深海棲艦・艦娘・大本営   作:ヤップ

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○○新聞 「宇宙開発用ロボット研究に日本陣営参加!! 」


第一話 由紀ちゃんの夢と現れた吹雪と

 

 

「由紀ちゃん、今日は何して遊ぶ?」

 

「う~ん……じゃあ、戦艦ごっこしよう!」

 

「戦艦ごっこ?何それ?」

 

「しらないの?東京ではみんなやってたよ~」

 

……あつ、いけない。母ちゃんからちゅういされてたっけ。由紀ちゃんにあんまり東京のこと思い出させるなって。

「あっ、そうなんだ。…どうやってやるの~?」

 

「えっとね。こうやって、こうやってね。でぇ~ドンドン、バーンってやるの!!」

 

 由紀ちゃんはそのへんにあったえだを拾って、三本のえだを指と指の間ではさむと、ぼくにむかって、バンバンと言いはじめた。サバゲ―みたいなものなのかな?

「おもしろそう!! やるやる!!」

 

「うん!やろやろ!! 」

 

 ぼくは、由紀ちゃんと、戦艦ごっこをしてあそんだ。そしてつい、母ちゃんにいってはいけないっていっつもいわれてるかわのちかくまで来ちゃったんだ……。

 

「バンバン!!…………なにこれ?」

 

 由紀ちゃんは、かわらにあったナニカをさわったんだ……。そして、てっぽうみたいな何かをひろった……。そして……。

 

「なにこれ~!? 戦艦のたいほうみた~い!! パンパン!! 」

 

カチャッという音がきこえて、てっぽうみたいのがばくはつして何かをだしたんだ!!

 

「…………うえぇぇぇ!! 」

 由紀ちゃんは、びっくりしてなきだした。それで、ぼくがどうにかしようとおもってたら、男の人が何人もきて、由紀ちゃんを……

 

 

 

 

 

「……ハッ!!!! はあっ!はあっ!は……夢か。」

 時刻は午前5時……私の服は寝汗で濡れていた……

 

「……今頃なんで、あんな夢を……。」

 私は腕で頭を抱え込む。

子供の頃の嫌な出来事を夢で見ていた。

 

 あの後、私も由紀ちゃんと連れられて、私だけ解放された。

 表向きは失踪事件の扱いを受けているが、実際のところ彼女は拉致されたのだ。

 だが、自分の娘が居なくなったというのに、吹石のおじさんは警察に届け出もせず、また私を責めるような事もせずに、妙に冷静でいられたのは流石に不思議だった。

 お袋はこのことに対して、吹石家がその後すぐに引っ越したこともあり、何らかの形で由紀ちゃんを拉致した犯人と内通していたのだろうと考えているが、真相は掴めていない。

 

 何しろ二年後に由紀ちゃんは家族と一緒に……骨になって帰って来たのだから。

 

 

 ……今から思えば、戦艦ごっこをしたときに由紀ちゃんが鉄砲を拾って動作させた事が、拉致のきっかけになったのかもしれない。それなら、おそらく……

 

「深海棲艦」

 

 これに関係するのではないかと思い、私はそのことを追及するためにも、旧海上自衛隊から新たに発足した「国防軍海上部」に入った。

 

 だが……、わたしの適正は追及するためにも行きたかった研究タイプの人間ではなかったらしい。

 あれよあれよという間に、気付いたら私は実働部隊の小隊長を務めていた。何匹もの深海棲艦を陸上部の連中と一緒に殺した。わたしはこのまま、内陸部に侵攻してくる深海棲艦を掃除する役割を任されるだけで終わるのかと思っていたのだが、大本営は3年前から次々と領土奪還作戦を成功させているようで、内陸部の仕事が無くなって来たのだ。

 どうやら新兵器がこの戦況を好転させているようで、私はその時はまだ見たことが無いのだが、隊員達の噂では我々人間が踏み込めない最前線で活動しているらしいとの話だった。

 

そして、一年前、ある作戦が行われた……。

 

 その名も東京解放作戦

 この作戦に我が小隊も参加したのだが、これは深海棲艦が沿岸部を固めて以来、初めて人類が海を見る機会だった。我が小隊は基本的に、東京の地下網を駆使していつものように深海棲艦を駆逐する役目だったが、その時初めて新兵器を見た。

 

 ……正直見た感想として、アレを兵器と言っていいのか悩む。

 我々が確保した地下鉄を、場違いな制服姿の少女達がまるで通学のように列車に乗っているのを目撃したからだ。私はその列車が走り去るまで、そこが戦場である感覚を失った。

 

 そして、彼女たちが大本営の新兵器であることを確信したのは、地上に出た時だった。私たちは大規模な砲撃に巻き込まれたのだが、ラジコンのようないや鳥のようなものが、深海棲艦に向かうと同時に、我々の前に巨大な武装をした美女が立ちふさがり、自らを盾としたのである。

 

……九死に一生を得た。

 私は彼女の着ていた服が大砲の衝撃で破れていたのに、自身は全くの無傷であったことに驚いたが「大丈夫か!? 」と声を上げると、彼女は私の方に振り向いて、微かに微笑を作ると、砲撃してきた方向に向かって応砲をしたのである。

