オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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77 ハッピーバレンタイン!

青い、青い空。

何処までも澄み渡る様な、果てのない青。

頬を撫ぜるような風が吹き、その青に白が混じり始める。

風に巻き上げられた白が、辺り一面を煙らせていた。

地吹雪。

いや、それは雪ではない。

肌に触れたそれは体温で解ける事無く残り、張り付くそれをよく見れば白くも無い事を教えてくれる。

 

灰。

雪の冷たさも無く、水気も無く。

清らかな白ではなく、しかし、炭の黒さよりはそれに近い灰。

ただ、燃え尽きたばかりであるからか、それは仄かに暖かさを残していた。

生温い灰の温度は、人の体温に近い。

 

遠く、地の果てまで見える広大な草原。

青い草原の一角に建てられた幾つかの移動住居、ゲル。

無数に、とはいかないまでも、それなりの数、小さな村にも届きそうな人数が暮らしていたと思しきそれらに、今、主は居ない。

ただ、それらの建つ草原に雪の如く降り積もった灰だけが、ここで何かが起きたのだと知らせてくれる。

この光景を見つめる者を除けば、ここで何が起きたか、ここに何が暮らしていたか、知る者は居ないだろう。

 

青い草原の一辺、灰の降り積もる中に、立ち尽くす姿があった。

空を見上げ、まるで棍を構える様にリンベ(笛の一種)を持つ手は、僅かに震えている。

全身を黒い皮膚と青い装甲に包み、頭部すらヘルメットの様な仮面に覆うその人物の表情を窺い知る事はできない。

ただ空を見上げ続けるその背中からは、言葉にするには難しすぎる思いが感じられ──

 

―――――――――――――――――――

 

引き伸ばされ印刷された画像を額縁に入れ、部屋の壁に飾りつける。

これまでの趣味の名残や部屋に人を招いた時用のカモフラージュや、ジルの情操教育の為に貼っていたポスターなどとは異なる、完全なる俺の趣味の産物。

今更になって部屋にこういう写真を、しかもネットからの拾い物の写真を飾ることになるとは思わなかったが、これは中々に良い。

 

場所は広い草原だろうか。

そこに一人で立ち、撮影者に背を向けて空を見上げる未確認生命体四号の写真だ。

周囲には無数のゲル。

移動用の家畜が幾らか。

しかし、それら自体も、四号も、足元の草原も、或いは空にまで、まるで雪の様に大量の灰が降り積もっている。

手に持っているのは笛。

四号が青くなっているから、これがドラゴンロッドになっていたのだろう。

どこかの土産物屋で買ったか?

或いはこの住居の住人から貰ったか?

 

住人は助かったのか?

灰の量から言って全員やられたのか?

四号が居たのに?

下手人は何処に居た?

後からやってきた旅行者側?

最初に五代さんが狙われたならここまで被害は増えまい。

五代さんは最後の方に残された?

或いは、このゲルを使って居た全員が下手人で、旅人などを招いて仲間を増やしていた可能性だってある。

悪意を持ってではなく、善意でそうしていた可能性も高い。

オルフェノクの変身後の身体能力と頑丈さは過酷な生活を送るのであれば便利なものにも見える。

変身した状態で襲いかかってきたというのであれば、話し合いの余地も無く戦いになるだろう。

或いは知らぬ間に元いた住人は殺されたとでも思うかもしれない。

もちろんこれらは全て俺の憶測に過ぎない。

 

全てはこの写真一枚に収まる分の真実のみ。

この写真に写る五代さんの背中から強い感情を読み取れないと言ったら嘘になるだろう。

見上げる空はどこまでも青く。

しかし、それを汚す様に灰が舞っている。

以前に見たドラゴンフォームに比べ、酷く彩度も明度も落ちた暗い暗い青の鎧。

濃紺と言うにも暗すぎる、鉄色、勝色にも見える背中。

太陽が沈んだ後の空の色。

五代さんの太陽は沈んでしまったのだろうか。

少なくとも、それで見境なく破壊を振りまくような精神性ではないだろうが。

 

鎧の色はそれほど問題ではない。

肝心なのは目の色なのだが、この顔を映さない構図は天才的だ。

投げ銭のシステムがこの時代にあったなら撮影者には札びらのビンタで祝福してあげたくなる。

 

俺はこの写真一枚を海外の掲示板から見つけただけに過ぎない。

五代さんがこんな写真を撮るとも思えないので、同行者か、その場に居合わせた人間が最低一人は居たのだろう。

これで、撮影者、一文字隼人、とでも記されていればもう察するに余りあるのだけれど。

 

『おえあ、おえお、うおい』

 

「やってんねぇ」

 

「芸術点が高い」

 

