オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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8 情報、広がり深まり

人類の敵か味方か、謎の未確認生命体二十二号の秘密に迫る!

……などという見出しの記事がそれなりに見られ初めたのは、二十二号が明確に四号と区別され始めた証拠と言えるだろう。

警察からの公式発表だけでなく、四号と似てはいるものの、明らかに別個体と分かる姿が確認されたのも大きい。

未確認生命体二十六号(メ・ガドラ・ダ)との交戦時、二十六号を殺害──いや、処刑した際に変じた姿は、遠間から撮影していたマスコミの写真により世間に知れ渡る事となり、包囲していた警察が迂闊にも家族に漏らしてしまった事により、二十二号が発した言葉すら水面下で広がっていた。

確かなソースは無く、噂としてだけ広がる、二十二号を示す言葉。

 

『アギト』

 

四号に似た姿を持つ、しかし、明らかに四号とは異なる理屈で動いているであろう二十二号がゴシップの対象にされない筈もない。

マスコミが、未だインターネット上の掲示板から情報を持ってくる事をよしとしない時代において、その名はただ水面下で、アングラな場面でゆっくりと広まっていった。

曰く、未確認生命体の処刑人、曰く、同じ種族だが異なる部族からの狩場を奪う為に送られてきた刺客、曰く、四号を解析して軍が作り上げた生体兵器。

その実体は不確かなまま、誰が訂正できるでもない場所で、静かにその存在感を増していく『アギト』の噂。

残虐性への恐れ、しかし、未だ市民を殺害した事が無いという事実がそれを薄れさせ、代わりにとでも言うように湧き出てくる好奇心が、密かにその登場を期待させ……。

 

しかし、その期待を裏切るように二十二号──『アギト』は、梅雨が明け、夏が到来する頃になっても、姿を表さない。

これまで、何らかのルールに基づいて活動しているのかと疑われる程一定の期間を置いて未確認生命体の惨殺死体を作り出していた二十二号。

一部の自称識者の間では実しやかに死亡説が囁かれ始め、新たな情報が生まれないが故に、忘れ去られる事は無くとも、警察関係者を除けば、多くの人々の間では意識の外に置かれ始めた。

そんな中、二十二号が活動を休止している理由を知る者が、僅かながらに存在していた。

……事は、三十七号(メ・ガリマ・バ)の死体が、中央区晴海の船着き場近くに遺棄されていたのを、通報を受けた警察が駆け付けて確認した、その日の夜に遡る。

 

―――――――――――――――――――

 

拝啓。

 

梅雨の中休み、夏の到来を感じさせる強い日差しに、雨に濡れた新緑がひときわ濃く感じられる今日このごろ、四号様は如何お過ごしでしょうか。

この度、戦闘時に手足の痺れ、新たな力の萌芽を感じ始めておられるという事で、一筆啓上申し上げます。

グロンギの頭領とも言えるン・ダグバ・ゼバ氏との戦いにおいて、凄まじき戦士の力が必要である事は先日お伝えした通りです。

しかしながら、凄まじき戦士の力は扱いが難しく、青空の如く清らかな心などを含む諸々の極まった精神的な適性が無い限り、使いこなすことは容易ではありません。

 

しかし、本来想定されていない仕様ではありますが、アークル装着者へ雷、或いは生命を脅かすレベルの強力な電気エネルギーを加える事により、限定的にその力を引き出す事が可能なのです。

四号様の肉体におかれましては、先日に仮死状態を経験した際に医療行為の一環として電気ショックを受けることにより、僅かながら力の解放が行われようとされております。

年明けから始まったグロンギによるゲゲルもズやメによる通常のゲゲルを終え、ゴにムセギジャジャを移したゲリザギバスゲゲルが開始される時期にさしかかりました。

強力になっていくグロンギの戦士と戦う事を思えば、先んじて戦力の増強を測り、また、後々のン・ダグバ・ゼバ氏との決戦へ向け、凄まじき戦士の力の一端に触れておく事は必須であると愚考する次第です。

 

末筆ながら、お身体に気を付け、前座であるゴ集団のグロンギになど敗北なされませぬよう、ご自愛と健闘をお祈り申し上げます。

 

敬具

 

平成十二年六月二十二日

 

未確認生命体二十二号より

 

2000の技を持つ男、五代雄介様

 

 

