オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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82 あえて未来を見つめて

ひた、と、頬に触れる。

自慢ではないが、肌のハリ・ツヤにはそれなりに自信があった。

勿論それは普段のケアを大事にしているから、というのもあるけれど、運動をしていると新陳代謝が活発になり、肌が綺麗になる、という俗説もある。

が、それは勿論同年代の平均から考えた場合の自信であって、それは例えば十代の子達と張り合える様な自慢では無い。

悲しい話だけれど、歳の割には、という前提ありきの自慢の肌だ。

 

が。

 

触れた肌の手触りが違う。

顔を洗えばまるで陶器の表面に水をかけたようにつるりと水滴が落ちていく。

水を弾くたまご肌。

シミ・そばかすの類も無い。

勿論、そんなものは元からそんなに無かったけれど。

はっきりと、そんなものは元から無かったのだと言わんばかりに、そのまますっぴんで表にでても恥ずかしくない様な肌になっている。

 

ああ、嫌な話だ。

思い当たる節がある。

彼がこれを何らかの方法で意図的に行ったのか、それとも、若い相手とすると若返る、みたいな迷信じみた話なのか。

気がついてしまったのなら、彼に会いに行くのが難しくなる。

まるで打算ありき、みたいに思われないだろうか。

それとも、打算だとしても、会いに来て欲しいのか。

 

「私って、こんな面倒な女だったかしら」

 

そして。

彼が求めてくれたのは、こんな女で良かったのだろうか。

あれほど激しく求められる程の女だったのか。

 

事ある毎に、あの三日間の出来事を思い出す。

不意打ちのキス、押し倒され、体中残らず愛撫され、最後には自分からおねだりまでさせられて。

恥ずかしい部分で見られていないところは全て無くなったのでは無いか、というほど、全てを剥き出しにされたあの日々。

 

経験が全く無い訳ではない。

長続きはしなかったが、物は試しと付き合った男性だって居る。

でも、あれほど激しく女として求められた事は無い。

それに精一杯に応えた事も。

 

今でも、眼を瞑らなくても思い出せる。

この戦士として鍛え上げた身体を、生娘を相手にするように優しく導く手指の感触。

かと思えば、貪り食う様に荒々しく女性としての本能を引きずり出そうとする。

そして、絶対に逃さないとばかりに貫かれ、何度も何度も注ぎ込まれ、喉が枯れる程に叫ばされた。

 

「ん」

 

きゅう、と、腹が鳴る。

空腹、ではない。

音すら鳴っていない。

ただ、内臓が何かを求めるように蠕動する。

胃袋よりも余程下にあるものが、彼を受け入れていた場所が、今は無いものを繰り返し繰り返し求めていた。

 

恥じらいや戸惑いよりも先に、身体が彼を求めている。

すっかりと、身体は彼の感触を覚え込まされてしまった。

忘れられない。

思い出す度切なくなり、何度自分で慰めても満足できない。

でも、

 

「何してるかな、あの子」

 

どうしてか頭に浮かぶのは、私の部屋を見上げる、去り際の悲しい顔だった。

 

―――――――――――――――――――

 

神奈川県横浜市青葉区梅が丘、アトリエ夢。

日当たりの良い一室には、無数の写真と、何らかの物品が飾られた長い棚。

野球のグローブ、ジュリ扇、ラグビーボール、テニスのラケット……。

それらを一人の少年が、ゆっくりと歩きながら、一つ一つ確かめている。

 

「どうです、素晴らしいでしょう」

 

声を掛けるのは、メガネを掛けたオールバックにスーツの中年男性。

空を臨むことのできる中庭で、天を仰ぐように両手を広げながら両手を広げている。

 

「若者たちの夢の残骸です」

 

振り返る。

中年男性の視線は、無数の写真立て──遺影と遺品を眺める少年に向いていた。

 

「夢を追う若者は素晴らしい、熱い情熱でどんな困難も乗り越えていく」

 

中年男性──三宅徹の視線は欲望に歪んでいる。

 

「そんな彼等のライフエナジーに」

 

じゅるり、と、舌舐めずり。

 

「私は目が無いんです」

 

このアトリエは、三宅徹の住処であると同時に、思い出を保管しておく倉庫でありアルバムだ。

無論、それは人間を捕食した証拠に直接的に繋がる訳ではないが、それでも人に見られて良いものではない。

故に、侵入者がただ一人の少年であると知れた時点で、食べて証拠を隠滅してしまおうと目論んでいた。

夢を持つ若者のライフエナジーには目がないが……、それ以外のライフエナジーが嫌いという訳ではない。

まして、目の前の少年は不思議に魅力的に写る。

彼から得られるライフエナジーは、どれほど美味であるか。

 

