オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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57 観察!ミラモンの生態!そして捕食!

ミラーワールドにはミラーモンスターが潜む。

実は作中ではモンスターとのみ呼ばれる事の方が圧倒的に多かったりする。

これは作中でモンスター、怪物と呼ばれる存在がミラーモンスター及び凶悪脱獄犯くらいしか居ないからこそのリアリティというものなのだろう。

だが、怪物系の存在が多いこの世界においては多種との区別の為に積極的にミラーモンスターと呼ぶべきだ。

怪物と言われたら一般の方はメディア露出の多い、多かった未確認生命体の方を思い浮かべてしまうから、呼び名は重要だと思う。

 

そんなミラーモンスターだが、数も種類も豊富に存在している。

同種の生き物をモチーフにしたミラモンはそれなりに居るし、実は完全に同じ種類というミラモンも複数確認されている。

シアゴースト、レイドラグーン、ハイドラグーンなどが一番分かりやすい例か。

これらは最終的に東京一帯を戦場と化す程に増殖……繁殖?する訳だが。

不思議な話だとは思わないだろうか。

あれだけのミラーモンスターが成長して脱皮を繰り返し成虫になったのだ。

それも二段進化。

ディスパイダーの様な死からの再生ではなく、元から備わった機能としての進化というのは実際とても珍しく、こいつらを除けば同じ機能を有するミラモンは確認できていない。

 

ここで問題になるのは、そう、餌だ。

ミラーモンスターはそれこそ無数に存在している。

発生にコアミラーなるものが必要とされる場合もあるが……。

ライダーバトル以前の過去まで異なる別世界線の話である為本編でもそうであるかは不明だ。

とにかく、多く存在する上に、増える。

そして、彼らは自らの維持に餌を必要とする。

そしてそれは多くの場合人間である筈だ。

彼らがカメラで撮影できる事は後のOREジャーナルが証明している。

……それだけの数のミラーモンスターが実世界にあらわれて定期的に捕食を繰り返しているのであれば、少なからず映像記録が残りそうなものではないだろうか。

 

因みに、120時間ごとの食事が必要という説もあるが、実はそうではない。

当然の話ではあるが個体差があるし、食らう餌によって腹持ちも違う。

これは動けない様にしたミラーモンスターで実験を行ったので間違いない。

ロードインパルスへの『待て』の訓練にもなる良い実験だった。

極端な個体差は無いが、完全消滅までとなるとかなりの時間が必要となる。

120時間というのはあくまでも契約を続ける上での制限時間であると見るのが妥当だろう。

因みに、餌を与えずに放置を続けると当然弱体化するし、内包するエネルギーも少なく、食いでが無くなる。

 

人間以外でも餌にできないでもないようだが……。

仮に東京中のネズミや虫、野良の犬猫などが捕食対象だとしても不足するのではないだろうか。

逆に考えて、目撃者や映像記録に残らない程度の数しかミラモンが居ないとなると、今度はライダーの契約モンスターの餌が不足してしまう。

鏡の世界で独自の生態系、食物連鎖を生み出していないと明らかに帳尻が合わないのだ。

 

が、この疑問はロードインパルスの餌の捜索をしている最中に解消された。

まず、自然消滅して行くミラモン。

これが実はそれなりの数存在している。

鏡にすら寄り付かず、ただ当て所無くあっちへふらふら、こっちへふらふらと彷徨う様子が伺えたのだ。

いや、完全に目的が無い訳ではないのだろう。

彼ら彼女らは基本的に都市部から遠ざかり自然の多い場所、美しい自然の広がる場所などに向かう傾向がある。

そこで何をするでもなく、雄大な景色へ顔と思しき箇所を向け、ぼうっとしているのだ。

そして、しばししてまた移動を始める。

 

これを死ぬ……身体を失うまで繰り返す。

身体を失ったミラモンはエネルギーの塊と化すが、これを放置すると、暫くの時間をかけて()()する。

他のミラモンに捕食される事は実は稀で、近場に居る似たような習性を持つミラモンはそれに視線を向ける事はあれど、見送る様に見つめるのみで口をつけようとしない。

そして、霧散したエネルギーは拡散を続けるのだが、やがて空間中に同じ様に漂う視認の難しい微細なエネルギーと合流を繰り返し、再びミラーモンスターの形を得る。

再構築されたミラモンは先のミラモンと同じ挙動を見せる事もあるが、通常のミラモンと同じ様に鏡の近くに陣取り狩りを行う場合もある。

 

