オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版) 作:ぐにょり
見渡す限りの大都会……というには、少し寂しく感じるのは、行きつけのお店も憧れのあの人も居ないからだろうか。
或いは、保管庫に収められていないグロンギ以前の魔石の戦士の気配を感じる事ができないからか。
それとも、傷ついた心を抱えながら海外を延々彷徨く笑顔の素敵な冒険家の座標も確認できないからか。
だが、実のところを言えば、俺の心は決して負の感情で凪いでいる訳ではない。
不謹慎な事を言えば、少しばかり興奮している。
東京は新宿のど真ん中。
幾つかのビルを押しつぶし降り立った黒いピラミッド。
一触即発、という雰囲気でビルを遠巻きに眺める民衆に。
アコムの看板の上に立ち、黒いピラミッドを見つめる赤と白のめでたいカラーリングのパーフェクトサイボーグ。
それを隣のビルから見上げる始まりの戦士。
「もうそろそろかな?」
「慌てる乞食は貰いが少ないという名言を知らんのか」
隣に立つ赤いイクサを諌める。
まだまだ、あれはどちらかと言えばゲゲルの参加者側だ。
標的は別に現れる。
今か今かと待っている間に、紅白サイボーグ──ゼクロスが飛び出し、それを遅れて飛び出した戦士──一号が留める。
伝説の一ページに遭遇しているのだな、という思いと共に、神経を集中し一号とゼクロスの会話を盗聴。
「あの一号って人もしかして説得下手?」
「仮面ライダーは人類の自由と平和を守る戦士だからな」
「その心は?」
「一番に磨いてきたのは戦闘力って事だよ」
実際、戦いを続けていて説得が上手くなるなんていう訳が分からない事態は中々発生しない。
それが十年と続いたのだから、人を説得する機能はむしろ退化していると見るのが普通だろう。
何しろ、IQが幾ら高くても昭和のライダーは大体脳味噌ばかりは無改造の人が多い。
影の世界で暗躍を続ける秘密結社を相手取る為に自らも秘密を抱えながら生きているのだから、人と接する機会も少なくなるだろう。
ライダー同士、あるいはおやっさん等含むサポーターと交流をする事があっても、それは結局同じ志、同じ未来を見つめている様な相手ばかりなのだから、閉鎖的で似た価値観同士の意見の出し合いにしかならない。
「ちょっと口出しに行こう」
「ルールとマナーを守って楽しくゲゲル! ってやつだよね」
「うんうん、それもまたゲゲルだよね! とも言う」
とうっ、と、心の中で掛け声を上げながら、微妙に噛み合わない説得とまんじりとしない暴力をふんわりぶつけ合うゼクロスと一号の間に飛び込む。
「あいやご両人、ここは少しだけ、ほんの少しだけお待ち下さい」
「ほーら、ブレイクブレイク、ライダーブレイク♡」
馬力の関係上、そして人柄などを考慮して、一号の方にはグジルを行かせ、俺はゼクロス寄りの中程へ。
「なんだお前は」
「怪しい者ではありません。通りすがりの謎の黒い戦士です」
「そして私が謎の赤い戦士だ。素顔は花も恥じらう様な可憐な美少女だけど美少女戦士とは呼ばなくていいぜ!」
背中越しにびっ、と、親指を立てたグジルの前では、耳元に手を当てた一号が、恐らくストロンガーの人と通話している。
ライダー同士の通信は基本的に日本国内程度なら大体つながる訳だが、これが将来的には一般人でも回線さえ無事なら大体どこでも通話できるようになるっていうんだから人類の科学は素晴らしい。
あ……いや、この世界でも携帯は普及してるのか。
時代がややこしいんだよ……。
ならライダーの通信システムを解析すれば、ライダーと直通で繋げられる電話くらいは作れるかもしれない。
俺は絶対に要らないけど。
絶対逆探とかされて居場所抜きに来るだろうし。
とかやっていると、ゼクロスが俺の言葉を無視してピラミッドに向き直る。
ので、それを取り敢えず肩を掴んで引き戻す。
そのまま両手で両肩をつかみ、真正面から顔面を覗き込んで話す。
「まぁまぁ少しこの若造の話をお聞きなさい。あのピラミッドに直接キックなりパンチなりするおつもりですか? あのピラミッドがどれくらいの壁の厚さでどういう材質で出来てるかも分からないのに? それは些か無謀が過ぎるというものです。ああいう連中が機動要塞を一般人溢れる市街地に下ろした時に行う事は一つ、それを待てばもっと敵を叩きやすくなるというもの。あなたが何か復讐的な激情のままに動いているのはなんとはなしにわかりますが、それならそれでちゃんと相手をきちんと殴って蹴って叩き殺す為の手順というものを考えながら動くのが近道」
「うるさい!」
思いっきり力強く手を振り払われた。
はぁん。
やっぱ昭和の戦士はダメだな!
