な身体。

邪魔にならない事を優先しているような、短く刈り揃えられた黒髪。

特段鋭い訳でも無く、でも、人をまっすぐに見つめる瞳。

真面目そうな人だな、というのが第一印象だろうか。

でも、実際に話してみれば、変に固くない、何処にでも居るような同学年の男の子。

口調で言えば、むしろ平均よりも柔らかい、砕けている感じ。

真面目そうで、でも、割りととっつきやすい人。

 

少しだけ人伝に聞いた話も、その印象を覆す事は無かった。

文武両道の優等生。

部活には所属していないけれど、頼まれれば助っ人として手を貸す事もある。

血の繋がらない身体の不自由な妹にはぶっきらぼうな口調を使うが、甲斐甲斐しく世話する姿から、愛情の裏返しなんだな、なんて。

 

家族想いで、優しくて、頑張り屋で。

 

それは、きっと、全部本当の事で。

でも、それだけじゃない事を、友人の中では、私だけが知っている。

家族でない相手では、私だけが彼の秘密を知っている。

王冠の様な黄金の六本角。

心を隠す黒い仮面。

命を守るための夜闇の鎧。

命を奪うための鋭い爪。

それが少しだけ嬉しいような、悲しいような。

 

彼の行動、全てに頷ける訳じゃない。

でも、彼の頑張りを、誰かが知っていてあげるべきじゃないかなと、そう思う時もある。

知っていてあげる、なんて、上から目線で言える立場じゃないんだけど。

私を救ってくれたあの日に見た、彼の心の一部。

泣き方も知らない様な、泣く寸前みたいな笑顔。

 

あんな苦しそうな顔を、もう二度とさせちゃいけない。

あんな辛そうな顔を、誰かに見せる事が無い様に。

 

彼の、真剣な表情が好きだ。

彼の、ちょっとした事で喜ぶ大げさなところが好きだ。

彼の、人の良い所を過剰に尊ぶところが好きだ。

彼の、少しそっけない時が好きだ。

 

一緒に居る、と、彼は言う。

だけど、きっと彼はずっと一緒にとは思っていない。

私が強くなったら。

自分の身を守れるようになったら。

それであとは元通り、くらいに思っているんじゃあないか。

 

なんて男だろう。

勇気を振り絞ろうとしている乙女を抱きしめたりもする。

しかも幸福で勇気がとろけてしまった後に、勇気が必要な言葉を知らず求めたりするのだ。

とんだ不届き者だと思う。

 

だから。

彼の心配事が無くなったのなら。

改めて私から、彼に伝えよう。

彼の言葉が本当なら、それを言う猶予はきっと、普通の人よりもずっと長い。

勇気がないから先延ばしにしているんじゃなくて。

彼が、困らない時を見計らっているだけなので。

 

「大丈夫? 水分取る? 掴まる?」

 

「うん、手、貸して」

 

先を行く彼の手を握る。

片手に巨大なバッグ。

背には早々に力尽きて舌を出してダウンしているジルちゃん。

一本だけ空いていた手で私を力強く引き上げてくれる。

彼の現状そのままの姿で、私の現状そのままの姿。

 

「ほら、見てみ」

 

「──わぁ」

 

引き上げられた先からは、もと来た登山道が見渡せる。

壮大な景色だ。

来た甲斐がある。

……この先にあるお寺が目的地で、こういう楽しみはおまけみたいなものらしいけど。

それでも、隣には彼が居る。

彼が、どれくらい穏やかな気持でこの光景を見ているかは、傍から見てわからないけれど。

何時か、彼の抱える荷物を、一緒に抱えてあげる事ができるようになったなら。

旅行に誘う事ができるだろうか。

友達として、いや、もっと、別の関係として……。

 

―――――――――――――――――――

 

なんだかんだあったが夏休みに突入した。

中間試験だの期末試験だのもあったが、常から予習復習を熟していれば乗り越えるべきイベントにすらならない。

というか魔石の影響をかなり受けているので、記憶力というか学習能力は極めて高いので、最悪予習復習をしていなくても授業を真面目に受けていればどうにかなる。

グロンギ脳初体験の難波さんは、あまりにも向上していた脳機能に驚きを隠せないでいたが。

 

しかし、試験なぞ余裕なグロンギ脳を手に入れた後でも、休日に勉強会を開こう、というその向上心には感服する。

ついでに、事情を知らないながらも直感的に的確なアドバイスとかをくれた髪の毛以外然程黒くない黒サガの好きなクラスメイトの人とかも誘おうと思ったのだが、丁重にお断りされてしまった、悲しい。

