仮面ライダーエグゼイド Rise Up RAGNAROK 作:ターコイズ
七海が消えてしまった。その事実が鉄朗の頭の中を駆け回る。だが、そんな時でも周りの状況をしっかり把握するのは、彼の持つ能力の1つなのだろう。3人の医者の中で、唯一鉄朗と同じ様に膝から崩れ落ちていた医者が、七海達プレイヤーをゲームオーバーに、いや消滅させた青い仮面の戦士と話していた事で、鉄朗はあの医者3人や、女の子はこの仮面ライダークロニクルに何らかの関係がある事を悟ったのだ。
青い戦士に変身していた青年がその場から消えると、ようやく鉄朗も頭の中である程度整理がついたのかその場から立ち上がり、先程の青年に永夢と呼ばれていた医者の方へ歩みを進める。その鉄朗の表情は確かに怒りで満ちていた。そして永夢の前まで来ると、彼は顔を上げ鉄朗の方を見る。
「貴方は………」
永夢もまた、鉄朗の存在については把握していた。消滅したプレイヤー達の中の1人に駆け寄っていた事から友人か何かなのだろうと。
鉄朗は永夢の目線まで屈んだかと思えば、いきなり永夢の胸ぐらを掴み無理矢理立たせる。
「えっ!」
「おい、何してる!」
突然の事に永夢は驚き、それを見たネクタイを締めた医者が鉄朗にそう言う。だが鉄朗はそんな事をお構いなしに永夢にこう言う。
「どういう事だ!なんなんだよこれ!一体何がどうなってる!」
「ちょ、ちょっと落ち着いて!」
「やめろ!」
永夢に詰め寄る鉄朗をネクタイの医者が無理矢理引き剥がす。永夢から引き剥がされた鉄朗は彼やネクタイの医者の胸にある名札を見て彼らが聖都大学付属病院のドクターであると理解し、更にこの場にいる事から、最近流行っているゲーム病の対処を専門とする電脳救命センター、通称CRのメンバーであると確信した。
「あの、貴方は、もしかしてさっき消滅してしまった人の………」
「ああ、友達だ。それに同僚でもある」
永夢やネクタイの医者、鏡飛彩はそこまで聞くと、目を伏せて、悔しそうな表情を浮かべる。
「今、世間ではこんな物騒なもんが流行ってんのかよ………。こんなただのゲームで、人の命が………」
鉄朗のその言葉を聞いた永夢達は、何も言えず、ただ俯くだけだった。
「どうすればいい」
「え………?」
鉄朗の言葉に、永夢と飛彩は顔を上げて彼を見る。すると、先程まで傍観していた、髪の毛の一部が白く染まったもう1人の医者、花家大我が鉄朗の方へ歩み寄る。
「お前、何を考えてやがる」
「そう聞くって事は、あんたはわかってるだろ」
そう、大我は鉄朗の表情を見て、彼が何をしようとしてるのかを見破っていた。だからこそそれを止める為に鉄朗に声を掛けたのだ。
「まさか!」
「駄目です!この件は僕達に!」
永夢と飛彩も鉄朗の考えに気付いたのか、彼を止めようとする。
「………クリアするしかないのか」
「「「っ!」」」
鋭い考察力で鉄朗は仮面ライダークロニクルを終わらせるにはクリアするしか道はないと悟り、自身のバイクを置いてある場所まで走り出す。
「待ってください!」
「あいつ、クロニクルをプレイするつもりだ!」
永夢と飛彩は鉄朗を追うが、鉄朗はバイクに跨りどこかへ走り出してしまった。そして、永夢達はその場で立ち尽くすしかなかった。
「やるしかない。俺が、やってやる!」
仮面ライダークロニクルガシャットを購入した鉄朗は、SNSの情報を頼りに敵キャラ・バグスターの出現情報を手に入れその場に駆け付けていた。
彼の目の前に広がるのは、プレイヤーが変身した姿・ライドプレイヤー達が、SFロボットバトルゲーム・ゲキトツロボッツの敵キャラであるガットンと戦う光景だった。
「俺は楽しむ為にやるんじゃない。これ以上、誰も………!」
