現在時刻は午後7時32分。約束の時間まであと5分もない。母さんには、剣道の練習が終わったら、一夏と一緒に箒の家でご飯食べるからご飯いらないとメールで連絡をした。これなら、多少遅れても大丈夫だろう。
さて、公園に来たけど何処からか現れるやら。
適当なベンチに座って待つことにした。途中、喉が渇いたのでジュースでも買おうと思った立ち上がった瞬間、
「やーやー、君が綾崎ハルトくんだね?」
突然、目の前に天災事、篠ノ之束が現れた。
「あ、はい。そうです、僕が綾崎ハルトです。」
突然の登場にびっくりしすぎて、変な返事になってしまった。僕は、変なおじさんじゃないことは確かだよ。
て、それより質問質問
「何で、僕を呼んだんですか?」
「んー、君を呼んだ理由?それはね……」
今まで、笑顔で話しかけていたが一瞬でゴミを見るかのような目に変わった。明らかにハヤトに向けての視線だった。
それに殺気も加わり、あたりが一瞬で静かになり、寒くなった気がした。
蛇に睨まれたカエルは動けないというが、今まさにその状況がハヤテにのしかかった。
「凡人ごときがさぁー、私の箒ちゃんやいっくんやちーちゃんに馴れ馴れしくしないでもらえるかな?邪魔なんだよね君。」
恐らく、これ以上は関わらないでくれる?むしろ、消えて?という意味なのだろう。
「まぁ、私としては凡人が何しようが知ったこっちゃないだけど、君はちゃっと得体の知れないところがあるからね。」
そういうと、束は球体のようなものを取り出した。
「これは、私が作った、解析くん26号だよ。人の顔を認証してその人がどういう人物か調べるんだけど……君の場合だけエラーの文字でいっぱいになるんだよね。」
「それは、ただ単に機械の故障なんじゃ……」
「ううん、何処も故障なんてしてなかった。いまも、君に向けてるんだけどやっぱりエラーの文字が出る。体内に特殊な機械を埋め込んでるかと思ったけど、君の体はいたって普通で健康だった。」
「…………………………」
ハヤトは黙ることしかできなかった。返答しようにも素直に転生者ですと言って果たして信じてくれるのだろうか。
「して、君は一体何者なのかな?」
返答次第では殺されてもおかしくはない雰囲気だった。でも、答えられるのは1つしかない。
「……………僕は……」
答えようと思ったその時
「見つけましたよ、篠ノ之束。」
「「っ!?」」
突如として、周りの景色が歪んだかに思えた瞬間、何処からともなく
灰色のタキシードを着た男性が合わられた顔は。深く帽子をかぶっていてよく見えなかった。
「なにかな?いま、大事な話をしてる最中なんだけど、凡人が邪魔しないでくれるかな?」
最初は戸惑っていた束だったが、直ぐに調子を整え、男にくってかかる。先程よりも、殺気が上乗せされている。
男はひるむどころか、不気味に笑っていた。それも、面白おかしいかのように。
「なーに、直ぐに終わりますよ。そう、直ぐにね……」
刹那
ゴゥ!
ハヤトと束の間に仄暗い壁のようなものが出現した。男はハヤトの方向にいたが、壁をすり抜けて束のいる方へと移った。
男が壁をすり抜ける時に、ハヤトにはくっきりと見えた。それは、人間ではない、異形の怪物。
「束さん、逃げてください!そいつは、人間じゃありません!!」
束にどうにかして逃げるように叫ぶが、どうやら声は遮断されており聞こえない。
あいつは、束さんを殺す気だ!
said 束
先程から、向こうでなにか言ってるみたいだけど聞こえない。だけど、これだけは分かる。
逃げろ
彼は恐らくこういう言ってるのだろう。でも、凡人ごときに私がやられるはずがない。
「篠ノ之束、貴様があんな物を作ったせいで私は職を失い、家庭を失った。そして、女どもからは理不尽な仕打ちを受け、逮捕され、金を貢がされ、私の人生はめちゃくちゃになった!」
あんな物? 一体この凡人は何を言ってるのだろうか?私のせいで人生がめちゃくちゃになった?証拠もないのに、なに切れてるんだろうか?
「私は、考えたのさ、この世界を変えるにはどうすべきかと。男性の適合者が現れた時は希望が見えた。だがそれは、一時的なものに過ぎないと私は悟った。それならいっその事、元凶である篠ノ之束を殺せば腐りきった世界を元に戻すことができるとね。」
世界を変えた?世界を戻すことができる?男性の適合者?なにをいってるのかな?
束にはこの男がなにをいってるのかなよくわかっていなかった。ただ、話を聞いて分かるのは自身が世界を変える大きなものを作った、もしくは何かをしたということ。
そして、彼が、未来人である可能性が高くなった。
「そして、私はある男と出会った力を手に入れた。そう、この力をね……」
そういうと、男の姿が変わり、異形の怪物へと成り果てた。
「な、なななな……….」
束は目の前の人間が怪物に成り果てたのに驚気を隠せなかった。しかし、直ぐに戦闘態勢になり、怪物めがけて強烈なキックを食らわした。
「ーーーっ!?」
束の身体能力は千冬と同等であり、普通の男性がこの蹴りを喰らえば内臓が破裂して即死するレベルなのだが、目の前の怪物は何事もなかったかのように佇む。
怪物の体はそこらへんの金属なんか比べ物にならないくらいの硬さがあるため、生身の人間なんか相手になるわけがない。
「キュルルル………ああ、これでやっと世界が変わるのですね。」
怪物は静かに束の元へと一歩一歩近づく。それは、紛れもなく死の音。
怪物は が手をランスのような鋭いトゲへと変化させ、束の心臓めがけて突き刺そうとした時……
キン!
その腕が何者かによって弾かれ、衝撃によって怪物は吹っ飛ばされた。
「ふう、間に合ってよかった。」
そこには、マゼンタ色の鎧を着た戦士が立っていた。
「貴様か!何者だ!」
吹っ飛ばされた怪物は怒り狂っていた。だが、戦士は慌てることなく、ただ冷静にこういった。
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」
それは、幾多の世界を渡る能力を持つ故に疎外され、世界の破壊者の異名を持つ仮面ライダーディケイド。彼はその瞳に何を見るのか……
まだ、話は続きます。そして、やっと合わせることができました。