理由を聞いたら、まるで黒幕の如く手の中でワイン……に見立てたペットボトルのファンタグレープを揺らしながらフフフ……とスカした笑みを浮かべて誤魔化されてしまった。

この時代ではまだ新シリーズとかスピンオフとかも殆ど無いのにあれほど双子座アピールに余念がない辺り、彼も数年前に早朝六時から再放送していたアニメ版を見ていたか、近場の図書館にある抜けの多い単行本版を読んでいた口なのかもしれない。

 

それはともかく。

青森県は青森市、八甲田山。

トレッキングコースを大きく離れ、道なき道を進むこと暫く。

人もまともに立ち寄らぬ山中深くに、その寺は存在している。

 

「あれが?」

 

「そう、あそこが────」

 

難波さんの腰を抱き、その場から低く飛び退く。

一瞬前に俺が居た場所の足元、大岩が砕け散る。

大岩を砕いたのは木の棒だった。

鉄で覆われているとかそういった事のない、何の変哲もない木製の棒だ。

単純に岩と木の棒で強度を比べれば、砕けるのは岩ではなく木の棒だろう。

だが現実に振り下ろされた木の棒──六尺棒は、岩をただ叩き砕くのみならず、まるで豆腐を箸で割る様に、大岩の下の地面まで完全に振り下ろされている。

当たりどころが良く、偶然に岩が割れたのではない。

岩を……狙った獲物を粉砕し、跳ね返される事無く振り下ろしきった証拠だ。

 

先の一撃は正しく俺を狙ったものだろう。

だが、何故に刀剣でなく棍によるものか。

それは棍の切っ先が岩を掬う様にカチ上げられている事から解かるだろう。

岩を叩き砕く程の威力で、砕かれた岩の破片が礫となって此方に迫る。

視界が無数の礫で覆われる。

滞空中を狙われない為に低く跳んだがそれを見越して礫を飛ばしているのか。

威力は、俺の見立てでは変身せずともせいぜい当たりどころが悪いところでも皮膚が裂ける程度。

が、腕の中には未だ状況を掴めずにあたふたと目を回している難波さんが居て、背中では背負い紐で背負子に括り付けたジルが呑気に脱力している。

 

片手の荷物を投げ捨て、腰のベルト──プロトアークルではない──に手を伸ばす。

細いベルトの上に巻き、上着の裾で隠したそれは、つや消しの黒で染めた長く柔らかい金属の板だ。

偶然にもまるで刃物の如く両端が薄く鋭くなっているが、これは金属製の予備ベルトであって決してウルミではない持ち歩くのが違法という訳ではないはずの合法の品であり違法性は一切ない。

うっかりすると物も切れてしまう切れ味があるだけの金属製の長いベルトである。

強度を損なわない程度にベルト穴も空いている。

 

引き抜き、振るう。

軌道上にある礫を弾く。

弾かれた礫が他の礫を弾く。

返しでもう一度振るう。

放電音にも似た金属の擦れる音と共に安全圏を確保。

良いものだ。

勿論ウルミではないのだが、インドまで行って本場のものを参考資料にしただけの事はある。

 

「後ろ!」

 

難波さんの叫び。

とっさに念動力で背後に障壁を作りながら、ここだ、と思うところに蹴りを放つ。

一瞬の抵抗の後に念力の壁が割られた。

がし、と、靴裏で受けた棍が砕け散る。

次いで、首筋に冷たい、しかし、生命活動の気が込められた鋭い切っ先、尖った爪の感触。

 

「……鈍ってはいないようだな」

 

爪の持ち主、長い黒髪を荒々しく伸ばした壮年の道衣姿の女性。

その首元には、刃物の如く鋭い金属ベルトの切っ先が浮かんでいる。

どちらともなく凶器を下げ、改めて向かい直る。

 

「お久しぶりです、義経師匠」

 

頭を下げながらの俺の挨拶に、師匠はふんっ、と鼻を鳴らした。

 

「お前のように、毎度毎度、面白い格好で現れる様なガキに弟子面をされてもな」

 

面白い格好……?

いや、俺は後の時代で登山ブームに乗っかって下調べもせずに半袖半ズボンスニーカーで来るようなTPOを弁えないエセ山ガール山ボーイの様な情けない格好はしていないつもりだが。

 

「交路くぅん、おろ、おろしてぇ」

 

「ごめんごめん」

 

小脇に抱えられたまま力無く抗議の声をあげる難波さんをその場に下ろす。

下ろされると同時にその場にへたり込む難波さんを見て、師匠が呆れたような、少しだけ意外そうな声で呟いた。

 

「女連れか」

 

「前もそうでしたよ」

 

前もジルを連れてきていたのだ。

前はこういう歓迎のイベントは無かったが。

それなりにできる、と、認められた証拠のようで嬉しい。

修行場への再突入とくれば、腕が鈍っていないか確認する為の強襲はお約束だろう。

 

