臆病な兄と奇天烈集団 作:椿姫
更新してない4ヶ月、何があったかまとめました。
①お正月ガチャで限定彩ちゃんが4人来ました。
②バレンタインひまりに5万ぶち込んで破産。
③利き手の左手、薬指を粉砕骨折し現在自宅療養。ドリフェスにてイヴゲット
④仮面ライダージオウ、アギト/津上翔一役の賀集利樹さん友情出演おめでとうございます
以上!
〜廻寧side〜
「お兄ちゃん起きてるー?今日は学園祭だよー?」
妹の美咲の声が聞こえて俺はもぞもぞと布団から起き上がる…が、再び寝ようと試みる。
「美咲…もうちっと寝かせてくれ…」
俺の願いも通じず美咲は扉を開けて部屋に突貫する。いつの間にか美葉と美樹も入ってきて布団の中にいる俺の上にのしかかる。
「廻寧兄ちゃん起きろー!」
「起きろー!起きろー!」
「…わーったから布団をぼふぼふと叩くんじゃねぇお前ら。しかもだいぶ強めだよな?な?」
俺は諦めて起き上がり部屋から美咲たちを出し、制服に着替えて部屋から出ると既に準備を終えている美咲とパジャマ姿の美樹と美葉がいた。俺が起きたのを確認すると美咲は先にご飯食べてるからねと言って2人を連れて部屋を出て行き、俺も寝巻きから制服に着替えて1階リビングに向かう。
「はぁ…マジで寝みぃ」
「お兄ちゃんまた遅くまで…NFOだっけか?ネットゲームしてたの?」
「昨日はログボ受け取ってちょっとしかやってねぇよ…ふあぁ」
欠伸混じりにそう答えながら朝食を食べ終え、部屋に戻りカバンを取って諸々支度を整えて家を出る。
「眩しっ…」
「お兄ちゃんもうちょっとしゃきっとしたらー?そんな感じだと今日明日乗り切れないよ?」
「しゃきっとしろと言っても眠いもんは眠いんだよ…学校着いたらぜってー寝る」
「そもそもお兄ちゃんどうしてそんなに眠いのさ…」
「あぁ…実は」
「リンネー!美咲ー!おっはよー!」
眠い訳を話そうとすると後ろからとてつもなく機嫌のいい大きな声の主が近づいてくる。声の主はもちろんこころだ。
「こころ…朝っぱらからあんたは元気なこと。まぁいつもの事だけどさ」
「元気なことはいいことよ!あら?リンネーは元気が無さそうね?どうしたの?」
こころが訝しげに俺の顔を覗き込む。
「あのなぁ…俺は眠いんだよ」
「そうなの?あっ!もしかして学園祭が楽しみで眠れなかったのかしら!!」
「ちげーよ…はぁ、どこぞの誰かが朝5時から10回以上モーニングコールするから眠いんだろうが」
俺の言葉に美咲が何かを察したのかこころに問掛ける。
「こころ、あんたもしかしてお兄ちゃんに電話とかしたり…?」
「えぇ!したわよっ!」
眩しいくらいの笑顔でこころは答える。
「……あー、そういう事ね」
「『今日は学園祭よっ!リンネーと一緒に回るのが楽しみでしょうがないわ!』みたいな会話が10回以上続いたんだぞ…電話を切っても2秒くらいですぐ通話が始まるからキリねぇんだよ」
「うん、どんまい…てか2秒毎で電話掛けるとかどんだけ….」
つーかなんでこころはそんな朝早く起きてんだよ…普通なら大概寝てるってわかって欲しいんだが。それ以前に10回以上モーニングコールしてきたその本人は少しでいいから悪気を感じて欲しい…まぁ変に言って傷付ける訳にもいかんし悪気ないのは分かってるが…はぁ。こんなんで学園祭を生きていけるのかどうか不安になってくるぜ。
学校に到着すると辺り全部が学園祭ムードで覆われていた。屋台が数多く並び風紀委員やら生徒会、他の生徒達も開始に向けて最後の準備やらチェックを念入りに行っていた。
「すっげーな…」
「リンネー!驚くのは早いわよ!学園祭が始まればみーんなが笑顔になってもっと楽しくなるわ!さ、美咲!あたし達も行くわよーっ!」
「ちょっ!こころそんなに引っ張んないで…そ、そんなわけでお兄ちゃんまた後で〜」
こころは美咲の腕を掴み勢いよくそのまま校舎に入っていった。それを見てから俺は校舎内に入り自分のクラスに向かう。
(うっわ…まんまお化け屋敷だな…死んでも入りたくねぇ…)
クラスに入る前からでも分かる、淀んでいて黒ずみ、異様な雰囲気が漂うこの感覚…忘れもしない、お化け屋敷が大嫌いになった10年前と同じだった。家族でテーマパークに行った時に母さんがどうしてもって言ってて俺と美咲も強制連行させられた。母さんが楽しむその一方で俺と美咲は兄妹揃って散々悲鳴をあげまくりビビりまくった。あれ以来俺はお化け屋敷が大嫌いに、トラウマになったのだった。美咲はどうなったか知らんが…
その時、教室の扉が開けられ中からお化けの衣装もとい口裂け女の格好をしている美鶴が出てきた。俺は驚き思わず廊下に尻をついてしまう。
「あら廻ちゃん?もう来てたのね?」
「おうわっ!?ってその声は美鶴だな…なんつー格好してんだよお前」
「なにって口裂け女の格好をしてるのよ?普通なら分かるじゃない」
「朝から男が口裂け女の格好して教室から出て来るのが普通だとしたら俺は異常者で結構だ」
「アタシはただ口裂け女の格好をして欲しいって頼まれたのどうせやるなら来た人を飛びっきりの演技で驚かすわ♡もちろん廻ちゃんも来るわよね?待ってるわよ♡」
