IS〜蒼き鬼神ケンプファー〜   作:種電

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第八話が色々とあれだったので、書き直しました。



第八話 改変後

「神楽坂 幸だ、よろしく頼む」

 

コウはニヤリと笑い、自己紹介をした。そして、次の瞬間には……

 

「「「きゃー‼」」」

 

「⁉」

 

「きゃー、来た、俺様系男子!」

 

「目つき、怖!だけど、それがいい‼」

 

「織斑君と違うタイプの男子!」

 

「ぐへへ、今年の夏コミは豊富やでぇ」

 

「きゃー、罵ってくださーい!」

 

女子達の先程まで抑えていたタガが外れた、ただでさえ、数少ない男子というより、二人しかいない男子が自分のクラスに二人とも来て、さらにタイプまで違うのだ。

騒がない方がある意味おかしいのだろうだが、女子達は騒ぐ対象を瞬時に変えた。

 

「というか、千冬お姉様が担任⁉」

 

「ナニソレ、ステキ!」

 

「千冬お姉様〜、私、北海道から遥々来ました〜!」

 

「きゃー、千冬お姉様ー!」

 

コウは頭が痛くなった。

これがISパイロット養成校の生徒かよ……と、ジオン軍時代の頃は、将来エースと呼ばれる様々な人が抗議などに来たことがあったが、こんな黄色い声をあげる者はいなかったし、一度シャアと一緒に養成校に行ったことがあったが、こんなことなどなかった。

ざわつく程度だった。

 

(まぁ、時代が時代だからか?)

 

コウがジオン軍時代にシャアと行ったときは一年戦争後期で、今は平和な時代だからの差だとコウは信じたかった。

そうでなければ、こんな養成校で過ごしたくない、ドイツで受けた訓練との落差がかなり激しい。

ドイツで受けた訓練ではシャルとラウラの二人を相手に模擬戦をしたり、黒ウサギ隊全員と連戦したり、クラリッサとラウラのコンビと模擬戦をしたりなどと、イジメのような訓練をしていたのだ。

 

(心が折れそうだった)

 

地上戦に特化した……いや、空を飛べないケンプファーに空を飛ぶISを複数機相手にするなど、イジメ以外に何があるのだろうか?

もう二度と黒ウサギ隊の連中と模擬戦をしたくないと思った。

 

「……神楽坂、お前の席は織斑の後ろだ」

 

「へい」

 

女子達の黄色い声など無視して、織斑先生はコウに席を教え、座るように指示をする。コウもうるさいので、さっさと座るかドイツに帰りたくなった。

 

(シャル、ラウラ……早く来てくれ)

 

そう、シャルとラウラはまだIS学園に来ていない。二人は自分の専用機の最終検査や調整がまだ終了していないらしく、来るのは六月あたりになるらしい。

それまで、知り合いが皆無とは言わないが、この学園で頑張らないといけないと思うと頭がまた痛くなり、ジオン軍時代の鬼教官の叫び声が恋しくなった。

 

「まったく、なんで私のクラスには毎年毎年……」

 

織斑先生は参っているようだが、何処か慣れてるように見えた。

嫌な慣れだな〜とコウは思ったが自分も孝の時代、毎日毎日来るアイツへのラブレターの仕分けなどに慣れていたことを思い出した。

 

「まぁいい……お前ら、このクラスのルールを教える」

 

(ルール?)

 

「私が言うことにはYesかはいで答えろ、NOやいいえなどを選んだ者には罰を与える」

 

前言撤回、この先生も鬼教官だわ。と独裁者のような発言をした織斑先生……織斑教官を見て、ラウラが織斑教官と慕う理由が理解できた、なんとなくだが。

 

「では、授業を始める」

 

こうして、神楽坂幸のIS学園の学生生活が始まった。

 

 

 

 

一限目が終わり、織斑教官と山田副教官は教室を出て行った。

その瞬間に緊張などが解かれ、生徒達は思い思いに休み時間を過ごす。そんな中、コウは前の席に座っている一夏の肩を叩いた。

もちろん、肩を叩かれた一夏は後ろを振り向き、相手を確認すると嬉しそうな顔をする。

 

「初めまして、二番君」

 

「こちらこそ、一番目」

 