「馬鹿か? お前は。…………馬鹿だったな、そういえば」

 

難波さんを見下ろす視線に同情の感情が混じり始めたのは何故なのか。

馬鹿じゃないですぅー、もう自力で簡単な装甲服作れるくらい必死に学習して幾つかの成果を出してますぅー。

でもまだ性能と持ち運びに難があるので実戦投入は先かな。

ゴツいスーツケースくらいにはなったから、運用しようと思えばできないでもないんだけど。

既存の金属でない、強度に優れた特殊合金とかあれば諸々解決するんだが……。

内側からモーフィングパワーで強度を変える事前提で作るのもな。

そういう特殊能力が封じられる事も想定して作りたいし。

生体部品を使う方向性のは、もうちょっと維持の手間を省けるようにしたいし。

前途は多難だ。

 

「まあいい。それで?」

 

「修行に来ました」

 

即座に答える。

というか、赤心寺に修行以外の何をしに来いというのだろうか。

湯治とか?

俺の答えに、師匠はしばし瞑目し、

 

「そいつもか」

 

「はい」

 

「が、がんばります」

 

ぞいっ、と、腕に力を込める難波さん。

へたりこんだままだが、やる気は伝わってくる……伝わってこない?

 

「やる気はご覧の通り。去年の今頃の俺よりフィジカル面でもいい感じだと思いますよ」

 

俺の言葉に、師匠はふんと鼻を鳴らすと、背を向けて赤心寺へと歩き出す。

ついてこい、という事だろう。

難波さんを助け起こし、無言の師匠の背を追いかけた。

 

―――――――――――――――――――

 

だんっ、と、石畳を踏みしめる音が無数に響く。

無数に並ぶ赤心寺の門弟、あるいは僧兵達に混じり、その最後尾。

ジャージを着た難波さんが、文字通りの見よう見まねでその他僧兵の方々の動きに倣っている。

修行を始めて数日ではあるが、動きは既に他の僧兵に見劣りしない程度には形になり始めていた。

さもありなん。

魔石の齎す高い学習能力は日常面で役立つ為にあるわけではない。

こと戦いに関する技術を誰かから学ぶのであれば、真綿、いや、乾いた砂漠に水を落とすが如く底なしに吸収できてしまう。

 

「うりゃあ!」

 

組手を行うにあたっても、難波さんは既に僧兵とまともに打ち合う、いや、時間経過で徐々に一方的な戦いになるほどだ。

本来の難波さんは穏やかな性質なのだが、魔石とベルトを搭載しているとはいえ、ギルスの力が齎す衝動は、一度受け入れてしまえば暴力を振るう上での躊躇いを薄れさせてくれる。

ベルトによるギルスの力の制御などといっても結局は身体の劣化を防ぐものだし、新しいベルトも結局は人を戦えるように作り変えるものだ。

冷静に戦える、というのは、闘争心の高さと両立しうるのだ。

手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に、とは何処の誰の言葉だったか。

 

少なくとも、戦いの日々を受け入れ、力を付ける為の修行で人を打つ事に躊躇いを少なくとも表向きは見せない時点で、難波さんは変わった、と言って過言ではないだろう。

変えたのは俺、という事になるのだが。

 

「地獄に落ちるぞ」

 

じゃ、と、空気を裂いて迫る抜き手を逸らす。

殺気は無い。

組手だから当然と言えば当然か。

だが、生身で相対するのであれば、恐らく本気の師匠との戦いはダグバ戦に勝るとも劣らないものとなるだろう。

いや、流石に劣るだろうが、価値有る経験にはなる。

だが、俺は別に、ここに改めて力を求めてやってきた訳ではない。

 

「もう落ちていますので」

 

そりゃあ、生まれた瞬間に赤子が大泣きする訳だ。

無垢な赤子は、五感がどうの科学がどうのに縛られない、生物として最も無垢な状態にある。

これだけ人間に対する悪意害意のある生物、自然災害、超存在に溢れる世界なら、地球上ならどれだけ辺境に居ても危険を感じるだろう。

生き延びるために息を潜めるのではない。

息を潜めても無意味と感じたなら、産み落とされた瞬間に恐怖に駆られるまま絶叫しようというものだ。

 

「それにほら、死ぬよりはマシですよ」

 

そうだ。

この世は地獄かもしれないが、それでも、生まれてきた事は幸いなのだ。

ご飯を食べればお腹いっぱい、美味しければなお良い。

ノリの良い音楽を聞けば楽しいし、美しい光景を見れば心が満たされる。

相性の良い友人ができたのなら、ただその友人とくだらない事を話したり、どうしようもないような遊びでも笑えたりするものだ。

それに、生きていくのが辛いから死ぬ、なんていうのは、死んだことのないものしか言えないことだ。

だから死にたくないし、死なないようにしてきた。

 