追伸

ゴ集団上位及びン・ダグバ・ゼバ氏との戦いに備え、修行期間を取らせていただく事になりました。

ゲリザギバスゲゲルのムセギジャジャへの対応は、これまで通り四号様及び警察の方々へお願い申し上げます。

また、ゴ集団をクウガの力で倒す際、これまでのものよりも激しい爆発が見込まれますので、お気をつけください。

 

―――――――――――――――――――

 

「なんだこれは……」

 

手渡された既成品と思しき封筒に慎ましく収められた便箋の中身を読んだ一条は、有り体に言って困惑していた。

丁寧な文体、乱れのない文字はまるでパソコンから印刷したかのようで、しかし、文章の内容そのものははっきりと常軌を逸したものだ。

本人が配って歩いている名刺でも見なければ知る由もない肩書、そもそも名乗ってもいない筈の雄介のフルネームはまだいい。

しかし、警察関係者の中でも一部しか知らない、雄介の一時的な仮死状態や、ベルトに込められた機能への詳しすぎる知識、当然のように説明すらない、恐らくは未確認の使う言語と思しき専門用語、そして未確認の内情への異様な詳しさ。

いたずらと一笑に付すには濃厚過ぎる程に秘匿された情報が多く記され過ぎている。

 

「さっき、ポレポレに戻ったら、俺宛にって届けられてたみたいで」

 

少し興奮気味に語る雄介の顔には喜色が浮かんでいる。

言葉を交わしたのは一度切り、それ以降は未確認と交戦したらしいという情報を聞くだけで変身後の姿で顔を合わせる事すらしなかった。

しかし、雄介の中では二十二号もまた自分と同じく何らからの理由から戦いに身を投じた仲であり、その幼さから少なからず心配もしていたが、ある種の仲間意識も感じていたのだ。

 

戦う理由は語ってくれなかった。

しかし、理由は語れない、という事はそれとなく語ってくれた。

ふんわりとした忠告だけを投げつけて消えた相手が、こうしてきちんと……説明不足な部分こそあれ、しっかりとしたアドバイスやなにやを、形に残る方法で伝えてくれたのだ。

 

共に戦えるかはわからない。

だけど、彼は人の身を案じる事もできるし、こうして人に頼る事もできるのだ。

 

「君宛にか……」

 

対して、一条は頭痛すら感じていた。

これが二十二号の差し出した手紙であるというのなら、できれば対策本部で情報を共有するべきだろう。

具体的に対策が取れる情報ではないが、明らかに今後の未確認の動向を示す手掛かりにもなっている。

鵜呑みにするべきではないのだろうが、奇妙な程に確信的な文面は、参考程度にはできる。

だが、それが問題だった。

これが、ただの二十二号の妄想であるのであれば良い。

だが、この文面が正しければ?

 

使われている単語は明らかに未確認が使う言語を日本語で記したもの。

説明こそ無いが、このゲゲルというのが、連中の行う連続殺人である事は明白だ。

ゲリザギバスゲゲル、ムセギジャジャ、ズ・メ・ゴ、そして、ン・ダグバ・ゼバ。

仮に、仮に二十二号が何らかの理由で雄介と同じくベルトを装着して戦う力を得たのだとすれば、説明が付かない。

逆に、『二十二号が未確認の側』であると仮定すれば、それなりに納得できてしまうのだ。

彼等の内情や言語に精通している理由が。

それは決して、二十二号にとっても、警察にとっても、そして五代雄介にとっても良い結果は招かない。

それを、二十二号は理解しているのだろうか。

だとすれば、何故、疑われるような真似をしてまで手紙を認めたのか。

 

封筒を閉じていた、恐らく自作であろうシールを見つめる。

以前、二十二号が『アギト』であると名乗った際に、現場の多くの警察官が目撃したという、足元に広がった謎の紋章。

……まさか、それほど深く考えずに、適当なタイミングだからと、必要な情報を渡した、という事は。

無い、とは言い切れない。

自分の情報を隠さない、無警戒過ぎる男を一人知っているが故に。

 

「あとこれ、一条さん宛のも」

 

「俺に?」

 

同じシールで閉じられた一回り小さい封筒。

鑑識に回すべきか、と一瞬思い、回すなら五代のものを回すべきのが適切で、回すかどうかも一度考えるべきだろうと思いながら、封を開ける。

小さな封筒から出てきたのは、折り畳まれてすらいない、小さな便箋一枚。

 