違いがあるのだろう。

当然だ。

ミラモンは元を正せば神崎優衣の超能力。

言わば精神的エネルギーの塊だ。

生存本能か未練のままに人間を食らうものが居るのであれば、生前の神崎優衣の願いを叶えに行く個体も存在してしかり、ということなのだろう。

幼くして命を失った神崎優衣の心のありようの数だけ、ミラモンの方向性は存在するのだ。

これは、死ぬ直前においてまで、神崎優衣の心には憎しみや悲しみ、死への恐怖と拒絶以外の、ただ叶えられなかった願いへの未練が、誰かに対する攻撃に転化できない望みがあった事の証明だろう。

 

神崎優衣こそ、今年の出来事の元凶であり、長ずれば時すら操る力を備えたかもしれない、人類の最先端を行く超能力者であった事は間違いない。

だが、彼女の人格はそれとは殆ど関係ない。

豊かな自然、美しい光景の中で、誰を害するでも無く、ただ目の前に広がる美しさだけを享受し、静かに消えていく。

攻撃性は低いどころか、他のミラーモンスターと寄り添うように消える時もあれば、魂すら無いヘキサギアにすり寄る姿すら見える。

閉じられた部屋の窓や壁ではない、どこまでも続く美しい光景を共に見たいと思う誰かの代わりを求めすらしている。

この光景こそが、神崎優衣の本質だったのではないだろうか。

 

何が言いたいか、と言えば。

ロードインパルスの餌を求めるのであれば、都市部を地道にうろちょろするよりも、自然豊かな場所を狙うほうが確実なのである。

景色も楽しめる。

なんならお弁当だって持っていって良いだろう。

ピクニックを楽しみつつ、ロードインパルスへの給餌も行える。

ペット同伴でピクニック、ライダーバトルの最中にあってまるで白昼夢の様な時間を楽しめてしまう。

神崎優衣の優しさは、こうして今も我々疑似ライダーへと恵みを与えてくれているのだ。

 

そして、そう、こちらが本題なのだが。

空間を漂う自由エネルギーと化した神崎優衣の超能力の残滓を集めて、意図的に人間を食らうタイプのミラーモンスターへと再構築するシステムもまた存在しているのである。

此方は逆に、都市部のとある地下駐車場にひっそりと安置されていた。

これは都心に存在している為に一般参加ライダーでも探せば見つける事も不可能ではないのかもしれないが……。

実際、東京は狭いようでかなり広い。

地下駐車場などどれほど存在するかわかったものではない。

そして、恐らくだが、これはこの場所でしか作動しないという事もなく、ともすれば容易に移動が可能である様に見える。

 

挙げ句、エネルギーを収集しミラーモンスターに再構築するだけのシステムであれば、似たものが複数存在するのだ。

似たものに関してはよくよく観察すれば機械的な装置が搭載されていた為、これはオリジナルを元に神崎士郎が作成したダミーなのだろう。

ライダーの戦いを促すための、或いは自分がライダーバトルを運営する上で運用する戦力を作り出す為という理由もあるのかもしれない。

そう、この人間を食らう方向性を与えられたミラーモンスターを生み出す装置こそ、コアミラーである。

 

当然ながら、このコアミラー、ミラーワールドと現実世界を繋げる為のシステムなどでは断じて無い。

あまりにも常軌を逸した構造をしていた為に完全に仕組みを理解できた訳ではないが、これは精々、神崎優衣が本来行使できていた筈の超能力の片鱗を再現できる程度だろう。

つまり、超能力者の異能を機械的装置でもって再現している。

自分で言っていてわけがわからないが、つまりは言葉通りの機能を備える機械なのである。

天才かな?