「死んで欲しくはないじゃないですか」

 

死にたくないし、死ぬべきではない。

それを友人にも望むのはおかしな話だろうか。

死んでほしくないのだ。

だから、死なないようにしたし、今も、殺されないようにしている。

例えば、

 

「俺が守る、くらいは言ったらどうだ」

 

下段の蹴り、踏み込みを一歩下がり避ける師匠。

避けられた為に石畳が砕ける。

足を、というより、相手の爪先、足の指を破壊する事を目的とした攻撃だ。

踏み込みの力を強める事で砕いたが、足の指の掴む力を鍛える事で、より柔らかく警戒されにくい接触で足先を足の指で握り潰し抉り千切り取る、という手段を備えてもいる。

受ければ普段どおりの歩行は困難となるし、戦闘行動にも大きな支障を来す。

勿論、殺す対象となる訳ではない人間に使っていい攻撃ではないだろう。

だが、師匠はどうせ避けるので打っても良い。

当たっても治せる。

ので、当たれ、当てる、と、意識して打つ。

 

「自分の一番身近な人間は自分ですよ。俺が守るより余程確実だ」

 

できれば、難波さんには師匠くらいになってほしい。

勿論、それは生涯を赤心少林拳に捧げてきた師匠にしてみれば侮辱のようなものかもしれない。

だが、俺が師匠に攻撃する様を先からチラチラと横目に見ている難波さんの脳には、一連の攻防が記憶として刷り込まれているはずだ。

すると、自然と難波さんの脳と直結したベルト内のバックアップはこの攻防の攻め側、受け側の動きすら記憶し、自らの肉体でも繰り出せるようにシミュレート、完成したデータを脳に同期する事で新たな力とできるはずだ。

常人の十数年、数十年の努力を恐るべき短時間で吸収する。

周囲に参考となる資料が多ければ多いほど、新しいベルトの装着者はより高効率で知識を蓄える事ができる。

これは旧型のベルトで言えば最終段階にまでロックを解除したものでなければ許されなかったものだ。

 

そして、俺が知る限り、師匠は攻めも強いが、それ故に守りも一流。

少なくとも、俺が知る中ではダグバを除いて一番戦い方が上手い。

防御の一切を捨てる桜花の型を軸に戦い、全身傷だらけと言えど死ぬことも後遺症が出る程の傷もなく今まで生きていられている時点で、奥義に依らない、基礎動作での受けが上手いのだろう。

実際、殺す気でちょくちょく打っているのだが、上手いこと防がれたり避けられたりでクリーンヒットが入らない。

 

一番いいのは戦い方をよく考えている相手との殺し合いなのだが、難波さんの安全面を考慮すればここが一番修行に向いている。

勿論、戦闘面において完全なコピーにはならないだろう。

結局、戦闘技術、運用理論を取り入れられたとして、それを振るうのは難波さんだ。

最終的に難波さんの戦闘法がどういう形に収まるかはわからないが、幻、まやかしを打ち破る赤心少林拳は間違いなくプラスになる。

 

「ところで、沖一也氏に関して──」

 

眼前に貫手。

顔を反らす。

脇腹を抉られた。

空手における夫婦手の様な技か。

どちらかと言えば梅花に近い。

攻撃に転用された梅花というべきか。

使えない方の奥義を使える方の奥義に合わせてダウングレードさせて取り込んでいるのだろう。

桜花への繋ぎにもなるかもしれない。

前は見なかった技だ。

隠されていたか、前の修行時は出すまでも無かったか。

指三本分くらいの穴。

血が吹き出す。

患部付近の血管を収縮し止血。

破損部分を修復。

血液増産。

完治。

 

「失礼、失言でした」

 

「──ふん」

 

一呼吸で再生した脇腹を見て、師匠が目を鋭く細める。

そりゃあ、あの歳でこんな山寺で独り身で暮らしているのだ。

昔の男……ではないにしても、憎からず思っていた相手の話は問題がある。

だが結果的に言ってみて正解だった。

梅花の使い手の話は聞けなくとも、梅花もどきとも言えるような技は見れた。

この技を研究、分解して再解釈すれば、難波さんに梅花の型の様な技を覚えてもらうことも難しくはないだろう。

 

良い収穫だった。

本当なら、難波さんの強化をしつつ、この普段とは違う環境で瞑想なりしつつ考えでも纏めようかと思っていたのだが。

メインの目的ではないが、やはり本格的に武術を磨いている人に師事すると得るものが多い。

何より、殺す気で殴って死なない上、殺す気で打ってくる敵対していない、殺す必要性の無い相手というのは貴重だ。

敵対している何らかの怪人であれば、どれだけそいつとの戦いが良い経験になったとしても最終的に殺さなければならない。

次がないという事は、その相手から学べるのは一戦分だけという事になる。

もったいない。

 