「改めだ、神楽坂 幸、数少ない男どうし、よろしくな」

 

「織斑一夏だ、こちらこそ、よろしく……せっかくだから、名前で呼ばないか、お互い」

 

元より、そのつもりだったコウは喜んでと一夏の提案を受け入れ、お互い名前で呼ぶことになった。

 

「そういや、一夏の姐さんは織斑先生?」

 

「あぁ、自慢の姉だよ」

 

「……自慢ねぇ」

 

コウが知っている姉という人物は最終的に自分の兄を戦闘中に撃ち殺した。それが原因で、指揮系統は混乱し、防衛ラインの突破を許し、敗戦した。

余計なことをしてくれたとコウは呆れた……どの道、兄は殺されていただらうが。

 

「……一つ、織斑先生について、気になることがあるんだ」

 

「何だ?」

 

「……あの人、売れ残り?」

 

コウは本来聞きたいこと違うことを聞いた。だが、それでも一夏の顔は曇り俯く。

 

「千冬姉には言うなよ……あの人、去年のクリスマスに夜中で一人でTVをつけて、酒を飲みながら、ケーキに恨めしそうにフォークを突き刺していたから……さ」

 

「あ、うん、なんか、ごめん」

 

聞きたいことと違うことを聞いたのに、凄まじい罪悪感に包まれるコウだった。そして、同時に都市伝説である「ISの国家代表になると婚期も恋愛運も失う」という都市伝説は嘘ではないと思った。

何せ、去年のクリスマス、クラリッサが一人寂しく自棄酒をしていたからだ。

ちなみにコウはラウラとシャルの三人でクリスマスは日本ですませ、元旦まで三人で過ごしていた。帰ってきたら、クラリッサに恨み言を泣きながら言われた。

 

「そういや、コウは」

 

「少し、いいか?」

 

一夏がコウに何か言おうとしたとき、誰かに遮られた。二人が声がした方を向くと、日本刀と浴衣が似合いそうな大和撫子のような日本人の女子生徒がいた。

 

「箒⁉」

 

「ん、知り合いか?」

 

篠ノ之 箒(しののの ほうき)、俺の幼馴染だ」

 

ヘェ〜とコウは興味なそうな反応を示すが、本心は真逆で興味がある篠ノ之と言えば、あのISの開発者である天才の篠ノ之 束(しののの たばね)と同じ苗字だ。

しかも、以前聞いた話では、篠ノ之束には溺愛する妹がいて、しかも年齢的にも篠ノ之箒は一致するし、確か織斑千冬と篠ノ之束は友人だという話を聞いた。

となれば、篠ノ之箒は篠ノ之束の妹であり、白騎士事件を知る人物かもしれないと、コウは考えたが、面倒は嫌なので気にしないことにした。というか、篠ノ之箒は篠ノ之束の妹だということは、既に周知の事実であることを思い出した。

 

(何で忘れてたんだ?)

 

実はコウは興味がないことはすぐ忘れるタイプで、篠ノ之束の家族や友人などにまったく興味がなかったので忘れていた。

 

「一夏を借りていいか?」

 

「どーぞ」

 

「すまん、一夏ついて来てくれ」

 

篠ノ之箒はそう言うと一夏についてくるように促す。一夏は自分が行けば、この場所にコウだけを残してしまうのが気がかりだったが、コウはそんなことを気にしてないのか、さっさと行けと一夏に言った。

すると、一夏は篠ノ之の後について行った。

 

(……電話でもようかな?)

 

一夏が行き、暇になったコウは定期的に連絡を入れろとラウラ達から言われていたので、電話をしようと携帯を開くと見知らぬメールアドレスからメールが二通きていた、しかも、二通ともメールアドレスが違った。

しかし、見知らぬメールアドレスを見るほど暇ではないし、馬鹿ではないコウは二通とも削除しようと操作するが……

 

『このメールは削除できません』

 

と携帯の画面に表示された。

 

「は?」

 

何かの間違いではないかと操作するが、『このメールは削除できません』と表示される。面倒だが、一通づつ削除の操作をするが、やはり『このメールは削除できません』と表示される。

故障か?と首を傾げたが、その二通のメールを見ようとはコウは何故か思わなかった。

 

「無視すれば、いいか」

 

削除できないので、あれば無視をして、今度修理にでも出してみようとコウは思いながら、電話をするために教室を出ようとしたが、織斑教官の気配が近づいているのに気付き、足を止め、時計を見るとあと少しで休み時間が終わろうとしていた。

 

(後でいっか)

 

電話はまた後ですればいいと思い、席に座り、思い出した。

 

(一夏と篠ノ之の二人は大丈夫か?)