天才かな(詠嘆)。

 

こんな天才と神に迫る異能を持った少女を軟禁虐待の挙げ句に死なせるとか万死に値すると思うのだがどうだろうか。

天才の方は有る種の後追い自殺のようなものだが、結果的に見れば似たようなものだ。

全ての元凶である二人の親御さんのせいというのは間違いのない話だ。

この天才と超能力者の兄妹が人類に齎したであろう幾つもの功績を台無しにした罪は重い。

 

ともかく、問題なのは、このコアミラーが探せば見つかる位置に存在する、という事だ。

一度周囲のミラモンを少し脅かしてどかした上で発信機を取り付けてみたのだが、一応、一定の時間おきに手動か自動かは不明ながら置き場が変わっている。

疑似餌、だろうか。

コアミラーを破壊する事でミラーワールドが閉じる、という噂を流し、それによりライダーバトルを激化させたい……という思惑があるのかもしれない。

 

困った話だ。

他のライダーと会話による交流を行えていればその手の情報も手に入ったのだろうが。

残念な事にこれまで交流したライダーの中で生きているのは占い師さんと城戸さんと秋山さんだけ。

なんとそれと同数のライダーが既に死亡しているのだ。

なんでみんな直ぐに死んでしまうのだろう。

戦いが始まる前に降参してくれれば、デッキ破壊だけで見逃すという方向性で行こうと思っているのに。

その方が元契約モンスターも肥えて食いごたえが増すだろうし。

 

ともかく。

コアミラーがライダーと接触可能な位置に出現しているという時点で、放置する訳にはいくまい。

地道にミラモンを倒し続けたり、ライダーをちょっとずつ倒したりしている間に、コアミラーを壊す壊さないで揉めた挙げ句にコアミラー周辺で生き残りのライダーが激突、結局勝者無しのノーゲームになってタイムベント、なんてなったら目も当てられない。

タイムベントをするな、とは言わないが、するならするで心構えをもたせて欲しい。

 

しかし、複数あるコアミラー相当の装置の違いが一般ライダーにつくのかもわからない。

とりあえず、どのコアミラーにライダーが近づいても良いように、発見したコアミラーもどきには全て監視の目をつけなければなるまい。

 

―――――――――――――――――――

 

全てが反転した世界、ミラーワールド。

看板の文字が反転したとある寂れた酒場を前に、一人の戦士が立ち尽くしている。

やや淡い赤、赤とピンクとの中間の色の装甲に身を包んだ戦士、仮面ライダーライアだ。

 

既に変身しミラーワールドに入り数分、しかし疲労した様子は見られない。

何故か。

この一帯に居るミラーモンスターは、攻撃されれば逃げ出し戦闘になる事が無い。

それは彼らが無害なミラーモンスターである……という訳でもなく。

一定の範囲内に居る間のみ、何かを恐れる様に身を潜め、ここから距離を置いた場所で狩りを行っているのだ。

彼がそれを知ったのは偶然からだ。

だが、その偶然を確信に変える事が他ならぬライアにはできる。

 

『スイングベント』

 

カードを使用し、電磁鞭エビルウィップを構える。

占いによれば、戦闘にはならないらしい。

自らの死も見えない。

あくまでも、念の為。

自らの占いに絶大な自信を持ち、逆にその占いが外れる事すら望む事のあるライア──手塚らしくはない及び腰。

鞭を構え、手を自由にしておく為に、脚を使い蹴破る様に入り口を開ける。

 

「──生憎と、営業時間外ですよ」

 

カウンター席に座る、艶のない黒い装甲に身を包んだ戦士が、背中越しにライアに声を掛けた。

黒い戦士の横……小さなステージがあったと思しき場所には、幾つかの板ガラスを繋げて作られたオブジェ。

そしてステージ奥の壁を壊して作られた広いスペース、眠るように横たわる巨大な四足のミラーモンスター。

横たわるミラーモンスター、ロードインパルスは、まるでお気に入りの玩具か毛布を抱えて眠るように鏡のオブジェを抱えている。

 

「それが、コアミラーか」

 

「ええ。壊しますか?」

 

「……それで、戦いが終わるのならば」

 

ひゅん、と、電磁鞭を振るうライア。

鏡のオブジェ、コアミラーを抱えて横たわるロードインパルスがちらりと顔を上げ、光るカメラアイを向け、退屈そうに再び顔を降ろした。

一瞬、戦いが始まるかと身構えたライアが吊られるように鞭を下げる。

堪えるような笑い声。

黒い鎧の戦士、陽炎が椅子を回して振り返る。

手の中のグラスには酒──ではなく、牛乳。

無論、変身をしたままでは口をつけられるものではないが、ミラーワールドに転写された飲食物はどちらにせよ常人が口にできるものではない。

 

