宝石の国 Jewel the Land   作:naogran

8 / 14
アメシスト84「フォス〜、走って。」

棘は1度離して、また噛み付いた。

アメシスト84・33「いやああああああああああ!!!!」






ツルギ「うおおおおおおおお!!!!!」






真横からツルギが現れ、ジュエルブレードで物体の青い棘を破壊した。青い棘が壊され、アメシストが落下していく。

ツルギ「アテナ!!」

アテナ「はぁっ!!」

魔法を放ち、アメシストを救出してゆっくりと地面に降ろす。

アテナ「ツルギ!アメシスト救出しました!」

ツルギ「よし!」

すると再び物体が現れ、今度はツルギを噛み付こうとした。

ツルギ「っ!!」

するとそこに。

ボルツ「っ!!」

異変に気付いたボルツが青い棘を破壊した。

ツルギ「ボルツ!」

ボルツ「油断するな!!」

ツルギ「分かってる!!」

2人で物体の青い棘を破壊する。地上では、異変に気付いたイエローダイヤモンドとジルコンが到着した。

アテナ「手伝って下さい!」

イエローダイヤモンド「分かった!」

ジルコン「はい!」

3人でアメシストの欠片を集める。そこに金剛先生もやって来た。ツルギとボルツは地上に着地した。金剛先生はボルツの頭を撫でた。

ツルギ「っ!」

ジュエルブレードを天に掲げて光を集める最中、金剛先生がツルギの前に出た。

ツルギ「金剛さん?」

金剛先生は、ツルギの方を見て頷いた。

ツルギ「っ?」

指を鳴らすと、小さな宝石の欠片達が生成された。

金剛先生「哀れな。」

そして宝石の欠片達を月人に向けて放った。宝石を受けた月人達が爆発した。

ツルギ「・・・・!!」

戦慄してるフォスに、激怒したボルツが剣先を向けた。

ボルツ「お前・・・何をしていた!!!!!!」

しかしフォスは答える事すら出来なかった。フォスにトラウマが芽生えてしまった。






あの戦いの後、ルチルがアメシストの治療をしていた。糊をアメシストに塗って、身体を繋ぎ合わせる。するとアメシストが起き上がった。レッドベリルがアメシストの髪を何時もの髪型にする。

ツルギ「アメシスト。」

アメシスト84・33「ツルギ。」

ツルギ「具合はどうだ?」

アメシスト84「もう大丈夫。」

アメシスト33「もう動けるよ。」

ツルギ「そうか。良かった。」

そして2人の前には、深く土下座をしているフォスが居た。

フォス「怖くて・・・動けませんでした・・・」

アメシスト84・33「ごめん・・・」

アメシスト84「僕らに油断があった。」

アメシスト33「フォスのお手本になろうとして、張り切り過ぎたよ。」

アメシスト84「怖い思いをさせたね。」




アレキサンドライト「ちょっと!!」

そこにアレキサンドライトが走って来た。

アメシスト84・33「アレキサンドライト。」

ツルギ「どうした?」

アレキサンドライト「新しいタイプの月人出たんだって?」

アメシスト84・33「うん。アレキさん。」

アレキサンドライト「っ!?」

ルチル「保健室では静かに。アレキさん。」

レッドベリル「熱心ねぇ〜。月人マニアのアレキさん。」

アレキサンドライト「アレキちゃん!っと呼べば何度言えば分かる!歯の表層がサファイアなのは聞いた!小僧、詳しく!」

ツルギ(サファイア?)