魔石の大体の場所はわかるし、なんとなればどの魔石がどれくらい活性化しているかもわかるが、遠く離れたそれを常に追跡している訳でもない。

海外に分布した連中を追跡し続けるのはきりがない。

戦意を残した旧グロンギならば討伐対象だが……、()()()()の連中は管轄外だ。

沖縄でバルバから知識を引き継ぐ時に場所を提供してくれたお店の店主さんなどがそれにあたる。

俺はあくまでもグロンギからンを引き継いだのみ、安全に運用されているというのなら全ての魔石を管理する権利も理由もない。

だからこそ、五代さんが何処に居るか改めて追跡するつもりも無いが……。

 

どうやら、五代さんは戦い続ける道を選んでくれているようだ。

人を傷付ける事に忌避感を感じ、しかし人が傷つくのを避けるために力を振るう事も厭わない精神はやはり素晴らしい。

ともすれば、何処かで精神的に限界が来て、立ち止まり、戦う事、抗う事を止めてしまいかねない危ういあり方だとも思うのだが。

まだ、死ぬよりは生きる事を選び続けてくれているらしい。

元気で居てくれているのなら、何よりな事だ。

 

―――――――――――――――――――

 

そういう訳で。

この地獄かと思えるような世界でも、元気があればなんでもできるという訳でもないが生きていける。

勿論それは大多数の人間が恐るべきクリーチャーどもの存在を知らないからこそ成立する元気なのだが……。

未確認生命体、グロンギによる大量殺人、アンノウン、マラークによる超能力者狩り。

これらが多くの人々に知られるに至った現代においてもそれなりに世が平穏である事を鑑みれば、意外と人間は図太く出来ているのかもしれない。

それが慣れによるものなのか、実被害が遠くにあり現実味が無いからか、或いは人類に潜むアギトやオルフェノクの因子が何かしらの悪さをしているからなのかは、ようとして知れない。

 

知れないが、少なくともこの現代日本は、多くの敵性異種族の実在を認知しつつも、例年通りに日付イベントで盛り上がる事に成功している。

イースターやハロウィンはまだ根付ききっていないが、クリスマスには変わらずケーキやチキンを食べ猿の如く交尾を楽しみ、大晦日になれば大掃除と年越しそば、年が明ければおせちに初詣、二月となれば豆まき、そして。

 

バレンタインデーが来る。

 

世界中で、死んだ人間が灰の怪物として起き上がる怪現象が起きていても。

妖怪変化の元となる半自然現象とも言える怪物がうごめいていたとしても。

記憶すら奪い人間に成り代わる虫が今も暗躍していても。

自分たちの存在する未来につなげる為に過去改変を繰り返す怪人が居ても。

人間を食らうステンドグラスの様な魔族が人間社会に潜んだままだとしても。

日本ではバレンタインデーが絶対に敢行され、世界中のチョコが百貨店に集められ、チョコをあげるあげないもらえるもらえないで人心は乱れ世は荒廃し恋人たちは交配するのである。

 

良い気なものだ。

中学生の時は義理やら部活の助っ人のお礼チョコをこのタイミングで貰えたりしたのだが。

高校に入ってからは人付き合いが減ったからか、さっぱりである。

 

「して、そのマフラーは?」

 

「義妹が今朝くれた。まだまだ寒いからってな」

 

「チョコより余程レアではないか」

 

「何言ってるんだ。帰ったらチョコフォンデュもするぞ」

 

「あの食べ物でやる遊びの最高峰とも言われるチョコフォンデュを……?!」

 

「ファウンテンは俺が作った。ちっこいやつだけど」

 

仲村くんは驚愕しているが、個人的に食べ物で行う遊びの中での最高峰はロングひもQによる縄跳びではないかと踏んでいる。

チョコレートファウンテンは流しそうめんとかBBQみたいな特殊な食べ方でしかないしな。

見た目こそ類似しているが、シャンパンタワーとは全く異なる事情の食べ物なのだ。

因みに世界観を考えればわなげチョコなどを推すべきかとも思ったが、わなげチョコで輪投げをしている人間など見たことがないのでこれは場から除去する。

 

「大体、レアっていうなら、今どき下駄箱にチョコってのもレアな状況じゃない?」

 

「衛生面から見ると色々問題はあるがな」

 

言いながら、可愛らしくラッピングされたチョコの箱に磁石を当てる仲村くん。

差出人不明の郵便物となれば、これはやはり真っ先に爆発物やカミソリの有無を調べるのが常道。

流石我が友、リスク管理がしっかりしている。

まぁ、現代の技術だと普通のはがきにしか思えない薄さの便箋の中に指を軽く吹っ飛ばす程度の爆発物を仕込めるので、この警戒も気休めにしかならないのだが。

 

「ロッカー、鍵付きになってるとこも増えてるし、こういう文化も消えていくんかね」

 