『未確認の居る現場に向かう時は、携帯電話はマナーモードにしておいた方がいいですよ』

 

―――――――――――――――――――

 

メの中で最強、というだけあってそれなりの力はあったと思う。

実際、封印エネルギーだけで倒そうと思えば、それなりに苦戦したかもしれない。

俺が勝てたのは、偏に彼女が剣を使う、というか、凶器を使って戦う事にあまり慣れていなかったという点に尽きるだろう。

それはモーフィングパワーで即席の武器を用意できるかできないかの話ではなく、武器に対する意識の持ち方だ。

 

後の世に出てくる機械式のライダーシステムなどと違い、アマダムやゲブロン由来の武器というのは即席の使い捨てが基本になる。

それが剣だろうと槍だろうと、投擲武器として扱う事は常に想定しておくべきだし、あえて武器を破壊する事で虚を突く攻撃も可能となるのだ。

武器の扱いに関しては高いグロンギの学習能力で直ぐに一端の使い方はマスターできるが、相手を害する為の技術、守りを抜く為の技術、殺すための諸々の技術は、武器の振り方や綺麗な斬り方を覚えるだけでは身につかない。

 

そういう意味で言えば、グロンギの中で純粋に『戦闘技術』を磨いているというのは少数派と言えるだろう。

そこが俺にとっての付け入る隙となるのだが、これも果たして何処まで通用するか。

俺が習っている、というか、習得している技術は一般的な武術の枠を超える事はない。

別段古流武術とかでも無い、本屋で買えるような槍や剣の扱いの指導書を参考にしている為、例えば戦闘に対する直感が鋭いとか、戦闘技術のラーニングが素早い相手などには早々に通用しなくなる可能性が高い。

可能であれば、もっとこう、現代のスポーツ化された一般的な武術ではない戦闘技術を学びたいところではある。

学習されるよりも早く、相手を殺せるような技術が欲しい。

試合で勝つとか、相手を無力化する、とかでない、殺すことだけを考えているような物騒なものであればなお良い。

 

……一つだけ心当たりがある。

あるが、それは今直ぐどうにかなるものでもないし、更に言えば、スケジュールに余裕がある。

ここから暫く、警察に深刻な人的被害が出るゲゲルは行われないのだ。

だから、心当たりを頼りに行くのは夏休みで自由時間が多く取れる様になるのを待ち、今は遠方に出向かずともできる自己改造を行っていくべきだろう。

 

ライジングである。

ラ・イ・ジ・ン・グ(メカっぽい発音)、ではない。

ライジングフォームである。

もっと言えば、アメイジングフォームである。

 

アルティメットフォームの前の段階……というより、一部機能だけを使用できるお試し版の様なものではあるが、その強化は劇的だ。

アギトの力が便利すぎて忘れがちだが、クウガのライジングフォームも内実を考えればかなりの強化なのだ。

キック力、パンチ力、共に通常形態の数倍。

この数倍、というのが、ライジング含むリント非公認派生フォームのキモとなる。

 

何故数倍なのか。

それはこれが本来想定された形態でなく、凄まじき戦士の力が漏れ出した姿に過ぎないからなのだ。

 

似た現象で言えば、先日のガリマとの戦いで見られたモーフィングパワーによる武器の修復がそれに当たるのだろう。

回収したゲブロンを利用しての簡単な実験で得られたデータからも裏付けは取れたが、グロンギの用いるベルト、ゲドルードにも、アークルと似たようなセーフティーが備わっている。

それは安全装置という訳でなく、恐らくは特定の条件を得ることで次のゲゲルに相応しい肉体を得るためのロックの様なものなのだろうが、これはゲブロンが肉体に強く馴染む事により多少緩ませる事ができる。

後少しでゴに上がれる程の位置に居たガリマのゲドルードは、同じ時期の五代さんのベルトと似た半開放状態であった可能性が非常に高い。

 

中枢器官、コア、主動力とも言えるゲブロンしか手に入れていないので詳しくは解析できていない。

だが、ゲドルードが憎らしい程人間の肉体、生物の肉体を考えて作られたものである事は明白である。

何故か。

人間の肉体からえぐり出されたゲブロンが、それほど時を置かずにほぼ停止していると言っても良い休眠状態に入った事からもわかるだろう。

 