そんな事を考えていると、師匠が構えを解いた。

殺意……戦意も無く、不意を打つ為のものでもない様に見える。

 

「今日は終いとする」

 

「はぁ。まだ昼前ですが」

 

「昼前だからだ。見ろ」

 

言われ、師匠が顎で示した先を見る。

なんとなく動きに赤心少林拳の影が見え始めた難波さんと、その前に積み重なる僧兵の皆さん。

 

「いい加減、飯炊きができる者が居なくなる……居なくなったな」

 

びっくりするほど基本に忠実になってきた難波さんのミドルキックで僧兵の人が吹き飛び、遠巻きに見学していた人たちがボウリングのピンの如く吹き飛んでいく。

 

「俺、厨房に入りますか」

 

「あいつも連れて行け。これ以上人を減らされても敵わん」

 

「ストレッチしたらでいいですか。たぶん、難波さん運動後のケアとかあんまり知らないと思うので」

 

「構わん。……お前がやるのか?」

 

頷いてから、ふと訝しげな表情を向けられた。

 

「はい」

 

「やましい気持ちはあるか?」

 

「無いです」

 

「本当に、やましい気持ちは無いのか?」

 

「天地神明に誓って」

 

運動後のケアだって、身体を作る上では重要な要素の一つ。

そこに個人的な感情や情動を差し挟む余地はない。

確かに、難波さんは魅力的な女性だ。

あまり積極的に運動を熟しているタイプではないだろうが、それでも痩せぎすでも肥満でもないバランスの良い女性的魅力のある身体をしていると思う。

だからこそ、マッサージにかこつけて卑猥な行為に及ぼうだなどと、それは、異性の友人からの泊りがけの旅行の誘いに付き合ってくれている彼女からの信頼を踏みにじる悪辣な行為だ。

俺は、俺以外の生命をみだりに奪ったり、特定種族を最後の一匹まで逃さず滅ぼそうと画策したり、何らかの目的の為に多くの生命の尊厳を踏みにじる事はあるだろうけれど、向けられた信頼を裏切るような真似はしない。

それは人間として最低限守るべき一線ではないだろうか。

理解に苦しむ。

師匠は俺をなんだと思っているのか。

ぷんぷん。

 

「……」

 

呆れたような表情の師匠にちょいちょいと手招きを受け、近寄る。

ごつん、と、頭部に拳を落とされた。

はぁん(悲しみ)。

これが体育会系特有の理不尽な暴力である。

 

―――――――――――――――――――

 

基本的に、マッサージは心臓から遠い位置、身体の末端の方から行う。

足裏、指の付け根から踵までを、足を握り込む様な形で保持し、親指で揉む。

この際、マッサージを受ける側が仰向けだと双方楽だろう。

 

「んっ……」

 

声、というより、思わず息が漏れたような音。

ぴく、と、持っていた足が少しだけ跳ねる。

 

「ごめん、痛かった?」

 

「んーん、ちょっと、擽ったくて」

 

続けて、という難波さんの声に、ゆっくりと、柔らかく、力を込めすぎない様に足裏を親指で押していく。

足に限らず、マッサージ全般に言える事なのだが、力を強く込めすぎる必要はない。

温まった筋肉を、揉むと撫でるの中間程度の優しい力加減で流れに沿って弱い刺激を与えることで、筋肉は自然と緩み、柔らかくなっていく。

足裏が終わったなら、足の指の間から、足の指全体、一本一本丁寧に、なぞる様に撫で、揉み込む。

 

「ぅ……んっ、く、ふふ」

 

笑うのを堪えている難波さんの声をBGMに、爪先を掴み、足首を伸ばす。

ゆっくりと時間をかけ、今度は逆につま先側を伸ばす。

いわゆる足ピンの様な形にすると良い。

 

それが終われば、次はふくらはぎ。

ここも、そう難しい事をする訳ではない。

基本的には末端から根本へ向かう様に。

内側、外側、中央と分けてマッサージをするべき、という話もあるが……。

内側に親指を、外側にそれ以外の指を当て、両掌を密着させ、揉み上げる様にすれば自然と上手くいく。

しっとりと汗ばんだキメの細かい肌に手のひらを当て、熱を帯び、少しだけ固くなった肉を、肌を滑らせるように。

 

「……あー、あったかい……」

 

足裏に比べて擽ったくない為か、単純にマッサージに慣れたからか、難波さんの声が緩んでいる。

良かった。

これまで自分にやるのとジルにやるの以外では殆どやったことが無かったからか、痛がられないか少しだけ不安だったのだ。

普段の運動ではここまで筋肉を酷使しないから、自分でできるストレッチだけで済ませていたけれど、これなら俺がやったほうが疲労回復効果も強めに期待できるかもしれない。

 