暴力的だし人の話を聞かない。
お前らどいつもこいつも平成の二号ライダー枠かよ。
だけど、さっきのものすごい早口で言ったセリフ、あそこまでは取り敢えず聞いてくれた辺り、やっぱり元の人柄は悪くない人だよねこのムラサメ。
「これ以上邪魔をするなら……」
す、と、十字手裏剣を構えるゼクロス。
当然イクサカリバーを構え、対峙。
「行くなって言ってるんじゃないですよ? 少しの
という、会話に付き合ってくれる辺りホントに良心的だよね。
もう時間稼ぎ終わったわ。
遠巻きに黒いピラミッドを眺める群衆がざわめく。
黒いピラミッドの中程が開き、身体のあちこちを欠損させた鞭を構えた怪人、地獄大使が姿を表す。
が、それは本題ではないし、それほど重要な事ではない。
ズンビーと化した地獄大使に率いられる様に、六体の仮面ライダー……所謂、偽ライダーが姿を表す。
そもそも偽も糞も製造元が再生産した形になるんだからあっちこそ本家ではないか、という感想を置き去りに──
―――――――――――――――――――
「お先!」
跳躍。
ブラックイクサは念波で呼び寄せたマシントルネイダーに飛び乗り、黒いピラミッド──ショッカーライダー達へ目掛けて飛翔する。
一直線、とはならず、弧を描くように空へ。
「ズルい!」
ブースターも無い背から炎の翼を広げながら、レッドイクサがビルから飛び立つ。
その背を追う様に一号が、そしてゼクロスがビルの上を走り出す。
「一緒に戦ってくれるのか?」
「敵は七体、動いてるのは六体だから、半々な!」
言いながら、レッドイクサが更に高く飛ぶ。
その手の中にはブラックイクサの構えていた物と同じイクサカリバー。
黒いピラミッドの上空、挟み込む様に位置する二体のイクサが、ガンモードのイクサカリバーから銃撃を放つ。
放たれるのは、所有者のアギトの力を変換して作られた高濃度フォトンブラッドの弾丸だ。
無論、純粋にスペックだけで核兵器の爆心地に居ても生還できるライダーと同型の偽ライダー相手では牽制目的の攻撃にしかならない。
所謂、ヘイト稼ぎと呼ばれる行為だ。
BADAN内部においても暗闇大使と復活した地獄大使においてすら行動の指針にブレが存在するが、どちらの命令においても、自分達BADANに歯向かうものを抹殺する、という一点には変わりない。
ショッカーライダーの内数体が、迫るフォトンブラッドの弾丸に向けて指先から、或いは展開した胸部からミサイルを飛ばし迎撃する。
二人のイクサの放つ攻撃が完全に未知のものであった為だ。
核兵器に耐え、二十万度の熱にも耐えるライダーのスペックに驕らず、未知の攻撃に迎撃という形で対応できる、という点において、やはりショッカーライダーの素体として選ばれたのは優秀な戦士だったのか。
フォトンブラッドの弾丸の雨を、放たれた無数のミサイルが撃ち落とし、爆発。
爆炎、黒い煙が辺りに立ち込め、視界を閉ざす。
次の瞬間、レッドイクサへミサイルを放っていたショッカーライダーの背中目掛け、黒煙の中から飛び出してきた赤い変形したバイク、マシントルネイダーが突き刺さる。
無論、それだけでかなりの衝撃ではあるが、この一瞬に脳改造により冷徹な思考を崩さないショッカーライダーは周囲への警戒を強める。
謎の飛翔体は囮だ。
別の方角から来る。
或いは反対に居た赤い個体が何かをしてくる。
脳改造は何も洗脳ばかりを目的に行われる訳ではない。
強化された筋肉、反射神経などを自在に制御する為、肉体に合わせて頭脳も最適な性能にチューンナップされるのは当然の事だ。
自由意志を残した仮面ライダーが驚異的な才能や精神力、たゆまぬ努力の末に獲得する肉体の制御を、ショッカーライダーは最初から手に入れた状態で稼働するのである。
完全に制御された脳髄は戦闘に際して常に的確な判断を下す事を可能とするのだ。
だが。
だからこそ気付くのに僅かに遅れる。