鉄朗の脳裏には、七海や優奈、そして施設の子ども達の姿が浮かぶ。誰の手にも簡単に渡ってしまう仮面ライダークロニクル。いつ、誰が、何の拍子にプレイしてしまうかわからない。その最悪の事態を避ける為、鉄朗はゲームへの参戦を決意したのだ。
「行くぞ………!」
鉄朗はガシャットを構え、スイッチを押し、ゲームを起動する。
《仮面ライダークロニクル…!》
そしてもう一度スイッチを押す。
《Enter the game ! Riding the end !》
すると、鉄朗の姿が茶色のボディをしたライドプレイヤーへと姿を変える。そして銃と剣の両方に変形する武器であるライドウエポンを剣の状態にして、ガットンに向かって走り出す。
「はああああ!おらぁ!!」
ガットンに斬りかかるが、全く効いておらず、逆に右腕に装着された強力なアーム・ガットンスマッシャーで殴られてしまう。
「無駄だ」
「うわああああ!」
大きく吹っ飛ばされた鉄朗だが、負けじともう一度ガットンに立ち向かう。
するとそこへ、バグスターの出現情報を受けた永夢と飛彩が駆け付ける。
「今度はガットン!」
「行くぞ研修医!」
2人は黄緑とピンクで彩られた機械・ゲーマドライバーを装着すると、永夢はピンクの、飛彩は水色のガシャットを取り出し起動する。
《マイティアクションX!》
《タドルクエスト!》
2人は変身プロセスを完了させ、ゲーマドライバーにガシャットをセットし、レバーを開く。
「術式レベル2」
「大変身!」
「変身」
《ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!》
《マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション!X!》
《タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!》
永夢はピンク色の戦士・仮面ライダーエグゼイド アクションゲーマーレベル2へ、飛彩は騎士を彷彿とさせる水色の戦士・仮面ライダーブレイブ クエストゲーマーレベル2に変身を完了させる。
《ガシャコンブレイカー!》《ジャ・キーン!》
《ガシャコンソード!》
エグゼイドとブレイブは自身の武器であるガシャコンブレイカーとガシャコンソードを装備してガットンに斬りかかる。
「「はあ!」」
「あいつらか………!」
鉄朗はエグゼイドとブレイブの姿を見て、すぐさまCRのドクターであると判断する。
「みんな、早くこいつから離れろ!」
エグゼイドはライドプレイヤー達に避難するように促すが、
「レアキャラだ!」
「あいつらのガシャットを奪うぞ!」
エグゼイド達仮面ライダーはこの仮面ライダークロニクルにおいて、攻略に有利なアイテムをドロップするレアキャラとして設定されている。その為、ライドプレイヤー達はガットンの攻略をあと回しにして、エグゼイドとブレイブに襲い掛かる。
「おい!」
「みんな!やめろって!」
エグゼイドとブレイブは襲い掛かるライドプレイヤーの攻撃を避ける。ライドプレイヤーは一般人である為下手に攻撃が出来ないからだ。
その状況を見た鉄朗はチャンスと思い、1人ガットンに立ち向かう。
「この隙に!はあ!」
だが攻撃はいとも容易く躱され、たとえヒットしたとしても大したダメージは与えられていない。その時だ。
「さあ、どんどん楽しもうぜ?」
「お前は!」
「パラド!」
鉄朗とガットンの間に七海を消滅させた青年・パラドが現れ、エグゼイドが彼の名を呼ぶ。
「人間の中に、俺の心を踊らせてくれる奴はいるかな?」
パラドはそう言うと、黄色いダイヤルのついた青いガシャット・ガシャットギア デュアルを取り出す。更にこのガシャットギア デュアルには2つのゲームが搭載されている。パラドはダイヤルを回し、2つのゲームの内1つを起動させる。
