千冬さんからの地獄の指導から生き延びて数週間。最初の原作イベントが発生した。
それは、白騎士事件……ではなく、篠ノ之箒に対する男子たちのいじめだ。女なのに男子たちよりも強く男勝りな性格が気に入らなかった原因で始まった。と言うか、あいつら、よく見たら前に他の女の子をいじめていた奴らで、箒によってボコボコにされた奴らじゃないか。
復讐……か。いや、この場合は只の逆恨みか。
「やーい、男女!今日も竹刀をぶら下げてどこ行くんだ?」
「おい、こいつリボンつけてるぞ?似合わねぇー!」
「…………」
いじめっ子の悪口に対して箒はただ黙って聞き流す大人の対応をしていたが、それが気にくわないのさらに悪口を連発していく。
箒は任された掃除当番を着々とこなしているが、手に持つ雑巾からは相当の力が込められていた。
そこにしびれを切らしたのが、我らが英雄(ヒーロー)、織斑一夏だ。
「おめーら、寄ってたかって楽しいのかよ!」
「なんだよ、お前、男女の見方すんのかよ!」
「もしかして、お前はそいつの事好きなのか!」
「好きとかそんなの関係ないだろ!困ってる人がいたら助ける。それが男だろ!」
いよ!いってやれ一夏!かっこいいぜ。
今のセリフ、クラスの女子に聞かせたら何人落ちるかな?録音しときゃよかった。
ここで俺も登場!
「じっちゃんがいっていた……この世でやってはいけないの女の子を泣かせる……」
「ち、めんどくさい、やれ!」
俺が天を司る男の言葉を言ってる最中でいじめっ子どもが殴りかかってきた。
「そんなんじゃ、当たらないよ。」
軽く首を捻って避ける。
ふふ、毎回千冬さんの拳骨を食らっている僕にとってはこんなパンチは遅すぎる。
「おりゃ!」
「ぐべら!」
一夏のパンチが相手の顎はクリーンヒット。流石は、一夏。
肝心の僕はただ避けるだけ、だって相手が汗まみれで気持ち悪いから殴りたくないんからね。
「ち、逃げるぞ!」
相手が悪いと思ったのか、いじめっ子のリーダー格的な奴が倒れた仲間を見捨てて、逃げ始めた。
「まて、お前らは先生に突き出してやる!」
「逃すか!お前らは絶対ぶっ潰して、箒ちゃんに土下座させてやる!」
ハヤトと一夏はいじめっ子達を追いかけるが思いの外、彼らの足が速く、それにおとりにはまったりして結局逃げられてしまった。
「ん、こいつらよく見たら篠ノ之にボコボコにされたやつじゃん。」
一夏よ、今更気づいたんかい。
「まぁ、いいか。それより先生に連絡しに行くか。」
「そうだね。それより、箒ちゃんは大丈夫?」
「ああ、別に怪我はない、すまなかったな。私のせいで……」
「別に気にすことないぜ?なぁ、ハヤト?」
「まぁ、そうだね。」
「しかし……」
「それに…………リボンすげー似合ってるしな!」
「………ありがとう。」
でた、一夏の女殺しセリフ。箒ちゃんがみるみる赤くなっていく、これはもう惚れたね。惚れさせた当の本人は無自覚なのが恐ろしいことだ。
あれ、なんか僕、空気になってるよな気が……
「それより、篠ノ之……」
「……箒だ」
「え?」
「私のことは箒と呼べ。私もお前のことを一夏と呼ぶ!」
「そうか、よろしくな、箒!」
握手を交わす二人。自然とその笑みは夕日により眩しく見えた。
パシャり!
その一コマを逃すまいとハヤトは二眼レフで撮る。ハヤトは写真を撮るのが苦手でいつもブレるのだが、今回は不思議とそのブレがいい感じになっている。
握手と笑顔、二人の顔が合わさってなんとも言えない素敵で不思議な写真だった。
青春の一コマ、ここから篠ノ之箒のIS物語が始まる。
あれ、篠ノ之束と合わせる予定だったのに……次こそは合わせます!
なお、ハヤトはまだディケイドの力を受け取っていないが、アステナのミスで、中途半端に破壊者の修正がかかり、写真がブレている。本人は二眼レフの扱いに慣れていないからだと誤解している。から、気にしてはいない。