バイクだけを先に突っ込ませ、しかし、本体はただ遅れて同じ軌道で飛んでくるなどという奇策。
先のマシントルネイダーの特攻と殆ど同じ軌道で、しかし、遥かに早い速度で突っ込んでくるブラックイクサ。
足先に半透明の金色の円錐を纏ったその身体が、ショッカーライダーの一体に着弾する瞬間に一瞬消失し、ショッカーライダーの眼前にて滑るように着地する形で再出現。
次の瞬間、ショッカーライダーの身体にΞにも似たマークが現れ、胸から上がボロボロに崩れる様に崩壊し、その場に膝を付く。
六体の内の一体が破壊された。
しかし、それに動揺する情緒をショッカーライダーは持ち合わせていない。
必殺技と思しき蹴りを放ち残身をしているブラックイクサはショッカーライダーに囲まれており、格好の標的だ。
炎が、ナイフを仕込まれた蹴りが、溶解液がブラックイクサに迫り──
──頭上から迫るレッドイクサに、その場の誰もが気付けない。
黄金の円錐を脚に纏ったレッドイクサが一体のショッカーライダーに突き刺さる。
頭上、脳天から股にかけての唐竹割り。
一瞬本体が消える現象を誰か確認できたのだろうか。
先までショッカーライダーの一体が居た場所にはレッドイクサが片膝を着いて着地し、その左右に真っ二つに割れたショッカーライダーだった残骸が吹き飛んでいる。
ブラックイクサ、レッドイクサ。
共に初撃は視界や認識を誤魔化しての不意打ち。
それはどちらも、ショッカーライダー達の意識の外にあった。
不意打ち、騙し討ち、そういった行為を行う敵を、そういった行為が自分達に通用する程度に技術力が拮抗する敵を、相手にした経験が無い。
「これで」
「数の上では互角だよなぁ?」
背を預け合い立ち上がる二色のイクサ。
その両手にはソードモードに変形したイクサカリバーが、黄金の刀身を輝かせている。
それに追いついてきた一号とゼクロスが並び立つ事もなく、残りのショッカーライダーに襲いかかる。
無論、脳の分泌物まで最適な状態に調整されているショッカーライダーに動揺や戦意の減少はあり得ないが……。
形勢は既に決したと言っていいだろう。
──これは、BADANによって魂を持たずに復活させられた傀儡に過ぎない再生怪人に限らず、多くの悪の組織が抱える問題だ。
基本的に、世界規模の悪の組織というのは同時に複数存在する時代が殆ど存在せず、当然、同業他社との小競り合いなども無く、怪人同士の生死を分けた戦いというのは、基本的には行われない。
そして、その悪の組織に立ち向かう仮面ライダー達は、差し向けられる刺客、或いは任務遂行中の怪人を相手に、本気で殺すつもりで戦闘を仕掛ける。
怪人の身体で行う対怪人戦闘のノウハウを、生きている限りは延々蓄積し続けるのが、主義主張を無視して行動履歴だけを辿ってみた場合に見えてくる仮面ライダーの実績なのだ。
そして、ブラックイクサとレッドイクサ、小春交路と小春グジルが辿ってきた戦いというのは、汎ゆる手を尽くして、敵対する怪人……非人間の怪物を殺し続ける戦い。
そしてその戦いは必ずしも正々堂々としたものではなく……倫理観の面で見れば、悪の組織と悪の組織の潰し合いも同然。
これは、正義の戦士を相手取ってきた戦士であるほど陥る思い込み。
『悪事を行うのは自分達』
強大な組織に属する悪党であるという自覚が下手にあるが故の思考の狭窄。
戦いはイデオロギーのぶつけ合いではない。
ただ、力と力がぶつかり合い、どちらかが打ち負けて死ぬ。
本来であれば、どちらの立場にあろうとも手段が選ばれる事はありえないのだ。
この世界の人間たちは知らない。
仮面ライダー達ですら知らない。
旧世代ゲゲルの最終チャンピオン、小春交路は覚醒者アギトにして、ンの称号を冠する新たなる究極の闇である。
彼が対峙するのは、
汎ゆる倫理観をかなぐり捨てて、自らの幸せな人生の為だけに、戦うのだ。
―――――――――――――――――――
残りの四体?
