IS〜蒼き鬼神ケンプファー〜   作:種電

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おっさんキャラ好きかって?
大好きさ!
一番好きなおっさんキャラは、ノリスさんだ!
ノリス、マジかっけぇ‼


第二話 この話、急展開

初老の紳士の隣に座っている舌を噛んだ少女が落ち着いたので、改めて自己紹介することになった。

 

「さて、私はギルティ・デュノアだ」

 

「……」

 

ギルティが次は隣に座っている少女だと言わんばかりに少女を見るが、少女は俯いている。

ギルティは飽きれたかのように少女の名を呼ぶ。

 

「シャルロット……」

 

「うぅ、シャ、ヒャルリャット・ポテプです」

 

「……は?」

 

シャヒャルリャット・ポテプ?

 

「……はぁ、この娘はシャルロット・デュノア、私の孫だ」

 

シャルロット?を見兼ねたギルティさんがため息混じりに紹介をしてくれた。

しかし、さっきから、この娘は何か言おうと言えないのが目立つな。

 

「神楽坂 幸だ、よろしく」

 

「あぁ、よろしく」

 

「……よ、よろ」

 

この娘、まさかコミュ症?

こんなに美少女なのに?

シャルロット・デュノアという少女はかなりの美少女だ、何て言うのだろうか……天使?

 

コウが頭を悩めていると祖母絹世が何かを思い出したかのように、台所に行くと、すぐにあーという言葉が聞こえ、居間に戻ってくる。

 

「コウくん、コウくん」

 

「ん、何、ばっちゃ?」

 

「お味噌とお醤油が切れてたのよ〜、せっかくだから、シャルロットちゃんと買ってきて?」

 

「シャルロットと?」

 

え、なんで?と思いながら、シャルロットを見ると慌てて、下を向いた。どうやら、先程までコウを見ていたようだ。

シャルロットは顔を真っ赤にしながら、俯きながら、何やらブツブツと言っているが、コウには聞こえなかった。

 

「コウ、一緒に行け。明日から一緒に住むんだからな」

 

「ふーん、なら、商店街を教えないとー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉」

 

コウは祖父豪の突然の言葉に驚きを隠せずに、大声をあげてしまった。だが、元凶の豪は能天気に茶を啜りながら続ける。

 

「ん、言ってなかったか?」

 

「言ってねぇよ‼」

 

コウの記憶が正しければ、ここ最近で豪や絹世から、そんな話など聞いた覚えがなかった。

 

「そりゃ、聞いてないよ、コウくん。何せ、その話は君が帰ってくる前に決まったことだからね」

 

「はぁぁぁぁ⁉さっき、決めたことを今日やんのかよ‼」

 

「あれじゃ、思い立ったが吉日というじゃろ」

 

豪はパリィと醤油煎餅を噛み砕き、お茶で流し込む。

コウはそんな豪に苛立ちを覚え、豪の隙をついて、手で豪の顔を鷲掴みにし、持ち上げる。

 

「ま、待って、待つんだ、コウ」

 

「俺のこの手が」

 

徐々に掴んだ手に力を込める。

 

「た、確かに簡単に決めすぎた」

 

「真っ赤に燃える」

 

徐々に徐々に豪を掴んでいる握力が増す。

 

「だ、だがな、やはり日本男児として」

 

「勝利を掴めと轟き叫ぶ!」

 

さらに握力が増す。

 

「暴力反対!暴力反対!」

 

「瀑熱ゴットフィンガー‼」

 

「ぎゃぁぁぁ⁉」

 

コウが高らかに叫ぶと同時に、豪の叫び声が農園に響く。

 

「ヒィィィトォォォォォ」

 

「婆さん……」

 

「エンド‼」

 

「ワシの日本酒……」

 

何かしてはいけない音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いってきまーす」

 

「い、いっきやす」

 