《PERFECT PUZZLE !》
《What's the next stage ?》
待機音が鳴り響く中、パラドはガシャットギアデュアルのスイッチ押し、仮面ライダーへと姿を変える。
「変身」
《DUAL UP !》
《Get the glory the chain.PERFECT PUZZLE !》
パラドは青いボディを持ち、胸にはパズル柄のグラフィックが描かれ、両肩にはマテリアライズショルダーと呼ばれる装甲を装備した仮面ライダーパラドクス パズルゲーマーレベル50へと姿を変える。
「どれにしようかな〜?」
パラドクスはそういうと、ゲームエリア内に散りばめられたメダルの形をしたアイテム・エナジーアイテムを両肩のマテリアライズショルダーの力で全て集め、上空にパズルの様に並べ替えて、2種類のアイテムを選択した。
《高速化!》
《マッスル化!》
2つのエナジーアイテムを取り込んだパラドクスは高速移動を開始し、鉄朗を翻弄する。
「は、速い!?」
そしてマッスル化のエナジーアイテムでパワーアップしたパンチを鉄朗に浴びせる。
「よっと!」
「ぐああ!」
パラドクスの一撃を受けた鉄朗は地面に転がる。
「くそ!まだだ!」
鉄朗は残った力を振り絞り立ち上がる。
「そんなんじゃ、全然楽しめないなぁ?」
パラドクスは余裕といった雰囲気で再びエナジーアイテムを取り込む。
《透明化!》
《鋼鉄化!》
パラドクスは透明化の力で姿を消すと、鉄朗に一気に詰め寄り鋼鉄化した拳で再びパンチを浴びせる。しかも今度は一発だけでなく何発もだ。
「はああああ!」
「ぐああああああ!」
鉄朗は地面に転がり、遂に立ち上がれなくなった。立ち上がろうとするも、足に力が入らなく、すぐに地面に倒れ伏してしまう。
「まずい!」
「逃げるんだ!!」
エグゼイドとブレイブは鉄朗の元へ行こうとするが、ライドプレイヤー達に阻まれて行くことが出来ず、言葉を掛けるしかなかった。
「んん?おかしいなぁ。もうゲームオーバーになってるはずだけどなぁ」
そんな中、パラドクスだけが鉄朗に対して違和感を覚えていた。他のライドプレイヤー達ならあれだけの攻撃を受ければあっという間にゲームオーバーになっているはずなのだが、鉄朗は未だにゲームオーバーにならず、更には立ち上がろうとしている。
「まあいいか。ガットン、あとは頼むぜ」
「了解」
パラドクスはトドメをガットンに任せる。ガットンはガットンスマッシャーにエネルギーを貯める。そしてそのままガットンスマッシャーをロケットパンチの要領で鉄朗に向かって放つ。
「くそが!死ねるかよおおお!!」
鉄朗は力を振り絞り、立ち上がる。そして視界に入ったエナジーアイテムを1つ取り込んだ。
《高速化!》
高速化のエナジーアイテムを取り込んだ鉄朗は、ガットンの攻撃を避け、一気に詰め寄りライドウエポンでガットンを切り裂く。
「おらあああああ!!」
「ぐうううう!!」
先程まで効果の無かった攻撃が、何故かかなりのダメージを与える事に成功する。
「何………?」
パラドクスはその光景に驚き、エグゼイドやブレイブ、ライドプレイヤー達もその様子を唖然として見ていた。
「戦いは、ここからだ………!」
そう宣言する鉄朗から、突如として黒っぽい金色のオーラが放出される。
「これは………!」
「なんなんだ………」
パラドクスは何かを悟り、エグゼイドは状況を飲み込めずにいた。だが鉄朗からオーラが消え、変身が解除されその場に倒れこんだ。
「あ………」
それを好機と見たガットンは鉄朗に攻撃を加えようとする。
「待て」
だが、それをパラドクスが制止する。パラドクスは変身を解除し、鉄朗に歩みよる。
「お前、まさか………」