「そうなれば次は机か? ロッカーよりはマシだな」

 

逆に、なんで食べ物入れるのに普段から靴突っ込んでる場所を選ぶのか……。

あ、いや、同じ教室に入れない連中からすると手頃なのか。

そう考えるとこいつ人気あるんだな。

なんか委員会とか部活とかでキラキラと活躍してたりするんだろうか。

 

「まぁ、お前あての本命は教室内でも渡せるだろうから、関係ないか」

 

「俺宛の奔命……?」

 

奔命・主の命令を受けて奔走すること、転じて、忙しく活動すること。

ふむ……。

明確に主を持つ存在、となると、独自のコミュニティを持つファンガイア、スマブレが統率するオルフェノクだが。

いや、鬼が存在する以上、現代まで忍者の類が存在して活動を続けていても可笑しくはない。

隠蔽は完全に行っている筈だが、例えば変身せずにオルフェノクを出会い頭に打首にしたりという場面を遠目に見られている可能性はある。

何しろ諜報活動を主とする忍者が相手だ。

俺の防諜をくぐり抜けてくる可能性は十分にあるのではないだろうか。

 

しかし、アイ・アム、トラブルなどノーセンキューなのだけれど。

ましてここは学校な訳だし。

学校にテロリストや怪物が現れてそれに対抗して戦うなんてのは妄想の中だから楽しめる訳であって。

実際に起きたらメガレンジャー最終回付近案件にしかならないのは明白だろう。

この学校の民度の高さは信頼しているが、何しろ来年はオルフェノクが活動的になって王が現れたりドロドロした人間関係が増えたりする年だからな、油断はできない。

 

「……本命チョコの事だぞ?」

 

「ああ、そっち」

 

「そっち以外にあるか?」

 

ある(鋼の意志)。

想像できるものは存在できるものなのだとインド人風の人も言っている。

しかし、本命チョコかぁ。

 

「貰ったこと無いんだよね、本命チョコ」

 

「意外だな」

 

「顔と性能と素行と家柄は良いからどっかのタイミングで貰えても良かったと思うんだけど」

 

「そういうとこだろうなぁ」

 

「こういうとこかなぁ」

 

「あと家柄は良いとむしろマイナスになるとも聞くな」

 

「後ろ暗いとこが無い、程度の家柄だけどね」

 

親が警察してる、っていうだけで。

まぁそういう相手をこの世界の危険性に気づく前に作っていたとしたら、その相手を失う想像で吐いちゃっていたかもしれないので、結果オーライというものだろう。

じゃあ、今から恋人を作る努力をするのか、と聞かれると……うーん。

父さん母さんに幸せな家庭のモデルケースを見せて貰った側からすると、憧れが無い訳ではないのだけれど。

 

「まぁ、なんだ」

 

「うん?」

 

「お前と難波さんが真正直に恋人であるとは俺も思っちゃいないが……、大切ではあるのだろう?」

 

教室への道すがら告げられた言葉は、これまでの会話に比べて声が潜められている。

事情を知らないなりに配慮してくれているらしい。

はなまるをあげよう。

なんならニコちゃんバッチもダッコちゃん人形もジャムパンもあげよう。

友情の証としての非肉体改造式個人認証システム搭載自律マシンベースミラーモンスター及びアギトの力混合型支援ユニット付き護身用変身ベルトは……卒業式にでも。

 

「うん、大切な人だ」

 

「なら、彼女の前で、憧れのお姉さんの話はやめておけ」

 

「してないよ」

 

「念の為だ。……いきなりその手の相談をされる方の身になれ。何事かと思う」

 

「口が堅い仲村くんだから相談したんだけども」

 

それほどセンシティブな相談ではなかったと思うんだけどな。

今年はバレンタインデーがド平日だから、東京にいる人から不自然でなくチョコを貰うにはどうしたらいい、くらいの話だ。

それも別に直接口頭で話したわけでもなく、メールでの話だし。

 

「一応、此方もお前と難波さんが付き合っている、という前提で日々を過ごしているんだ。不意を打つな」

 

「驚くものかな、そんなんで」

 

「浮気の手段を相談されるようなものだぞ……?」

 

「そういう話ではないんだけどね、一応」

 

仲村くんは眉根を寄せているが、別に恋愛相談、という話ではない。

イクサのベルトを手に入れる為の手段を実行したらそれ以前とは確実に関係性が変わるし以前の様な気軽さは無くなってしまうだろう。

だから、実行に移す前にちょっとした可愛らしい思い出として義理チョコの一つも貰っておきたい。

それくらいでも、実際に恋人が居たなら浮気という話になってしまうのだろうか。

 

「難しい話だなぁ、人間関係」

 

「お前はそれ以外は全部できてるんだからそっちに少しはリソースを振れ」

 