 

席に座ったとき、前の席に未だに一夏が座っていないの気付いたコウは二人を心配したが、その間にチャイムが鳴り、それと同時に織斑教官が教室に入ってきて、教室を見渡す。さすがに一夏と篠ノ之がいないことに気付いた織斑教官はコウに聞いた。

 

「神楽坂、織斑、篠ノ之は?」

 

「何か話があるらしく、何処かに行きましたー」

 

とコウが答えていると一夏と篠ノ之が呼吸を乱しながら戻ってきた。一夏の方はかなりキツそうだが、篠ノ之は鍛えているのか一夏よりはキツくなさそうだった。

そして、間をいれずに織斑教官が二人の頭を出席簿で叩く、バチィンといい音が教室に鳴り響き、織斑教官は顎で二人にさっさと戻れと指示をする。

二人は頭を抱えながら、席に戻った。

 

「では、授業を始める」

 

そして、何事もなかったように織斑教官は授業を始めた。

 

 

 

二限目が終わり、三限目で教鞭は振るうのは山田麻耶先生又は副教官。かつては、日本代表候補の一人で日本代表に一番近いと謳われるほどの実力者だったが、生まれもってのあがり症や緊張しやすい体質などがあり、結局は日本代表を辞退した人である……と、コウは聞いていた。

確かに雰囲気では感じ取れない強者の力を若干感じてはいるが……。

 

「ISのぶ」

 

「はぁ……」

 

ビタン!と電子黒板のプラグコードに引っかかり、コケる。

しかも、これが一度や二度ではない、三限目が始まって、数分で既に四回はこけている。どうして、そんなにこけれるのかをラウラと山田副教官に聞きたくなった。

ちなみにラウラは何もないとこで、よくコケる。

 

「うぅ……わ、わからない人いますか〜」

 

今回は額を打ったのか、若干額が赤くなっているが眼鏡は何ともなかった。

 

「神楽坂君や織斑君はどうですか?」

 

「大丈夫です」

 

コウはISの勉強もちゃんとドイツでしている。しなければ、夕食にありつけないから、物凄く頑張ったコウである。

 

「先生……わかりません」

 

「何処がですか?」

 

山田副教官は嬉しそうに一夏に近付く、数少ない教師としての見せ場だから、張り切っていたが、一夏の予想外の答えに思考が停止するはめになるとは、山田副教官はまだ知らない。

 

「ほとんど、わかりません」

 

「へ?」

 

「織斑、確か入学前に必読と書かれた本を渡したよな」

 

「電話帳みたいな厚さだったので、心が折れ、いてぇ⁉」

 

織斑教官は容赦無く愚弟の頭部に拳を振り下ろした。

 

「まったく……で、その本はどうした?」

 

「間違えて、電話帳を持ってきまし……ちょ、千冬姉⁉」

 

織斑教官は何処から出したかはわからない日本刀を一夏に振り下ろそうとしていた。先に気付いたコウは織斑教官の腕を掴み、振り下ろせないようにし、山田副教官は織斑教官に抱きつき、宥めようと

必死に努力した。

 

「落ち着いてください、織斑先生!」

 

「教官、気持ちはわかります、一夏を叩き斬りたい気持ちはよくわりますが!」

 

「離せ!今すぐ、この愚弟をぉぉぉぉ‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまん、迷惑をかけた」

 

しばらくすると織斑教官も落ち着き、刀を鞘にしまった。

 

「まったく、貴様は私のを貸そう」

 

「ご、ごめんなさい」

 

織斑教官は持ってきていた鞄を開き、一冊の電話帳を取り出した。

 

「……」

 

「……」

 

「「……」」

 

織斑姉弟はゆ何とも言えない表情、顔文字で言えばショボーンみたいな顔をして、ゆっくりとコウの方を見て、視線で訴えかけた。

 

「貸すから、こっち見んな」

 