「自分ですら信じていないのなら、口にはしない方が良いですよ」

 

ひょい、と、陽炎が牛乳の入ったグラスをカウンターの奥に投げ捨てた。

投げ捨てられたグラスは地面に落ちて砕け中身をぶちまけるよりも早く小さな機械の獣に受け止められ、外へと運び出されていく。

ライアの視界の端々、カウンターの奥、テーブル席の下、物陰という物陰に小さなミラーモンスターらしき影が見える。

今この時、この店内は陽炎のテリトリーだ。

当然ながら、ライアはそれを承知で来た。

 

「占いにはなんと?」

 

「戦いは続く」

 

陽炎がライアへと何かを投げつけた。

それはコインだ。

ミラーワールドのどこかしらから手に入れてきたのだろう、模様は明らかに反転している。

ライアは促される事もなくコインを弾いた。

宙を舞うコインが左腕のエビルバイザーの上に落ち、くるくると回転を続け、止まる。

倒れすらしない。

回転の勢いを失い、そのままの形で停止した。

 

「終わらない。勝者もなく、延々と戦いは続き、ライダーの死が積み重なる」

 

「それは怖い。誰がそんな酷い真似を?」

 

陽炎の問いに、ライアの視線が陽炎へと向けられる。

無言。

しかし、言葉を重ねるよりも雄弁に視線が語っている。

ライアの右腕には、電磁鞭、エビルウィップが下げられている。

手放されてはいない。

沈黙が続く。

盾とする為にエビルバイザーが傾けられ、コインが落ちる。

緩やかに回りながら落下するコインが、地面に吸い込まれ──

 

轟音。

巨大な重機で建築物を勢いよく破壊する様な、硬質な繊維の塊、木材が粉砕される音。

出処はロードインパルスだ。

コアミラーから実体化したミラーモンスターを、前腕のストライクエッジで、虫でも潰すように叩き潰したのである。

半身を砕かれたミラーモンスターが膝から崩れ落ち、消えつつ有る肉体から生命エネルギーが光の球体となって放出される。

ロードインパルスは僅かに身体を起こし、その球体へと顔を近づける。

非実態のエネルギーを捕食機能の無い機械的な口が齧る。

それはロードインパルスの機械的構造が放つ何らかの駆動音か。

或いはミラーモンスターとしての機能を有するが故のものか。

はしゅ、と、確かに何かを食らう音が響く。

恍惚、という言葉が似合う身震いをし、ロードインパルスは再び定位置に戻った。

寝心地を確かめる様に消えかけのミラーモンスターの死体を前足でタオルを揉むように踏み砕きつつ、寝息にも聞こえる待機音を響かせる。

 

「誤解があるようなんで、言っておきますがね」

 

ロードインパルスの動きに気を取られたライアが視線を戻すと、カウンターで頬杖をついた陽炎。

 

「俺は、真面目にライダーバトルをしているだけなんですよ。願いだって嘘じゃあない」

 

仮面で覆われたその顔は、他のライダーと同じく何処を向いているか正確にはわからない。

自らの契約モンスターか、ライアか、あるいは、此処に無いなにかか。

しかし。

 

「貴方は、真剣かもしれないけれど……。後ろ向きだ」

 

「それは、違う。その姿勢は、違う」

 

「戦う事を、戦い続ける事を決めた多くの()()()()()()()も、ついでに、俺も、これだけは変わらない……と、思う」

 

()()は、苦しみも、痛みも、後悔も、全て、今日を明日に変えるために飲み込んで、戦っている」

 

「貴方の、誰かを救いたいという願い、尊いものだと思う。……本当に」

 

「だけど」

 

眼光。

兜、マスクに施された狼か犬か、獅子か猫かもわからぬ四足の獣の顔を模した意匠。

その目元が光ったのは目の錯覚だろうか。

あるいは、その下に隠された陽炎の視線が突き刺さったと思うのは、ライアの思い込みだろうか。

 