手厳しい。

だが、確かに脅威への対抗策は着々と用意できているのだし。

少しはそういう方面にもちゃんと気を配っていくべきかもしれないな。

 

―――――――――――――――――――

 

そして昼食。

基本的に、学内においては俺と難波さんが恋人関係にあるという偽装情報を元に行動しているため、難波さんがニタニタと楽しげな女子連中にわっしょいわっしょいと運搬されていかない限り、昼食は難波さんと共に食べる事になる。

外食するというのなら一人飯も悪くないのだが、やはり人の多い学校で一人飯というのは寂しいものがあるので願ったり叶ったりだ。

 

「グジルちゃんもジルちゃんもスパルタだと思うんだよね」

 

警備会社などのセンサーが設置されていない為、勝手に鍵を開けて入った屋上にて、即席で用意したレジャーシートに女の子座りをする難波さんが唇を尖らせて不満そうにぼやく。

 

「そうかなぁ」

 

「そうだよ。お母さんにお弁当作ってもらえるのって、実家に居て学生の間だけなんだよ?」

 

「でもそのお弁当はジルとグジルのだよね?」

 

「そうそう! 美味しいよね二人の作ったお弁当!」

 

「んー、まぁ、安心感はあるな」

 

にかっ、と、悪びれもせず今日の登校時に渡された弁当を見せびらかす難波さん。

因みに内容は俺の弁当とは異なり、比較的簡易なレシピのものが詰め込まれている。

……今朝、家に来た難波さんが何の疑問も抱かずに『ふたりともありがとー!』って言って受け取ったかと思ったらそのまま家に引きずり込まれ、グジルが『ちょっと話あるから交路は先に行っててな』と言い残して玄関を閉じられた時は何事かと思ったが。

今朝に少しだけ遅れて教室にやってきた難波さんのげっそり具合を見るに、登校前に料理のレクチャーを受けてきたらしい。

見れば、お弁当箱の下にレシピメモらしきものが挟み込まれている。

レシピメモであって決してマクドとかミスドとかで貰える紙ナプキンではないので広げた弁当の下敷きにしてはいけない。

下敷きにしてはいけないんだって。

 

「し、しないよぉ。気付いてたってばぁ」

 

と、言いつつ、今気付いたとしか思えない僅かな驚きの表情でメモを凝視し、しょんぼりと落ち込みながらポケットに仕舞う難波さん。

 

「特にグジルちゃんが厳しいんだけどさ。ジルちゃんがね……?」

 

「更に厳しい?」

 

「逆、めっちゃ優しい。幼児に教えてるのかってレベルで優しくしてくれるの逆にしんどい。めっちゃ反省する」

 

反省した結果がレシピメモを広げた弁当の下敷きにするという行為なのだけれど。

おかしい、ベルトは正常に作動しているし、難波さんの学力も確かに向上している。

戦闘技能に関しても問題なく学べているのに、なぜこういう方面では学習能力が低下しているように見えるのか。

 

「そんなジルちゃんグジルちゃんに言われて、ってわけでもないんだけど……はい」

 

「はい」

 

と、可愛らしくラッピングされた小さな箱を手渡しされる。

 

「これはチョコ?」

 

「バレンタインデーだから」

 

「ありがとう。でも、俺はてっきり……いや、やめとこう」

 

今日、勉強会で家に来て、何時ものやつの時に服を脱いだら身体にリボンが巻いてある、くらいのハチャメチャが押し寄せてくる覚悟はしていたのだけど。

 

「うん、私もたぶん今交路くんが想像したのをやろうとしたけど……」

 

「したのか……」

 

「グジルちゃんに事前に見透かされて、電話口でこんこんと説教を食らっちゃって」

 

「あいつ地味に道徳あるよね」

 

「いや、ジルちゃんが真似するからって」

 

「あー」

 

するタイミングに至れば大体全部脱いでる訳だし、単純に枚数換算だと一枚増えてると言えなくも無いとは思うが。

たぶん、品性の問題だろうな。

あいつ、基本にグロンギの常識があるから、わりとリントの現代常識と道徳をきっちり捉えてたりするし。

ジルに対してやや保護者感あるのもそうだけど、ジルを言い訳に難波さんの品性が下がるのを防止したかったというのもあるのだろう。

 

「まぁ、今日はちょっと帰ってから遠出するからどっちにしても勉強会はできないからね。それもあると思うよ」

 

「そうなんだ……」

 

「チョコフォンデュとかはちょっとするけど、一緒に食べる?」

 

「う、ん、それも良いんだけど、あの、ほら……バレンタインでしょ?」

 

「うん」

 

頷きに、もじもじと身体をよじりながら、小さく。

 

「……チョコもいいけど私を食べて、みたいな……」

 