コウはこの姉弟は馬鹿だと思った。

 

 

 

三限目が終わり、余程先程のミスが応えたのか、織斑教官は猫背になりながら、教室を出て行った。

 

「コウ、サンキューな」

 

「今日は貸すけど、次は電話帳と間違えんなよ」

 

「気をつける」

 

二人がそんな会話をしていると、篠ノ之箒が近づいてきて、一夏を呆れたような目で見た。

 

「まったく、貴様は……」

 

「面目ない」

 

「しかし、神楽坂は大丈夫なのか?」

 

「ん、大丈夫」

 

そうかと篠ノ之は一夏のノートを持ち、顔をしかめる。

コウはそれが気になり、篠ノ之から一夏のノートを見る……これは酷い。

 

「下手くそ」

 

「いや、箒に言われたくない」

 

「ふっ、私は完璧だ」

 

と、篠ノ之が突き出してきたノートを見て、負けたと悔しがる一夏とこっちも下手くそだなと思ったコウだったが、言ったら面倒臭そうなので、無視した。

コウがそんな二人の低レベルのノートの見せ合い、呆れていると誰かが近づいてくるのに気付き、そちらに目を向ける。

 

「少し、よろしくて?」

 

目を向けた先には、いかにも高飛車でお嬢様ですよと大声で叫んでいるような典型的なお嬢様が立っていた。コウはその典型的なお嬢様を知っている。

 

「「誰?」」

 

「おい、お前ら」

 

その典型的なお嬢様がわからないのは、一夏と篠ノ之箒のダブル馬鹿コンビだ。

 

「わたくしを知りませんの⁉」

 

「セシリア・オルコット、イギリスの代表候補の一人だ」

 

「!、そうですの」

 

自分を知っている人間がいて、嬉しいのか、その大きな胸をはる。

だが、馬鹿コンビの反応はまったく予想にしてない反応を示した。

 

「コウと呼んでいいか?」

 

「いいぜ、俺も箒と呼ぶけど」

 

「かまわん……ところで」

 

「「代表候補って、何?」」

 

ーーーえ?

 

ーーーえぇぇぇぇ⁉

 

二人の爆弾発言に一組の教室にいた全員が驚きの声をあげた。コウに至っては、一夏と箒、二人揃ってゴールデン・馬鹿コンビと名付けていた。ちなみに織斑教官を追加すれば、プラチナ・トリプル馬鹿である。

 

「オルコット」

 

「はい」

 

二人は馬鹿コンビにわかるように丁寧に丁寧に代表候補や国家代表など、ISでは基本知識を二人がかりで馬鹿コンビに教えた。

 

 

 

そうしている内に教官二人が戻ってきて、授業が始まろうとしたとき、織斑教官が思い出したように言った。

 

「あぁ、忘れていた。クラス代表を決めなければならない」

 

「クラス代表?」

 

「まぁ、所謂クラス委員長だ……ちなみに推薦のみを受け付ける」

 

うわぁ、面倒臭い。適当に一夏やオルコット辺りに押し付けようと

思い、推薦されないだろうオルコットを推薦かと悩んでいたら、一人の女子生徒が立ち上がった。

 

「私、織斑君を推薦しまーす」

 

「え?」

 

「私も」

 

と次々に一夏を推薦する女子生徒が席を立ち上がる。やはり、一夏が指名されたか、まぁ、たった二人の男子生徒だから、出したい気持ちはわからなくもない。だが、そいつは馬鹿だ。

俺なら、堅実にオルコットを選ぶ。

 

「皆、織斑君ばかりだから、あたしは神楽坂君を推薦します」

 

「いや、変な気を回さなくていいよ」

 

「神楽坂、ちなみにだが、辞退はできんぞ」

 

「なん……だと⁉」

 

き、聞いてないよ、ダチバナさん‼じゃなくて、センセー!

