仮面ライダーエグゼイド Rise Up RAGNAROK   作:ターコイズ

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現在ダークドライブの小説も書いてますが、色々ややこしくなってしまったので、新作を投稿します。頑張って続けたいと思います。


第1話 New game起動!

 

 

 

ゲーム。

ゲームとは、人間を楽しませる物。俺はそう思って生きて来た。とは言うものの俺はそこまでゲームという物をやった事が無い。だからゲームやゲームキャラに何の思い入れもないし、そういったものの存在価値等を考えた事がない。だが、そういう人間はこの世界には幾らでも居るのだろう。それはそうだ。俺の様にゲームを全くしない人も居るのだから。だからこの時の俺は思ってもみなかったんだ。この先、こんなにもゲームやゲームキャラの存在意義について、深く、深く考えさせられる事に。そして、命の定義について、答えを求められる事になるなんて---。

 

 

 

 

 

「うーん、ああ眠たーい………」

「どうせまた睡眠時間削ってゲームしてたんだろ?」

 

欠伸をしながら机に突っ伏した女性にそう声を掛ける青年。

青年の名は、廻原鉄朗(かいばらてつろう)。そして女性の名は西科七海(にしなななみ)、やたらと名前になが入る奴というのは鉄朗のコメントだ。2人は共に児童養護施設で働く26歳だ。

 

「だって最近忙しくて全然出来なかったんだもーん」

「だからって仕事に支障をきたすのはよかねーだろ、このゲーマーめ」

 

鉄朗の言う様に、七海は生粋のゲーマーであり、休みの日は大体家に篭りゲームをしている。対象的に鉄朗は七海とは真逆で、真面目な仕事人間とでも言うのだろうか。休みの日でさえ職場に来て子ども達の様子を見に来るくらいだ。

 

「鉄朗は真面目過ぎるんだよー。仕事はちゃんとするから大丈夫ですー」

「だと良いけど。居眠りなんかしたら蹴飛ばすからな」

 

2人は軽口を叩き合いながら仕事へと戻っていった。

 

 

 

「ったくあの馬鹿。結局居眠りしてんじゃねーか」

 

仕事終わり、鉄朗は結局居眠りをかましてしまった七海への愚痴を独り言で零しながら職場を出た。

しばらく歩いていると、後ろから足音と自分を呼ぶ声がした。

 

「鉄朗ー!」

「ん?おおー、優奈」

 

鉄朗に声を掛けたのは、四葉優奈(よつばゆうな)。鉄朗や七海と同じ児童養護施設で働く24歳の女性だ。ちなみに鉄朗より年下で後輩なのだが、普通にタメ口だ。これに関して鉄朗はあまりに自然にタメ口だった為、指摘するタイミングが掴めず諦めたと話している。

 

「一緒に帰ろ!」

「おお、いいよ」

 

2人で並んで歩いていると、優奈が口を開く。

 

「あ、七海さんまた居眠りしてたよねー」

「そうなんだよ。あいつはなんであーなのかね」

 

2人は今日の七海の居眠りについて話をする。ちなみに優奈は七海や他の先輩にはしっかり敬語で話している。その時鉄朗は自分は舐められているのだと確信したとかしてないとか。

 

「ゲームばっかやってっと、いつかゲームのせいで痛い目を見るな、うん」

「えー、たかがゲームで?それは無いよ〜」

 

2人はそんな話をしながら帰路について行った。

 

 

 

 

 

翌日、鉄朗は朝家でテレビであるニュースを観ていた。

 

「仮面ライダー、クロニクル………?」

 

仮面ライダークロニクル。それは大人気ゲーム会社・幻夢コーポレーションから事前告知無しで発売されたゲームだ。ニュースによると、仮面ライダークロニクルはプレイヤーが実際に仮面ライダーに変身し、街中に現れる敵キャラを倒していくゲームらしい。

 

「こりゃまたすげーゲームだな」

 

鉄朗は食パンを頬張りながら他人事の様に呟く。まるで自分は一生関わることがないと言うように。

 

「あの馬鹿がどハマりしなきゃいいけど」

 

知り合いの生粋のガチゲーマーを思い出しながら苦笑いを浮かべた鉄朗は、朝食を完食し、荷物を持って家を出るのだった。

 

 

 

その日、朝のミーティングに七海が現れなかった。

 

「うーん、西科についてはこちらから連絡してみるから、みんなはいつも通りよろしく頼むよ」

 

支援主任の男性がそう言うと、職員達はそれぞれ自分の持ち場へと向かう。

 

「七海さん、どうしたのかなー?」

 

優奈が少し心配そうに鉄朗に声を掛ける。

 

「まさかとは思うけど、今朝のあれかなー?」

「今朝のって、あのなんたらクロニクルってやつ?」

 

2人は七海が職場に来ない理由について、仮面ライダークロニクルが関係してるのではと考える。

 

「ま、だとしたら一安心っちゃあ一安心だな」

「そうだね、病気とかじゃないってことだし!」

「ただ、出勤して来たらしこたま説教だな」

「あははは………」

 

鉄朗の真面目っぷりに優奈は苦笑いをしながら、2人は持ち場へと向かうのだった。

 

 

 

だが、午後になっても七海が職場に来る事は無かった。更に主任の話では、連絡も全くつかないらしい。

 