「それ平日と変わりないよね?」

 

「だから、ほら」

 

と、髪の毛を指し示す。

何時もは付けていない、普段なら少し可愛目の装飾が付いた小さな髪留めで止めている髪が、生活指導に引っかからない程度の地味目のデザインのリボンに差し替えられている。

 

「ちょっとだけ、ラッピング」

 

す、と、距離を詰めて身体を擦り寄せる。

 

「学校だよ?」

 

「人目は無いもん」

 

身を寄せるというより、懐に潜り込む様に。

 

「……駄目かな」

 

上気した頬、悩ましげに寄せられた眉、潤む瞳で此方を見上げる。

吐息が掛かるような距離だ。

見てみぬふりをしていたけど、さっきから徐々に難波さんの体温が上がっているのが視えていた。

……もしかしなくても、最初からしようと思っていたな。

 

「駄目じゃないけど……いけない娘だね、難波さんは」

 

懐に居る難波さんの制服の隙間から手を差し込む。

二月の寒空の下とは思えない程にその身体は暖かく、触れる肌からは激しく脈打つ鼓動が伝わってくる。

ぷちぷちとボタンを外して行く間に、難波さんの顔が近付き、熱い吐息が顔に、そして、唇が重なる。

どちらともなく舌を差し込み合い、昼食の代わりと言わんばかりに貪り合う。

唇を離すと、難波さんの唇が名残を惜しむ様に此方の唇を数度柔らかく喰み、難波さんの方から離してくれる頃には、酸欠の様にその吐息は荒く、熱くなっていた。

 

「知ってる……。だから、いっぱい、いっぱい、おかしくなるくらい、おしおきして?」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「やいドスケベ。私とジルの特製弁当はスタミナ満点で真っ昼間から夜の大運動会が捗ったってか? あん?」

 

「ご、ごめんて……」

 

「一応交路も学校では不必要に騒ぎ立てられない様に気を使ってるって知ってるよなぁ?」

 

「だって、せっかくのバレンタインだし……」

 

「バレンタインはバレンタインでクリスマスの夜じゃねーの! 学校の屋上もセックスしないと出られない部屋じゃねーんだよ!」

 

「ひゃい……」

 

「交路もだぞ。学校じゃ優等生で通すんだろ? 誘惑されたからってソッコで流されんな!」

 

「返す言葉も無い……」

 

難波さんを伴い帰宅し、最初は和やかな雰囲気でチョコフォンデュを楽しんでいたが、昼食の感想を求められた難波さんがキョドり出してしまい、最終的には午後の授業ぶっちぎりで帰りのホームルーム直前までまぐわっていた事を白状させられてしまった。

まぁ、説教を受けるのも仕方が無いと思うのでフォローも俺自身の言い訳もしない。

普段なら俺も難波さんが学校でああいう挙動をしてもやんわりと放課後にねと言い渡してそれまでは我慢して貰うようにしているのだけれど。

なぜ乗ったかって言われたら、バレンタインだからなとしか答えられない辺り本当に面目ない。

一応、学校外からの視線は屋上の柵上に光学迷彩持ちの疑似ミラモンを展開して普段どおりの屋上に見えるようにしていたから大丈夫だとは思うが。

……恋人関係にあるという設定の男女が昼休みから二人揃って無断欠席とか、指導してくれと言っている様なものだ。

 

「私がとやかくいう話でもねーけども。気をつけろよな」

 

「はい……」

 

「すまん」

 

と、しょぼくれる難波さんと俺を横目に、ジルはのんきにイチゴをチョコに付けて遊んでいる。

最初はモーフィングパワーの訓練という名目で通常の溶けたチョコではありえない量のチョコを付けていたりして遊んでいたのだが、最終的に自然にくっつく量が適量であると判断したのか、普通に食べている。

夕食前なのでそんなたくさん食べるのも問題なのだが、まぁ、そこらへんは俺より余程わかっているだろうし。

 

「そんで、交路はそろそろ行かんでいいの? あんま遅くだとまずいんだろ?」

 

「あー、まぁ、夕食の後でいいかな。微妙な時間帯だし」

 

「そういえば、どこ行くの?」

 

「ちょっと、東京にね」

 

目的地を告げると、難波さんの手が、がしっ、と俺の手を掴んだ。

 

「何?」

 

「あ、いや、えーっと……何しに行くのかなって」

 

「東京に居るきれいなお姉さんに会いに行くのかって心配してんだよ、難波は」

 

『ええいい』

 

「グジルちゃん!ジルちゃぁん!?」

 