「なんだよ………!」
パラドはしばらく鉄朗の顔を見るとニヤリと笑う。
「………心が躍るな」
パラドはそう言うと、懐からある物を取り出す。それは、パラドの使っていたガシャットギア デュアルと同型の物だが、色は黒一色でおそらくゲームが搭載されていない状態なのだろう。そして、鉄朗の手を取り、それを手渡す。
「俺のレベルまで上がって来い。楽しみにしてるぜ?」
パラドはそう言うと、ガットンと共に消えていった。
バグスターが居なくなった事で、ライドプレイヤー達も変身を解除し、その場を去っていった。
「これは………」
鉄朗は手渡されたブランクガシャットをまじまじと見るが、ダメージがピークに達していたのか、そのまま気絶してしまう。
「あ!大丈夫ですか!?」
変身を解除した永夢と飛彩がは鉄朗に駆け寄る。
「CRに搬送するぞ」
「はい!」
飛彩がそう言うと、2人は鉄朗を抱えてその場をあとにした。
「うっ!ここは………」
鉄朗は目を覚ますと、辺りを見回す。見慣れない部屋だったが、自分の側に置かれた仮面ライダークロニクルガシャットとブランクガシャットを見て、今の自分の状況を思い出す。
「そうだ、俺はあいつらに負けて………」
「あ、目が覚めたんですね」
そう言いながら永夢が鉄朗に歩み寄る。
「ここはCRの病室です。貴方は仮面ライダークロニクルを起動した事によりゲーム病にかかってしまったんですけど………」
永夢はそこまで言うと、何故か言葉を詰まらせる。
「なんだよ」
鉄朗がそう聞くと、永夢は困惑したようにこう言う。
「症状が計測出来ないんです。こんな事、普段は無いのに………」
永夢がそう言うと、鉄朗は側に置いていたガシャットを掴むとベッドを降りようとする。
「待ってください!安静にしててください!」
「うるせえ!こんな事してる暇はねえんだよ!」
制止する永夢を退けようとする鉄朗だが、永夢もドクターとしての責任があるのか、絶対に退こうとしない。
「そんな体で無理をしたら、症状が悪化してしまいます!」
「大丈夫だっつってんだろ!俺に構うな!」
そんなやり取りを続けていたその時、永夢が首から下げてる聴診器型のアイテム・ゲームスコープからバグスターの出現を知らせる緊急通報が鳴り響く。
「緊急通報!?」
「出たか!」
永夢がゲームスコープに気を取られた瞬間に、鉄朗は永夢を払い除け、病室を出る。
「待ってください!!」
永夢は鉄朗を追おうとするが、ある事に気付く。
「そう言えば、ゲーム病にかかった筈なのに症状が現れなかった………。計測出来なかったのも、もしかして起動したのに、発症してないのか………?」
起動したら発症する。そういった認識を持っていた為、鉄朗をゲーム病だと判断していたが、症状が計測出来ない事や、体にノイズが走らないなどを考えると、鉄朗は発症していないのでは?そう考えていた永夢だったが、とりあえず今は鉄朗を追う事に頭を切り替えて病室を出た。
街中に出現したガットンの元へ駆け付けた鉄朗。ガットンの隣にはパラドもいる。
「来たか。待ってたぜ?」
パラドは笑顔で鉄朗にそう言う。
「今度こそ、お前達を倒す!」
鉄朗はそう言うと、仮面ライダークロニクルガシャットを起動させ、ライドプレイヤーへと変身する。
《仮面ライダークロニクル…!》
《Enter the game ! Riding the end !》
ライドウエポンを構えガットンに立ち向かう鉄朗。だが、先程の様な力は出ず、全く歯が立たない。
「おい!どうしたんだよ?さっきの力はどうした?」
パラドは残念そうな声色でそう言う。まるで子どものように。
「知らねぇよ!!」
鉄朗はそう悪態をつきながら再びガットンに立ち向かう。だが、戦況は変わらず、体力だけが奪われていく。更にだ。