そんな奇妙な確信を持つ三宅徹は、擬態である人間態から怪人態へと姿を変貌させる。

二メートル半もありそうな巨躯の怪人。

ステンドグラスを思わせる体表。

逆さにしたサイチョウにも似た頭部を頂くファンガイア。

ライノセラスファンガイアの真の姿だ。

 

その変貌に気付いてすらいない様に遺品を眺め続ける少年の上に、半透明の牙、ライフエナジーを吸い取るファンガイアの捕食器官である吸命牙が浮かび、食らい付く様に少年めがけて落ちる。

吸命牙は生き物からライフエナジーを奪い取る為の器官であり、これを突き刺された物は命の色を失い、身体の色を失った上で消滅する。

それに例外は無い。

だが。

 

刺さらない。

振り下ろされた吸命牙は、少年の肌、薄皮すら傷付ける事すらできず、その表皮の上で受け止められてしまっていた。

次いで、炎。

高温の、しかし、明らかに物理的なそれとは掛け離れた現象であると思われる炎により、灰すら残さずに吸命牙が焼き尽くされる。

 

「何?」

 

ありえない現象だった。

故に、それが脅威であるか、そうでないかの区別すらつかない。

強大な力を持つ種族に生まれたからこその傲慢。

 

少年──小春交路が振り返る。

汚れを払う様に、吸命牙が突き立てられていた辺りを手で払い、ポケットから薄い小さな箱──デッキを取り出す。

視線が交差する。

胡乱なものを見る視線はライノセラスファンガイアのもの。

そして、交路の向ける温度の無い視線。

 

「変身」

 

Vバックルに装填されるカードデッキ。

幾つもの鏡が交路の姿に重なる様に現れ、その姿を黒い鎧に包む。

疑似ライダー陽炎。

獣の意匠を持つ戦士は、ゆっくりとライノセラスファンガイアへと歩み寄る。

そして、ライノセラスファンガイアもまたそれを待つ。

 

ライノセラスファンガイア──真名、『緋色の砂と難破船のある岬』

ビーストクラスに分類される彼の身体は極めて強靭だ。

また、その体躯に見合った力強さも兼ね備えており、彼の戦闘スタイルは相手の攻撃を受け、それに真っ向から殴り返すというシンプルなもの。

いや、そもそもの話として、若いファンガイアの多くは戦いというものをそれほど意識しない。

本能的に、遺伝子に組み込まれた、種族に見合った戦い方をするものが大半だ。

当然だろう。

彼らは人間に対し、絶対的な捕食者なのだ。

 

陽炎の手が伸びる。

拳で無く、手刀でなく、無造作に伸ばされた手。

掌が肩の付け根に伸び──

 

「が────っっっっ!!」

 

握り潰す。

これまで生きてきた中で受けた事の無い激痛がライノセラスファンガイアの思考を焼く。

ありえない。

関節部は可動域である為に他の装甲部分よりも確かに柔軟な作りはしているが、それでも巨躯に見合う筋肉量があり、重量を支える為に骨格も強靭にできている。

それが、ただ掴まれただけで破壊されるなど、あってはならない。

 

「ふ、ぅんっ!」

 

肩を潰されていない腕で、太い三本指の手を振り上げる様に叩きつける。

咄嗟に逃走よりも反撃を行ったのはファンガイアであるという自らの種族への誇りかあるいは本能か。

乗用車程度なら一撃で空に弾き飛ばしスクラップにする振り上げ気味の一撃は陽炎の胴体を腕ごと横殴りに打ち付ける。

が、陽炎は微動だにしない。

腕に装着されている装甲化されたカード読み取り装置で受け、そのまま片方の肩を握り潰した手を腿まで下ろし、再び振り上げる。

風を切る音。

そして、どす、と、重い音と共に何かが落ちる。

 

振り上げられた陽炎の手の中には逆手に構えられた長剣、ビーストマスターソード。

宙に切り飛ばされ落ちたのは、ライノセラスファンガイアの片腕。

 

絶叫。

 

