オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

82 / 206
運営様から警告が出てしまったので指摘された部分はエロ小説送りとなりました
何がいけなかったんでしょうね……?


81 朝が来て、夜が来て、朝が来て ※前半カット版

 

 

 

 

 

 

 

 

……ふぅ。

スッキリした。

そして、無事、イクサの人──なごみさんは体力を使い果たし、見事に気絶してくれた。

今は身体を綺麗に拭いた上で、本来なら俺が使う筈だった来客用の布団に寝かしてある。

それなりに広いマンションであるからか来客用の部屋もあったのでそちらに敷いてあり、結果的にイクサシステムとは距離を引き離す事ができている。

あとは、五感を研ぎ澄ませて、なごみさんが起きるかどうか、という状況を見極めながら、イクサシステムの解析に取り掛かるだけだ。

それ専用の機材が必要なものではあるが、それらは全てこの場で制作したので何一つ問題は無い。

 

セキュリティもクソも無い、鍵すらついていない輸送用のアタッシュケースを開けて、取り出したイクサナックルとイクサベルトをとりあえず分解していく。

普段から分解整備が専門のチームによって行われているのか、構造として頑丈だが、パーツごとに分解していくのは容易な作りになっている。

というか……構造自体は割と単純というか、部品点数はそれほど多くない。

元が軍事兵器であるからか、野蛮な使い方でも壊れにくい様に作ってあるのかもしれない。

イクサナックルやベルトが割と外れるイメージがあるのも、恐らく外れない事で衝撃が逃げずにそのまま壊れるよりも、装着者とデバイスが破損しない、という点を重視したからだろう。

電子部品に関しても、端子が専用のものだったりする訳でもない。

整備の簡略化を目指しているのだろう。

ありがたい話だ。

これならそう時間を掛けずに解析が完了する筈だ。

こうして、対ファンガイア用のシステムも無事に手に入る訳だ。

 

訳だが……。

 

―――――――――――――――――――

 

振り返り、なごみさんの眠るマンションを見上げる。

たぶん、もうここに来る事はなくなるだろう。

なごみさんとて、親切心で家に泊まらせた少年に数日掛けてめちゃくちゃにされたのだ。

これに懲りて下手な相手を家に上げようだなどと思わないだろうし、下手人である俺を再び家に上げようなんて事は絶対に無い筈だ。

行為の最中に保険として何枚か写真を撮りはしたので、脅すまでもなく拡散を恐れて警察に言うことはないと思うが……。

元通りの関係にはならないだろう。

それこそ、次に会ったら出会い頭にその生命を神に返せとか言われかねないしなんなら変身して襲いかかってきてもおかしくはない。

 

俺はそれだけのことをした。

別に、今更残虐行為の類に忌避感を覚える訳ではないが、罪悪感はある。

なにせ、相手は何の落ち度もない、罪もない、善良な一般戦士なのだ。

彼女は俺にこんな事をされる謂れは一つもない。

ともすれば、肩を並べて戦えたかもしれない、信頼できる共闘者になれたかもしれない相手だ。

それを、ファンガイアへの明確なアンチシステム欲しさに、そして、それを言い訳に自分の欲望を満たす為に襲ったのだ。

それは、絶対に許されざる行為と言える。

何の正当性も無い、完全なただの罪だ。

 

無論、裁かれるつもりは一切無い。

俺は何があろうと、何をしようと幸せに生き延びると決めている。

だからこそ、度し難い。

罪であるという自覚はある。

裁かれるべきだとも思う。

だが、俺はそれを受け入れる事ができないし、できるようになろうとも思わない。

そういう人間なのだ、俺は。

 

それを、なごみさんも今回の事で思い知った筈だ。

少なくとも、あちらから接触してこようとは思わないだろう。

それで、俺が連絡をしなければ、完全に関係は途絶える。

それで終わりだ。

 

あー。

やってしまった。

もう少しやりようはあった気もする。

なごみさんが欲しかったのだとしても、だ。

焦る様に、ベルトを言い訳に押し倒す事は本当に必要だったのだろうか。

いや、そうではない。

今からでもタイムベントで時を巻き戻すべきですらある。

 

……だとしても、それをするべきではないし、する意味はない。

俺は今回、ここに至るまで考えて行動した。

デメリットも何も考えた上で、だ。

なら、ここで巻き戻しが行えたとして、結果は必ずここに収束する、気がする。

早急に必要とも言えない様なシステムを言い訳にしたのだ。

他の言い訳など幾らも生えてくる。

 

駄目だ。

本当に久しぶりの賢者モードだ。

ベルトの制御によるものでない天然の賢者モード。

考えても考えても悪い方向に向く気がする。

明確に悪いことをしたのだから当然だけれども。

 