「ヒャッハー!」
ハイテンションな掛け声と共にBMXに乗ったバグスターが現れる。Xスポーツゲーム・シャカリキスポーツの敵キャラであるチャーリーだ。チャーリーはBMXを巧みに操り鉄朗を追い詰めていく。
「くそ!2体かよ!」
ガットンとチャーリーの猛攻に全く反撃出来ず、鉄朗は遂に倒れてしまう。
「く、くそ………!」
その時。
「廻原さん!」
永夢と飛彩、そして大我と彼の患者で、天才ゲーマーNの異名を持つ西馬ニコが現れる。
「廻原さん、逃げて!」
永夢がそう言うと、3人はゲーマドライバーを装着する。そして永夢はマイティアクションXガシャットと赤色のゲキトツロボッツガシャットを、飛彩はタドルクエストガシャットと黄色のドレミファビートガシャットを、大我は紺色のバンバンシューティングガシャットを取り出し、起動する。
《マイティアクションX!》
《ゲキトツロボッツ!》
《タドルクエスト!》
《ドレミファビート!》
《バンバンシューティング!》
そしてガシャットをゲーマドライバーに装填し、レバーを開く。
「術式レベル3」
「第弍戦術」
「大大大変身!」
「「変身」」
《ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!》
《マイティマイティアクション!X!》
《タドルクエスト!》
《ババンバン!バンババン!バンバンシューティング!》
《アガッチャ!》
《ぶっ飛ばせ!突撃!ゲキトツパンチ!ゲキトツロボッツ!》
《ド・ド・ドレミファソラシド!オッケー!ドレミファビート!》
永夢は赤色のロボット型ゲーマ・ロボットゲーマと合体した仮面ライダーエグゼイド ロボットアクションゲーマーレベル3、飛彩は黄色のDJ型ゲーマ・ビートゲーマと合体した仮面ライダーブレイブ ビートクエストゲーマーレベル3、大我は紺色のスナイパーを彷彿とさせる仮面ライダースナイプ シューティングゲーマーレベル2に変身する。
それを見たパラドも、ガシャットギア デュアルを取り出し仮面ライダーへと変身する。
《KNOCK OUT FIGHTER !》
《The strongest fist ! "Round 1" Rock & Fire !》
「変身」
《DUAL UP !》
《Explosion Hit ! KNOCK OUT FIGHTER !》
パラドは先程のパズルゲーマーレベル50とは別の姿、赤を基調とし、胸には炎のグラフィックが描かれ、パズルゲーマーの際、両肩に装備されていたマテリアライズショルダーを両腕に装着し、マテリアライズスマッシャーとして装着した仮面ライダーパラドクス ファイターゲーマーレベル50へと変身する。
エグゼイドはすかさず鉄朗に駆け寄り、彼を抱き抱える。
「大丈夫か!?」
「またあんたらか!ほっとけつったよな!?」
助けに来たエグゼイドに鉄朗はなおも悪態をつく。その隙にガットンとチャーリーが2人に襲い掛かる。更にブレイブとスナイプもパラドクスと戦闘を開始する。スナイプは自身の武器であるガシャコンマグナムを装備し、パラドクスに攻撃を加える。ブレイブはガシャコンソードを装備し、左腕のドレミファターンテーブルをスクラッチし、音符状のエネルギーをガシャコンソードに纏わせパラドクスを切り裂く。対するパラドクスは両腕に炎を纏わせ対抗する。
「いいねー!楽しくなってきた!!」
パラドクスはこの状況を楽しむかのようにブレイブとスナイプを圧倒する。そして右腰に装着されたギアホルダーからガシャットギア デュアルを取り出し、ダイヤルを操作し必殺技を発動させる。
《KIME! WAZA!》
《DUAL GASHAT !》
《KNOCK OUT ! CRITICAL SMASH !》