ジルが意外と辛辣だ。

が、別に目的はイクサの人からの義理チョコという訳ではない。

無論、わざわざ東京に跳ぶのだから、それもほしいと言えばほしいのだが。

義理チョコを強請りにわざわざ東京くんだりにまで足を運ぶ、というのは明らかに異常だ。

そもそも、即日に貰う事に拘らなければ、後日貰える予定は立っているのだ。

メールで今週末に家に来ないかと誘われているし、その時にチョコを振る舞ってもらえるのは確定している。

無論、今日に東京に行くのだからついでに、という気持ちが無いでもないが……。

 

「東京には二十二号として行くからね、俺個人の用事はこなせないのだ」

 

―――――――――――――――――――

 

 

実のところをいえば、東京は経由地でしかない。

本当の目的地は他にあり、今は東京の夜景を眺めながら、現地の安全確認を行っている所だ。

 

「ふむ……まぁ、ヨシとしておこう」

 

事前に現地にまでミラーワールド経由で送り出していたロードインパルスから送信されてきたデータによれば、少なくとも俺が保有するセンサーの類に引っかかる程度の脅威は見当たらないらしい。

俺の超感覚とロードインパルスの捕捉している標的の座標は一致している。

あとは転移で向かうのみ。

 

「うん、うん……テステス、あめんぼあかいなあいうえお」

 

思わず発声練習をしてしまう。

最初に会った時は、今より余裕が無く張り詰めていたから気にならなかったが。

改めて思うと少し緊張するものだ。

だが、うん。

少しだけ余裕ができた今、俺がここまでやってこれたお礼をするのが筋というものだ。

行こう。

 

―――――――――――――――――――

 

ばち、と、その場では鳴り得ない異音が響く。

規模の小さい雷鳴の音、放電音と共に現れたのは、小さな、人一人がすっぽりと収まるようなサイズの雷雲に似た何か。

自分と移動用に拝借した馬を除けば誰も居ない草原で突如として起きた怪現象に、無精髭を伸ばした男が、火にかけていた鍋もそのままに身構える。

 

「お食事中に失礼!」

 

快活ですらある声と共に、小さな雷雲が晴れる。

中から現れたのは、マントにも見える孔雀の羽に似た装飾をはためかせた、頭部には金眼、六本の金の角を頂く、白い異形。

暗がりでシルエットだけを見れば、或いは一昨年に九郎ヶ岳遺跡で考古学チームを虐殺した未確認生命体第0号にも見えるだろうか。

だが、夕日の沈みかけた薄暗がりの中、鍋を熱する焚き火の光を打ち消すほどに鮮明に眼を輝かせている為か、その姿を他の何かに見間違える事は無いだろう。

その姿は、色彩と全身の装甲の意匠を除けば、身構える男の変化する姿に非常に酷似している。

無精髭に、ファッションで伸ばしていると言い切れなくなってしまった蓬髪の男は、その姿に呆けるように口を開き、しばしの後に、言葉を紡いだ。

 

「君は、二十二号?」

 

「はい! お久しぶりです、五代さん!」

 

ハキハキと、見えもしない仮面の下が笑顔であると思わず思ってしまうほどに楽しげな二十二号の返答に対して、蓬髪の男──五代雄介は、未だ困惑から抜け出せずに居た。

何故ここに?

その姿は?

何より、一度の会話のみだったが、当時に比べて明らかに喋り方が違う。

無闇矢鱈と明るい。

陰鬱さすら感じた当時の喋りを知っている身からすれば何事かと思う。

無論、それ自体は喜ぶべきことなのだけれど。

 

「ではこれ、お届け物です!」

 

「え、え?」

 

ダァンッ!

と、勢いよく二十二号が五代の目の前にダンボールを置く。

 

「妹さんとか警察の皆さんとか、あと恩師の先生とか、そのへんから集めてきた贈り物です! お手紙とかチョコとかいっぱいありますよ!」

 

「手紙、チョコ……あ、そっか」

 

「そうです! メリーバレンタイン!」

 

両手を広げて祝福するように告げる二十二号。

日本で、ポレポレでバイトをしている時は祭日や祝日を意識していたが、最近の旅の中ではそういったものを意識する事は少なくなっていた。

それは、時間間隔を忘れされるような広大な自然の中に居たというのもあるし、端的に言って、心が磨り減っていたというのもあるかもしれない。

 

「では俺はこれで帰りますね! 今これちょっと密入国なので!」

 

「えっ!? もう?!」

 

ふわ、と、羽ばたきも何も無く宙に浮かぶ二十二号に驚きの声をかける。

 

「ええ! 明日も学校がありますので! 五代さんも、そのうちまた日本に戻ってきて下さいね! 楽しい土産話と、()()()()()と一緒に!」

 

どきり、とした。

今、自分がどんな状況にあり、どんな精神状態にあるのか。

それを見透かされているようで。

しかし、直接的に触れる事は無い言い方は、二十二号なりの気遣いなのか。

 