帰ろう。

帰って寝て、なごみさんにごめんなさいのメールでも打って、潔くメアドも消して、それで終わり。

起きたら、また、未来への対策だ。

 

―――――――――――――――――――

 

とぼとぼと、どこか寂しげに去っていく後ろ姿を、なごみはマンションの窓から眺めていた。

 

「なによ……」

 

今更そんな態度を取ったところで、何も変わりはしないというのに。

自分を、自分が居る部屋を見上げる、少し悲しそうな顔。

それを見てしまえば、元から有ったか無かったかもわからないような怒りは、すっかり消沈してしまった。

 

「……私だって、どういう顔すればいいか、わかんないのに」

 

初めに驚き、焦り、申し訳無さ、羞恥、怒り。

最後には全部受け入れてしまって。

でもそれは、あの少年の罪を咎める機会を捨ててしまったも同義で。

善因には善果が、悪因には悪果あるべし。

だけど、それは罪を暴き訴える者が居てこそ成り立つものだ。

それを行うべきなごみは既に、いや、或いは最初から、半ば受け入れてしまっていたのだから。

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

なんやかんやと罪を犯し、それから逃れようとも、自覚がある限り逃れる事は難しい。

裁かれでもすれば多少は気も晴れるのだろうが、裁きとは楽になる為に下されるものではないだろう。

だから、裁きは俺が望んで受けるべきものではなく、俺の意識の外から、俺以外の意思で行われるべきだ。

だから、俺にできるのは別の事。

それはなにか。

 

そうだね、あらゆる手を尽くして人類の自由と平和を多少なりとも守ることだね。

 

これは本来の、俺の幸せに生きるという目的と重なるところがある。

だから、もともとの活動方針を変えずに生きていけば、そのまま多少は罪滅ぼしができる、という寸法な訳だ。

自由と平和とは具体的に何を指すのか、というのは曖昧なところではある。

だが、敵性種族にある日突然殺されてしまう、というのは、明らかに自由でも平和でもないだろう。

それは恐怖に怯えるという不自由であり、命を無闇に脅かされるのは平和とは呼べないからだ。

 

だからヘキサギアは延々ミラーワールドでもこちらの世界でも増産を続けるし、捕獲した悪質なオルフェノクはこれまた増やしてヘキサギアに搭載し、アギト化することでヘキサギアをゾイドにもしたりする。

人間大の不幸を体現した様な怪人たちだけではない。

この世界、ライダーの世界であっても、巨大な敵というのは存在するし、隕石の様な耐え難い自然からの危機も存在している。

それらを相手取るのに、やはりデスザウラー級の増産を避けるのは難しく、開発凍結していた量産性を増したジェノザウラーシリーズや一騎当千のデススティンガータイプだって作るべきだと思っている。

数を揃え、規模を拡大し続ければ、地球に落ちてくる隕石を迎撃して無害化する事もできるだろう。

 

そしてなにより、自身の強化だ。

正体をバラしたくない、二十二号という危険生物であると知られて日常生活に支障をきたしたくない、という思いと、死にたくないという素直な心の両立。

それは、やはり自力を限りなく強化し続ける事で解消されるのである。

 

やはり、力。

暴力こそが全てを解決する。

それこそがこの世の中の決して揺らぐことのない真実。

 

そして、暴力は単独で成立する場合と、他者と協力する事で力を発揮する場合が存在する。

これは仲間を作れ、という話ではない。

一緒に敵を殴れる相手を作れ、という話だ。

これは意味が同じようでまるで違う。

 

仲間、というのは、例えば五代さんと一条さんの様な仲で、或いは津上翔一と葦原さんみたいなもの。

一緒に敵を殴れる相手というのは仲間も含みはするが、それより条件はもっとゆるい。

敵であるオルフェノクを前にした時の草加といにゅいのような、殺伐としながらも成立するものを指す。

 

つまり、最低限敵ではないし、倒すべき相手も同じだな、と、そう思わせる事ができて此方もそう思う事ができる相手が欲しい訳だ。

そういう意味では警察の一部なり葦原さんなりが含まれるようだが、そうではない。

 

普段使いの変身、ミラーワールドの技術を使い変身する疑似ライダー陽炎には、そういった最低限の面識のある相手がそもそも存在しないのだ(ホモは除く)。

ユナイトベント後でもギリギリダークヒーローで通じる程度のフォルムはしているつもりなので、一度顔をつなげてしまえば難しい話ではないと思うのだが。

ままならないものだ。

 