アメシスト33「ん〜・・・」

アレキサンドライト「思い出せ!」

アメシスト33「あっと言う間だったし、近過ぎてよく・・・」

アレキサンドライト「思い出せ!」

ツルギ「アレキサンドライト、少し落ち着けよ。」

アメシスト84「ん〜・・・そうだ、フォスなら。」

アレキサンドライト「フォス?」

アメシスト33「フォスなら全部見てたんじゃ・・・」

しかし既にフォスの姿は無かった。

ツルギ「フォス?何処へ行った?」

アメシスト33「そうだ、ツルギなら。」

アレキサンドライト「ツルギ?」

ツルギ「え?俺?」

アレキサンドライト「ツルギ!詳しく教えて!」

ツルギ「そうは言っても・・・あの棘は・・・」

???「サファイアです。」

ツルギ「っ?」



そこにアテナが居た。

ツルギ「アテナ。」

アテナ「アレキサンドライトの言う通り、あの歯にはサファイアが使われていました。」






一方フォスは、夜の中を全速力で走ってる。

フォス(何時でも走れるようにならなくちゃダメだ!)




近くの浜辺にはシンシャが夜の見回りをしていた。

フォス「・・・・」

夜の見回りをしているシンシャを、草に隠れながら見守る。

フォス「今話せる事なんか・・・」

すると雪が降り始めた。この国に、冬の季節が来た。


第7章「冬眠」

後日、外は雪が積もり、銀世界が広がっていた。

 

ツルギ「冬の季節が来たか・・・」

 

アテナ「そうですね。銀世界が綺麗ですね。」

 

ツルギ「宝石達は?」

 

アテナ「冬眠の準備を進んでおります。」

 

 

 

 

宝石達「せーの!!」

 

巨大な毛布を広げる。

 

フォス「あー!」

 

広げてる途中にフォスが飛ばされた。

 

 

 

 

壁に布を貼る作業。

 

ジェード「右、引っ張れ!」

 

ゴーシェ「このくらいー?」

 

ジェード「もう少し左!」

 

ゴーシェ「こんなもんかなー?」

 

ジェード「もう少し右!」

 

ゴーシェ「っ!これでどう!?」

 

ジェード「もう少し上、いや・・・下か!」

 

ゴーシェ「ええ!?」

 

ユークレース「ちょ・・・ああ!」

 

ジェード「うぐっ!?」

 

積み重なってる枕を持ったユークレースがバランスを崩し、ジェードにぶつかった。

 

ユークレース「ああ!ごめんなさい!」

 

ジェード「いや、大丈夫だ!」

 

ダイヤモンド「・・・毎年寝るだけなのに、しわしわになっちゃうよ?」

 

パジャマ用のドレスをダイヤモンドに試着させてるレッドベリル。

 

レッドベリル「良いの!お洒落は意地と根性!この日の為に無い麻をやり繰りして作ったんだから!」

 

ダイヤモンド「はぁ〜い。」

 

 

 

 

そこにツルギとアテナが様子を見に来た。

 

ツルギ「もうここまで進んだのか。」

 

アテナ「今年の冬眠は楽に過ごせそうですね。」

 

ツルギ「にしても、宝石達が冬眠とは。」

 

 

 

 

尖ってる毛布があった。

 

ルチル「フォス?」

 

フォス「はい・・・」

 

中にフォスが入ってた。

 

ルチル「やっぱり。シンシャにここで冬眠するよう言ったのですがダメでした。せめて寝具を届けてくれませんか?」

 

フォス「っ!?荷重っ気不味い!それだけはご勘弁を!!」

 

毛布を被りながらルチルを追い掛ける。

 

ルチル「うわっキモ!私行くんで良いです!」

 

ツルギ「おいフォス、毛布取れ!」

 

毛布を取ったツルギ。髪が少し跳ねてる。

 

フォス「あのさぁ・・・冬眠って、しなきゃダメ?」

 

ルチル「え?」

 

フォス「いやぁ〜、今年は何か全然眠くないんだよね〜・・・」

 

ルチル「毎年1番早く寝て1番遅く起きるあなたが?診ましょうか?」

 

フォス「ヤブ医者の足の着け方が悪かったのかも・・・」

 

するとルチルが懐からハサミを取り出した。

 

フォス「ジョーク!」

 

ツルギ「フォスお前、言葉の使い方を気を付けた方が良いぞ。」

 

フォス「ん〜・・・・」

 

