オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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67 魂の在り処

知識は幾ら溜め込んでも嵩張らず、ポケットを圧迫しない良い財産である。

どれだけ蓄えても税金だって取られない。

多くを知りすぎるといざという時に選択肢が多すぎて決断を鈍らせるなんていう意見もある。

しかしそれは、しっかりと得た知識を分類して整頓しておけば起きない不具合なので知識を収集しない理由にはならない。

 

だが、知識は知識だ。

どれだけの知識の蓄積があろうとも、小春交路という男は未だ二十年も生きていない若輩者に過ぎない。

数十年の記憶……知識があろうとも、その分だけ精神年齢が継ぎ足される訳ではない。

例えば、十六歳で死んだ人間が記憶を引き継いで十四年生きたとしよう。

その人間の精神年齢は三十歳になるのだろうか。

 

当然違う。

そもそも精神年齢というのは実年齢と同等でなく、知能年齢の別称であったり、単純にその人間の精神的な成熟度が何歳程度のものか、というものだ。

仮に前世で十六歳で死んで、産まれなおして中学二年生になった人間が『俺、精神年齢ではもうオジサンなんだけどなぁ』などと脳内で呟いたとしよう。

安心して欲しい。

俺の個人的な意見だが、そういう考えが出てきている時点で君の精神年齢は実年齢相応のフレッシュなものだ。

新陳代謝の関係で吹き出物が出やすい顔面程度にはありきたりな思考と言えるだろう。

十六年分の蓄積など無くとも、君の同学年の連中は大半が似たような事を考えていると保証しよう。

 

歳を食った人間は逆に若いつもりになる事が多い。

年寄り扱いされて年相応にブチ切れる面倒な老人を見ればそれは顕著だろう。

今から十数年後にライオンロボとの合体形態が女体化されてしまう勇者の人もこう言っていた。

 

『おいおい、おじさんは止めてくれよ。俺はまだ二十歳なんだぜ?』

 

極度のロリコン・ショタコンからすれば、二十歳ともなればおじさんおばさんおじいさんおばあさんを通り越して火葬場から運び出される遺骨も同然である。

とかく、人間というのは老いを感じるとそれを否定したがるものだ。

若い時には大人になりたいと歳を取りたがり、歳を取れば自分はまだ若いと主張したがる。

人間というものはなんとも面倒な生き物である。

まだ持っていないものを欲しがったかと思えば、もう持っていないものを持っていると嘯いたりするのだ。

 

ここで自己紹介をしよう。

俺の名前は小春交路。

1985年生まれのフレッシュ極まりない現役高校生である。

生まれ年に関して、実は以前よりも少し前の年になってしまっているのだが……。

まぁ、過去は過去。

所詮は小春交路ではない過去の誰かの誕生年月日だ。

少なくとも、この2002年時点で俺という人間が酒も飲めなければエロ本も正式には読めない若者である事は間違いない。

 

記録上では俺が二歳の頃、そして三歳の頃に結構な大災害が起きたとかあるが。

それが実際災害だったの?という疑問は今では特に意味のないものと言える。

俺は所詮、二歳児を置いてイクサとしてライカツしに行く母親に疑問の一つも抱けない様な間抜けだ。

首都圏で起きた大災害だか大襲撃がテレビやラジオで放送されていたとしても、脳の自己開発とかで忙しくて見逃していたのだろう。

つまり、俺は自分で自分を上手く設計・改造できている事に喜ぶ余り周りの見えないバカだったのだ。

 

そんなバカだ。

十数年成長したとして、実年齢相応の精神年齢があれば御の字というもので。

知識欲なりなんなり、欲望に理性が引きずられる。

暴れ馬でロデオする心のジョニーと大差ない訳だ。

知りたいものは知りたいし、欲しいものは欲しい。

やってみたい事はできるならなんでも適当な理由を付けてやってしまうし、それを取り繕ったすまし顔で『これは計算された合理的な行動ですが?』みたいに、誰に聞かれるでもなく自己弁護したりする。

物事を有利に進めるための知識があっても、やりたいこと優先で本当の意味での最高最善の行動というのはなかなか取れない。

 