ゲブロンは、そして恐らくアークルも、生物の中を流れる微弱な生体電流を始動キーにして活動状態に入る。

これは取り出された状態のゲブロンに少しずつ電気を流す、小動物の肉体を切開してゲブロンを入れるなどの実験で確認できた。

そして、全身に張り巡らされた神経もそれを補助する役割を果たしているのだろう。

 

封印エネルギーは、リントとグロンギのどちらも利用するエネルギーだ。

文化面でまるで別物の種族と化してしまったこの二種に共通するもの、と言えば。

そう、ベルトの核となる魔石と霊石だ。

単純な電気エネルギーとは異なるものの、この封印エネルギーというのは、明らかに雷と同質のエネルギーだと考えていい。

 

そして、ゲドルードとアークルは、魔石と霊石が肉体に齎す変化を抑えるための制御装置だ。

これは、ゲブロンを移植されて数時間の内にちょっとしたズのグロンギ程度の化物にまで変化し、最終的には激しい放電と共に消し炭になった実験用マウスを見れば明らかである。

魔石、霊石の齎す本来の速度で行われる肉体の変化は、通常の生物の肉体では耐えきれない。

だからこそ、ゲドルードはゲゲルで肉体を慣らしながら段階的に肉体を変化させるタイプの機能を備える。

ゲゲル失敗者が爆破されるのは、制御不能の怪物が生み出されないため、という目的もあったのかもしれない。

 

そして、その最終目的は、ゲブロンが齎す肉体の強化……いや、生命体としての進化を完全に成し遂げた存在を生み出す事だろう。

ゲリザギバスゲゲルを乗り越えたムセギジャジャが、前チャンプであるンと戦う事になるのも、また必要な事なのだ。

恐らく、ザギバスゲゲルを乗り越えた先のンという称号。

これは到達点ではない。

ゲブロンが齎す力の限界がどれほどのものであるかは不明だが、やもすればンに到達してからが本当の始まりである可能性すらある。

強い敵と戦うのも、弱い獲物を殺すのも楽しい、という精神性は、進化を進めるために延々肉体をゲブロン慣らす為に効率が良い訳だ。

 

こうして考えると、グロンギという種族がゲブロンを手に入れて利用した、のではなく。

ゲブロンを利用する為に、グロンギという種族が『デザインされた』可能性が非常に高い。

その下手人が誰か……、は、多分来年辺りかち合う事になると思われるので、今考える必要は無いだろう。

 

対して、そんなゲドルードを参考に作り出されたと思われるアークルは設計思想が違う。

進化がどうだ、とか、そんな事は一切考えられていない。

段階的にアマダムの力を開放する、という思想すら無いのだろう。

あるのは一枚限りのセーフティ。

ンと対等に戦う事を想定したアルティメットと、それ以下を封印する為のその他フォーム。

徐々にアマダムから神経が伸び続ける構造も納得だ。

ゲドルードがズ・メ・ゴという段階で分けている魔石からの侵食を、単純に遅延させるだけの構造でしかない。

 

アークルは『人生の中で戦い続ける』という事を考慮していないのだ。

製造時点で存在した全てのグロンギを封印するまで戦い続ける事のみを考慮している。

一枚限りのアルティメットへのセーフティが精神的な決断にのみ委ねられ、正式版で追加された機能が凄まじき戦士のイメージを与えて警告するだけ、というのも頷ける。

いざとなれば凄まじき戦士の力を開放しンと刺し違え、そして、急速に変化させられた装着者は耐えきれずに滅ぶ、という事だ。

変化したらお前がンと同じ存在になる、ではなく、それを使えばンほど頑丈でないお前は耐えきれずに死ぬぞ、くらいの警告なのだろう。

それ以上がある、という事を想定していない。

何しろそういうものである、と知らないのだ。

 

ライジングフォームの使用が肉体に強い負荷を与えるのもこの辺りが原因だろう。

恐らく、アークルを付けた直後の五代さんに違法改造スタンガンを押し当ててライジングを即発動させて頑張ってもらう計画を発動していたなら、変化に耐えきれずに見るも無残な死体だけが残るか、心を完全に失ったモンスターが生まれていた可能性が高い。

彼がライジングフォームをライジングフォームとして扱えたのは、それなりの期間変身して戦い続け、徐々に肉体を慣らしていたからこそなのだ。

 