ルチル「冬は光の質が下がるので、起きてるだけで辛いのですよ。」

 

ツルギ「成る程なぁ〜。確かに冬の空には雪雲が蔓延してるからな。」

 

ルチル「一冬に晴れるのは平均して10日程。」

 

ユークレース「晴れればほぼ必ず月人が来るけど・・・その分読みやすいから、先生とアンタークチサイトにお任せしているんだよ。」

 

ツルギ「アンタークチサイト?」

 

フォス「アンタークちん、彼奴僕と硬度殆ど変わらないのに何でそんな事出来んの?ずり〜・・・・」

 

ルチル「彼はあなた以上に特異体質。通常完全な液体で、気温が下がると結晶し、寒ければ寒い程・・・強い。」

 

ツルギ「アンタークチサイト・・・南極石と言う意味だな。」

 

アテナ「どんなお方なのか会ってみたいですね。」

 

 

 

 

別の場所では、水の中から1人の影が現れた。

 

 

 

 

そして宝石達が冬眠の準備に入った。

 

ジェード「それでは先生。」

 

宝石達「おやすみなさい・・・」

 

金剛先生「おやすみ。良い夢を。」

 

 

 

 

 

その頃シンシャは、虚の岬の崖の中に居た。

 

 

 

 

 

部屋から出る金剛先生。

 

ツルギ「皆寝たか?」

 

金剛先生「ああ。ぐっすり眠りに就いた。」

 

アテナ「そうですか。じゃあツルギ、行きましょう。」

 

ツルギ「ああ。」

 

 

 

 

宝石達はぐっすり眠ってる。その中でフォスが目を開けた。

 

 

 

 

そして金剛先生は、直してもらった机に手を置いた。すると足音が聞こえた。身体中が白く、髪が銀色に輝いてる宝石が来た。

 

???「おはようございます!」

 

金剛先生「おはよう。」

 

 

 

 

 

 

「アンタークチサイト。」

 

その宝石の正体は、アンタークチサイトだった。

 

 

 

 

 

 

金剛先生「体調はどうだ?」

 

アンタークチサイト「はっ!例年通り、万全であります。」

 

金剛先生「毎年1人で寂しいだろ?すまないな。」

 

アンタークチサイト「と、とんでもありません。・・・そう言う訳ではないのですが・・・例年の・・・宜しいでしょうか?」

 

金剛先生「うむ。」

 

両手を広げると、アンタークチサイトが金剛先生に飛び込んだ。金剛先生がアンタークチサイトを優しく撫でる。

 

 

 

 

???「あんたがアンタークチサイトか。」

 

 

 

 

アンタークチサイト「ん?」

 

柱の裏からツルギが出て来た。

 

ツルギ「凛々しい姿をしてるんだな。」

 

アンタークチサイト「誰だ?」

 

すぐに構える。ツルギは両手を少し挙げた。

 

ツルギ「待て。俺は敵じゃない。」

 

金剛先生「彼はツルギ。私達と共に戦ってくれてる仲間だ。」

 

アンタークチサイト「仲間、ですか?」

 

ツルギ「そうだ。お前達宝石の仲間だ。」

 

アンタークチサイト歩み寄る。

 

ツルギ「それと俺は宝石でも月人でもない。人間だ。」

 

アンタークチサイト「人間?・・・」

 

ツルギ「深く考えなくて良い。俺もお前と同じ月人と戦ってる。そう考えた方が良い。」

 

???「ツルギ。」

 

ツルギ「ん?」

 

今度はアテナが来た。

 

ツルギ「丁度良い。アンタークチサイト、もう1人の仲間を紹介しよう。俺の恩人で、戦いと知恵を司る女神、アテナだ。」

 

アテナ「初めまして。アテナと申します。以後お見知り置きを。」

 

アンタークチサイト「ツルギの恩人?」

 

ツルギ「実は俺、月人に襲われた時にアテナに助けられた。そして俺に、宝石の剣「ジュエルブレード」を与えてくれた。俺はこのジュエルブレードで月人と戦っている。」

 