だが、それを反省すれど後悔する事はない。

結局、最善だの最短だのを選ばなかったとしても、選んだ結果は俺の心が求めて選んだ最高の選択。

多少の遠回りになったとして、その遠回りの最中に見た景色の全てが俺の糧となっていると言っても過言ではない。

 

強くなりたくば喰らえ、という言葉もある。

だから、俺は安全性が確保されたグジルと年相応の後先考えないカバーレスドッキングをかましたことも、それを習慣化している事も、一切恥じる事はない。

実際、難波さんに友人として、身体を許す相手として認められた事を光栄に思うけれど。

難波さんみたいな美人と肌を合わせられる事に喜びを感じないと言えばそれは夏限定フォームも真っ青に映るほどの真っ赤なウソになってしまうだろう。

 

俺は……イクサのベルトが欲しい。

普段使いのベルトとして、既にデッキが半ば最優と言って差し支えない性能に達している。

だが、イクサのベルトは明らかに技術体系が異なる。

ファンガイアと戦うという一点を考えて作られた変身システムというのもとても気になる。

俺が遭遇したロードインパルスの餌にしかならない雑魚オブ雑魚とは異なる恐ろしく強いファンガイアとでも戦える筈のシステムである。

改良を繰り返されて改善されたとはいうが、相手に着せて結果的に大ダメージを与える事ができるという機能も魅力的だ。

自分が使うスーツとしてだけでなく、改良の方向次第では立派な拘束具になるだろう。

 

そして、そう。

これを手に入れる為に、イクサの人と仲良くなって、長時間意識を取り戻さないレベルになるまでいたす、という案。

そうとも。

趣味だ。

いいじゃないか。

欲しい物を持っているのが綺麗な大人のお姉さんだったから、ベルトの技術を手に入れる過程でちょっとすけべえな事をする算段を立てたって。

ちょっと尽きない体力とインチキ質量操作に任せて抜かず3日とか企てるのはこの年頃ならオセアニアじゃなくても常識なんだよ。

 

我未成年ぞ。

本来なら思春期真っ盛りのベルト無しでも下半身に脳味噌がもう一個あるようなお年頃ぞ。

そりゃあ、普段は脳機能を弄って常時賢者の如き冷静さを保てるけれども。

制御しなければこういう思考が生まれるのが道理じゃあないか。

そうでなければ毎度毎度勉強会の度に難波さんからの誘いに乗ったりせんわ。

常に冷静なら肌合わせずに正座で膝付き合わせて説教だわ。

ちゃんと勉強しようねって言うわ。

常に冷静な人間ならな、抱き合って繋がって腰をくねらせて自分の奥に押し付けてる可愛い友人が耳元で蕩けるような声で一人でしててもイケなくなったとか言っても冷静に受診を勧めるわ。何科かは知らんが。

定期的に欲望を開放してるから、じゃあいつでも頼ってねとか、その分今解消していこうとか言いながら腰掴んで更に奥に擦り付けたまま出したりするんだろ。

 

人生RTAしてるんではない。

やり込みゲーしてるわけでも無い。

俺は。

俺の人生を。

幸せに生きるために頑張っている。

 

なので。

詰めに詰めて不意を打って確殺しなければ危険、というのでなければ。

そして、繰り返し同じシチュエーションを用意できるというのなら。

様々な試行錯誤をしていく事になる。

ともすれば、この試行錯誤の中で、開始前に想定していた最善よりも良い戦法を編み出せる可能性だって無いでは無い訳だ。

 

ここまで殺したミラーワールドのライダー。

彼らを相手にした場合の最善手というのは、実は初めて殺した時からそうズレたものではない。

まず相手の所在が割れているにも関わらずあえて変身させるという時点で厳密に言えばロスになるのだが、そこはあくまでもライダーバトルであるという前提でのものだ。

双方変身した状態からがスタートとした場合で考えよう。

 

