破壊者は何を求めるのか……   作:zaurusu

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原作開始前
プロローグ


「知らない空間だ」

 

普通そこは天井だろ?と思うだろうが、あながちこの表現は間違っていない。

 

見渡す限りの白い空間が広がり、どこが天井で壁だか分からない。なんか、昔の映画でこんな空間に閉じ込められて数万年間を過ごすなんてものを思い出して、少しドキッ!と、したのは内緒だ。

 

「あ、気づきましたね?」

 

後ろから、女性らしき人の声がしたのだ振り返ってみるとそこには誰もいなかった。気のせいか?

 

「ここです!ここ!」

 

どうやら気のせいではないようだ。

 

「うぉ!? びっくりした!!」

 

下の方を向くといつの間にか、すぐ近くに幼女?らしき人物が立っていた。てか、誰?

 

「ムゥ〜、幼女とはなんですか!これでも女神でピチピチなんですよ!!」

 

ほっぺを膨らませて、私は怒ってますよと必死にアピールしてるつもりなんだろうけど、身長のせいで全然怖くない。むしろ、可愛いい……

 

「か、かかかか可愛い!?な、ななな何言ってるんですか!?」

 

あ、もしかして声に出てたのか?どうやら無意識に言ってしまったようだ。

 

「というか、君は誰?」

 

さっきから怒ったり、恥ずかしがったりと感情が表現が忙しいこの子(ようじょ)は誰なのだろうか?女神とかなんとか言ってたけど……

 

「そういえば名乗っていませんでしたね。私の名はアステナといいます。この世界の平衡と時の流れを管理する女神です。ところで、あなたは綾崎ハヤトさんで間違い無いですか?」

 

「え? あ、はいそうです……」

 

突然名前を呼ばれた事に少し戸惑い、反射的に返事をしてしまった。

女神とかなんとか言って怪しいと思ったけど、僕はまだこの子に名前を教えても無いのにズバリと言い当てた。もしかして、本当に神様なのか!?

 

「本当ですよ?」

 

やっぱそうなんだ………って今、ぼく喋ってないよね?どうしてわかったんだろう?

 

「ふふふふ、神である私にはあなたの思うことは全部お見通しなんですよ!」

 

げぇ、それって下手なこと思えないじゃん。さっき、ちょっとだけ頭の痛い子と思ったのとかバレてないのかな?

 

「……それを思った時点でバレバレだという事を貴方はわかってないみたいですね……」

 

笑顔なのに全然目が笑ってないアステナ。

 

「あ、あははは……」

 

あまりの恐怖に笑うしかなかった。

 

その直後に、筋肉マッスルでサンオイルテカテカの集団にもみくちゃにされる幻覚を見せられて撃沈する少年の姿がそこにはあったとかなかったとか。

 

キングクリムゾン!

 

「ち〜ん」

 

「自分から言う人は初めて見ましたよ……」

 

あの恐怖の幻覚の後、必死に謝って偶然ポケットに入っていたいちごみるくアメをあげたら機嫌を直してくれた。まさか、アメで助かるとは……人生何が役に立つかわからないものだ。

 

「でも、ほんとうに許してくれるんですか……貴方の人生を私はめちゃくちゃにしてしまったんですよ?」

 

実は、つくづく感づいていたんだ。自分が死んでいるということにね。

 

だって白い空間に女神様なんて、明らかにラノベの「貴方は死にました!」てシーンそのものだし。

 

「でも……」

 

「じっちゃんがいっていた………遅かれ早かれ人は必ず死ぬ。だが、このおでんの味だけは生き続ける。その味は多くの人に染み渡っていくんだ……」

 

これは、天を司る男のセリフだ。

 

これは、たとえ死んでもその記憶や志、思い出なとば多くの人によって伝わって、人々の心の中で生き続けるという意味をあの男ならこういうだろうと思って、ハヤトなりに考えたものだった。短い生涯であったが自分は悔いを残したことはない。そう思ってるからだ。

 

「おでんですか……ふふ。貴方は面白い人ですね。」

 

カッコつけて見たが、どうも決まらなかったようだ。

 

でも、アステナの顔は先ほどよりも明るくなったような気がする。

 

「気が変わりました、貴方にはそのおでんの味を人々に伝えるべきだと私は思います。よって、貴方を転生させましょう!」

 

「え?」

 

「転生先は……ここがいいですね。よし、決定です!答えは聞いてません!」

 

「ちょ!?」

 

「では、いってらっしゃい〜!」

 

突如として、下にマンホールサイズのブラックホールが出現しハヤトは飲み込まれてしまった。

 

「ぎゃやややややや!!」

 

ブラックホール内から少年の断末魔が聞こえたとか聞こえないとか。

 

 

「さて、あの世界には行くからには多少の力が必要ですね」

 

ブラックホールが消えるとアステナはハヤトに渡す力について考えていた。

 

彼の経歴、趣味からあらゆるものを絞って行く。

 

「どうやら、ロボット系もアニメは一通り見ているみたいですが、特撮の方が好きみたいですね……」

 

彼の転生する先の世界はちょっと特殊なため、考えさせられました。無限の剣製とか約束された勝利の剣なども考えましたが異質すぎてあの世界には会いません。

 

ここは、特撮方面で絞ってみることにしましょう。

 

「流石にこの赤と白の巨人はダメですね。それなら……」

 

そして、見つけた。

 

「これなら……あの世界でも十分通じますね。ふふ、ピンク(正確にはマゼンタ)で可愛らしいい色をしているのに“世界の破壊者,,なんて嘘みたいですね……」

 

赤色のカブトムシを送っても良かったんですが、こっちの方が臨機応変に戦えると思いますしね!

 

「後は、時が来たらこれを送るだけですね……ふふ、楽しみにしていますよ?貴方のおでんの味が広がるのを……」

 

こうして、アステナはハヤトを吸い込んだブラックホールを出現させ、アタッシュケースをそこに投げ入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




天を司る男。俺様系かと思ったら中々いいこと言うんですよね。

赤と白の巨人は間違いなくあいつです。

赤いカブトムシはとても速いんですよ……
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