おおよそ現代のファンガイアが生きていく中で受けることの無い身体欠損級の損傷。

それに伴う激痛と、人間に傷つけられたという屈辱と、それが本当に人間であるのかという未知への、そして、今まで感じたことの無い脅威への恐怖。

陽炎へ背を向け転進するライノセラスファンガイア。

それは組み込まれた闘争本能と生きていく上で備わった自尊心を、生命としての根源的な生存本能が上回った証でもある。

だが、その巨躯故にやはり巨大だった片腕を失う事は大きく重量バランスを崩す事となり、その歩みは決して速くならない。

 

その背へゆっくりと歩み寄りながら、右手に構えていたビーストマスターソードを左手に持ち替え、振るう。

刀身が分解、アーメタルファイバーにより構成されたワイヤーで繋がった蛇腹剣と化し、ライノセラスファンガイアの足首に巻き付き、引き倒される。

同時、デッキから一枚のカードが引き抜かれ、左腕のスリットにカードを滑らせた。

 

『ストライクベント』

 

右腕に、半透明のオレンジ色の刀身を持つ鋏、バイティングシザースが装着される。

 

「離せ!」

 

「今離そう」

 

足首に絡みつく刀身から逃れようと藻掻くライノセラスファンガイアめがけ、巨大な鋏が振り下ろされた。

狙いは脚。

最も動きの少ない箇所を狙えば、それは自然と根本の付近となる。

突き突き立てる様に突き刺さり、次いで、鋏が閉じられた。

じゅう、ば、つん。

肉を焼く焦げ臭い臭いが立ち込めたかと思えば、重々しい裁断音。

 

「──────!!!!“!”!」

 

「ああ、やっぱり右の方が当たるな」

 

左にも増設して正解だった。

そんな事を宣いながら、片腕片足を失い悶絶するライノセラスファンガイアを尻目に、切り落とした腕と脚を回収し、しげしげと観察する陽炎。

足首にビーストマスターソードを絡めたままの切り落とされた片足を持ち、首をかしげる。

 

「割れない……。本体が死ぬまでは残るのか、消えるまで猶予があるのか」

 

後ろ手に切り落とされた手足を投げる。

それを、アトリエと中庭を繋ぐドアのガラスの中から伸びたトリックブレードが受け止めた。

鏡の中、機械の四足獣、ロードインパルスが、隣に立つ青い二足の機械、スケアクロウの背負う籠の中に放り投げる。

陽炎、交路が自宅で運用するものとは異なる本来の大きさのスケアクロウは巨躯を持つライノセラスファンガイアと比べてなお大きく、背負う籠もまた、()()()()()()()()()()()()()十分に容量に余裕があるように見えた。

 

しょき、しょき、と、鋏がその切れ味を試すように繰り返し閉じられる。

もはや這って逃げる事もできないライノセラスファンガイアに向けて、陽炎がゆっくりと歩み寄る。

必死に逃れようと、残った手足で芋虫の如く蠢くライノセラスファンガイアには、既に闘争心も食欲も残っていない。

ファンガイアの怪人態に涙を流す機能があれば、その顔はどうなっていただろうか。

痛み、屈辱、恐怖。

死にたくないという思い。

それはこれまで彼が食い殺してきた、彼の好物である希望に溢れる若者達もまた抱いたものだ。

 

彼のその願いは、暫くの間、彼の意思とは一切関係なく、叶えられ続ける事となる。

 

―――――――――――――――――――

 

きゅいぃぃぃぃ、と、ドリルの音が唸る。

ボルテックスドライバーではないが、それを分解解析し、技術を応用した手術用のドリルだ。

硬い体表や体細胞を持つ被検体の身体を調べる時に重宝する。

頭蓋などを開くのにも、先ずはこれでこの様に無数に穴を空けるのが良いだろう。

 

手足を落としたファンガイアの頭蓋を開き、脳の一部に刺激を与える。

少なくともファンガイアの構造は、生物としてそれほど不可解なものではない。

人間と交配が可能な時点で当然と言えば当然なのだが……。

 

変身体だからだろうか、脳細胞は人間や他の生き物のそれと比べて頑丈な様な気もするが、誤差の範囲だ。

刺激を加えるだけなら普通の針でも電極でもそう変わらない。

吸命牙を発生させる仕組みもまた同様で、これは人間には見られない特殊な領域が関係しているらしい。

発生の仕方を幾ら試行錯誤しても吸命牙の形が変わらない辺り、半物質的な器官ではあるものの、形としては決まりきったものであるようだ。

 