ままならない、という意味で言えば、カフェ・マル・ダムールもそうだろう。

なごみさんとの接触を避ける、という一点で見れば、もうあのお店は完全に出禁と言っても過言ではない。

実際、コーヒーの味だって、本当に完全にわからない訳じゃないのだ。

店に行く度に違うコーヒーを頼んだりしてちょっと理解のとっかかりが掴めそうな感触も出てきたし、なんなら怯えながらでも撫でさせてくれる犬も可愛かったし、店長も気さくな人で色々な私生活の相談に乗ってくれたりで、良い店である事は間違いなかった。

あそこにもう行けない、というのは、地味に痛い。

正直もう、東京に来てもあの店でくつろげない、というのは、悲しいまである。

そりゃ、ポレポレだってあるし、なんとなれば他に良い店は探せば腐るほどあるんだろうけれども。

行きつけの店を実質失ってしまう、というのは、やはり辛い。

悪いことはするものじゃないね。

 

そんな事を考えながら、先日なごみさんと入ったコーヒーショップに足を踏み入れる。

ここはある意味安全地帯だ。

何しろ俺と一緒に行った店だ。

なごみさんなどは警戒して足を運ぼうともしないだろう。

今日はここで無茶振りを店員さんにして遊ぼう。

失恋に効くコーヒーありますか、とか、ベルリン風ブンチャー下さい、とか。

そして断られたら暴れる事もなく精一杯悲しそうな顔をした上で、諦めたようにメニューの一番上あたりから適当に頼んで、背中を丸めて憂鬱そうに溜息を吐きながらそれをもそもそと消化するんだ。

最後には『ごちそうさま、おいしかったです……』って消え入りそうな声で告げて去っていくんだ。

店員のリアクションを存分に観察してやろう。

どうせそんなに人も入ってない店だからな。

来年には店たたむって言うし。

多少好き勝手しても問題無いやろ。

想像したらなんか楽しくなってきた。

行こう、行こう。

 

と、意気揚々と店に入ってみれば、何やら店員が居ない。

店の奥から複数人の声が聞こえてくる。

ドアベルが鳴ったのだから誰か出てこいとは思うが、どうにも深刻な話をしているらしい。

店の売上と実際の資金に大幅な食い違いが見つかったのだという。

有り体に言えば、明らかに金が足りず、誰かに盗まれたのかもしれない、と。

 

……お客に聞こえるような音量でする話かなそれ。

そんなんだから店たたまないといけなくなるんだよ(無慈悲)。

せっかく砂糖壺全部使い切ってコーヒー飲もうとしてたってのに、気分が台無しだ。

許されざる事だよこれは。

店員で遊ぶんじゃなくて、まぁまぁマシっぽさそうなメニューでも食べないと気がすまない。

 

「すいませーん! お客でーす!」

 

カウンターをこんこんと叩きながら店の奥に呼びかける。

呼びかけに応じる様に出てきたのは、髪を南斗出身のアイドルユニットの如く伸ばした無愛想な男。

 

「ご注文は」

 

接客業が特別向いてないとしか思えないぶっきらぼうな口調。

初めて耳にする、しかし、本当に久しぶりに聞く声に、思わず浮かびそうになる笑みを押し殺し。

 

「バナナサンデーとガトーミルフィーユ、セイロンティーもセットで」

 

「バナナサンデーに、ガトーミルフィーユ、セイロンティー……」

 

「メモって下さって大丈夫ですよ」

 

「いらねーよ、別に」

 

舌打ちをしていないのが奇跡かと思える程の不機嫌そうな顔つきで、踵を返して去っていく。

記憶力に自信ニキなのかもしれない。

お店の奥から店長に向けて言っているメニューが微妙に違っている事からあるのは自信だけで記憶力は無いのだろうが……。

まあ、メニュー表に書いてないやつだから正確に伝えても意味無いんだけどな!

実際メニューに乗っているのはスタンダードなコーヒーショップという感じで、甘味はケーキが辛うじて数種類、というところか。

コーヒーメニューは充実しているだけに、昔気質とかそういう感じの店なのかもしれない。

うちはコーヒー一本で勝負、みたいな。

嫌いではない。

 

が、何の後ろ盾もない弱小店舗が新しい社会の波に乗り遅れてしまえば、後は淘汰されて消えるのみ。

店の奥で何か揉めてる連中も店長も、早いところ新しい勤め先を探すなり経営方針を変えるなりするのが懸命だろう。

実際、この店も来年まで持つか怪しいものだ。

次に何時来るか、それとも二度と来ないかはしれないが、これが正真正銘このお店で注文する最後のメニューになるかもしれない。

店の奥から肩を怒らせて歩いてくる先の無愛想な店員の気配を感じながら、実際のメニューから注文する品を吟味する事にしよう。

 