それに対抗する為、ブレイブとスナイプはそれぞれの武器にドレミファビートガシャットとバンバンシューティングガシャットを装填して、必殺技を発動させる。
《ガシャット!》
《キメワザ!》
《ドレミファ!バンバン!》
《クリティカルフィニッシュ!》
ブレイブはガシャコンソードから音符を纏った炎の斬撃を、スナイプはガシャコンマグナムから黄色のエネルギー弾を放つ。だが、パラドクスはそれをギリギリで避け、2人に強烈なパンチを浴びせる。
「「うわああああ!!!」」
《K.O.!》
《ガッシューン!》
ブレイブとスナイプは変身が解除され、地面に転がる。
「まずい!」
エグゼイドは地面に倒れる飛彩と大我を見て今の状況を危険だと判断する。だがその隙にガットンとチャーリーが強烈な一撃を放ち、エグゼイドと鉄朗に大ダメージを負わせる。
「「ぐああああ!!」」
《ガッシューン!》
完全な不意打ちだった為、エグゼイドと鉄朗は防御が出来ず、そのまま変身が解除され、地面に転がる。その際、永夢が所持しているゲキトツロボッツガシャットと黄緑のシャカリキスポーツガシャットが地面に落ちる。
「っ!レアアイテム!」
鉄朗はそれをすかさず拾い上げる。それを見た永夢は、
「廻原さん!返してください!」
だが鉄朗はそれを無視して2つのガシャットを右手に握り締め、もう一度立ち上がる。
「廻原さん、ここは僕達に任せて!」
永夢は立ち上がりながら鉄朗にそう言う。そんな永夢に鉄朗は怒りに満ちた視線を向ける。
「任せろだと?ふざけんじゃねぇ!」
「えっ………?」
鉄朗の言葉に永夢達は驚きの表情を見せる。鉄朗はそれに構う事続ける。
「あんたら、あいつが七海達を殺した時、何してたんだよ?何もしてくれなかっただろ!」
鉄朗はパラドクスを指差しながら永夢達に言葉をぶつける。それに対し返す言葉が見つからない永夢達。
「それなのに馬鹿のひとつ覚えみたいに任せろだ?何をだ!あんたらに何を任せりゃいいんだよ!!」
そこへパラドクスが言葉を発する。
「その通りだ。そいつらには何も任せられない。だったら自分でどうにかするしかない」
「気に食わねぇけど、お前の言う通りだ。仮面ライダークロニクルは、俺が終わらせる!!」
パラドクスの言葉に不本意ながら同意した鉄朗は、自身の決意を口にし、パラドクスから託されたブランクガシャットを取り出す。すると、鉄朗の両目が突如として金色に輝く。
「っ!?」
それを見た永夢達やパラドクスは表情を驚愕へと変える。そして、鉄朗の中の何かが変わったのか、先程の様な黒っぽい金色のオーラが溢れ出し、右手に握り締められていた2つのガシャットがそれぞれ赤と黄緑の光を放つ。
「この現象、まさか!」
大我は、今の鉄朗の状況を見てある出来事を思い出す。
「研修医の時と、同じ………?」
飛彩もまた、大我と同様の出来事を思い出す。
そして永夢はその状況をただ見ているだけだった。
「やっぱりな、心が、踊る………!」
パラドクスはかなり楽しそうな声色でそう言う。そして、2つのガシャットから溢れ出した光が、ブランクガシャットへと注ぎ込まれる。光が収まると、真っ黒だったブランクガシャットが、ダイヤル部分は黄色に、本体は深緑に染まる。そして両面にはそれぞれ違う種類のゲームが描かれていた。
「これは………」
鉄朗は自身が生み出したガシャットをまじまじと見つめる。
「思った通りだ!さあ、お前の力を見せてくれ!」
パラドクスは興奮した様子で鉄朗にそう言う。
「言われなくても、やってやる!」
そして、鉄朗はパラドクスを真っ直ぐ見据え、ガシャットギア デュアルγのダイヤルを回して、ゲームを起動する。
《GEKITOTSU MACHINERY'S !》