アテナ「私も月人と戦う為にここに居ます。アンタークチサイト、宜しくお願いします。」

 

ツルギ「なあ、俺とアテナもあんたの仕事の手伝いをさせてくれないか?冬は誰も居ないから暇なんだ。」

 

アンタークチサイト「手伝い?」

 

アテナ「私達は戦う他に業務とか手伝っております。」

 

ツルギ「金剛さん、良いか?」

 

金剛先生「良かろう。今年は3人で仕事をしたまえ。」

 

ツルギ「ありがとう。改めて宜しくな、アンタークチサイト。」

 

アンタークチサイト「ああ。」

 

3人は握手を交わした。

 

アンタークチサイト「ん?」

 

何かの気配を感じ取った。

 

 

 

 

 

 

冬眠していたはずのフォスが覗いてた。

 

 

 

 

 

 

アンタークチサイト「っ!?うわあああああああああ!?」

 

ツルギ「フォス!?」

 

アンタークチサイト「なっ!なっ・・・何故起きている!?フォスフォフィライト!!」

 

アテナ「冬眠していたはずでは!?」

 

フォス「いやぁ〜、何か、全然眠れなくて・・・」

 

ツルギ「それだけの理由かよ。」

 

フォス「起きてちゃ、ダメですかね・・・?」

 

金剛先生「ん・・・・・では、今年は4人で。」

 

フォス「やった!」

 

ツルギ「金剛さん!?」

 

アンタークチサイト「先生!お言葉ですが嫌です!ツルギとアテナなら兎も角、この役に立たない奴と!」

 

フォス「例年の、とは何・・・」

 

すぐにフォスの両肩を掴んで黙らせた。

 

フォス「か・・・?」

 

ツルギ(聞いてたのかよ此奴・・・)

 

アテナ(盗み聞きとは・・・)

 

 

 

 

 

 

今年はツルギとアテナとフォスとアンタークチサイトの4人で冬の活動をする事になった。

 

アンタークチサイト「全く、毎年最後まで寝てる癖に何だ?気紛れで何時までもフラフラと。私より半硬度上なのに、恥ずかしいと思わんのか?今年もどうせ無意な1年だったんだろ?今更その不安で眠れないか?」

 

フォス「それが・・・さ!」

 

言った途端に超高速で走り出した。アンタークチサイトが唖然とした。

 

アンタークチサイト「その妙な足、アゲートか?」

 

ツルギ「ちょっとした手土産だ。」

 

アンタークチサイト「戦争には出たのか?」

 

フォス「出たけどさぁ・・・肝心な時怖くて走れなくて・・・」

 

アンタークチサイト「怒られたか?」

 

フォス「いや・・・うわ!?」

 

途中で滑って転んだ。

 

アンタークチサイト「緩い!これだから団体行動は。」

 

アテナ「フォスフォフィライト、大丈夫ですか?」

 

手を伸ばしてフォスを起こす。

 

フォス「怒られなかったのが・・・」

 

アンタークチサイト「ん?」

 

フォス「悔しくて・・・眠れない・・・それに、冬は起きてるだけで辛いって言うから・・・ちょっと頑張ってみようかなって・・・」

 

ツルギ「フォス・・・」

 

 

 

 

 

 

アンタークチサイト「ならば、仕事を1つ分けてやろう。」

 

 

 

 

 

 

フォス「本当!?」

 

アンタークチサイト「きついぞ。」

 

フォス「やだぁ・・・」

 

ツルギ「お前な・・・」

 

フォス「けどやる!」

 

 

 

 

 

 

4人は雪の中を歩く。ツルギとアテナとアンタークチサイトは雪の中を真っ直ぐ歩く。

 

ツルギ「結構積もってるな。」

 

アテナ「多く降ったのですね。」

 

フォス「あぁ・・・」

 

しかしフォスは蛇行しながら歩いている。

 

フォス「光が・・・薄い・・・」

 