この現代において、ファンガイアは生物的な研究が進んでいる異種族としては三本の指に入る。

警察やスマートブレインで研究が続いているオルフェノク。

ネイティブによって研究が進んでいるワームとネイティブ達自身。

そして、巨大投資企業『D&P』に所属するファンガイア達によって研究されているファンガイアだ。

スマブレは途中で社長が変わったりで研究が進んでいないが、既に公権力の一部とつながりを持つネイティブどもとファンガイアは話が別だ。

ネイティブは受信機と発振器のみで成り立つ人類の種族改変装置を数年後に完成させるし、ファンガイアにしても手術により人間をファンガイアにする技術を持っている。

故に、ファンガイアを切り開いて(死体や裏切り者などを利用したのだろう)得られる新たなデータというのは非常に少ない。

 

故にこの解剖手術は、手元にあるD&P社から盗んだ研究資料を元に事実確認を行う程度のものでしかない。

何処を破壊すると致命的であるか、という点、残ったガラス片状の組織の再生、能力の移植と、この研究資料から得られるデータは限りない。

そしてまた、ファンガイアという生き物の再利用法も多く考えが浮かぶ。

 

ファンガイアは死後にガラス状の破片を残し、これにライフエナジーを注ぎ込む事でサバトという怪物へと変貌させる事ができるのだが、これはかなり巨大で物理的破壊力を持つにも関わらずライフエナジーの塊である為に殆ど質量を持たないという不思議な性質を持つ。

これがどういう利用法を持つかと言えば、一定の強度を持ちながら恐ろしく軽い素材を作ることができるのだ。

現状、俺の持つ飛行戦力はある程度空力特製を持たせた機体を、インフィニット・パワーユニットから得たエネルギーを噴出し無理矢理に飛ばしている、という雑なものが多い。

しかし、このサバト化の技術により、ファンガイアの死体を軽量な装甲や骨格の材料とする事ができ、小型の飛行ユニットが容易に製造できるようになる。

爆撃機や戦闘機といった雰囲気のものばかりだったこれまでと比べて、小型の、それこそ人間大の戦力に小回りの効く飛行力を持たせる事ができるというのは革新的と言えるだろう。

 

ファンガイアの利用法はこれで半ば決まったようなものだ。

が、ここで問題が発生する。

恐らく、このサバト化には大量のライフエナジーを必要とする。

人間以外のライフエナジーで良いのなら幾らでも代用が効くが、人間のライフエナジーでなければならないというのなら、これが調達を難しくしてしまう。

水子の魂で良ければ、とも思うが、それを定期的に調達するというのならそのままゾイドにしてしまう方が戦力は増強できるだろう。

 

だが、必ずしも多量のライフエナジーが必要という訳ではないハズだ。

サバトは本来大量のライフエナジーを必要とするが、後に即席でこれを作る場面も見ることができる。

これは特別なファンガイアによる術なのだが……。

大まかな理屈がわかれば再現できる。

 

がしゃん、と、音が鳴り、拘束していた手足のないファンガイアが砕け散る。

負荷を掛けすぎたようだ。

脳味噌をかき混ぜられ過ぎるとやはり生命活動に支障をきたすのは変わらないらしい。

 

では、これに、ライフエナジーの代わりに適当なエネルギーをぶちこんでいく。

まずは、一番貴重ではない、野山や海から回収した普通の動物の魂から。

 

―――――――――――――――――――

 

そして、出来上がったのがこのサバトの断片である。

しなやかかつ強靭な素材で、重みは無い。

これで刀剣など作っても良さそうだが、アーメタルの剣で斬れるファンガイアの体組織故に今更それをする必然性は薄いだろう。

だが、これを用いた加工技術に関しては、王の鎧の加工技術に繋がる可能性もある為、素材の研究は続ける。

ライフエナジーを吸う、という特性は失われていない為、これもまたファンガイアどもが使う鎧の原料である可能性は非常に高いのだ。

 

では今日はこれを使用して、量産型個人飛行ユニット『ウッドペッカー』を作ってゆく。

 

と、意気込んだ所でメールだ。

 

『休みにヘルプ来れるか?』

 

差出人は……『いにゅい』。

あの閉店予定のコーヒーショップで働くワンちゃんからのヘルプのメールだ。

閑古鳥の鳴いてる店でのバイト程楽なものは無い。

繁盛し出したら、占い師さんのとこに送ったのと同型のFAGを数体入れてしまえば負担も減るし。

そうしたらアハ体験的に徐々にメカメイド喫茶にでもしてしまおう。

お店畳む時になったら、お金出して店舗はそのまま譲って貰おうかな。

コーヒーはまぁ普通だけど、店の内装と香りは良いのだ。

将来的に事務所として使うには良い。

志望大学の近所のアパートは良いところを見つけているが、将来的にはここを拠点にするのもありかもしれない。

 