まず初手カードの使用、というのは大幅なロスになる。

本体である自分自身の力にある程度の自信があるのであれば、初手踏み込みからまっすぐ行ってまずは一撃というのが無難と言えるだろう。

踏み込みからの肉弾による一撃と聞くと二手使っているようで、踏み込みと拳なり蹴りなりタックルなりを一連の動作として完成させていれば実質一手だ。

距離によるが、悠長にカードをデッキからドローして召喚器に装填するまでの動作を中断させ怯ませる事ができるだろう。

召喚器が武器としての機能を持つのであればそれで殴り掛かるのも良いだろう。

また、戦い慣れていない相手、特に、ライダーバトルのルールをしっかり実感できていない相手の場合、初手デッキ狙いは刺さる可能性が高い。

だがこれは、戦い慣れてはいないが、隙あらば相手のデッキを破壊しようと考えている相手は感づく可能性があるので、デッキを破壊できなかった場合の次の手を考えておく必要もある。

 

そして、相手の想定する前提を崩すというのも大いに効果がある。

基本的にミラーワールドのライダーはデッキからカードを使用しない場合、召喚器以外の武器は装備していない。

なので、デッキの改造、スーツの改造ができるのであれば、カード未使用の状態でも出しっぱなしの武器を作っておくというのは効果的と言える。

俺の使うビーストマスターソードもそういう初見殺しの効果を期待してのものだ。

普段は短剣程度の長さをさせているのも間合いをごまかす為でもある。

短剣、長剣、蛇腹剣とモードを変化させるのは何も財団Bに媚びた設計ではないのである。

 

と、ことほど左様に、今現在開催中のライダーバトルだけを見ても、やれる事は多くある。

大前提であるデッキからカードを使う、というルール。

それをいかに崩すか、相手は崩してくるのか。

崩すにしても如何にして崩すのか。

或いは相手が崩しに来るのを踏まえて正攻法で叩くか。

考える事は山積みだ。

 

更に言えば、これらは直接戦闘に関わる部分だけを見た場合の例に過ぎない。

最初にインペラーを殺した時、大金を手に入れて幸せな暮らしがしたいという彼の願いを叶えるように見せかけて戦意をやわやわにした様に、まずもって相手の戦意を萎えさせるというのは、このような大会形式での戦いでは古くから使われている手だ。

例えば弁護士先生にしても、モーフィングパワーで彼の身体を治した後に戦いを挑んだなら、そもそも戦う前から戦闘を放棄した可能性はあるだろう。

どれだけ力が強く、戦い慣れしている戦士だとしても。

そもそもの戦う動機を奪われてしまえばまともに戦うことは難しい。

もっとも、弁護士先生はデッキを放棄したからとライダーバトルから完全に解放されるとは思わないだろうが……。

 

現在確認できている残りの一般参加ライダーは。

龍騎、ナイト、ライア。

そこに追加で王蛇が来るかどうか、というところ。

リュウガに関しては恐らくミラーワールド発生だと思われるので、出たらヘキサギアが捕捉して情報が来るのでとりあえずは気にしない。

 

どうせ、この周で全てが手に入る訳でもない。

少し気になるところもあるし、物は試しだ。

色々とやってみるものとする。

 

―――――――――――――――――――

 

色々やってみるという言葉の通り、この試みには幾つか確認するべき点がある。

まず、叶えるべき願いを失ったナイトが戦闘においてどれほど腑抜けてパワーダウンするか……ではない。

それは副次的な作用でしか無く、実のところ、ナイト、秋山蓮の恋人である小川恵里の昏睡状態の原因に興味がある。

俺の知りうる歴史において、ダークウィングに襲われて昏睡状態になった彼女。

彼女はライダーバトル開催中に一度目覚め、更には今度意識を失ったなら次に目覚めるかどうかわからない、と医者に言われてしまうのだが……。

この目覚めるタイミング、そして次に目覚めるかどうかわからないという診断結果、余りにも作為的ではあるまいか。

 