「だから廻原、西科の家に行ってみてくれないか?」

 

主任は鉄朗にそう頼む。

 

「わかりました。見つけて引っ張ってきますよ」

 

鉄朗はそう言うと、自身が通勤で使っているバイクに跨り、七海の家へとバイクを走らせる。

七海の住むマンションに到着すると、鉄朗は七海の部屋の前まで来てインターホンを鳴らす。だが、反応は無い。

 

「んー、居ないのか?」

 

鉄朗が考え込んでいると、隣の部屋のドアが開き、気さくそうな女性が顔を出した。

 

「西科さんに用?でも西科さんなら朝早くに出て行ったよ?」

「え、そうなんですか?わかりました、ありがとうございます」

 

隣の住人から情報を手に入れた鉄朗はマンションを出てバイクに跨がる。

 

「朝早くに出て、職場に来ないって事は………」

 

鉄朗は七海が仮面ライダークロニクルをプレイしていて、職場に来ないということを確信し、携帯を取り出す。

 

「あんだけ話題になってりゃネットに情報転がってんだろ」

 

鉄朗はそう言いながらSNSで仮面ライダークロニクルと検索をする。すると、SNS上では既に敵キャラの出現情報等がアップされていた。

 

「ソルティにアランブラの出現情報が上がってるな。しかもこの辺か………。つか、ソルティだのアランブラだのなんだそりゃ」

 

鉄朗はそんな事をボヤきながらバイクを走らせ出現情報のあった場所へ向かった。

情報のあった場所、廃工場付近へと到着した鉄朗は、バイクを降りて歩いて現場へと向かう。しばらく歩くと、何やら騒がしい物音が聞こえてきた。

 

「あっちか!」

 

鉄朗は駆け足でそっちの方へ向かう。すると、

 

《PERFECT CRITICAL COMBO !》

 

仮面を付けた青い戦士が何人もの茶色の戦士を空中に打ち上げ、強烈な一撃を与える場面に遭遇した。更に、医者なのだろうか、白衣を着た3人の男と、個性的なファッションをした若い女の子も居た。

 

「なんだ、ありゃ………」

《All CLEAR !》

 

その電子音の後、茶色の戦士達は一斉に変身が解除されたのか、人間の姿へと戻る。その中には、鉄朗の探していた七海の姿もあった。そして、

 

「七海!」

《GAME OVER…》

 

茶色の戦士達、即ちプレイヤー達の敗北を知らせるアナウンスが流れる。だが、その中の1人、眼鏡を掛けた青年は黒と緑で彩られたゲームソフト、仮面ライダークロニクルガシャットを構える。

 

「もう1回だ!」

 

そう意気込んだその時、彼だけでなく、先程の戦いで敗れたプレイヤー達全員の体にノイズが走る。

 

「え………?」

「なんだよこれ!一体どうなってんだよ!」

 

鉄朗だけでなく、3人の医者や女の子も同様の反応を示し、プレイヤー達は自分達の体を見て焦り始める。

すると、

 

「はーい!呼んだ?」

 

少し高い場所に、ピンクの髪に黄色や黄緑などのカラフルな服装したまるでゲームキャラの様な女性が現れる。

 

「ポッピーピポパポが、ゲームをナビゲートするよ!」

「ナビゲート………?」

 

ポッピーピポパポの言葉で鉄朗は彼女がゲームキャラで、この仮面ライダークロニクルの説明をする立場であるとすぐに理解した。そして、言葉にいちいち動きをつけながら、ゲームに関する説明を始める。

 

「もし!戦いに負けて、ゲームオーバーになってしまったら!そのプレイヤーは………消滅しちゃうの!」

「は?何言ってんだあいつ………」

 

あまりにも残酷で理解し難い事を、あまりにも明るくポップに説明するポッピーピポパポにその場に居た全員の表情が驚愕に変わる。

 

「消………滅………?」

 

消滅。その言葉を聞いたプレイヤー達の体が今度は段々と透け始める。プレイヤー達は嫌だ、死にたくないと喚き散らすが、鉄朗達は何も出来ずただその状況を見ている事しか出来なかった。

 

「なんだよ、たかがゲームだろ………?なんで、こんな………!」

 

鉄朗はそう言葉を漏らすと、膝から崩れ落ちる。その瞬間、

 

「鉄朗………!」

「七海!?」

 

鉄朗が来ていた事を知った七海が彼の方へ手を伸ばす。すかさず鉄朗は立ち上がり彼女の元へ走る。だが、現実とは非常なもの。鉄朗が彼女の手を掴もうとしたその時、七海を含むプレイヤー達は呆気なく、消えてしまった。

 

「っ!」

 

鉄朗は七海が居た場所で再び膝から崩れ落ちる。

 

「コンテニューは出来ません!1つだけのライフを、大切にね!世界一のヒーローを目指して、レッツゲーム!」

 

再び、場の雰囲気に合わぬポップな口調でそう語ったポッピーピポパポは、役目を終えたのか、その場から消えたのだった。

 

「七海………」

 

鉄朗は、目の前で起きた事への理解が追い付かず、ただその場で、消えた友人の名前を呟く。

 

「ゲームで、痛い目を、見る………」

 

そして、自分の言葉が現実になってしまった事を、痛感するのだった………。

 

 

 

 

See you Next game………




次回、たぶん変身します。
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