ツルギ「宝石達は光が命だからな。俺とアテナは光が必要無いから問題無い。」

 

フォス「全然・・・やば・・・い・・・」

 

アテナ「フォスフォフィライト!」

 

倒れるフォスをアテナが支えた。

 

アテナ「フォスフォフィライト、大丈夫ですか?」

 

フォス「薄い・・・」

 

ツルギ「アンタークチサイト、俺達どれくらい進んだ?」

 

アンタークチサイト「まだ半分だ。」

 

ツルギ「半分か。」

 

アンタークチサイト「晴れれば月人が来るぞ。」

 

アテナ「フォスフォフィライト、歩けますか?」

 

フォス「・・・・・・・」

 

アンタークチサイト「歩けなくても、歩け。」

 

するとフォスが、匍匐前進で前へ進んだ。

 

アテナ「無理はしないで下さいよ?」

 

フォス「ん〜・・・・」

 

ツルギ「しょうがない。ゆっくり歩くぞアテナ。」

 

アテナ「そうしましょう。」

 

フォスの速度に合わせて前を歩く。アンタークチサイトは先に進んでる。

 

 

 

 

 

 

そして到着地点に着いた。

 

アンタークチサイト「ここだ。」

 

フォス「っ・・・!!」

 

ツルギ「これは・・・!」

 

アテナ「わぁ・・・!!」

 

 

 

 

 

 

無数の流氷が目に映った。流氷の中には1つの塔があった。

 

 

 

 

 

 

フォス「つ・・・月人・・・?」

 

アンタークチサイト「いや、ただの流氷だ。」

 

ツルギ「流氷がまた見れるとは・・・」

 

フォス「流氷・・・?」

 

アンタークチサイト「海が凍る時、海底の微小植物を含んでいると、あの様な形状になるそうだ。だが、先生が1度だけ罪深き者と呼んだのが、何故だか忘れられない。」

 

ツルギ「罪深き者?」

 

アンタークチサイト「ああ。」

 

すると地震が起こった。

 

アンタークチサイト「来るぞ。」

 

フォス「え?」

 

流氷の塔が海の中へ沈んで行った。

 

フォス「わぁ・・・凄い音・・・」

 

ツルギ「沈んだか。」

 

アンタークチサイト「これからだ。」

 

塔が沈んだ後、何も起こらなかった。しかし。

 

 

 

 

 

 

”ゴゴゴゴゴゴゴ”

 

 

 

 

 

 

海の中から巨大な氷山が這い上がって来た。

 

アテナ「氷山ですね。」

 

 

”ギャアアアアアアアアアアア”

 

 

フォス「ああああああ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

氷山が這い上がったが、不快な轟音が鳴り響いてる。

 

ツルギ「何だこの音は・・・!!」

 

アンタークチサイト「この大きな流氷同士が擦れる時に出す不快な轟音が、皆の眠りを妨げるので砕く。」

 

巨大なノコギリを握る。

 

ツルギ「それがお前の仕事か。」

 

アンタークチサイト「そうだ。ツルギ、手伝ってくれるか?」

 

ツルギ「ああ、勿論だ。」

 

ジュエルブレードを握る。

 

ツルギ「アテナも手伝ってくれ。」

 

アテナ「はい。」

 

アンタークチサイト「行くぞ。」

 

ツルギ「ああ。」

 

 

 

2人は大ジャンプして氷山の反対側を駆け下りる。

 

アンタークチサイト「っ!!」

 

ツルギ「はぁっ!!」

 

ジュエルブレードとノコギリを同時に流氷を叩き付ける。すると流氷に罅が生じ、流氷がバラバラになった。

 

アテナ「はっ!!」

 

魔法を放ち、バラバラになった流氷を小さく砕いた。

 

アンタークチサイト「やってみろ!」

 

フォス「出来るか!!」

 

 

 

 

 

 

その日の夜、学校に戻った。アテナが光の魔法でフォスに光を与えてる。

 

フォス「あのぉ・・・凄い仕事を分けてもらって恐縮なのですが・・・」

 