……顧みて、俺がライジング化に耐えられるか、という所に話は戻ってくる。

はっきり言う。

恐ろしく分が良いとは言わないが、適合できる可能性は限りなく高い。

五代さん程にグロンギと戦ってきた訳ではないが、アークルの力で変身して戦ってきた期間だけで言えばかなりアドバンテージがある。

大体が不意打ちだったり巨大戦だったりしたけれど、肉体を慣らす、という面で見れば不足はない筈だ。

更に言えば、アギトの力も間違いなく良い方向に働く。

そう信じる事にする。

なにしろ、出来なければ負けて死ぬ。

なら信じてやってみるのが一番だろう。

 

どうせ、最終的には凄まじき戦士にならなければいけないのだ。

言ってしまえば、これまでのグロンギとの戦いと同じだ。

勝てるイメージはあるが別に命の保証はない。

今までやってきた事を、もう一度繰り返すのみ。

 

家庭用電源から得られる電力では足りない。

発電施設に忍び込んで、というのは言うまでもなく犯罪であるし、唯でさえ悪い警察や世間様からの印象がより悪くなること請け合いだ。

勿論、家でも段階的に感電していくつもりだが、限界までセーフティを緩める為には少しばかり時間が掛かりすぎる。

 

だが、難しくない解決法がある。

この世の神は俺の敵かもしれない。

だが、この世界は、地球は、自然は。

大きな視点で見れば、間違いなく俺の味方なのだ。

 

「雨、か」

 

窓の外を見る。

どんよりと曇った空から降る雨粒が、窓の外に見える景色を霞ませていた。

季節は梅雨。

暫くすれば本州上に前線が留まる期間が増えて。

空に紫色の稲光が幾度となく迸る光景を見る事ができるようになるだろう。

 

「?」

 

「なんでもないよ」

 

足元に座って本を読んでいた白い頭を撫でる。

目を閉じて受け入れるこいつは、決行日には連れて行くべきかどうか……。

雷雨の中に連れ出していくのは、リハビリを理由にしても難しいかもしれない。

うっかりこいつが雷に打たれて死んだりしたら……。

いや、死ぬ分には問題はないのだが、世間様の目もある。

オルフェノクは死体が残らないのも問題だ。

疑いの目を向けられ、身体検査など受けようものなら、それでもうアウトなのだ。

アークルとアマダムはこの点だけはどうにも不便でならない。

そうなれば、俺が付いている間に死なれる訳にはいかないだろう。

別に、こいつに死んでほしくない、という訳ではないのだが。

できれば、自然に寿命で死ぬのを待つのが一番穏便だろう。

 

「雨、好きか?」

 

「……?」

 

少し戸惑った後、こくりと頷く。

お風呂もシャワーも普通に好きなようだし、そもそも水に濡れる、水に触れるのが好きなのかもしれない。

リハビリを兼ねた散歩はほぼ日課になっている。

適当なタイミングでいい感じの合羽と長靴かサンダルでもプレゼントすれば、自分から散歩に出たがるかもしれない。

ジルが自分から主張し、俺が付き添うから、と言えば、母さんも否とは言わないだろう。

雷が発生しやすくなる日に出かける事に関しても、早めに戻るから、と言えば、なんとかなるか。

ならなければ、ガリマの時と同じく、布切れでも被って正体隠して発電所に忍び込むしかないが……。

その時は、その時だ。

 

 

 

 




☆グロンギ脳と原作知識が合わさって原作と原作の間に本来無かった繋がり見えてきたけど、最終的に問題になるのは来年だから一先ず置いておくし五代さんと一条さんに手紙も置いておくマン
事情に詳しすぎる点に関しては正体バレをそもそも想定していないし、いざ説明が必要となったらベルトを付けた際に前の使用者の記憶が流れ込んできた系の言い訳で押し通ろうとか考えてるん
そもそもここでライジング出来ずに五代さんが死んだら大惨事なのである程度のリスクを抱えるのはしょうがないのだ
あとなんか報道でプレデター扱いされてたからちょっと知性をアピールしたかった疑い
でも普段の行いと文面に激しい乖離があるとか精神病みたいで怖いんじゃないかなって思ったけど、日本人の七十パーは精神病って言うし、この時点の主人公は精神が健康である方がおかしいから別にいいかなって
警察の被害が少ないゲゲルとかは実際どうでもいいので自然にスルー
そんな暇あるならゴ対策の自己強化に回します
梅雨の終わりの時期ってホント雷雨多いよねってとこからパワーアップイベントに派生
豪雨の中、山頂で煙を上げて放電しながら高笑いするシーンとか付け加えようと思ったけどそれは後で
動物実験で使ったゲブロンは即座に回収
人体実験なんて贅沢な真似ができるのは大企業か警察くらいだからね、しょうがないね
あと、頭脳が強化されても設備がないとそれほど実験はできないのだ
学校にゲブロン持ち込むのも……ねぇ?