コウとシャルロットの二人が夕飯の足りない材料を買いに外に出かけるのを見送り、絹世とギルティは居間に戻る。

居間に戻ると、まるで”ただのしかばねのようだ”とテロップが出そうなぐらいに青白い顔で床に投げ捨てられた豪が横たわっていた。

 

「さすが、絹世さんのお孫さんだ、容赦がない」

 

「あの子が特別なだけですよ、ギルティさん……片腕の生活送る?」

 

「やめてください、死んでしまいます」

 

「ワシが死にそうだったわい」

 

ギルティが絹世に恐怖していると豪がヨロヨロと立ち上がり、コメカミを抑え、ゆっくりと座布団に座る。

 

「久々に死ぬかと思ったわい……孫怖」

 

豪はクラクラする頭で軽口を叩きながら、チラリとギルティを見る。

 

「あの娘はウチで預かろう」

 

「助かる」

 

「かっ、孫娘が出来たと思えばいい、な」

 

「えぇ」

 

二人の優しさにギルティは再びありがとうと呟く。

 

「私はあの娘、あの娘の母親に酷いことをした。

取り返しのつかないことだ、その結果がまた最悪だ。」

 

「何したんだ?」

 

「ーーー私の息子との婚約を無理矢理破棄させ、息子は他の女と結婚させた」

 

「……ひでぇな」

 

ギルティはもう冷めたお茶の中で沈んでいる茶柱を見つめながら、続ける。

 

「そして、その母親はーーー殺された」

 

「ーーーは?」

 

「強盗が目的だったらしい、詳しくは知る前に犯人は死んだ……いや、殺された」

 

ギルティの皺だらけの顔に更に皺が増える。

 

「その頃、シャルロットはまだ幼かった……犯人は、シャルロットに見せつけるように母親を殺したらしい」

 

「ギルティ、おめぇ」

 

「その後、息子に引き取られたが、新しい母親……私が結婚させた女とその息子に毎日毎日虐待された!

そして、あの娘は壊れてしまった!

あんな風になるまで、どれだけの時間をかけたか!

どれだけ、私は悔やんだか!

私は私は私は、取り返しのつかないことを!」

 

ギルティはテーブルを強く何度も何度も叩く。その顔には深い後悔の念が見えた。

 

「私が私が、あの娘を不幸にしたんだ……ただの一般人の女なんかと結婚する息子に苛立ちを覚えたばかりに……関係のない、あの娘が……」

 

「なんで、そんなに後悔してるんだ?」

 

「……私は後悔のあまりにシャルロットに母親と父親を引き裂いたのは、私だと告げたとき……あの娘は、私を責めなかった」

 

「……」

 

「すると、あの娘は”おじいちゃん、今まで辛くなかった?教えてくれて、ありがとう……僕はおじいちゃんを恨まないよ”と言ったんだ」

 

ギルティの目から涙が零れ落ちる。

 

「私はあの娘優しさ、あの娘の母親の優しさに触れた気がした……まるで妻のような、温かい優しさだ。

だから、私は残りの全てをかけて、あの娘を幸せにしたいと思った……だが、時間が足りない」

 

「かっ、後はまかせな……コウは優しい子だ」

 

「やはりか」

 

「かっ、自慢の孫だよ」

 

「ありがとう……ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、商店街の軽い紹介を終えたコウとそれを覚えようと必死になるシャルロットが帰ってきて、五人で夕食を食べ、ギルティは帰国した。

……その三日後にギルティは病気により、死去。

シャルロットはショックにより、一週間近く寝込んだが、コウの看病により、完治し、日本に慣れるため、人に慣れるために生活を再び始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、三ヶ月後である。

 

 

ー10月 神楽坂農園 神楽坂家 コウの部屋ー

 

「ほら、コウ、起きて、朝だよ、朝!」

 

「あと……三ヶ月」

 

「……ハンマーとレンチどっちがいい?」

 

「おはよう、シャル」

 

「おはよう、コウ」

 

シャルロット・デュノアと神楽坂 幸は同じ屋根の下で暮らしている。

 




あと少しであと少しで!
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