()()()()()()()()()()()()

 

告げられた言葉は既知のものだ。

自覚はしていた。

それに後ろめたさを感じたことはない。

だが、告げられた言葉は酷くライアの、手塚の胸の奥に突き刺さった。

 

陽炎が立ち上がり、ライアの肩を叩く。

叩かれたライアの肩は水中の泡の如く解け始めている。

 

「長話が過ぎましたね。貴方のスーツはもう限界のようだ。帰還をおすすめしますよ」

 

ライアを通り過ぎ、陽炎の手がロードインパルスの頭を軽く手のひらで叩く。

寝起きで不機嫌な獣の唸り声に似たエンジン音を上げながら、ロードインパルスが身体を起こす。

タイミングを見計らったかの如くコアミラーもまた輝き始め、次第にその姿を消していく。

 

「……待て!」

 

「いやでーす。これからピクニックなので帰りまーす」

 

陽炎が跨ったロードインパルスが身を捩り、トリックブレードを振るう。

ライアが跳ね飛ばされカウンター奥の酒瓶の中に背中から激突し、酒場の壁は砕け、外からは路地裏の薄暗い日差しが差し込んできた。

薄い逆光を背負いながら、陽炎がライアに振り返る。

 

「いやなに、焦る必要はありませんよ」

 

「貴方はもう参加してしまっているのですから」

 

「願いなど、ライダーバトルの中で見つけてしまえば宜しい」

 

「何せほら、ライダーバトルはまだまだ、まだまだ、まだまだずぅぅぅぅっと、続きますのでね」

 

それでは、チャオ♪

小さく手を振り、陽炎とロードインパルスが遠ざかっていくのを、ライアはただ見送る事しかできなかった。

 

―――――――――――――――――――

 

都心から離れ、都会らしい光景が目に映らなくなった辺りで、振り返る。

どうやら時間制限を無視して追ってくるヤケクソ占い師さんなんてのは存在しないようだ。

ほっと一息、胸をなでおろす。

 

いやぁ、焦った。

まさか発見したコアミラーでロードインパルスに餌をやりつつ、持ち込みの飲食物で補給している最中に占い師さんが来るとは思わなかった。

ついでだからと、酒場で学生服のまま入店して酒を頼んでいかつい店主さんに『ガキはミルクでも飲んでな』とぶっきらぼうに牛乳を出してもらっている気分を味わっている最中だったが、その辺はバレていないだろうか。

声にだしていた訳でもなく、バーの奥にミルクをグラスに注ぐ用の多脚ドローンを出して脳内でそのやり取りを思い浮かべて楽しんでいただけなのだけど。

 

何しろ占い師だ。

万が一、あのライダーはあの場所でなにをしていたのか、とか占われたら、ちょっとしたおちゃめな息抜きが露見してしまうところだった。

まぁ、露見したところで最終的には撃破して殺さなければならないし、そうでなくてもタイムベントをかまされた時点で無かったことになるのだけれど。

 

それに、一つわかった事がある。

少なくとも、コアミラーの情報はライダー達に出回っている。

占い師さんがご自慢の占いで直通ルートを開拓しそうになっていたのは驚いたが。

仮に、あれでコアミラーを破壊しても、ライダーバトルが無くなったかと思いきや……という展開を挟んだ後にタイムベントされるだけ。

その結末は誰も何も得る事がない。

手の届く範囲のみではあるが、可能な限り阻止させてもらうとしよう。

 

まぁ、それはともかく。

 

「美味かったか?」

 

俺を乗せるロードインパルスの頭部にあたる部分を軽く叩きながら確認する。

正確には美味しい美味しくないというよりもエネルギーの質と量の問題なのだけど。

こいつにとっては味の良し悪しという解釈で問題あるまい。

俺の問に対し、ロードインパルスは肯定とも否定とも取れない軽い唸り声の如きエンジン音を響かせ、僅かに首をかしげる。

不味くはないのだろう。

ものとしては普通のミラーモンスターの筈だ。

しかし、満足できるかと言われるとそうでもない。

 