「あ……、ありがとう!」

 

そう告げる五代は、笑顔を上手く返せている自信が無かった。

サムズアップを作ろうとした手は半端に握られたまま。

だが、

 

()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

空から、二十二号がサムズアップを向ける。

声は自信に満ち、しかし、言葉の内容がどういう意味かはわからない。

自分は、頼られた時に力を貸せなかった。

彼が望む笑顔はまだ上手く作れない。

しかし。

向けられたサムズアップに、反射的に、握りかけの手は、サムズアップを作った。

 

小さな雷雲の中に二十二号が消えていく。

後にはまた、荒涼たる草原と、沈みきっていない太陽。

僅か数分にも、或いは一分にも満たなかったかもしれない二度目の邂逅。

ともすれば、心を病んだ自分の生み出した幻だったのか。

そんな疑問は、目の前に置かれた大きなダンボールが否定してくれる。

 

「そっか。……元気で、やってるんだね」

 

謎が多い、いや、謎ばかりの二十二号と自分の関わりは少ない。

今回も慌ただしく、なぜ態々これを届けてくれたかもわからない。

しばし見送った後、座り込み、ダンボールの中を確認する五代の顔には、ぎこちない、薄っすらとした微笑みが浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 





ハロウィンならトリックオアトリートでしょ?
クリスマスならクリスマスらしい行事するでしょ?
初詣なら参拝おみくじ晴れ着に甘酒
……バレンタインって、贈り物をあげるあげない以上のイベントある?
SSでバレンタインネタって意外と難しいんだなって思い知った話でした


☆実際問題五代さんには感謝してもしきれない大恩があるので、折を見てこの様に感謝していくのもやぶさかではないけど海外は怖いので速攻で行って帰ってくる久しぶりの二十二号変身体描写
何が恩があるって
そもそも仮面ライダークウガという作品に触れてライダーにハマってライダーを見続けていなければ、何に気付くことも無くあっさりマラークに殺されていただろうし父親の安全も危うかったりジルグジル難波さんとの出会いも無かったのだという事実
この世界での危機を知識として知る最初の切っ掛けが五代雄介こと仮面ライダークウガである事を考えると返そうにも返しきれない恩があると言っても過言ではない
まぁ実はブラックとかも本放送じゃなくてビデオとかで見てたからクウガ見て無くてもちょいちょいチェックした可能性はあるのだけど
でも当時のメタルヒーローからビーロボテツワン探偵ロボコンってなってた世代に叩きつけられたクウガという衝撃を考えればあなた
まぁビーロボカブタックもテツワン探偵ロボタックも良い作品ではあるんだけども
うわー装甲めっちゃ黒ずんでるハイターに漬けこまなきゃってなって急遽バレンタインにかこつけて五代さんの関係者の元に突如として現れて今回の企画への参加を募った
警察関係者ならともかく、突如として目の前にグロンギハンターのパワーアップバージョンみたいなのが現れた妹さんと恩師の先生の心境はいかなるものであったかは知らない
聖なる泉にポンプ車で水を注ぐんだよぉ!ついでに入浴剤とか入れておこうね!
だからといって海外に長期滞在はしたくないのでそっこで帰った
転移先はミラーワールドでロードインパルスを捕まえて一緒に転移して無事に帰国
仮に五代さんの現在地が都心部であったら悪の組織の介入を恐れて手紙を添えてダンボールだけバーンッ!と送りつけられた

☆外観はまぁ普段のオダギリさんみたいな感じでなおかつ元気が無さそうな療養中かつ精神すり減らし中の五代さん
行く先々で海外製悪の組織怪人とか野良オルフェノクとかとの戦いを繰り広げて、逃げたりすると他の人に被害がでるかもしれないからと戦って心を痛めてしまう難儀な人
まあほっといても精神完治までの期間が大幅に伸びる程度で済んでたんだけど、日本に居る知人からのおてまみとかチョコとかでまぁまぁ漂白されたぞ
ただもう少し精神状態が落ち込んでたりすると明らかに人間ベースと思しき怪人とかオルフェノクとかを殺し続けてしまっていることへの自己嫌悪とかが知人友人家族からの心配とか現状報告のおてまみと化学反応を起こして余計黒くなったりした
主人公が恩人とある意味初めてシラフであう緊張をごまかす為にハイテンションで望んだのが功を奏したのかもしれない

☆計画の事は事前に知らされていたけどあんまり興味はなかったジル&グジル
すげー爆殺使いらしいけど、話したことも戦った事もないし……
それより難波ぁ!
あと交路もぉ!
ツッコミ役に回ったりするのは、海外の人が日本語を学ぶと日本人よりきれいな日本語になりがちなのと同じく、教える側よりも現代リントの常識を綺麗に運用できているから
でも学校で制服エッチってのはちょっと面白そうだなと、交路と難波の通う学校の制服を自作し始めたりする
実は中学生時代の制服は主人公の中学校の卒業アルバム、そして制服を売っている百貨店に展示されているサンプルを手本に作成済み
見た目がわがままボデイなのを除けばロウ寄りのミドルティーンくらいなのは言っていただろうか
TPOを弁えればええねん