 

 

 

 

 

 




乗りに乗ってるので本日三度目の初投稿です(クロックオーバー)

でも考えても見て下さい
冒頭、主人公とイクサの人が何をしていたっていうんです
中だの内臓だの体液だのと言っていますが、結局のところ、ナニをどうしたと具体的に明言はしていないじゃあないですか
冒頭のやりとりはけっして嫌らしいものとかいかがわしいものとかではないのです
ではナニをしていたかって?
ポーカーですよ(アルカイックスマイル)
はいQED
これがいわゆる規制ポーカーっつってな
???????????????????
そういう訳で健全で不自然も一切無い全年齢回でした


※追記
全年齢は許されなかったのでどうにか規制を乗り越えようとした部分はR18送りとなりました
ギリギリのラインは難しい


☆はい、そういう訳でやるだけやって勝手に後悔して離れていくマンちゃんです!
メンがヘラってるめんどくさいやつ
現実に憧れの女性を目的の為という名目で無理矢理やってしまったら、最後の方ハートマーク飛んでたから和漢じゃろ、とは思いきれないものではないだろうか
後悔するくらいならやるなよ、という意見もあるだろうが後に悔やむから後悔だし、なんなら何らかの不慮の事故で自分なり相手なりが知らぬ間に死ぬ事を考えると色々としたいことは前倒しにしていきがち
そういうのを避ける為の普段の備えだけど、万全という訳ではないからね
相手は魔石の戦士でも無いから老いる訳だし

☆目が覚めてから、三日くらいぶっ続けでやった事に驚きつつも、いきなり襲いかかってきた事に少し説教しつつも無防備過ぎた自分にも非はあると思うのでげんこつ一発でチャラにしてあげようと思ったら既に相手は居なく、部屋も綺麗に掃除され……
みたいな感じで何事かと考えてたら外で淋しげに自分の部屋を見上げるその相手を見つけた時の気持ち考えたことある?
なお三日三晩ぶっ続けでしてた割に身体の調子が以前より良いしなんなら気持ち若返ったんじゃない?ってくらい身体の調子も良い
二十歳くらいの頃の肉体年齢に戻ったみたいだ!
不思議
でも許せねぇよなぁ!
ここで離れるがままに関係を絶ってしまったら、あ、イクサ装着者の名が廃るってぇもんよ!
なんならこいつ主人公の家だって知ってるから押しかける事もできる
いいよ……お前もう準レギュラーになるしかないから……!
まぁ社会人としての生活もあるからそんなに頻繁には出ない筈

☆無愛想な店員
注文はメニューに書いてあるやつだけにしろ
みたいな客に対するものではないけどまぁまぁ口が悪いだけのテンションに収まる
仲良くなれば激高させたりできるかもだけどどうするかは未定なのだ
流星塾襲撃までに交流度を稼いでプレイヤー側ユニットとして加入させたい


オリ主とオリヒロの絡みしかない話に原作主人公の一人をぶちこんでいるので、順当に行けばマイルドさは昔書いてた処女作を越える出来になるハズ!
中和されて消滅したので次回はまっとうなライダー回を書きたい
原作勢も出していきたいよね……
ふと思うにこの状況から朱鬼さんのとこに取引材料抱えて弟子入りしに行ったら次の標的をロックオンしたようにしか見えないわ
でも原作で明確に顔が出てる人はヒロインにしない縛りもあるのでそれは無い
中身は完全お婆ちゃんらしいしね……
まぁ何にしてもイクサのお姉さん三部作みたいな三話だったので、暫くはちゃんとライダーを振り返っていきたいところ
どうなるかはどういう話を思いつくかによるんですけどもね
現状掘り下げられるのは平行世界ではないとしてもギリギリ成り立つ劇場版を消化していく
555✗、剣✗、響鬼ギリギリ○、カブト✗、電王別の理由で✗、キバ○
……実質二択じゃねーか!
でもカブトは劇場版とTV版の世界線の違いから来る齟齬をネタにできるし、できることはまだまだあるかな
剣なんかはもうぼちぼちトラブルが起き始めてるころかな?
響鬼なんかは実質フリーシナリオみたいなとこあるし
新宿地下に幽閉されてる実験体くんに会いに行くツアーもあるでよ
ライダー統合世界は広大だわ……(海外から目をそらしつつ)
無限に広がる可能性の世界にお前は自由だと放り出されて持て余した自由に思わず足がすくんで立ち止まってしまうけどそれでも私は前に進もう、という方は、次回も気長にお待ち下さい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。