実のところ、彼女の都合の良い……ライダーバトルを最後まで進めさせたい主催者側にとって都合の良い目覚め、そのからくりについて、少しだけ予想は立てているのだ。

まずもって、ミラーワールドに住まうミラーモンスターが人間を襲い、鏡の中で食らう時、大体の場合は生きたままむしゃむしゃと貪り食われる。

ミラーモンスターがミラーモンスターを殺して食らう時とはまるで異なる食事風景。

それは、人間という生き物が器を壊したからといって、その中から魂がふわりと飛び出てくるようなメルヘンな構造をしていないからだ。

そういう不可思議な構造をしているのは、ミラーモンスターを除けばマラーク、エルといったテオスの創造物くらいか。

ファンガイアも確か魂が分離した記憶があるが、こちらはサンプルが少なすぎるので参考にはならない。

 

翻って、こちらの病室。

目の前に酸素吸入器を咥えさせられ、心電図に繋がれた小川恵里氏。

彼女が仮にダークウィング、ミラーモンスターに捕食されたというのであれば、少なからず齧った痕なりがなければならない筈だが、少なくとも彼女の肉体に明確な欠損が有るようには見受けられない。

ただ、少なくともその身体は自発的な行動すべてを放棄しているし、仮にここで酸素吸入器を外してしまえばそれだけで自然と息を引き取る事になるだろう。

 

単純に、頭を打って脳機能の一部を停止してしまった場合でもこの状態にたどり着く事は無いではない。

人間の肉体、こと脳というのは酷く軟な作りをしている。

最悪の場合、歩いていてコケて後頭部を打った、程度でも何らかの障害が残る怪我になる可能性がある。

人間は自分の身長程度の高さから頭を地面にぶつけるだけでも死ねてしまう生き物なのだ。

 

では、脳の損傷か、というと、それも異なる。

ミラーワールド側から彼女の鏡文字と化したカルテを確認したが、脳に損傷や出血の類は見られない。

こうして本人を目の当たりにし、モーフィングパワーで干渉して破損箇所をチェックしてみてもそれが誤診であるとは思えない。

彼女の肉体は至って健康であると断言できる。

かといって何らかの疾病や中毒などが原因というわけでもない。

何故なのか。

医者もお手上げというものだ。

 

ここで話は戻る。

ミラーモンスターの同族と人に対する捕食方法の違いだ。

もしもミラーモンスターが同族や人を等しく捕食対象としか見ていないのであれば、ミラーモンスターの肉体を破壊してからエネルギーを捕食するのと同じように、人間の肉体を一度破壊してからエネルギーを取り込もうとするだろう。

もちろん、多くの人間は人が死ぬ時に体から生命エネルギーが抜け出していく場面を見たことがない。

故に、人間を殺すとそのまま人間の生命エネルギーは何処へなりと霧散してしまうのだと考えがちだ。天に召されると考えても良い。

だが当然、ミラーモンスターと比べて脆弱な人間は反撃される心配が無いのでそのまま踊り食いしているのだという説、ミラーモンスターが表の世界では長時間活動できず、同じく人間もミラーワールドでは一分もせずに消滅してしまう為、人間に限って器を破壊する手間を惜しんで踊り食いにならざるを得ないのだ、と、そんなふうに考える事も出来る。

 

なんとなれば、俺もまた内に秘めたアギトの力と共にテオスに吸収されていた時期がある。

アレは肉体ごと取り込まれていたのか、肉体を消し去られて魂だけ幽閉されたのか。

実のところを言えば、テオス的感覚からすれば、肉体と魂の区別というのはひどく曖昧だ。

実態の有無からしてまるで別物だろう、と、言われれば、いや、少し力の使い方を覚えればはっきりと視認できる程度に力ある霊であれば念動力で捕まえて保持出来てしまうと返す事もできる。

 

更に言えば、ジルとグジルの症例だ。

グジルは以前に、自らを維持する為にジルが脳やアギトの力のリソースを割いている為に、肉体的に完全に復旧したにも関わらず常人並の動きが出来ずにいると言った。

現実に、ジルは今でも声を出す事だけは出来ずにいる。

が、逆に、声を出す以外の事は現時点ではすでに健常な人間とそう変わらない身体能力を獲得している。

グジルのちょっとした勘違いで単純にジルのリハビリが完了していなかっただけだぜ!