ふくらはぎの外側のマッサージが終わったのなら、中央、後ろ側に親指を添えて、少しだけ深めに押してツボを刺激していく。

ふくらはぎ下あたりの承山から膝裏あたりの委中までを押して、そのまま太ももへ。

 

太ももは骨を中心に全方位に筋肉がある。

ので、基本的に裏側と、表と横で分ける。

どちらからでも構わないと言えば構わないので、うつ伏せの今は裏側から。

 

裏側は簡単、揉んで、叩く。

ただ、ふくらはぎよりも肉付きはかなり違う為、揉むというよりも、揉み込む動きを混ぜながら撫でる様な形になる。

手のひらを押し当て、下から上。

親指、根本から指先までで押すようにさすり上げる。

 

「っ、ふぅ、ふぅ……は、ふ」

 

手のひらに感じる難波さんの太ももは、ふくらはぎと比べても強く熱を持ち、じっとりと汗で濡れていて。

呼気は荒く熱を帯び、堪えること無く吐き出されている。

 

「難波さん、仰向けになって」

 

「あ、仰向けになって、どうするの……?」

 

「前もマッサージしないと」

 

うつ伏せでのマッサージは楽なのだが、それだけで終われないのだから仕方がない。

 

「まえ……?」

 

のろのろと起き上がり、マッサージでリラックスしすぎたのか、少し潤んだ、とろんと蕩けた瞳を此方に向け、舌っ足らずな口調で繰り返す。

 

「太ももに、鼠径部」

 

「そけいぶ……」

 

「ここ、えっとね」

 

わかりやすく言うと、足の付け根だ。

起き上がった難波さんの背後に周り、後ろから腕を回し……。

ついでにお腹のリンパも刺激しておこう。

足回りのストレッチから少し離れるが、お腹の中心、へその少し上には水分というツボがあり、文字通り身体の余分な水分を取る効果がある。

組手の後、少し余分に水分を取りすぎていた感もあるので丁度いいだろう。

 

「あ、や」

 

シャツをめくり手を入れて、両手をお腹の辺りに当てる。

余分な脂が無い──そんなに無いお腹を、手のひら、親指以外の四本指で体温を移す様にゆっくりとさすり、徐々に左右に、そして下にずらして行く。

下腹部を通り、左右の脚、太ももの付け根に指先を当てる。

 

「ここが鼠径部」

 

そして、鼠径部の外側から内側に向けて、指四本でさする。

太ももならばともかく、場所が場所だ。

流石にスパッツの中に手を差し込む訳にはいかないので、さらさらとした生地の上で指を滑らせる。

緊張からか疲れからか、背後についた時点では僅かに強張っていた難波さんの身体から力が抜け、くたり、と、此方の身体に背を預けてきた。

難波さんの頭に丁度口元が埋まる形。

 

少しだけ息を深く吸い込む。

間違いなく汗をかいた人間の匂い。

だけど、間違いなく自分の、男の汗の匂いとは違うと感じるのは何故だろうか。

汗とは異なる匂いも混じっているのか?

香水、ではなく、しかし、女性的だと感じる。

良い匂いだ。

そんな事を言ったら、セクハラだと嫌われてしまうので言わないが。

 

「こうじ、くん」

 

「うん」

 

首を捻り、振り向く様に見上げてくる難波さん。

涙を湛えた瞳。

上気し、赤みを帯びた肌。

熱っぽい声。

吐息の温度が伝わってくるようだ。

 

「お、おてやわらかに、おねがいします……」

 

「もちろん」

 

―――――――――――――――――――

 

と、何事もなく運動後のマッサージを終え、手早く昼食の準備を終え、午後の修練。

難波さんは、マッサージの後食事の準備に取り掛かる段階で何故か恨めしげな表情を浮かべていたが、一緒に御飯の準備をしている内に機嫌を取り戻してくれたので結果的に何事もなかったと見て良いだろう。

 

午後の修練だが、俺は師匠との組手ではなく、近場にある滝に向かい拳を振るっていた。

個人的に、滝行って何の意味があるの? という疑問もあったのだ。

滝に打たれるくらいなら雷に打たれた方が良い、そうだ、雷行というのはどうだろう。

そんな考えが頭に無いと言えば嘘になる程度には滝行を軽視していたのだが、なるほど、これは、考え事をしたり、纏めたりする為の精神集中の工程の一つなのだろう。

 