 何者なのか解らなかったが、見たこともない装いと兵装をしており、あれが噂の新兵器なんだろうと理解した。

 あとから上官から、今作戦で見たものは忘れろと言われたことから、私たちが見たものは、新兵器であるという認識に正しさを与えるものだった。

 

 

 東京開放以降日本は、本土の大部分を取り戻し、沿岸警備のために主に海上部隊の設営が急務となった。私は海上部であったため、本来の海での任務に就くことになるが、陸上部隊としての戦歴が認められ、本日、特別な任務に就任させられるらしい。

 昼頃に松代大本営に到着したとき、天気は雨だった。

 朝の夢といい天候と言い、新しい門出なのに全く気分が晴れない。これから何か悪いことを予感させる……そういった雰囲気だった。

 

 庁舎に入ると警衛が出てきて、就任式の場所に案内があった。四階の技の間で行われるらしい……。

 

「敬礼!! 」

一列になり台上の式代表に向かって敬礼する。今回の就任には10人が選ばれた。

 

「本日、光栄なる鎮守府代表となる諸君。就任おめでとう。君たちは、これから海上部としての本格的な活動の先駆けとなるものとして、沿岸警備にあたる艦娘たちの代表を務める責務を負うことになる。今までとは勝手が大きく違ってくると思うが、これまで培ってきた経験を十分に発揮して、来る深海棲艦に備えてほしい……。」

 

 式代表が言った艦娘とは何なのか。私には理解できなかった。だが、その艦娘とやらをこれから、指揮命令することになるようで、午後からはその鎮守府で一緒に活動する艦娘との対面式が行われる。いったいどんなものの指揮をすることになるのだろうか。もしかして、あの東京開放時に見た彼女達を指揮することになるのだろうか。

 式をブレイク後、何だかよくわからないものに就任した私達10人は食堂で話をすることになった。

 

「艦娘って、なんだか知ってるか?」

 

「大石中尉は、ご存知ないのですか?」

 

「うん……」

階級が一つ下の佐藤少尉が尋ねてきたので、正直に答えると、驚くような顔をした。

 

「おかしいですね。代表として召集されるのは、艦娘と接触した隊員だけだと聞いていましたが……」

 

「……君もみているのかい?」

 

「もちろんです。私の隊は東京開放時に、艦娘と共同戦をしましたから。防弾なんかしてないうっすい水兵の服を着て、大きなものを後ろに背負っているんですが、彼女達は自分たちよりも強かったですよ!! 」

 

「水兵の服?ああ、見たぞ。彼女達か! しかし、あれは新兵器と噂されてなかったか?」

 

「そうですね。で……」

少尉が耳を貸せというので、私は少尉の耳元によった。

 

「極秘の彼女たちを見てしまったために、私たちはどうやら、鎮守府という場所で管理されるみたいなんですよ……」

 

「えッ、そんな…… 」

私は驚愕した。

 

「どうしてか、理由はわかりませんけどね。まっ!! でもいいと思いますよ!! 階級は上がるし、彼女らは皆美人ですし、むさくるしい男の園から、女の園へ旅立てるんですから!! ああっ~たのしみだなぁ」

 

「……いや、そういうわけには、いかないんだが。 」

 俺は、左遷されるのか!?

 この、色ボケ少尉め。俺はさらに上を目指して、まだやらなくてはいけないことがあるというのに……。

 

「……そうですよね。私もそういうわけには行きませんよ。ですが、こう言わないとやっていけないじゃないですか……! 」

 少尉の眼には、涙がにじんでいた。色ボケているわけではなく、ほかの者も同じような境遇だったようだ……。

 

 

 昼食の後、いよいよ対面式が行われた。

 10人は複雑な心境だったが、それぞれの部屋で一人ずつ対面が行われる。

 私が部屋に招かれた時、部屋には3席の椅子と机があり、私と案内人、艦娘が座るためのようだ。

 案内人と私が座ると、艦娘が来る少しの間、案内人と話しをすることになった。

 

「……君が担当する艦娘はね。正義感が強くて元気な子だよ。」

 

「そうです…か。」

 

「なんだ、不満でもあるのかい?心配しないでいいよ。鎮守府代表を務めあげれば、さらに進級することも可能だよ。 」

 

……さっきの会話を聞いているような素振りだな。

すると、ドアをノックする音が聞こえた。

 

「……まあ、頑張りたまえ。どうぞ! 」

案内人が喋り終わったと同時に、案内人はノックをした人物に合図を送った。

 

 キュウ~とドアが開く音がする。

「失礼します!」

 

 大きな声だな。緊張しているのだろうか?

 私はどんな顔をしているのか彼女の顔を確かめるため、顔をあげると驚愕した。

 

「本日より大石中尉付きの艦娘として配備されました。特型駆逐艦!一番艦!吹雪です!! よろしくお願いします!! 」

 

 

 

「……きっ君が……、艦娘か……!! 」

 

驚いた……。

 目の前に居たのは小学生の時に一緒に遊び、そして原因不明で死んでいるはずの由紀ちゃんとそっくりな艦娘だったからである……。

 

 

「はいっ!! 」

 彼女は元気よく笑顔で返答した。

 

 

 

 

 

 

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