という訳ではなく、アギトの力の成長、増幅に伴い、グジルの人格再生がジルの脳だけでなく、アギトの力に大半を任せる事ができるようになったからではないかと見ている。

恐らく、グジルとのゲゲルでジルとグジルが明確に分離したのが契機なのだろう。

明確に力ある肉体を預けられる事で、アギトの力と脳のリソースを利用して維持されている残留思念から、アギトの力に宿る管理人格の様な……。

そこまでではないか。

ウインドウズのイルカみたいな立ち位置に収められたのだ。

主張こそ激しいが主従という意味で言えば当然ジルが上に来るし、だからこそアギトの力を表に取り出した時にはそこに人格が引っ張られる事になる。

 

少し話が逸れたが、脳に寄らない、人格を宿した魂というものの所在を動かす事が可能だという事だ。

それは、アギトの力、天使の力の欠片という強いエネルギーがあればこそなのかもしれない。

だが、それは移動先で元の人格を正常な形で再生する事を考えればという話で。

単純に、元の肉体から人格含む魂を移動させて動かさずに保存させるだけであれば、より容量の小さいチープな入れ物でも構わないのではないか。

テオスの鏡面存在でもあった特別なエルである火のエル、プロメス、或いは光のテオスの欠片の劣化版。

それは例えばエルロードの下位存在であるマラークであり、或いは。

そう、或いは、ミラーワールドにおけるマラーク相当の存在。

ミラーモンスターだ。

 

更に言えば、偶発的に人格を移動させ固着させたジルの事例とは異なり、ミラーモンスターには前例となるであろう事例が、無意識的にとはいえ、半ば自発的に行われている。

オリジナルの神崎優衣から、鏡面存在、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()である。

それも、ただ単純に人格を移動させた訳ではない。

虐待を受けていたという記憶を上書きする形で、恐らくは意図的に不完全な魂の移動が行われている。

 

もちろん、オリジナルの文字通りの写し身である虐待を受けている自分を鏡の中から見つめる虐待を受けていない自分として作られたミラーモンスター神崎優衣は特別だろう。

それこそ、自らの肉体をオリジナルに受け渡した後ですら、オリジナルの消滅直前に警告を入れる事ができる程度には力が与えられていた。

 

だが、より限定的な、より不完全な魂の移動であればどうだろうか。

ミラーモンスターは、ミラーモンスター同士の捕食という形である意味魂の移動と融合を幾度となく繰り返している。

例えば、魂、人格、記憶の全てでなくとも、元の肉体が正常に生命活動を行えない程度に、魂を欠損させる事も可能なのではないか。

 

そもそもの話として、秋山蓮の恋人である小川恵里が昏睡状態になるに至った実験の主導者は誰か。

神崎士郎だ。

しかもその実験のタイミングは去年の夏頃。

ミラーワールドに纏わる実験を行うとして、その時点の神崎士郎がまだ行っていない、行わなければならない実験とは何か。

それは勿論、()()()()()()()()()()()()以外ではありえない。

 

そう。

確かに、行われた実験はミラーワールドに纏わる実験に相違無い。

ミラーワールドに住まうミラーモンスターを用いた、魂の移動実験。

或いは……今も実験は継続中か。

実験の対象は勿論、生き残りかつ、魂を何らかの形で弄られたであろうこの小川恵里。

もしも、この小川恵里の肉体が死滅した後も、移動させた小川恵里の魂の断片を別の器に移し替える事で再生する事ができたとしたら?