仮説を立てるとすれば。

コアミラーによって生成されたミラーモンスターは、最低限ミラーモンスターとして活動できるだけのエネルギーだけで生成されるのだろう。

ここは都会だ。

鏡のある場所まで辿り着いてしまえば餌の捕食、エネルギーの補給に苦労はしない。

羽化直後の虫のようなものというか。

内包するエネルギーはそう多くないのかもしれない。

或いはコアミラーを守るためのガーディアンでも作るのであれば中身の詰まったミラモンが生成されるのかもしれないが。

 

「上手い手だと思ったんだがなぁ」

 

戦闘経験を積む事を考えず、単純に出力を上げるだけならこれが最も効率的かと思ったが、そう上手くも行かないらしい。

どちらにせよ、運営が用意したモンスター製造のシステムなのであれば、同じ様な事を続けていたら文句を言われるかもしれない。

この手段は普段からは使わず、偶然コアミラーを発見した時にのみ使う事にしよう。

 

とはいえ、補給もそれなりに済んだ。

不定期に現れるミラーモンスターを狩るしか無い一般参加ライダーとは給餌に対する意識が違う。

ロードインパルスもいい加減野良のミラーモンスターばかりでは飽きが来てしまうだろう。

たっぷりと餌を食って強化された契約モンスターを食べさせてやる時期が来たのだ。

 

現時点でどれほどライダーが残っているだろうか。

知る限り、三人減って、残り十人。

もしかしたらもう一人居なくなっているかもだが、これは戦う前に契約済みデッキを失っているので補充されたかもしれない。

他のライダーは脱落しただろうか。

凶悪犯脱獄のニュースは耳にしていないが……、参戦するのだろうか。

 

まぁ、良い。

全て、ライダーバトルに復帰してみれば、わかる話だ。

 

 

 

 

 

 

 




骨休め回なのです
毎回骨休めしてるって?
今回は主人公が能動的に攻撃行動を行っていないので紛れもない骨休め

☆未成年の内に未成年でしかやれない事をやりたいけど生き残るためにライダーバトルと平行して行っていく酒よりミルクマン
バーに学生服で行って酒を頼んでミルク出されて逆ギレというのをやりたいので
逆に普通にお酒が出てきたらえぇ……って顔をして店主にリテイクをお願いして困惑されたりする
最近は大型犬か大型猫っぽい何かを引き連れて長閑な高原や湖畔でピクニックを楽しむのが日課になっている
ペットの餌は現地調達のジビエなのだ
占い師さんに情報を渡したのは占いが便利というのもあるが、何やら思うところがある様子で……
何を思っているんだろう
作中の言動とか見ればわかるとおり、ふんわりとは思いついてるけど、詳しいところは明日以降の俺にパスするのだ
そうして放り投げた伏線は
より重さを増して落ちてくる
やがて持ち上げられなくなる程に……
そういう時は一度地面に落として転がせば良いのだと思う吉宗なのであった
まるっ!(ゾンビ感)
単純なデザインとキャラとエピソードなら愛ちゃん好きだけど最終回一話前のおちゃらけ切れずにマジトーンの混ざる巽さんめっちゃ好き

☆持ち込みの牛乳
此処に擬似デッキがあるじゃろ?
これを
(牛乳パックにデッキを装着させて変身させる)
こうじゃ!
ミラワに取り込まれた人間及びその衣服が少しの時間なら保つので、注いでそんなに時間を置かなければ飲める
現状疑似デッキによる変身無しで身体が耐えきれるか不明なので、変身したままグラスを傾けて中身を口の中に瞬間移動させて飲む形
傍目にはスリ抜けバグに見えないでもない
因みに鏡の世界に存在するであろう飲食物は恐らく食べられない
分子が反転するとどうこうとか……
そういうのがあるんだってさ
ドラえもんの鉄人兵団のノベル版で詳しい説明があった気がしたけど手元に無いのでどうにも

☆出てくる度に何か食ってるロードインパルスさん
毎回ではないと思うけど何かしら食ってる気がする
確認するつもりはない
いっぱい食べる君がすき
実際食べれば食べるほど強くなるのでとても良い
そのうち脱皮してレイブレードとか生えてくる
作中で行ったアクションが実物のモデルでできるのかだって?
それは君の目で、君の手でたしかみてみろ!
個人的にはさくらがんばる!のかりんお嬢様とダンのコンビもいいですが学園帝国 俺はジュウベイ!の紺碧とかも好きです