アンタークチサイト「何だ?」

 

フォス「僕にはちょっと早いんじゃないかな・・・?足しか無いんですよ・・・足しか・・・」

 

ツルギ「やらせてくれってお前が言った癖に。」

 

アンタークチサイト「私だって、この気温ではまだ完全ではない。海に落ちたら、流氷の重みですぐに磨り潰される。慣れだ。」

 

フォス「本当・・・?先生を独り占めしたくて、わざと危険な仕事振ってない・・・?」

 

アンタークチサイト「叩き割るぞ。」

 

ツルギ「お前本当に言葉荒いな。」

 

フォス「む〜・・・」

 

アンタークチサイト「抵硬度から有機を取ったら何も無い。」

 

フォス「出来る事しか出来ないよ・・・」

 

アンタークチサイト「出来る事しかやらないからだ。」

 

フォス「出来る事なら精一杯やるよ・・・」

 

アンタークチサイト「出来る事しか、出来ないままだな。」

 

 

 

 

 

 

翌朝の流氷の上。

 

アンタークチサイト「セット。・・・ゴー!!」

 

合図と同時にフォスが全速力で走り出す。目の前の流氷を駆け上り、大ジャンプする。そしてもう1つの流氷の天辺に着地して、そのまま駆け下りる。

 

アンタークチサイト「よし。」

 

ツルギ「そのまま叩き割れ!」

 

剣を持って流氷を叩き割る。しかし逆に自分が割れてしまった。

 

フォス「え・・・」

 

アンタークチサイト「惜しい。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

フォス「疲れた・・・」

 

アテナ「まだまだ仕事がありますよ?」

 

アンタークチサイト「そうだ。これから日常業務だぞ。」

 

フォス「流氷割った日は休みじゃないの・・・?」

 

アンタークチサイト「雪が降るのに休みは無いだろ」

 

ツルギ「自分だけ楽になるな。」

 

フォス「ああぁ・・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日は、ツルギとアンタークチサイトが池の上の雪を掘る。

 

アンタークチサイト「流氷割り以外にも、日常業務は多い。」

 

ツルギ「結構積もってるな。けど良い体力付けになれそうだ。」

 

フォス「ふぇ・・・」

 

 

 

 

学校の2階でも。

 

アンタークチサイト「ここも。」

 

 

 

学校の庭でも。

 

アンタークチサイト「ここもだ。」

 

 

 

 

そして今度は、屋根の上。

 

アンタークチサイト「そして最後はここだ!」

 

スコップを刺すと、雪が流れ落ちた。

 

フォス「わああああああああ!!!」

 

 

 

 

その日の夜。フォスの腕を治療する。

 

アテナ「雪はどうでした?」

 

ツルギ「かなり積もってた。けどトレーニングには丁度良かった。」

 

アテナ「良かったですね。」

 

フォス「先輩マジ単独行動しか出来ないんすね。」

 

アンタークチサイト「悪かったと言ってるだろ!嫌みを言うな。学校巡回で最も危険な場所は皆の冬眠室だ。」

 

ツルギ「冬眠室?」

 

アンタークチサイト「ああ。全員恐ろしく寝相が悪い。特にボルツは・・・」

 

 

 

 

 

 

冬眠室へ行くと、ボルツが寝てる状態のまま歩き回っていた。アンタークチサイトがボルツに布を掛けた。

 

アンタークチサイト「布を掛けると寝る。」

 

フォス「何で?」

 

アンタークチサイト「知らん。」

 

ツルギ「布が心地良いからじゃないのか?」

 

アテナ「もしくは暗くして眠気を誘うみたいな?」

 

 

 

 

”ゴン” ”キイイイイイン”

 

 

 

 

突然謎の音が響いた。

 

フォス「っ!?何!?」

 

ツルギ「何の音だ?」

 

アンタークチサイト「ああ、これは・・・」

 

音の正体を確かめに行くと・・・

 

 

 

 

 

 