『ええよ。週末な』

 

『悪いな』

 

『俺といにゅいの仲じゃないか!』

 

『やめろ』

 

止めた。

ぶっつりとやり取りを終えても良いのがぶっきらぼうな相手のが良いところだ。

 

いにゅい──乾巧は、あのコーヒーショップでの仕事を続けている。

どうにも、いにゅい以外の店員は多かれ少なかれレジに入れる筈の金を着服しており、それを互いにある程度知っていた為、結託して盗みを働いていないいにゅいに罪を押し付けようとしていたらしい。

が、何度か入店し長めに滞在しているとそういう盗みの場面に出くわす事が多く、それを都度止めていたら、結果的に店長が事態を把握し、盗みを働いていたバイト連中を一斉に首にしてしまったらしい。

すると、バイト店員で残るのはいにゅい含め僅かなメンバーになってしまい、店の運営は少し難しくなってしまった。

まぁ、店はそれほど繁盛していないので、無理矢理に回せないでもないのだが……。

半常連みたいになっていた事もあり、手助け(勿論給料は貰う、バイトとして手助けという意味だ)をする事になった。

 

無論、住まいは東京ではないのでそれほど何度も行く事はできないが、履歴書では東京近郊住みという事にしているから問題はない。

ニセ住所も一応金払って借りてるから厳密には嘘ではないし、郵便物も定期的にチェックしているからな。

履歴書も面接が終わった時点で返して貰っているし、何よりあの店が潰れてしまえば雇用されていた俺の出したニセ履歴書なんてさして意味はなくなる。

なぁに万が一経営が盛り返しても店主のイメージするコーヒーショップとは別物に改造して無力感から店を畳ませれば良いさ!

 

一緒に仕事をしていてわかるのだが、いにゅいは無愛想で客商売に致命的に向いていないが、本質的には善人である。

彼とこの様に交流を深めて行き、流星塾襲撃の現場に共に居合わせてしまえば、正体をあちらからバラさせる事もできる。

そうすれば、彼の種族を俺が自然に知る事ができ、彼に種族特性の短命を説明し、それを克服させるためにアギト化させる事もできるだろう。

そうすれば、短命を気にせずに厄介事に首を突っ込んで人を助けてくれる『仮面ライダー』の出来上がりだ。

態々ファイズギアなんていう自殺装置を使用させる必要も無い。

それこそ、イクサの技術を導入したパワードスーツでも送ればそれで良いだろう。

 

自律兵器でも尖兵でもない、平和と善良な人間を守る、正真正銘の仮面ライダー。

そういうものを増やせば、俺にも人類の自由と平和を間接的にも守る手伝いをする事ができるかもしれない。

 

さぁ、気を取り直して。

先ずはサバトの欠片の加工からだ。

これをモーフィングパワーで形を整える。

基本的に生きていない時のファンガイア及びサバトの肉体にはモーフィングパワーが素で通るので、先ずは大まかにこれで形を整える。

無理ならアーメタル製の旋盤などでも良い。

でも、今の人類の科学技術じゃ無理かなぁ。

いざとなれば大量に製造してそれをそのまま警察にお渡しすればいいか。

なんなら向こうで勝手に解析してくれるかもしれないし。

技術交流ができなくても、完成品をそのまま投げれば相手側で解析しようと努力してくれると思うし。

今後はそういう方法も徐々に試して行ってみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 





久しぶりの戦闘シーン
でも現状、頑丈さに自信ニキは主人公にとってただの素材を剥ぎ取るだけの原材料だぞ!
本格的に敵対するとちゃんとした戦士と戦える
ファンガイアなんかは特にそう
やや文字数がいつもより短い?
事実としての文字数の差や読者さんからどう視えていようが、このSSの一話が短いか長いかはぐにょりが決めることにするよ
でも実際SSってそういうものでは?
昔どっかで見た、一話は5000文字から20000文字くらいが丁度いいという言葉に今でも縛り続けられている