四体四なら普通に勝てるに決まってるんだよなぁ。
一号は今の今まで蓄積してきた戦闘技術の差がある上、ゼクロスは純粋スペックで、実は俺とグジルも現時点でショッカーライダーのスペックは軽く凌駕しているのだ。
「よいしょ、よいしょ」
「どんどんしまっちゃおうねぇ」
グジルと二人、破壊されたショッカーライダーのボディを死体袋に詰め込んでいく。
大体がバラバラの粉々になってしまったが、幸いにしてお腹の辺りから真っ二つになった個体なども居るため、俺が最初に殺した個体やその他スクラップと共食い整備すれば一体分にはなる筈だ。
わぁい。
念願のショッカー製ライダーボディを手に入れたぞ。
嬉しいなぁ。
知っている人は知っているかもしれないが、昭和の悪の組織で作られた改造人間には殆ど生身の肉体が残されていない。
パーフェクトサイボーグなどという随分な呼称を持つ個体も後の時代に、或いは今あのへんに存在しているけれど、大体の改造人間はパーフェクトサイボーグだ。
何しろ科学力がすごいので、人間部分は脳髄とか脊柱くらいだろうか。
それも再生怪人の件を考えれば最悪機械で代替できるというのだから素晴らしい。
やはり便利な兵隊を作ろうと思ったら下手に生身の部分を残す必要は皆無なのだ。
脳味噌など最初から残さずに全て掻き出してきっちり暴走しない機械の頭脳を詰め込んでおく。
これが最適である。
「待て、その残骸をどうするつもりだ」
最適なのだけど、この世の中には最適であろうとしない人間というのが存在するのだ、困った話ではあるが。
呼び止めたのはお馴染み、残り四体の内三体を見事ゼクロスと共闘して撃破した仮面ライダー一号の人。
なんで邪魔をするの……?
ここで、実際にこのショッカーライダーの残骸で何をするか、というのを、説明するのは容易い。
それによって得られるメリットは確実に人類の勝利へと繋げられるものだと俺は確信しているし、俺の利益にならずとも、元の世界に帰る前に結果的にこの世界の人類に優勝して貰う必要がある以上、そこに繋げる為に無理のない程度には努力しようとも思っている。
が、それで彼等が納得するかはわからない。
なんとなれば十人……ゼクロスがカウントされると十一人が十一人、似てるようで結構主義主張が違うし、何なら主義主張は違う筈なのに連帯感はきっちりあったりするのだ。
閉じたコンテンツ、狭いコンテンツにありがちな、外の人間にとっては面倒なものでしかない団結力。
それを前にすれば、過半数を納得させるなんていうのは到底不可能と言っていい。
無論、説明を求められれば然るべきタイミングで適宣言葉を選びながら解説しないでもない訳でもないこともないのだけれど……。
「あ! 見て! 空にでっかい銀色のドクロが!」
死体袋をしっかり握ったまま、空を指差す。
古典的な注意を逸らす作法ではなく、実際に上空には額に恐らく第三の目の入っていたと思しきくぼみのある銀色のドクロが浮かんでいる。
いや、これは実際に上空にこの様な物体が存在している訳ではなく、人間の神経に直接介入して見せる幻覚の様なものなのだが……。
『ヒトよ、聞け……』
『そして、知るが良い……』
この様に、神経をジャックして聞こえていると錯覚させる語りかけをする為のブースターなのか、あるいはただの人類の本来の役目わからせおじさんとしてのアピールなのかは不明だ。
『我が名は……JUDO』
ペントハウスで星が降り注ぎそうな名前してんなって思った人絶対一杯いたよね。
『そして、バダンの大首領……!』
これはこれはどうもご丁寧にありがとうございます。
『聞かぬ名だ』
小規模経営ですので。
あと実は未来人なので、実際に活動が開始される時代だとジュドーさんはいらっしゃらないので、そのせいではないかな、と。
『我が死ぬ、と』
それは勿論。
何しろ貴方、現時点では事実上死んでおられる。
『成程……貴様の心が見えぬのはその為か』
『だが、そう時を置かず、我は新たな肉体を手に入れよう。さすれば、貴様の謳う未来とやらは覆る事となる。貴様の帰る場所は消え失せ、貴様は他の人間と同じ様に』