金剛先生の頭が壁に減り込んでた。

 

 

 

 

 

 

アンタークチサイト「先生が眠くて壁に減り込む音だ。この時も布を掛ける。」

 

フォス「・・・何で?」

 

アンタークチサイト「何となく。」

 

ツルギ「これ、ただの夢遊病だろ・・・」

 

アテナ「本当に大変なんですね皆さん。」

 

フォス「日常業務って大変・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日、フォスがノコギリで流氷を切る。不快な音が響いたが、もう慣れてる。ツルギとアンタークチサイトが流氷を砕いてる。アテナが魔法で砕いた流氷を小さく砕く。

 

フォス(どうにかなりそう・・・)

 

3人は次々と流氷を砕き続ける。フォスの額に小さな罅が生じた。

 

 

 

 

 

 

???『大丈夫?』

 

 

 

 

 

 

突然謎の声がフォスの耳に入った。

 

フォス「へ?え・・・」

 

周りを見るが、誰も居なかった。気のせいだと思ったが。

 

???『大丈夫?』

 

フォス「っ!?」

 

何と流氷の中から声が聞こえたのだった。

 

 

 

 

 

 

一方ツルギとアンタークチサイトとアテナが流氷を砕く作業を続けていた。すると。

 

フォス「アンターク!!」

 

アンタークチサイト「ん?」

 

ツルギ「フォス?」

 

ジャンプしてフォスが居る場所へ向かった。

 

アンタークチサイト「どうした?」

 

フォス「もうダメだ!」

 

アンタークチサイト「また弱音か?」

 

フォス「流氷が喋った・・・」

 

アンタークチサイト「ああ喋る。」

 

フォス「え?」

 

ツルギ「喋る流氷!?」

 

アンタークチサイト「先生が仰るには流氷も私達と同じ鉱物だから、微かに分かるそうだ。正確には言葉のような音を出しているだけで、内容までは分からない。」

 

アテナ「喋る流氷とは初めて聞きました。」

 

フォス「苦しい辛い帰りたいってハッキリ聞こえた・・・」

 

 

 

”ギャアァァァァ!”

 

 

 

また不快な轟音が響き渡った。

 

フォス「ああっ!あっ・・・アンタ・・・アンタ・・・」

 

ビビったフォスがアンタークチサイトの足を握った。

 

アンタークチサイト「ダメだな。」

 

アテナ「1度戻って金剛に報告しに行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

学校に戻って、金剛先生に報告しに行く。

 

金剛先生「流氷の言葉が分かるか。」

 

フォス「はい・・・朧げながら海の奴と話せる心当たりがあります。」

 

金剛先生「私もだ。」

 

ツルギ(ウェントリコススの事か。)

 

フォス「そうだ!一層流氷と仲良くなって叫ぶのを止めてもらうよう説得するのはどうでしょう?」

 

金剛先生「懲りなさい。流氷は意思を持っている訳ではない。だが・・・」

 

フォスの頭を撫でる。

 

金剛先生「見る者の不安を反射して増幅させる性質を持つ。古代生物の澱のようなものだ。流氷の前では心を穏やかに保ちなさい。」

 

フォス「は~い。」

 

今度はアンタークチサイトも撫でる。

 

アンタークチサイト「ん・・・フォスは思ったより付いて来ています。」

 

フォス「へへへへ。」

 

ツルギ「あんまり調子に乗るなよ?」

 

アンタークチサイト「叶わず事ですが、脚力程の腕力があればと願わずには居られません。」

 

フォス「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

流氷地帯に戻った4人。フォスは自分の左腕を見詰める。

 

フォス「足と同じ・・・」

 

ノコギリで自分の左腕を切り落とそうとした。

 

 

 

 

 

 

フォス「はっ!イカンイカン!何つーバカな・・・もう替えが無いってルチルに言われたのに・・・」

 

正気を取り戻した。すると次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

流氷『でも強くなれるよ。』

 

フォス「え!?」

 

 

 

 

 

 