☆遠回りに人類の自由と平和を守るための活動もしていたりする死体漁りマン
死体漁り(自分で死体を作らないとは言っていない)
常在戦場なのでゆっくりとだが自己進化は終わらないし、人間としての変身体だからと言って魔石の戦士特有の超身体能力を使わないとも言っていない
精神的にキマってる時は安定して強い
人間性がたっぷりある時とは強さの質が違う
更にここから何回か変身を残している
いにゅいを戦士にしようと目論む
そしてそのついでにコーヒーショップをメイド喫茶の如くアレンジして店主に時代の風を感じさせて引退させようと目論む
事務所にする、という発言の通り、将来的に何か自営業を始めようと画策しているらしい
お姉さんの事は努めて忘れようとしているけどそれは忘れるんじゃなくて思い出さないようにするという事であり
脳をある程度自由にできる癖に記憶から抹消するでなく思い出さないようにという辺りが女々しい未練なのだ

☆この人を描写してるとヒロイン力の高さに気付いて別のヒロインの一人が哀れになる
哀れだねぇ(コアラ感)
こういう人間が結局元鞘に収まって交尾するんでしょ?(コアラ感)
まぁ前の扉も後ろの扉も新たな快感の扉も開かれたのでこのまま引き下がる訳がない
なんならこいつ襲われてちょっとたしなめたりはしているけど主人公を完全に拒絶する素振りはそれでも殆ど見せてないからね
三日三晩ヤラれ続けた後に自分も隙を見せたのが悪いからげんこ一発で許そうって時点であなた
でもこの人が普通に好意を伝えると主人公はそれを受け入れてしまうだろうからなぁ
負けヒロインは、このSSじゃ作らねぇって決めてんだ……(今決まった)
肉体年齢が引き下げられたけど、年増ゆえの肉体の感じとかはなんか残ってるみたいな絶妙なバランスで行きたい
せっかく母親側とつながりがあるので、復縁イベントではちょっと楽しげなサプラーイ♪を入れたい
入れる

☆いにゅいたくみ
いにゅいココ!(コーヒーショップアルバイト継続)
なんか最近良く店に来る客が新人店員として臨時の後輩になったけど微妙に図々しいし馴れ馴れしい
でも仕事はできるし失敗をフォローもしてくれるしほんとに嫌がるところや私生活には踏み込んでこないのでそれほど仲は悪くない
で、ぶっきらぼうとか愛想の悪さから皮肉とか言っちゃうんだけどそれも笑って受け流しちゃうから嫌う事もできない
差し入れとか持ってくる時も熱いものを持ってこないなどポイント高し
女だったらヒロインだった、危ない危ない……
主人公に大きな影響を与えているのが現状二人共男キャラであるとか言ってはいけない

☆そういえばイクサの人の過去で登場した過去ママの現状確定している以前にあとがきで書いた設定とそれに纏わる捕捉
・活動期間は1988年前後より、少なくともキバ過去編とは微妙にズレあり
・同時期に仮面ライダーブラックなる謎の戦士確認済み
・敵はゴルゴム
・素晴らしき青空の会はゴルゴム怪人をゴルゴムという組織に所属するファンガイアであると認識している
・当時は新米ママで交路は家で留守番しており普通に母親はパートに行ってると思ってた
・なんか自律行動できるバイクあり
活動年代とブラックまわりとゴルゴムまわりの話はイクサの人初登場回45 カフェでの一時のあとがきに書いてあったりする
まぁ秋から放送って書いたから多分時期的にブラックとの共闘とかはなかったんじゃないですかね
過去と交差するシナリオとかがあると当時のママンと交流する事も可能かもしれない
時間に関する成約は色々と外れているのでタイムパラドクスとかもたぶんそんなに怖くない
なお現在のママン
『あの歳食った元メスガキを満を持して押し倒してきたハズなのに元気ないし最近連絡取ってる様子無いわねぇ……東京には行ってるのに……せや!』
息子のムスコの後押しをしてしまった以上、さらなるおせっかいを焼くのもまたママらしさってやつなんじゃないかな

幕間でイクサの人と一旦離れて、そのまま幕間の中で復縁てのもね
そういう訳でイクサの人から会いに行きにくい感情を付与
たぶんこのまま555編に突入するかも
何しろ幕間で書くことがあんまり思い浮かばないからね……
キバの鎧関連の技術収集話とか猛士との接触関連の話が掛けなければ早い段階で555編に行くと思います
まずは海に水没したベイエリア55を浮上させるサルベージ編を挟んでですね……
という小ボケをはさみつつ、次回も気長にお待ち下さい

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