☆転がしたりほっといたりすると餌が出てくる玩具
別名コアミラー
運動を促す為に定期的にワープして自分を探させる機能まで付いている
放映当時は戦いを続けるに投票して兄貴と意見が別れて言い争いになったものです
最近十数年後しに戦いを終わらせるルートを見て
このルート分岐考えたやつ絶対性格悪いなーと確信した
止める選んであのオチだったらトラウマなるやつですやんか

☆その頃の難波さん
主人公宅にて受験勉強の最中にグジルが差し入れてくれたケーキを食べてうっわうまっ……!
ってなって、これ何処で買ったの?
え、グジルさんが?!
はえー、すっごい……
え、料理習ってるの?
一人暮らしを始めた時に、交路くんがホームシックにならないように……
……ん、え、え?
…………え?
その後に夕飯もごちそうになって、美味しいと思ったおかずの一つがグジル作である事を知って流石に真顔になる
帰宅後の第一声は「お母さん!料理教えて!」

☆コウジが鏡の中で飼っているらしいペットに興味津々のジル
コウジの目を盗んで、鏡の前でアギトの火種の欠片を手に出してチッチッチッチッと舌を鳴らす日々が続く
舌を鳴らすのは声ではないので出来る
料理の特訓はまずお米の研ぎ方からゆっくりとスタート
グジルに教えてもらう時は脳内からの囁きでも可能だが
誰かと一緒に台所に立つというのが楽しそうなのでとりあえず実体化はしてもらうのだ

☆ジルの手の中のアギトの火種の欠片の中に少しだけ巻き込まれたグジル
にゃめろーん!
と思いつつ、やっぱりコウジが育成途中のペットに少なからず興味があるのでギリギリまで抵抗はしない
噛まれそうになっても現時点なら迎撃できる
なおジルの同意が無い状態での戦闘行為には著しい制限が掛かるのは言うまでもない
こんな扱いでもジルが料理を教えてと頼んできたらめっちゃ懇切丁寧に教えたりする

☆息子のペットに勝手に餌をあげちゃうママン
お母さん!健康に悪いから止めてって言ってるでしょ!
でも秘密にしているし存在に気付いてるとは思ってないから言ってないのでセーフ
鏡に向けてなんか投げるとロードインパルス君がちょっと顔を出してキャッチしたりする
何を投げているかは不明
りんごとか?
オイラぁ!(北米版)

☆コアミラーの場所を特定するためのフラグを全て占いで省略して唐突にコアミラーに辿り着くシナリオ製作者泣かせの占い師さん
芸術(占い)が99くらいある
その上で目的地に辿り着くまでに占いを振る場面では毎度1クリを出して来る
しかし戦闘技能はそんなでもないので解決には至らない
でも戦闘系技能が低いなんてのは言い訳なんです
()()があれば、その出目はクリになる……
それが仮面ライダーなのだ
某SRCの龍騎と剣と月姫のクロスシナリオではギラファアンデッドだったりしたが此処では真人間なのだ
占いの恐ろしい精度から超能力者疑惑と呪術師疑惑はある

設定の解説というか解釈みたいのが続いて話が進まないね
だから話を進めるね
ライダーバトルにおける話を進めるってのは
つまりライダーが戦って死ぬって事だけど
話が進まないのは悪いことだからね
だからたくさんライダーさんと戦わせるね
話を進めるためだからね
実は悪いことだって知ってるけど
これしかシナリオを進める方法は無いからね
ごめんねサダミツ
コォネは良いヒロイン
でもメインヒロインが平行世界の実の母ってのは攻めてる設定だなって今でも思います
好きなキャラ?
TS平行世界サダミツ(鋼の意思)あと改造されて下品になった平行世界ポンコツ
今もなんか連載してるって聞いて安心
つきロボは読み始める前に打ち切りで終わっていた
悲しい
そんな悲しみを乗り越えて二次創作に打ち込むのだ
まぁ全く関係ない二次創作なのはこのSSを読んで見ればあきらかな事よ
そんなあやふやな動機も含まれるSSですが、それでもよければ次回も気長にお待ち下さい

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