☆ぁ!
スケベ担当のドスケベ
チョコは一応手作りだぞ!
自分ラッピングに関してはチョーカーとどっちにするか迷った上で、恐らく生活指導にばれないギリギリのラインがここだろうと髪飾りに落ち着く
バレンタインを口実についに学校で互いに制服のまま授業をぶっちして致してしまう
他の生徒さん達が真面目に授業を受けてる中で光学迷彩で外から見えないのを良いことにフェンスにしがみついた状態で後ろから責められて
やだ、みんなに、見られちゃう……!
みたいな事を嬉々としてしてた
ほんとはここにカットしたスケベシーンでも書こうと思ったけど
後半で真面目なパート挟んだせいでエロ文章が浮かばなくなってしまった
結果として難波さんの出番も減る
残念無念
難波さんの出番はともかく、スケベシーンは書きたかったのに……

☆前回あとがきで書いた投函された謎のチョコ
五代さんの話を入れる事を思いついた時点でカットされた
このフラグが回収されると555編がややこしくなり
回収されず無視されると書くのがだいぶ楽になる
たぶん回収されない
殺す用のオリキャラというのはモラルがハザードしてしまうからね
だから雑プロットを投げ捨ててガソリンかけて火をつけて水子供養するのだ
作中では二回くらいしか言及されてない中学時代の後輩の剣道部ちゃんがオルフェノクになってて
主人公の高校には学力の関係でいけなかったんだけど
オルフェノクの王(二十二号の事をそう誤認してる)が選別を始める前に主人公をオルフェノクに引き込む為にあれこれしようと画策
で、地域の子供会とかで事前に偶然知り合ってた難波さんが、たぶんそれがバレたら主人公は割とためらいなく殺しちゃうだろうと思って引き離そうとするんだけど
割と親切だった先輩である難波が憧れの人である主人公の恋人(誤解)をしていると知って好意が反転
「私の方が、先に好きになったのに!」
って言ってオルフェノクの凶暴性から襲いかかってくるんだけど
何やかやアメイジングにまでなっててアギトとしても結構進化してて、挙げ句特製カードデッキで武装した難波さんに勝てず
殺される事で難波さんを曇らせる、みたいな話を作ろうとしてました
書かない理由はもうほんとにオリキャラがオリキャラを巡って殺し合いをするだけで原作の影も形も無いのと、ほぼオリジナルシナリオになるから書くのが難しく書いてても途中で飽きるだろうなという予想から
はい、これで少なくともこのプロットでの登場はなくなりました!終了!
オリキャラの差配はまだイクサのお姉さんの方すら終わってないんだから増やせる訳がないのだ

☆年上のきれいなおねえさん
平日だからチョコは渡せないけど、なついてるから欲しがるだろうなーと、休みに一緒に遊ぶ約束を結ぶ次いでにチョコもあげよう、みたいな事をメールで匂わせた
小悪魔系かな?
ちゃくちゃくと信頼を積み上げて年下のかわいい男の子、みたいに思わせたところでそれを全てぶっちぎって種付けプレスされる展開を入れる事ができると思うと心が躍るな!
新しい雨具を試したくて早く雨がふらないかなと待ち遠しい気分になっていた子供の頃を思い出す


なんやお前オリヒロとオリ主の絡みとか二次創作してる自覚あんのか、みたいに思われるかもしれない
でも実は原作絡めた話を書くほうが割と種が多い分楽だったりするんですよね……
しかもこの話を書いてる間に思いついてた原作ネタを元にした話とかも忘れちゃったりするし
まぁ今回の幕間は期間こそ長いけどそんなに書きたいネタが積もってる訳じゃないから長引かないとは思います
ついでに質問なんですけど、乾巧が東京のコーヒーショップで働いていた正確な時期ってわかります?
作中で描写が無いなら、この幕間の間に乾巧を東京の喫茶店にポップさせられるんですが……
乾巧に事前に友好関係を結んでいにゅい呼びしてやめろって言わせたい
あぁ^~
ヨシ!
あ、因みに555編はとある問題から速攻でスマブレを殲滅するルートが取れないという問題点があるんですが
逆に崩しても問題ない部分はガシガシ崩していくので原作のメンバーがそもそも出会って共同生活しない、という可能性が十分あります
555編はそこらを留意していただければ
そして、もう少しだけ続く幕間に関しても、気長に次回更新をお待ち下さい

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