ツルギ「っ!」

 

アンタークチサイト「どうしたツルギ?」

 

ツルギ「不吉な予感がする・・・アテナ、アンタークチサイト。ここを頼めるか?」

 

アテナ「どうしたんですか!?」

 

ツルギ「フォスに危険が迫ってる!行って来る!」

 

ジャンプしてフォスが居る所へ向かった。

 

アンタークチサイト「・・・・」

 

 

 

 

 

 

一方フォスは、流氷の声を聞いていた。

 

流氷『きっと上手くいくよ。』

 

フォス「っ!?」

 

流氷『噛み切ってあげる。』

 

割れてる流氷の中から声が聞こえた。

 

流氷『足も結局良くなった。良い方法を誰か知ってる。悪くはならない。変わらないと・・・勇気がないと・・・どうにかなる。』

 

流氷『間に合わないよ、このまま春になったら・・・シンシャが。』

 

割れてる流氷の中を見て、右手を伸ばす。

 

流氷『このまま春になったらシンシャが・・・』

 

右手を流氷の中へ入れようとした時。

 

 

 

 

 

 

ツルギ「フォス!」

 

フォス「うわ!?」

 

 

 

 

 

 

後ろからツルギがフォスを持ち上げた。

 

ツルギ「彼奴の声に騙されるな!」

 

フォス「・・・・!」

 

ゆっくりとフォスを降ろす。

 

ツルギ「ここは俺が砕く。お前は安全な場所から流氷を砕け。」

 

フォス「う、うん・・・」

 

走ってその場から離れる途中。

 

フォス「ああっ!!」

 

 

 

 

 

 

"ドボオオオオオン"

 

 

 

 

 

 

バランスを崩して流氷の中に落ちた。

 

ツルギ「フォス!!」

 

 

 

 

 

 

アンタークチサイト「っ!!」

 

アテナ「っ!」

 

近くに居たアテナとアンタークチサイトが流氷へ落ちたフォスを発見した。

 

アンタークチサイト「フォス!!」

 

アテナ「フォスフォフィライト!!」

 

急いでフォスを救出しに向かう。

 

ツルギ「フォス!!」

 

フォスの足を持って、引き上げた。

 

ツルギ「フォス!しっかりしろ!フォス!」

 

アンタークチサイト「ツルギ!!」

 

ツルギ「アテナ!アンタークチサイト!」

 

アンタークチサイト「っ!?」

 

アテナ「っ!!」

 

ツルギ「どうした?・・・なっ!?」

 

 

 

 

 

 

フォスの両腕が無くなっていた。

 

 

 

 

 

 

アンタークチサイト「フォス・・・腕は・・・」

 

ツルギ「アテナ!フォスの腕は!?」

 

アテナ「・・・流氷の奥深くに沈んでます・・・」

 

ツルギ「っ・・・!」

 

「END」




         キャスト

       ツルギ:岸洋祐

フォスフォフィライト:黒沢ともよ

    ダイヤモンド:茅野愛衣
       ボルツ:佐倉綾音
    モルガナイト:田村睦心
   ゴーシェナイト:早見沙織
       ルチル:内山夕実
      ジェード:高垣彩陽
     アメシスト:伊藤かな恵
    ベニトアイト:小澤亜李
      ジルコン:茜屋日海夏
イエローダイヤモンド:皆川純子
    ユークレース:能登麻美子
 アレキサンドライト:釘宮理恵
   ネプチュナイト:種崎敦美
   オブシディアン:広橋涼

 アンタークチサイト:伊瀬茉莉也

      金剛先生:中田譲治
       アテナ;川澄綾子



ツルギ「南極石のアンタークチサイト。俺とフォスとアテナは彼と共に冬の仕事をする事になった。しかしフォスの両腕が失ってしまった。そして迫り来る新たな危機が・・・」

次回「アンタークチサイト」

作者「次回はトラウマになりそうな予感ですが、それを回避する展開を作ろうと思いますので、ご理解いただければ幸いです。」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。