かっ、と、脳裏に人間を喰らう巨大な龍のイメージが浮かび上がる。
そんなんじゃ甘いよ。
宇宙の旅をする為に人間を育てて増やして燃料にしようなんてまっとうで理に適った理由で行われる行為に何の恐れを抱けと言うのだろうか。
そんなのは菜種油で飛行機飛ばすからセイヨウアブラナの花畑作るぜ! そして収穫するぜ! って言っているようなものだ。
せめて、自分が愛していた人類は消えつつあるから全部殺して無かったことにして最初からやり直しましょう……みたいな傲慢さを持って欲しい。
持つな(激怒)。
などと、人類滅亡の日先行試写会を行っている間に、俺とグジルは既にショッカーライダーを詰め込んだ死体袋を抱えて黒いピラミッドから降り、AI制御で動くコンバートキャリアーへと乗り込んでいるのであった。
このJUDOのメッセージ、実は脳内に語りかけては来るものの、龍のイメージも脳裏にまざまざとその光景が焼き付けられるだけで視界もクリアー、当然肉体も普通に動くので、来ると思っていれば話をしながら行動が可能なのだ。
立ち止まってするほど重要な話でもない。
未だザワザワしている群衆とライダーの方々をコンテナ後方に付けたカメラで眺めながら、脳内に響く収穫宣言を聞いて、浮かんだ疑問をそのまま脳内で言語化する。
幽世へ留まりし間によく増えてくれた、って、なんか自分の意思で留まって人類が増えるのを待ってた風に言ってるけど、お前が部下の翻意に気付かず、命がけで立ち向かわれただけで封印されたマヌケだってのは分ってるんだかんな?
誰も彼もがお前の過去を知らないものとは思わない方が良い。
そういう勘違いしてると、まったくの意識の外から不意打ちを食らったりするから。
あと、一緒に幽閉されてる裏切り者に激高しながら暴力振るうとかもなんか……大首領としての格が下がるから止めといたほうがいいんじゃないかな。
……んー? 反応が無いなぁ。
怒りで震えてるとかじゃないよね?
逆に、もしかして俺、めちゃくちゃ的はずれな事言いまくってて呆れてるとか?
そうだよね、星の海を一緒に旅した頼れる忠臣が、龍の燃料の原始的生物に絆されて牙を向いてくるとか、挙げ句それに気付け無いとか無いよね。
いやー申し訳ない!
知ったかぶりして恥かいちゃったな!
めんごめんご!
じゃ、俺はもう忙しくなるのでこれで切ります。
アデュー!(レジェンド)
神経への介入をカットする。
「おおう」
唐突に龍のイメージが消えて眼を白黒させるグジル。
まぁ白黒と言っても未だにブラックイクサとレッドイクサなので目の色は固定なのだけれど。
「どうだった?」
「すげー。あれがVRってやつかぁ。ネズミの国でもあんなん無かったぜ! ま、私の相棒には負けるけどな」
「ボルトレックスも連れてこれてればなぁ……」
「交路だってロードインパルス置き去りじゃん、おあいこおあいこ」
トロトロと、走行音で気取られない様にその場を離れていくコンバートキャリアー。
こんな事もあろうかと静音タイヤに変えておいたのだ。
バックカメラの中で遠ざかっていく、一号、ゼクロス、滝さん、その他。
少し待つとゼクロス……ムラサメがゼクロスボディの怨霊のイメージでぶっ倒れる。
それを待って、診察する、俺は改造人間医療の心得がある(無い)と言って、最高の神ボディを拝ませてもらう事も考えたのだが……。
あれは再現率が高ければ高い程にJUDOの器として機能する確率が高くなる危険物である、
無論、JUDOを倒してしまえばこれのコピーを量産するというのもありなのだけれど……。
まずは、手元に来た資料から研究するのが手堅い。
対向車線に、ライトのど真ん前に派手な飾りを付けたバイクに跨るヤンキーっぽい人が。
お前こっち見てちょっと怪訝な顔してるけど、そのライトの前の飾り絶対夜間走行の邪魔になる違法改造だって分かるんだかんな。
ライダーの視力なら多少ライト塞がってても大丈夫みたいな理屈、ぶつかられた方からは通らないんだかんな。