二十歳の誕生日に肉体的な死を迎える神崎優衣の魂を別の場所に一度移し、新たな肉体に移し替える事で延命を図る事ができるかもしれない。

これはそういう実験なのだろう。

中継点となる大容量の入れ物は、彼が使役するゴルトフェニックスか、その近縁種達か。

或いは、最後のライダーの育ちきった契約モンスターを利用する手はずなのか。

 

とはいえ、ここまでの話は俺の推測に過ぎない。

肉体的に欠損が無く、しかし動作しないというのであれば魂が足りないのではないか。

そんな単純な考えから産まれた半ば妄想とも言える推理。

だが、感触としては間違いではないと思われる。

実験当時にそれなりの人数が居た実験室の中で、小川恵里が選ばれた理由も、恐らくは魂の質とでも言うものが神崎優衣に似ていたのではないか。

神崎優衣の延命の為の実験なのだから、似た被検体を用意するのは当然の話だ。

秋山蓮が神崎優衣と奇妙に相性が良いというのもこじつけレベルではあるが裏付けにならないでもない。

 

さて、そこで話は巻き戻る。

この魂の欠損した小川恵里を如何にして復活させるか、という話だ。

魂を欠損させ、断片を保管して後に蘇生するという実験、とあるライダーへの神崎士郎の依怙贔屓、実験に立ち会った連中を殺害したミラーモンスター。

これらを合わせて考えれば、魂の断片の保管先は自然と導かれる。

そのミラーモンスターが小川恵里を重点的に獲物として狙っているのも、有る種の帰巣本能のようなものなのだろう。

しかし、そのミラーモンスターを破壊して取り出したエネルギーをそのまま小川恵里の魂の欠損部分に継ぎ足せば元に戻るのか、というと、疑わしいところだ。

そのミラーモンスターはすでに多くのミラーモンスターの魂を取り込んでいるし、一応、小川恵里を助けた後でどれくらい弱体化するかを見るのも目的である為本末転倒だ。

 

それに、生き物から魂を抜き出す、という技術は、今後、来年以降もロードインパルスを運用する上では欠かせない技術になる。

当然、これも以前から少しづつ練習を重ねている。

動物からの抽出に関しては、魔石を埋め込む形で強化した後であればほぼ100%成功すると言っていい。

が、これは強化された野生動物が脱走する危険性を鑑みれば多様は控えたい。

更に言えば、野生動物から抽出した魂を継ぎ足された事で小川恵里が如何なる挙動を見せるかが不明な為、可能であれば避けたい。

 

アギトの力を入れる、というのは、一番簡単な方法だ。

人一人をアギトにするだけの力を使えば間違いなく欠損は埋まるし、その程度であればこちらの懐はそう傷まない。

しかし、塵も積もればという話もある。

金持ちは意外とケチが多いとも聴くし、それに習って無用な出費は避けたい。

それに、アギトになってしまった事で自殺などされても困る。

 

では、どこから補修用の魂を持ってくるか。

条件として、小川恵里が一見して普通に昏睡から目覚めたのだと錯覚させるに十分な形で目覚めさせる事。

獣の魂などではいけないし、例えば浮浪者や死刑囚から引き抜いてくるのもまずい。

引き抜いた元の人間の人格や記憶を、恐らくは高い確率で引き継いでしまうからだ。

そして、魔石によって異形化させた生き物からはほぼ確実に引き抜ける。

 

理想を言えば無垢な、記憶を持たない人間の魂が良いだろう。

難しい話だろうか。

そうでもない。

日本は怪人案件を除けば安全で出生率も高い文化レベルの高い国ではあるが。

だからこそ発生する死人も多い。

 

死にたての無垢な魂を手に入れるというのは。

俺が手を下すまでもなく。

さほど難しい話ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




恋人が治って戦う理由を無くしたれんちょんに
『ほらほら戦いましょうよねーねー!』
『最後の一人になるまで戦うのが仮面ライダーなんでしょー?』
ってやるだけの単純な話の筈だったのですが
最後の最後で画面の彩度を下げてしまい申し訳ない
バトルどころかオリヒロとのイチャコラすら無くてすまない


☆一話の執筆期間が長くなる程前半と後半のテンションに落差が生まれるモラル投げ捨てマン
ミラーワールド経由で全国に目を持たせたが為にやれることが増えまくった
具体的にどこから魂を持ってくるかってのは秘密。
明言しない限りはさほどモラル的に問題ない結論を出してもらえる可能性がある
無い?
倫理的にアウトと絶対に言われるだろうが
直接的に古代人を殺して回るのとどっちが倫理的にアウトかは難しい話
これは英雄の物語ではないのだ
どうやって生き返らせたか明言しないので直前で日和って他所からアギトの力を奪ってねじ込んだ可能性だってある
だから明言しない