それに、変身せずに生身で滝に向かって拳を振るい続ける行為は、なるほど、形のない、終わりのない、果てのない相手との戦いを想起させないでもない。

モーフィングパワーや超能力を使わずに、強化された身体能力で向かい合う限り、俺の力はこの滝を吹き飛ばすどころか割る事すら難しいだろう。

だが、やらなければならないかもしれないし、こうして繰り返していると、何かが見えそうな気もしてくる。

実際の力の差はこの程度ではないのだが。

前向きになるには良いことだ。

 

時期的に水浴びは純粋に気持ちいいし。

滝から少し離れた辺りでは、ジルが川に脚を浸して涼んでおり、その川にざぶざぶと入り込んだ難波さんは素手で魚を取ろうと原始回帰を起こしている。

あ、いや、違った。サワガニ取って遊んでるだけだ。

申し訳ない勘違いをしてしまった。

だけど、楽しんでもらえているようで何よりだ。

夏休みの貴重な半分を旅行に誘った手前、ずっと修行漬けというのも問題があるからな。

少しでも良い夏の思い出になってくれればいいのだが。

 

「む」

 

と、滝に打たれながら滝を殴っていると、ふと遠方から不吉な気配。

マラークが活動を開始したらしい。

まったく、仕事熱心な連中である。

いや、この程度の事で集中を途切れさせてしまう俺の方も修行が足りないか。

 

「こーじくーん! 行かなくていいのー!?」

 

滝の下の川から大声で聞いてくる難波さん。

マラークの活動開始を察知できるかはアギトやギルス、種類に依らずまちまちだったりするのだが、難波さんは魔石の影響か、俺と同じ程度の精度でマラークの出現を察知できるらしい。

 

「いいよー! 東京にはいっぱい戦士がいるからー!」

 

時期的に、超能力研究所への襲撃だったりするのかもしれないが、修行中の俺がわざわざ手を出す必要はない。

普段のマラークと比べても警察への被害が少なく、死ぬのは自衛隊の一部のみ。

しかも、生き残ってG4を纏う人も作る人も、人の命を軽んじる様な思想に目覚めてしまう様な連中。

正直、かかわり合いになる理由がなさすぎる。

もう少し、難波さんの修行が進んだ状態だったなら実戦経験を積む為に向かうのも悪くないと思うんだけど。

アギト、制御ギルス、G1、G3Xにお任せ。

マラーク狩りは夏休み明け、せめて修行明けまでお休みなのだ。

 

スイカも冷やしているし、たぶん、夕食までに復帰できる食事当番の僧兵も少ないと思うので、師匠とか僧兵の皆さんの夕食も作らなければならない。

去年の様に、百物語に参加するための怪談もレパートリーを増やしてきたのだ。

未来仕込みの洒落怖話を披露して、赤心寺を恐怖のズンドコに叩き落としてやらなければな。

 

……しかし、ジルにこの日差しは辛かったのだろうか。

日よけの帽子と、水分補給用の水筒も渡しているけれど、ぼうっと一方に視線をやったままだ。

夕食はカレーとも思ったが、何か夏バテに効くメニューを別に作ってやるべきか。

 

―――――――――――――――――――

 

などと、考えていた俺が馬鹿だった。

馬鹿だった、というか、見通しが甘かった、というか。

 

朝に目覚めてみれば、難波さんの隣に敷かれていたジルの布団は綺麗に畳まれ、もぬけの殻。

枕の上には、一枚の書き置き。

丁寧かつ綺麗な、見覚えのある筆跡で書かれていたのは、たった一行。

 

『ムセギジャジャの証を立ててきます』

 

「ど、どうしよう」

 

あわあわと慌てる難波さんに振り返る。

どうするもこうするも無い。

 

「師匠に声かけたら急いで追いかけるから、最低限の荷物だけ纏めておいて」

 

「わかった!」

 

巨大なリュックからばさばさと着替えを引きずり出す難波さんに背を向け、書き置きを握りつぶす。

あの、馬鹿め。

なんだって、このタイミングで……。

 

 

 

 

 

 





修行編導入に見せかけたプロジェクトG4編兼ヒロイン家出イニシエーション編プロローグでした

☆無自覚エロマッサージ暗器マン
友人の優しさに甘えるのだけは得意
あとけっしていやらしい行為ではないエロマッサージも得意
中高生男子が大好きな暗器を本場に行って学んで実際に作って持ち歩いたりするやんちゃさも兼ね備える
いや武器じゃなくてただの金属製のベルトなんだけど
ウルミで動画検索すると振るう姿と音が確認できる。実用性は知らないけどケレン味溢れるから主人公にもたせちゃった……
こういうどうでもいい場面で使われる武器は二度と出番があるとは思わない方がいいと思う
たぶん次の話を書く時点で存在すら忘れてるので
スーツケースサイズにまでサイズダウンした持ち運び可能な装甲服なら作れる
なんだかんだ、ジルが戦いに行ったのを察しても始末しなければ、とならない辺りでこいつもちょろい
しかし魅力的だな、と思う異性の友人、運動後で体温上がってて汗で濡れてる女の子の身体を丹念にマッサージしても性欲が暴走しない程度の精神力と書くと恐ろしい精神強度なのではないかと錯覚できる
普段妹的な相手によっぽど凄いことしているから慣れてる疑惑もあれば性欲をまともに動かす程度の余裕も無い疑惑も精神構造的にまともな性欲が無い可能性もある
でもいい匂いだよねと思える相手がこちら