ゲームが起動した事により、鉄朗が生み出した新たなゲーム・ゲキトツマシナリーズのゲームエリアが展開される。
「ゲキトツ、マシナリーズ………?」
永夢は起動されたゲームの名を呟く。
《Stand Up ! Soldier Of Steel !》
待機音が鳴り響く中、鉄朗は静かに、力強く、言い放つ。
「変身………!」
そう言って、ガシャットギアデュアルγのスイッチを押す。
《DUAL UP !》
《Everything is broken ! Are you lady ? GEKITOTSU MACHINERY'S !》
鉄朗は、赤色を基調とし、黄色の眼を持ち、どこかロボットを思わせる姿をした戦士に変わる。
「全てを、終わらせる!この手で!」
鉄朗がそう言うと、パラドクスはこう言った。
「全てを終わらせる、か。なら、お前の名は、仮面ライダーラグナロク、だな?」
今ここに、全てを終わらせる決意を固めた戦士・仮面ライダーラグナロク マシナリーゲーマーレベル50が誕生した。
「新しい、仮面ライダー………」
鉄朗が変身したラグナロクを見て、永夢はそう呟く。
「行くぞ………!」
ラグナロクはガットンを標的に選択し、両手首から両肘にかけて装着されている装甲を両拳に覆い被さる様にスライドさせ、ゲキトツスマッシャーの強化版であるマシナリースマッシャーを装着する。そしてまるでロボットの様に両足の裏からジェット噴射を放ち飛び上がる。ガットンの前に着地すると、両腕のマシナリースマッシャーでガットンに幾度となくパンチをお見舞いする。
「おらおらおらぁ!!!」
「ぐっ!!」
ガットンは反撃をする事が出来ず、ただラグナロクの猛攻を受けるだけだった。そこへ、チャーリーがBMXを操りラグナロクの背後から攻撃を仕掛ける。だが、
「っ!残念!」
ラグナロクはそれいち早く察知し、チャーリーの攻撃を避ける。そのままチャーリーの攻撃はガットンへとヒットしてしまう。
「なにぃ!?」
「ぐっ!」
そこをチャンスと見たラグナロクは両腕のマシナリースマッシャーを解除すると、腰に装着されたラグナロクバックルの右腰に位置するギアホルダーに装填されているガシャットギア デュアルγを取り出す。
《GASSYU-N !》
そしてダイヤルを操作し、必殺技を発動させる。
《KIME WAZA !》
そしてガシャットギア デュアルγを再びギアホルダーに装填する。
《DUAL GASHAT !》
《GEKITOTSU CRITICAL IMPACT !》
すると左腕のマシナリースマッシャーが、右腰のマシナリースマッシャーと合体し、巨大なひとつのマシナリースマッシャーへとなる。それをガットン目掛けてロケットパンチの要領で発射する。
「はあああああ!」
放たれたマシナリースマッシャーはガットン目掛けて一直線に飛んで行く。だがガットンは寸前のところで体を横にずらし、なんとか直撃を避けたのだ。だが、ダメージは相当あるらしく、体のいたるところからスパークが出ている。
「くっ!スリープモード!」
ガットンはそう言うと、姿を消し、その場から撤退したのだ。
「逃げやがったか!」
ラグナロクはそう言うと、残ったチャーリーに目線を向ける。
「今度は俺が相手だぜ!」
チャーリーはノリノリでそう言うと、BMXを操りラグナロクに向かって突進する。
「ヒャッハー!」
「よっと!」
ラグナロクはそれをあっさり躱すと、再びガシャットギア デュアルγを取り出す。そして、ダイヤルを回し新たなゲームを起動する。
《SHAKARIKI GRAND PRIX !》
ラグナロクか次に起動したのはシャカリキグランプリ。ゲキトツマシナリーズがゲキトツロボッツのアップグレード版なら、このゲームはシャカリキスポーツのアップグレード版なのだろう。