☆手紙
手紙って聞くと歌って戦うデースちゃんを思い出す
あれ、転生先バレ直前までは動画とかで普通にお前……消えるのか、みたいな悲しみのコメントで溢れてたのになぁ……
それはともかく、便箋は大量生産品、ただし文字はモーフィングパワーの応用で書いたものなので筆跡はばれない
怪我した動物の傷を治せるんだから紙を変色させたままにする程度は簡単やろ、というガバガバ解釈から生まれた
オリジナルシールも同様、今後はこの形式で意思疎通すればいいのかもしれないけれどそれは作者が覚えていたらなのだ

☆魔石ゲブロン、霊石アマダム、ゲドルード、アークル
■のエル「うちの神こわ……ちょっと人間使って対抗策作ろ」
■のエル「じゃじゃーん! 隕石に見せかけたワイの力―! これで兵隊量産や!」
■のエル「え……なにこれ人間モロ……神の映し身やろ?」
■のエル「はーつっかえ、この程度の進化もできんとか生きるの止めたら?」
グロンギの技術者か何か「できらぁ!」
ゲブロン「まず進化させます、次に進化させます、更に進化させます」
ゲドルード「恋愛も進化も積み重ねが大事なんやな」
リントの技術者か何か「グロンギ封印できるで! 長生きはできんぞ!」
アマダム「頑張ればンと戦えるけどグズグズになって死ぬんやで」
アークル「させへん! クウガ!長生きできる肉体や! 最終的にどうなるか知らんけど長生きできる体や! どうなるかわからんがとにかく受け取れー!」
こんなん
なんでグロンギ周りにエルが関わるんだって話は序章で書いてるのでそこ参照のこと
勿論主人公の妄想の如き推測だけど大体こんな感じになってると思っておけばいいと思います

☆大天使四号の中の人
大天使って言ったけどこの作中世界観だとクウガやグロンギ連中が天使ってのはシャレにならないって事になった
でも五代さんは一人で追い詰められてる子が誰かに頼れる事を喜べる真の大天使なのだ
だからこれから十年二十年と海外行っても人類のために拳を振るい続けてね♥

☆イ・チジョ・ウ
世にも珍しいイ集団のリント
後の世ではイ・サカシンクロ・ウなどが登場するが、総じて何らかの強いこだわりを持つ
でも正直社会人になってから携帯とか常にマナーモードにしてる気がするって人は多いと思う
手紙を提出するべきかどうかはこの人の胸先三寸なのだ

☆ヒロイン(断言)
描写の関係上いっつも主人公にひっついてるくらいの距離感に居る
共依存……胃連結……うっ、頭が
そういった特殊性癖向けのシチュには絶対ならないという点だけは保証する
飢餓と疫病とその他諸々の猟奇殺人の神とかにも誓おう
でもそれくらいいっつも主人公と一緒に居る
でも一人で家に居る期間もそれなりにあるという点を忘れてはいけないのだ
連れ歩く中でゲブロンに対する実験も目撃してるやで
物覚えも良いので将来は良いお嫁さんになれ、なれ
幸せにおなり……だ……

次は夏休みと言ったな、あれは嘘だ
いや、嘘というのが嘘だ、それも嘘だ
あと残虐プレイシーンが無くて本当にすまない……
きっとこのSSに残虐シーンを求めている人はそれなりに居ると思う
でも諸々書いてたら戦闘シーン書くには半端な量になったので一端投稿します
あと振り返るとか言っておいて変な独自設定挟んで申し訳ない
でもこういう設定のこじつけは書いてる方は凄く楽しいのでいいかなって思います
いや申し訳ない気持ちはあるけど別に変えるのはめんどいとかではなく
しかし次は亀ですよ亀
真珠インプラントはよく聞きますけど鎖と鉄球とはロックな話だと思いませんかみなさん
なんで亀かっていえばギリギリ夏休みの終わりくらいだからかなって
次回冒頭で前のあとがきで話したクウガどころか平成シリーズとあんまり関係ない場所行くけど、今度こそゴ集団との接近遭遇になると思われます

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