☆血縁は無い妹(無垢すけべ)
こいつをウインドウズワードとかエクセルの古いやつの入ったパソコンとする
めちゃクソ強いプラットフォームにグジルを装備してフォームチェンジする緑色のしいたけが嫌いな子みたいなシステム

☆古代人の残留思念(家庭的なすけべ)
元はクジラだけどこいつがイルカ
イルカって言ってももうわからん子も多いのかな
アギトの力が育つ度に自由度が増す
が、本人の意思もあってあくまで主導はジル
しいたけ食べさせる様な感覚で大きく育てとジルの皿にご飯とかお肉を盛りまくる
対ジル限定でオカン

☆一人上手できなくなってしまった可愛い親友(ドスケベ)
いたしてる最中に勢いで『好き、大好きぃ』とか言うんだけど
興奮しながらも日和って『そこ、そこ、ごりごりってするの、好きぃ』
とか言い換えちゃう
結果的に最中に告白した回数だけ何処をどうすれば良いかをカミングアウトする形になる
今回そんな話はしてないって?
あとがきで書くこと無くて……

☆小川恵里
神崎優衣を助ける為の実験体
魂の移動と保存、移植の研究材料として神崎士郎に選定された
実験の最中に現れた謎のミラモンに魂の一部を持っていかれている

☆小川恵里の魂を保管している謎のミラモン
帰巣本能から小川恵里の肉体を喰らおうとしてしまう
でも契約者のピンチに自発的に動いたりもしないでもないし
必殺技のときには契約者を包み込んで保護したりするし
神崎士郎主催の実験で出てきたミラモンだし
そもそもトリックベントとか作中屈指のインチキカードを出す辺り元から怪しい立場にある
時間を歪ませて平行世界の可能性の自分を分身として投影していると考えるとこれも時間系カードと見れなくも無い
これで気づかれずに普通にミラモンとして処理されたら悲しいよなぁとか思いませんか
僕は思いませんけど次の話を書く僕は思うかもしれません

☆昏睡状態の恋人を助けるために命がけのライダーバトルに参戦したが、ある日突如として恋人が完全に目を覚ます事で無理にライダーバトルを続ける必要が無くなってしまったれんちょん
後はライダーバトルから脱落するだけだ
安心して欲しい、デッキを放棄した上で契約モンスターを破壊すれば、君や彼女が狙われる可能性は低い
何なら護衛だって付けようじゃないか
さ、君を戦いに縛り付けたその忌々しい契約モンスターを破壊しよう!
みたいな提案をされる予定

☆良かったな蓮!と、事態を言葉通りに受け取り喜んで見せるムードメーカー
毎年原作主人公の扱いは難しいのだ
後々出番を作ってあげたい
最後に残しておいてバトル前に取材をさせるというのもありかもしれない

☆沈黙を保つ占い師
@潜伏中
今は未来を見て動いているぞ



暗い話になった
元は魂の移動ができるなら魂の抜き出しもできてロードインパルスに野生動物の魂食わせて肉は手元に残って超お得!みたいな話にする予定だった
でもそうはならなかったんだよ……
ポケモンソード(褐色格闘女が出るのでこっち)とか発売したらスイッチもセットで買ってそっちに時間取られるし
挙げ句Gジェネも新作はかなり期待できるのでそっちにも時間取られるし
せっかくスイッチ買うならマリカ買って練習してVの人らの視聴者参加型の方にも挑戦してみたいし
スイッチのシノビリフレだって忘れちゃ居ないのだ
だからとりあえず今のうちに一話だけでも上げたかった
そういう話なのだ
今回こういう引きをしたので次回は強制的にナイトとのお話になります
バトルになるか、お話し合いになるかは未定
でも今回だって思いつくままに書いてたらなんとかなったので次回も何か思いつくでしょ
そんな未来の可能性ばかりに頼るSSですが、それでもよろしければ、次回も気長にお待ち下さい
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