臆病な兄と奇天烈集団 作:椿姫
二階堂(にかいどう)
・弦巻家抹消計画の賛同者の1人。中学時代剣道部の同期で太一同様に廻寧を尊敬していた。
三学(みつがく)
・廻寧の中学時代の剣道部の後輩。弦巻家抹消計画の賛同者の1人。
四ノ原(しのはら)
・廻寧の同級生だった男。弦巻家抹消計画の賛同者の1人。
五十嵐(いがらし)
・なまり言葉で話す、弦巻家抹消計画の賛同者の1人。
六島(むと)
・弦巻家抹消計画の賛同者の1人。基本的に無口。
では、19話目をどうぞ↓
廻寧side
〜弦巻家 従業員専用廊下〜
倒れている黒服や執事を避けて俺は弦巻家の中を進んでいくとそれはもう酷い有様だった。黒服達が、使用人の執事やメイドがぐったりとしているのもあれば気絶しているのもいる。
「…マジかよ…これ全部やったのか…」
ボヤきながら廊下を走り抜けてドアを蹴破ると大広間に着く。
「ここに続いてたのか……」
見渡すと以前来た玄関を見つける。試しに開くか力を入れてみるが…当然開く分けねぇよな。鍵がかけられてる…
「ここ開ければこころ助けた時にこっから出れるが…犯人グループのヤツらが鍵持ってるって事でいいのか?」
取り敢えず上の階に行きながら鍵を探そうと階段を登っていこうとすると倒れている執事がいた。
「おい!しっかりしろ!!」
俺が近寄り声を掛けると、ゆっくりと起き上がり…
「うがぁ!」
声を上げて強烈な蹴りを俺の腹に当てる。
「がふっ……」
腹を押さえながら蹴ってきた執事を見ると我を失ってるのか携帯していた武器を持って襲いかかってくる。
「ぐるうぁぁ!!」
「どぉわっ!?危ねぇ!!」
俺は咄嗟に避けて、みぞおちに的確に1発拳を入れる。
「……おぅえ……げほっ…」
「わりーけどアンタはちょっと寝てろ」
執事はその場に倒れ込む。それを一部始終見ていたかのように声が聞こえてその声の主が現れる。
「さっすが廻寧先輩ですね〜。瀕死のオモチャじゃ相手になりませんでしたか〜」
その声の主は俺が聴いたことのある声と姿であると同時に懐かしくもあった。けど今はその面影はないが声で認識できた…間違いない、
「お前……三学か?」
「お久しぶりっす……廻寧先輩♪」
三学は鎖を振り回しながら俺に軽く挨拶をした。
「なんでお前がこころの家にいるんだよ!?」
「そんなに怒らないでくださいっス〜。ぼくはあの人の言葉に賛同して計画を実行しただけっス」
「あの人……動画を送ってきたヤツか?」
「見てくれたんスね!ありがとうございます!」
「じゃねぇだろ!テメェら何人いるか知らねぇが何したか解ってんのか!?」
怒りを露わにして三学を怒鳴りつける。
「ちょ、落ち着いてくださいっス!これは廻寧先輩の為でもあるんですって!?」
三学の言っている言葉に俺は意味が分からなかった。
「どういうことだよ!?」
「それはですね……おっと、これ以上言うのはあの人に口止めされてました…まぁ、廻寧先輩には計画のため……」
三学が言葉を区切り、粘つくような笑みを浮かべて言い放つ。
「ちょぉっと気絶してもらうっす♪」
そう言って三学は俺に向かい鎖を振りかざした。
美咲side
「……と、言うわけなんです、美鶴さん孔雀さん」
あたし達はこころの家に向かう途中でお兄ちゃんのクラスメイトの美鶴さんと孔雀さんに会う。どうしてそんなに急いでいるかを聞かれて事情を話すと驚いて声を上げた。
「…つ、つまり廻ちゃんはたった1人で弦巻ちゃんの家に犯人グループ達と戦いにいったってワケなの!?捕えられてる弦巻ちゃんもだけどそんなのあぶないわ!!」
「……廻寧、アイツ何考えてんだよ…どう考えても1人じゃ勝ち目ないだろうが」
二人ともこころとお兄ちゃんの事を心配してくれていた。あたしは二人に頭を下げる。
「お願いします!!こころとお兄ちゃんを助けてくださいっ!あたし達ハロハピの為でもあってこれは……みんなのためでもあるんです!!お兄ちゃんは昔から自分に何かあったりすると全部1人で抱え込むクセがあって…こころが捕えられたのも自分のせいだと思ってると思うんです!だから…お願いします!!」
あたしがそう言うと千聖さんや花音さん、みんなも口々に頼み込む。
「乙女達にそんな顔されたら…断れないわね♪」
「アイツの力になるなら…俺も手伝うぜ」
「ありがとうございます」
ここからはあたし達は作戦を説明した。千聖さんと薫さん、美鶴さんとはぐみがお兄ちゃんを助けに動くグループに。あたしと花音さん、若宮さんと孔雀さんがこころの救出グループに分かれた。
「じゃあ、みなさん…何としてでも犯人を止めましょう!!」
こうしてあたし達はこころと、その家の人を助けるため、お兄ちゃんの為にこころの家へと向かった。
(待っててこころ!お兄ちゃん!すぐに行くからね!)