《Create a storm !》
待機音が鳴り響き、ラグナロクはガシャットギア デュアルγのスイッチを押し、新たな姿へと変身する。
「超変身!」
《DUAL UP !》
《Grasp a climax. SHAKARIKI GRAND PRIX !》
変身音が鳴り響くと、ラグナロクの両腕に装着されたマシナリースマッシャーが外れ、背中に装着されていた自転車の車輪が付いたガントレットが外れる。そして腰のラグナロクバックルが180度回転すると同時に、ラグナロクの眼が輝きを失くしたかと思えば、先程まで前を向いてた筈のラグナロクが、今は後ろを向いているのだ。ゆっくり振り返ると、そこにはマシナリーゲーマーとは違い、黄緑を基調とした戦士が立っている。そしてマシナリースマッシャーが背中へと装着され、両腕にはトリックフライホイールの強化版、トリックフライホイールGが装着されたガントレットが装着される。
「別の姿に!?」
「パラドクスと同じ力か………」
永夢はラグナロクの新しい姿を見て驚きの声を上げ、大我は冷静にラグナロクの力を分析する。
これが、ラグナロクのもう一つの姿、仮面ライダーラグナロク グランプリゲーマーレベル50だ。
「よし、行くぜ!」
ラグナロクはそう言うと、左腕のトリックフライホイールGをチャーリー目掛けて投げ飛ばす。
投げ飛ばされた車輪は不規則の動きをして、チャーリーを翻弄する。動きの読めなかったチャーリーはトリックフライホイールGを避ける事が出来ず、乗っていたBMXを破壊されてしまう。
「なんだと!?」
驚愕するチャーリーの隙を突き、ラグナロクは左腕にトリックフライホイールGを戻し、両方の車輪を回転させながらチャーリーを殴り付ける。
「これでも!喰らえ!」
「こんな事が!!!」
チャーリーは自分と同じ力を使いながら、自分より更に強いラグナロクに驚愕する。
ラグナロクはそんな事お構いなしに、ギアホルダーからガシャットを取り出し、必殺技を発動させる。
《KIME WAZA !》
《DUAL GASHAT !》
《SHAKARIKI CRITICAL SPIRAL !》
2つのトリックフライホイールGは急回転を始める。そしてそれをチャーリー目掛けて投げ飛ばすと、黄緑色の嵐が巻き起こり、チャーリーを巻き込む。
「吹っ飛べ!!!」
「ちくしょーーー!!!」
嵐の中で、チャーリーは断末魔を叫びながら爆発四散する。
《GAME CLEAR !》
チャーリーを倒し、ゲームクリアした事を証明する電子音が鳴り響く。
その様子を見ていたパラドクスは変身を解除する。
「心が躍るなぁ、ラグナロク」
声を掛けられたラグナロクもまた、変身を解除してパラドを見据える。
「パラドクス、お前も、この俺が終わらせる」
鉄朗がそう言うと、パラドは嬉しそうな笑みを浮かべる。
「楽しみにしてるぜ?それに………」
パラドは永夢に視線を移す。
「永夢、お前とも、ガチでやり合える日をな?」
パラドはそう言うと、その場から姿を消す。
永夢達も立ち上がり、鉄朗の元へ歩み寄ろうとするが、彼は永夢達に目もくれず、その場から去ろうとする。
「廻原さん!」
「仮面ライダークロニクルは俺が終わらせる。邪魔はするな」
鉄朗はそれだけ言うと、その場から立ち去っていった。
「何あいつ!やな感じ!」
ニコは鉄朗の態度に怒りを覚えていたが、永夢、飛彩、大我は鉄朗に言われた言葉が頭の中をぐるぐると駆け回っていた。
---あんたらに何を任せりゃいいんだよ!!---
「僕は………」
永夢は拳を握り締め、自分の無力を痛感するのだった………。
See you next game………
ラグナロクのフォームチェンジの描写を凄く難しくしてしまった為、凄く書きづらかった。伝わりましたか?