やはり俺たちの防衛生活はどこかおかしい。   作:ハタナシノオグナ

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ゆきのん誕生日おめでとうございます。

のっけからなんですけれども、今回読まなくて構いません。
言いたいことは上記のみです。
私のシリーズの中でも一等つまらないことについては保証します。
活動報告であんなこと抜かしておきながらお恥ずかしい限りですが、どうしようもなくまとまりのない蛇足です。
作者としてこう言うのは心苦しいですが、正直な話原作読んでいただいた方がいいです。

13巻に打ちのめされて、何も書けなくなってからの散文を投げておきます。
初めは誕生祭のつもりだったんですがねぇ……

さて、それでもスクロールする方はお覚悟を。解除ボタンは右上やや中央寄りです。


【番外編】雪ノ下雪乃の独白

 

◆◆ ◇◆◆ ◇◇◇ ◆◆◇

 

 

春、進級を迎えても代わり映えのない生活を過ごしながら、昨年の今頃を思い返す。

 

脳裏に浮かぶのは、慣れない制服の硬い感触や麗らかな日差しなどではなく、急ブレーキと運転手から零れる呻き声、経験したこともないのに『それ』とわかる音。

 

つまりは、車が肉塊を捉えた振動だった。

 

 

◆◆ ◇◆◆ ◇◇◇ ◆◆◇

 

 

あの事故自体に負い目があるわけではない。私は何もしていないのだし、何もできはしなかった。

所詮は同乗者。負うべき責めも、負えるほどの地位もないのだから。

 

この態度を不遜と詰られようとも私は何も感じず、むしろ哀れにさえ思うだろう。

 

なぜなら、法は万能ではないのだから。

 

しかし、現実には彼への補償は必要で、それを担うのならば私の家があつらえ向きだった。

無論、覆すこともできたのだろう。それでも事後の補償をしたのは、私の家が必要と感じてやったこと。ならばなおのこと、私の出る幕はない。

 

法的責任には問えなくとも、道義的責任はある。

 

そう声高に叫ぶ輩もいるのだろう。

ならば私に果たせる道義的責任とはなんなのだろう。

 

「うちの運転手がご迷惑をお掛けしました」

 

そう言って頭を下げること?

ありえない。そんな言葉を弄ぶような行いはむしろ侮辱にほかならない。

とりあえず頭を下げることが筋、なんて言葉を吐く人間にこそ反吐が出る。

言葉は、振る舞いは、そのように軽々に扱ってよいものではない。

 

この件について、私ができることは最早ない。

果たすべきことは、既に全うされてしまったのだから。

私がすべきことは、既に封じられてしまったのだから。

 

ささくれめいたこの思いに、悩まされ続けるのが精々なのだろう。

 

だから、そう思い続けてきた。この痛苦を抱き続けてきた。

 

 

◆◆ ◇◆◆ ◇◇◇ ◆◆◇

 

 

私は静寂が好きだ。

 

小学校以来、誰にも侵されない時間というモノの価値を多く観てから、私は他人というものに余り固執しなくなったように思う。

画一的に線引きできる程に敵が多かったこともその一助として認められるのだろうけれど、だからこそ私は私を知る数少ない人達に対して何らかの強い感情を持つようになったのかもしれない。

それが好悪のいずれにせよ。

 

その姿勢は揺るがぬまま中学校を卒業し、こうして高校生2年生を迎えている。

 

そんな私を、平塚先生は苦々しく感じていたのかもしれない。

数少ない事情を知る人間として、硬直した私をどうにかしたい。そう思ったのかもしれない。

 

結果として、平塚先生は彼をここへ連れてきた。

私が望み、また望まなかった人物でもある彼を。

 

 

◆◆ ◇◆◆ ◇◇◇ ◆◆◇

 

 

それでも、私の意志は頑なだった。

 

事故のことをあえて避けることはしないが、わざわざ私から切り出す話でもない。

言わないことは、嘘をついていることではない。そう信じて。

 

それを煮え切らない態度と見たのだろうか。

平塚先生はそんな私を許しはしなかった。

 

次に彼女が私のもとへ送り込んできたのは、もう一人の被害者である由比ヶ浜さんだった。

 

彼女は私とは違って事故のことを気に病んでいるらしく、彼に対する態度にはその端々に負い目のような感情が見え隠れしている。

そして、少なからぬ慕情も。

 

当然と言えば、そうなのかもしれない。

見ず知らずの人を、それもそのペットを助けようとしたとして、咄嗟に身を挺することのできる人間がどれほどいるというのだろうか。

ましてや、自分自身の命さえ顧みずに。

居合わせただけの私でこうなのだ。由比ヶ浜さんの目には、さぞかし神々しく写ったことだろう。

そんな彼を相手に言い出せないもどかしさを抱えながら、密かな憧れを抱えることもあるのだろう。

 

単純だ。

 

そう言ってしまえるほどに感情の機微を知らないわけではない。

 

由比ヶ浜さんの眼差しが彼を辿る様は私には眩しく、そして美しかった。

 

ならば、私は?

 

 

◆◆ ◇◆◆ ◇◇◇ ◆◆◇

 

 

彼も、彼女も、そして私でさえも、未だにあの事故に囚われている。

そんなことに意味はないというのに、それを知っているというのに。

 

それでも、私が果たすべきは。

 

 

◆◆ ◇◆◆ ◇◇◇ ◆◆◇

 

 

私は、──────

 




先日13巻を読み終えてからというもの、とにかく悶々としておりました。
結果、居ても立ってもいられず聖地へと赴きました。聖地巡礼というやつですね。
そうして行った先は、非常に美しい場所でした。

曲がりなりにも筆を持つものとしてあるまじき拙さの感想ですが、そうとしか言えないのです。
写真に収めたい気持ちをどうにか押し込めながらその前を過ぎ、13巻の舞台にも足を運びました。

ただ美しい。本当に幸せに思います。

ひとりの原作ファンとして、ようやく人心地つけた気がします。
そんな訳で、酷い文ですが私なりにコレをけじめとして提出しました。
感動と感謝を示すにはあまりに力不足な身の上ですが、これを機に改めて自身が産み落とした創作と向き合いたいと思います。

それはそれとしてもこれからは足繁く通いたいなと思ったり思わなかったり……

そして、聖地巡礼後に知って驚きましたのが、友人が八幡らと同窓であったことです。
仰天モノです。なんなら、……原作者です?と一瞬疑いました。有り得ませんが。
ともあれ、こうして私は数々の貴重な情報を得たわけです。いくら感謝を述べても足りません。
そんな友人へ今や薄らぎつつある古い記憶から色々と話を掘り起こしてくれたことを感謝して、今回はこれにて失礼したいと思います。

ありがとう。


追伸
作品違わねぇ? と思われた方、全くもって仰る通りです。別時空ではないですが。
次回からは真面目にドヤ顔中二小説垂れ流しますので、御安心を。
望まれているかはさておき

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