☆ねっとり全身愛撫を受けた後に寸止め食らったけど一緒に料理というシチュエーションだけで勝手に機嫌を直してくれる便利なクラスメイトヒロイン難波ちゃん
力の危険性とか強さは事前にしっかり教えられている為、並み居る屈強な僧兵を純粋なフィジカルとにわか仕込みの赤心少林拳で無双できても調子に乗らない
ちょっと運動後のマッサージを受けただけでエッチな勘違いをしてしまうむっちりスケベちゃん
そういえば後書きとかで書く下品な表現が駄目という事で低評価を食らったり、感想で苦言を頂いたりしたのだった
反省しなければ……
マッサージはただのマッサージで一切卑猥は無く、これを卑猥だとか下品だと思うならそれは受け取り手の感性がエッチなだけだからセーフ
あ、むっつりスケベでもありむっちりスケベでもあるのでそこらへんはお間違いない様に
OPPは頑なに明かさないが、たぶんマッサージを受けている間の格好はスポブラとTシャツかランニングに短めスパッツ
心と身体の準備は万端だったろうになぁ
でもここ全年齢の健全SSやねん

☆シッショー!
つおい
事前に連絡を受けていた訳ではないけど、覚えがあるけど妙に凶悪さが増した気を感じ取り迎撃に向かう
最初は本気モードの素手で、いざと慣れば技を仕込んだ責任を取って介錯してやるか、と意気込んでいた
が、目視した相手が背中に妹、片手に新しい女を引っさげて爽やかに登山してきていたから色々と諦めてちゃんと対応してやることに
でもムカつくから棒で殴りかかりはする
桜花と梅花は両立できないが、長年の修行の中で桜花を出すまでの露払い用に梅花を元にした守りの技を習得している
難波ちゃんの思いを察して哀れみの感情を向ける
幼馴染で同門のライダーの話をされるとちょっとカッとなって出すつもりのない技まで出ちゃうあたり乙女(ンの守りをすり抜けてダメージを与える程の女子力)

☆僧兵のみなさん
去年のこともあって慣れた
けど、去年の少年と違いホントの基礎の基礎も出来てない少女が禁断のゴリラパワーで千切っては投げ千切っては投げしてくる上に、しばらくすると自分たちの動きを模倣し始めて恐ろしい速度で成長し始めたりするのには流石に引く
引くけど、見てて面白いのでついつい組手の相手になってあげちゃう心根の優しい人達
修行の無い時間に百物語をする程度の茶目っ気はある

☆出番が少なかった鬱憤を晴らすように劇場版へと脚を踏み入れるヒロインちゃん
ジル一番乗り!(網に入ったビーチボールを振り回しながら)
新たなムセギジャジャとしてクラスメイトちゃんが顔を出し始めたので
『じゃあそろそろあたしらもムセギジャジャの資格取りに行こうぜ!』
という中の人の囁きに便乗していざ新ゲゲルのホットスポット東京へ
『とうきおう……(ねっとり発音)』
たぶんアギト編入った後の何処かのタイミングで主人公がバイクの免許を取ったりしていたのも見ている為、じゃあわたしもムセギジャジャの免許とるー、みたいな内心の動きもあったのではないかという疑い
或いは次回に誰よりも早く原作メインキャラとの邂逅を果たす可能性もある

そして、ナナス様より頂いた、新たなるイラスト……
なんというか、どうコメを、下品にならずに言えばいいのか


【挿絵表示】


エッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!
ありがたい話じゃないですか
これで全国の幼子の性癖を歪める事ができる……(アルカイックスマイル)
ふふふ……ソワカソワカ
あと顔つきも若干可愛らしくなってるのすきです
この可愛らしいポーズとドラゴンの跳躍力にギルスの膂力が減衰せず乗ってるとか変なフェチ付きそう


原作から離れすぎとかこの二話ほどまともに変身してないとか
そもそもクウガ編の空気と違い過ぎとか色々あるだろうけど
それでもよろしければ、次回も気長にお待ち下さい

次回、劇場版仮面ライダーアギト・プロジェクトG4編
『蒼白の少女、紅の戦士』
お楽しみに
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