廻寧side
「っと!危ねぇ!!」
「ほらほら先輩〜♪避けてるだけじゃぁ反撃できないっスよ!!」
三学は鎖を勢いよく振りかざす。俺は避けれずに腕に直撃をくらう。
「痛っ!」
「次は腕じゃなくて……頭、いくっスよ!!」
三学が鎖を振りかざして俺の頭に当てようとする。
「あんまり…調子に乗るなボケがっ!!」
「んなっ!?」
俺は鎖を掴みそのまま三学を引っ張って階段から転げ落とす。
「あぐっ!が!うぅ…り、廻寧先ば…い」
俺は鎖をそのまま階段に縛り付けるように結ぶ。もちろん動けないように腕と足もしっかり固定した。
「ぐぅ…は、離してほしい……っス!?」
俺は腹に蹴りを入れる。
「な…ど…して……」
三学は呻き声をあげた。そのまま俺はズボンの膨らみに手をかけてそれを取り出すと発信機などが出てきた。それと…
「スタンバトンまで……おい三学、どこでこんなの手に入れた?首謀者からでも護身用にいただいたか?あ?」
「…さすが廻寧先輩…そこまで分かってたんですね…」
「俺に攻撃する時いつも何かを気にする癖、中学から変わってねぇからな…」
「…お見通しですか…はは、廻寧先輩には敵いませんよ…参りました、なにか聞きたいことあればお話しますよ?」
俺は三学の胸ぐらを掴んで言い放つ。
「実行犯はだれだ?俺の知ってる奴か?」
三学は呪縛から解かれたかのように話した。
「…そうっスよ、実行犯は廻寧先輩がよく知っている人っス。そして…ぼく以外にもメンバーがいるっス…」
「そうか。じゃあちゃっちゃと実行犯ぶっ倒すか…」
俺そう言って階段を上がっていこうとする。
「ま、まって先輩!」
「なんだ?」
「ぼくの服の胸ポケットの中…紙があるので持っていってください…」
三学の胸ポケットを調べると「9」と書かれた紙切れと鍵が出てきた。
「なんだこりゃ?」
「……ぼくらはみんなこの紙切れを持ってます…実行犯が今弦巻こころ達を拘束している部屋に入るにはこれがあと4枚必要なんで……」
なるほどな…要するにあと4回紙を奪い取ってその部屋に行かなきゃ行けねぇんだな…
「それとその鍵……正面入口の…鍵、なので…入口、開けることできるッスよ」
「分かった」
俺は紙と鍵をズボンに入れて階段を上がっていった。
太一side
「あーあ、三学やられちゃったか…了解。みんな格持ち場につくように伝えてね〜♪」
『なぁ太一……もし俺らが全滅して廻寧がお前の部屋に来たらどうするんだ?』
「その時は廻寧と…一戦交えるかもしれないね。まぁ、こっちには弦巻こころっていう人質があるからすぐには動けないだろうし…それに、若しかしたら廻寧は自分の手で弦巻こころを殺めることになるからね…」
『廻寧が弦巻殺しても太一が殺しても計画は成功って理由か……』
電話で話しながら外を見ると数人が向かってきているのが見える。
「……二階堂、五十嵐達にも伝えて。どうやら廻寧以外にもお客さんが来たみたいだ」
電話の相手、二階堂は驚きの声をあげた。
『はぁ!?そんなの聞いてねぇぞ!?まさか廻寧の野郎、人呼んでたのか!?』
「いや、それはないよ…廻寧は昔からそうだから」
『言われてみればそうだな…追い払うか?』
「ん〜そうだな……痛めつけて追い払ってもいいし、何ならそこでそいつら殺して埋めちゃってもいいよ♪弦巻こころへの見せしめにもなる」
『りょーかい。五十嵐達にも伝えとく』
二階堂はそう言って電話を切った。
「うぐ……」
その時、鎖で繋がれてた弦巻こころの父親が目を覚ました。
「あ♪やっと起きたかおっさん」
「………き、貴様達……一体なんの真似だっ!?」
「んー?ちゃんと僕にわかる言葉で言ってよ〜すまないがドイツ語はさっぱりなんだぁ〜」
「ふざけるn……がはっ!?」
思い切り腹を蹴る。さらに追い討ちの如くスタンガンも使う。
「やっぱり喋らなくていいや、娘が死ぬ頃には起こして一緒に殺してあげるから♡」
こころside
「や……り喋らな…て……や、娘…ぬ……は起こ…て…緒に…して…げるか……」
………ん、頭がズキズキするわ…なにか喋り声?なんて言ってるの?目を開けると知らない男がお父様を蹴っていて手にはスタンガンを持っていた。
「!?お、お父様っ!?」
「あれ?やっと起きたの?」
蹴っていた男はあたしに視線を向ける。
「あ、あなたは誰なの!?」
「死ぬようなやつに名乗る名前なんてないよ…この悪女がっ!!」
「ひやぁっ!?」
思い切り平手打ちをされる。頬がじんじんする。
「よくも今まで廻寧を誑かしてくれたなぁ……あ?」
「り、リンネーをあたしが誑かす!?何の話よっ!?そんなことした覚えなんてないわよっ!!」
「おい、そんな口の利き方していいのかぁ?」
「……どういう意味よ!?」
男は胸ポケットから紫色の液体が入った瓶を取り出してちゃぷちゃぷと鳴らす。
「……何よそれ?」
「僕が作った毒だよ。今すぐ飲ませてやろうか?ん?」
ど、毒っ!?え?そんなの飲まされたら…
「い、嫌……し、死にたくないわ……」
「そうだよ…そういう態度でいてもらわなければねぇ…いいねぇその泣き顔…堪らなくそそるよぉぉ♪」
(り、リンネー……みんな……死にたくないっ!た、助けて!!)