くそ、こうなれば、オルコットを指名するしか、道はない。

 

コウがオルコットを推薦するよりも、先にオルコットが席を立ち上がり、言った。

 

「納得いきませんわ!」

 

「……こっちもだよ!」

 

「だいたい、彼は馬鹿ではありませんか!」

 

オルコットは一夏を指差す。

指差された一夏は席から立ち上がり、反論した。

 

「誰が馬鹿だ!」

 

「代表候補も知らない人です!」

 

「箒を馬鹿にするな!」

 

「貴方もです⁉」

 

そして、二人の口喧嘩を始めた。

だが、それを止める者などいなかった。馬鹿にされた箒はこんななか寝ており、先程のオルコットの言葉など、耳に入っているはずがなく、コウに至っては黙っていた。

 

さらに二人の口喧嘩は過激化を増し、お互いを馬鹿にするではなく、お互いの国や親族を馬鹿にするまで至った。

 

「だいたい、日本という国にはモラルがなさ過ぎですわ、この変態国家!」

 

「何だと⁉不味い飯しか作れないイギリスよりマシだ、この万年飯まず国家!」

 

「貴方ーーー」

 

オルコットが何かを言おうとした瞬間、バァン‼と大きな音がした。口喧嘩をしていた二人もそれを見ていた女子生徒達も寝ていた織斑教官も箒も起きて、全員音がした方、神楽坂幸を見た。

 

「勝負をしよう」

 

「勝負?」

 

「あぁ、三人で模擬戦をするんだよ」

 

終わらない口喧嘩に苛立ちを覚えたコウは手っ取り早く、この場を終わらせるために模擬戦を提案した。ここはIS学園、しかも、クラス代表となれば、それなりにISに強くなければならない。

なら、模擬戦をし、一番強い奴がクラス代表をすればいいという簡単な話をコウは二人にした。

 

「ようはこのクラスで一番強い奴がクラス代表だ」

 

「……俺はいいぜ」

 

「わたくしも構いませんわ」

 

二人は納得したようで、コウは一安心とため息を漏らし、織斑教官を見た。織斑教官は服の袖で口を拭い、頷いた。

コウの提案は承諾された。

 

「じゃ、試合形式だが」

 

「二対一で構いませんわ」

 

「は?」

 

「ですから、二対一。貴方達、二人がかりでいいですわ」

 

コウは苛立ちを隠していた。

感情的になり過ぎるのは、兵士として失格だ、感情に流されるな、感情を支配しろ、感情に喰われるな。そう自分に言い聞かせ、落ち着かせ、ニッコリと笑う。

 

「駄目だ、ちゃんと一対一だ」

 

コウがそう言うと周りの女子生徒達がクスクスと笑い出す。「ハンデ貰えばいいじゃん?」「意地よ、意地」「カッコ悪い〜」「ねぇ、男のくせに」「ねぇ?」などと、コウを中傷する言葉が聞こえてくるが、コウはニコニコと笑いながらも、一対一を押した。

すると、オルコットは仕方ないと言わんばかりに承諾した。

 

「貴方達に現実を教えてあげますわ、男性は勝てないという現実を」

 

「楽しみにしてるよ」

 

コウはニッコリと笑った。

 

こうして、クラス代表を決める模擬戦が一週間後に行われることが決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ードイツ とある基地ー

 

「む?」

 

「どうしたの、ラウラ?」

 

シャルは前を歩いているラウラが急に立ち止まり、不思議に思った瞬間、背筋が凍るような感じがした。シャルはラウラを見ると、ラウラは青い顔をしていた。

 

「コウが怒ってる……」

 

「だよね、この気配」

 

「お尻がヒリヒリしてきた」

 

「あれ……痛そうだったよ」

 

「あれは痛い、お尻が痛い」

 

ラウラは以前一度だけ、コウを怒らせたことがあり、その際に尻をスパンキングされ、尻バットもされたので、トラウマになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ー宇宙 サイド7辺り アーガマ内部ー

 

ーーーピキィィィィン!

 

「ハッ⁉」

 

「どうしたんですか、クワトロ大尉」

 

「し、尻が痛い」

 

「座り過ぎですか?」

 

「こ、この痛みと恐怖は……ハッ、コウ、お前なのか⁉

まだ生きている、私を怒っているのか!やめてくれ、尻バットだけは尻バットだけはぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

「クワトロ大尉⁉」

 

「ごめんなさぃぃぃぃぃ、先に彼女作っていい気になって、ごめんなさいぃぃぃぃ‼」

 

「クワトロ大尉が錯乱した、誰か誰か⁉」

 

「いやだぁあぁぁぁ‼」

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