という文句を胸に秘めつつ、すれ違いざまに片手を上げて気さくに挨拶。
めちゃくちゃな改造のバイクの人も片手を上げてヤエーで返してくれた。
そのまま通り過ぎ、ゼクロスやら一号やらが居る方向へと走っていく。
悪の秘密組織の構成員は、基本的に道路ですれ違っても片手を上げたり短くクラクションを鳴らしたりして挨拶をしない。
逆説的に、すれ違いざまに気軽に挨拶をすると、なんとなく、あ、相手はこういう時にさっと挨拶をしてくる程度には礼儀のあるやつなんだな、と、変な判定を下しがちなのだ。
……無論、いまので完全に何の変哲もない一般謎のトレーラーと謎のパワードスーツの二人組だと思い見逃してくれるとは思わないが。
あっちはあっちで最新最古の悪の組織の大首領の器に関わる話をするところなのだ。
即座にこちらに追手が迫るという事もあるまい。
平時であれば他のライダーや民間協力者を追手として差し向ける事もあるだろうが、今は全国にライダーが広がってそれでも手が足りない程だ。
これも全国に黒いピラミッドが現れてくれたお陰だな。
さっさと青森に戻り、ショッカーライダーの身体の秘密を、存分に解析させてもらおう。
どうにもこうにもどうにもならない(本編の次の話のネタが思いつかない的な意味で)そんな時
外伝更新で脳をリフレッシュする余裕が欲しい
欲しいのでした
汝の欲するところをするがよいって神託があったから……
予告編部分と結構展開が異なっているのはまぁ劇場版として見ればよくあることなのでは
☆謎の戦士ブラックイクサ、レッドイクサ
本編の更新に合わせてファイズ関連技術が組み込まれたぞ!
夢というなの番外編だから何しても良い感
555終わったら剣だけど、あれの技術使うには融合係数とかも必要になるから技術をそのまま流用できるかは不明だからね
RRKKに関してはたぶんふかし
ただ、現状本編の技術でも大体同じことができるので、555編から剣までの間に差し込まれた話として合流する可能性が無いでもないという事は無い
だってSPIRITS本編が完結まであと何年かかるかわからんし、JUDOも底を見せたのか見せてないのかわからんし……
やっぱ田舎で子供のためにツリーハウスを作って地元民の方々とも懇意にされてる方はのびのびじっくり話を展開できてすげぇなぁ!
☆一号の人
ショッカーライダーを倒すのを手助けしてくれたし戦力的にも心強いけど、ショッカーライダーの残骸を集め始めた辺りから『ん?』ってなるやつ
で、JUDOの話を聞いていたらいつの間にか消えてたという怪しさ
人の言うことは、信じなければならない
でも、信じる者は儲けになる……
名言なんだよなぁ……
☆ゼクロスの人
現時点では復讐者寄りなんだけど、黒いピラミッドに向かう時に一号の説得としても微妙な説得にある程度立ち止まった挙げ句に少し悩んでしまうもうやっぱり性根はライダー向きなんだなってわかっちゃう人
両肩掴まれてめっちゃ早口で説得されたくらいの印象しか抱いていない
各ライダーの生き様を見て学んで育っていくタイプだけど、うちの主人公はライダーパワーを持った謎の人物枠でしかないってそれ一番言われてるから
☆いきなり秘匿情報をぶっこまれて少し黙り込んでしまうJUDOさん
この頃のJUDOさんって牢獄の中でツクヨミ君に当たり散らしたりめっちゃ人間臭いよねって話
事情を知った上でこのときの発言を見ると、ああ、なんか、ギリギリ威厳を保てる嘘じゃない言い回しを考えてきたんやなってほっこりする
人類抹殺が目的じゃなくて、龍の餌とするから結果的に人類が滅ぶだけなのでテオスさんよりもまだ普通よりの思考プロセス
テオス側の思考プロセスがクズすぎるという意見も
どうしても散文的な文章になるなぁという印象
ていうか戦闘シーンとJUDO会話シーンだけで一話というのは贅沢な使い方だなぁ
まぁでもこっちは本編に絡まない息抜き外伝なので気にしない気にしない
次回こそは本編でおもしろかっこよくしたいので、そちらの投稿も気長にお待ち下さい