廻寧side
〜弦巻家3F 廊下〜
「ぐがぁぁっ!!」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
上の階に行くと薬を打たれた黒服や執事が襲ってきたりしてどうにかなりそうだが蹴散らしていく。
「ったく……キリがねぇ…」
何とか全員倒して進んでいくとカツカツと足音を立ててこちらに来る奴がいる、そいつも俺の知っている人間だった。
「………三学の次はお前か…六島」
「…………」
「こんな感じで再開とは思わなかったが……相変わらずあんまり喋らねぇのな、お前は」
六島は持っている武器を構える。
「……………計画の為、暫く気を失ってもらう」
千聖side
〜弦巻家1F 資本教材室〜
こころちゃんの家に入った私達は2手に分かれた。
「まず私達は奥沢くんと合流しましょう!」
「そうね…廻ちゃんはどこにいるのかしら」
「廻くん先輩ー!どこー!?」
ここに来るまでに沢山黒服の人たちや使用人が倒れていた…奥沢くんが1人でやっつけたのかしら?そう思っていると誰かの声がした。
「おいおいおいぃ!廻寧1人しか呼んでねぇのにこりゃあなんてサプライズパーティーだぁ!?」
声の主の人は金属バットを掲げて私達を見ていた。
「これ以上人が増えるのは厄介だなぁ…テメェら1人ずつなぶり殺しにして太一んとこ持ってくか」
美咲side
〜弦巻家2F 〜
「なにこれ……」
黒服や使用人がなぎ倒されたような跡があった。
「こ、これ……全部廻寧くん1人で……?」
「多分…一刻も早くお兄ちゃんをさがさないt」
「進入者おったで♪」
あたし達が振り向くと知らない男の人が木刀をこちらに向けていた。
「これはわっちらが廻寧の為を思ってやっとるんに……おまんらがわっちらの友情の邪魔すなや、ぶっ殺すでぇ?」
「こころはどこなの!?」
あたしがそう言うのを分かってたのかペラペラと喋る。
「弦巻ちゃんは4Fの親っさんの部屋やで〜、ちなみに5桁の番号知らんと開かないんやよ♪」
「……やけに喋るな」
孔雀さんが男に向かって言う。
「別にええんや。おまんらはここでみーんな殺すんやから」
その男はニヤッと笑ってあたし達に向かって木刀を構えた。
「み、美咲ちゃん……」
「花音さん落ち着いて…って言ってもさすがに無理ですよね…」
こんなところで足止めされるわけには行かないのに…早くしないとこころもお兄ちゃんも……どうしたら…そう思ってると
「俺が引きつけるから先に言って」
孔雀さんがあたし達に向かっていう。
「え?でも…」
「大丈夫♪すぐに合流するからさ。早くこころちゃんを助けに行ってあげて?」
そう言って孔雀さんはあたし達の背中を押して先に行かせた。
孔雀side
よし、みんな行ったみたいだな…
「おまんがわっちの相手か?随分チャラそうやなぁ」
「へっ。言ってろ…舐めてると、後悔すっぞ?」
美鶴side
「お前一人で俺を相手にするだと?オカマが何言ってんだ?」
「オカマだなんて失礼しちゃうわ。アタシはか弱い乙女達を守る紳士よ?アタシ一人で充分、かかってきなさい」
アタシはガタイのいい男に向かって挑発する。千聖ちゃん達はアタシが時間稼ぎをしてるうちに資本教材室を出たわ。
「調子乗るなよ…5分で血祭りにしてやる」
「言うじゃなぁい?かかってきなさい……イッパイ可愛がってあげるわ♪」
現在の弦巻家の状況です。
太一・こころ(弦巻家4F父親の仕事部屋)
廻寧VS六島(弦巻家3F)
孔雀VS五十嵐(弦巻家2F 長廊下)
美鶴VS二階堂(弦巻家資本教材室)
となっています。今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!
そして本日僕は、専門学校を無事に卒業することが出来ました。22日から行われる社員研修も頑張っていこうとおもいます!更新が大幅に遅れるかもしれませんがそれでも今後ともよろしくお願いします!