俺がお化け屋敷が弱点だということを知っている美鶴は笑みを浮かべながら教室へ戻って行った。俺は、何がなんでもお化け屋敷には行かないと心に決めて屋上に向かった。はしごを登り、1番高いところに寝そべる。
「ふう…やっぱここが落ち着くぜ…ふあぁ」
チャイム鳴るまでここで一眠りするか…と思いきや、無慈悲にも程があるとはいわんばかりに人が次々とやってきてなにか設営を始めた。
「……は?」
状況が飲み込めず何をしてるか確認する為はしごを降りその様子を見ると【イベント広場】と確認できた。
「…マジかよ」
屋上で一睡も出来ないと察した俺はそそくさに階段を降りて行った。
「頼むから寝かせてくれ…こちとら眠いんだよ」
愚痴を零しながらどこかで一眠り出来ないかと思った俺は休憩室に入る。他人の荷物とかが多かったが運良く誰もいないし日差しが差し込み、ぐっすり寝れるであろうスポットを見つけた。俺は日の差し込んでいる暖かい机にすぐさま座り、寝息を立てる。
(始まるまでまだ時間あるし…まぁ余裕だろ…)
寝不足だった俺はあっという間に眠りについた。
イヴside
「うんしょ、うんしょっと…ふぅ」
私は、使わない椅子や机を持ち、空き教室まで運びに行く。
「手伝ってくれてありがとイヴちゃん」
「いいえリミさん!これくらい武士にとってどうって事もありません!」
「ふふ、イヴちゃんは頼もしいね。本当に武士みたいだよ」
「え、えへへ…これも日頃の修行の賜物ですっ!」
空き教室についた私とリミさんは運んできた机と椅子を空いているスペースに置いて出ようとすると校内スピーカーが流れてきた。
『皆さん、朝から準備お疲れ様です。午前9時から花咲川学園祭の開会式が行われますのでみなさん遅れずに体育館に集まり、模擬店や展示物など各々担当のある生徒は一般のお客様を迎える準備を始めてください。生徒会長鰐部七菜でした』
ブツっとマイクの電源が落ちる音を聴いて、リミさんが空き教室から出ていく。私も教室を出ようとすると誰かが寝息を立てている音が聴こえた。
「……すぅ、すぅ」
私は寝息の正体を掴むべく、寝息のする方に進んでいく。
「確かここら辺から誰かの寝息が聴こえたはずですが……あ」
寝息の正体は、窓から射す暖かな日差しを受けて気持ちよさそうに寝ているリンネイさんでした。私はリンネイさんの座っている机に駆け寄る。
「り、リンネイさん?」
私はリンネイさんを起こそうとする。
「り、リンネイさん。起きてください、開会式が始まっちゃいますよ?」
「……んんっ。んむぅ…」
しかし、私の呼びかけに応じずリンネイさんは再び眠ってしまう。どうしたら起きるか考えた私はリンネイさんが顔を向けている方を覗き込む。
「リンネイさん、おきてくだs……」
リンネイさんの顔を覗き込んだ私は後ずさった。なぜかと言うと酷いあざや怪我が特別あった訳では無く、純粋に寝顔が可愛かったからです。
「かっ、かかか……可愛いぃ」
見ていて魔が差したのか私はリンネイさんのほっぺを指で触っていた。
「わぁ…リンネイさんのほっぺぷにぷにしてますぅ…ま、まだ起きませんよね?」
私は他に誰もいないことを確認してリンネイさんの黒髪を撫でるように触ってみる。後ろ髪がピョンと跳ねてたりクセ毛が目立つけどそれ以上に病みつきになるほど触り心地が良すぎます……女の人の髪を触ってる感じがします。
「起こさなきゃダメなのに…こんなにも可愛い寝顔のリンネイさんを起こすなんて私には出来ません…しっ、しかし若宮イヴ!ここで引いては武士の名に泥を塗りかねません!そ、それではリンネイさんを起こしま」
「んんっ…」
私の言葉を遮るかのようにリンネイさんが身体を捻りながら起こす。
「ふあぁ…良く寝たぁ〜ってイヴか?なんでお前ここに居るんだ…?」
「あ、えっと…その…」
私の存在に気がついたのか、リンネイさんは半分寝ぼけたような表情で私の顔をじーっと見つめて
きてます。そんなにじっと見られると恥ずかしいです、なんて事も言えるわけなく言葉が詰まってしまいました……
「?そういや今何時だ?」
「時間ですか?今は…あ!もうすぐ9時になっちゃいます!リンネイさん!早く行きましょう!」
「ゑ?イヴどういう…」
私は思わずリンネイさんの腕を掴み、足早に空き教室を抜けて体育館へ向かう。ちなみに時計は8時55分を指していて開会式まであと5分というとこでした。
「うぉ〜いイヴ、一体なんだって言うんだ?」
「学園祭の開会式が始まるんですっ!もう皆さん体育館にいます〜!」
「ありゃ…そうなのかー?」
半分寝惚けてるリンネイさんの手を引きながら私は体育館に入る。何とか開会式ギリギリに着いたので良かったです…
「はぁはぁ…ま、間に合ってよかったですぅ」
「イヴ…」
「どうしましたリンネイさん?」
「気になってたんだが…俺の手をいつまで掴んでるつもりなんだ?」
私はいつの間にかリンネイさんの手を握っていることに気がつき、慌てて手を離す。
「はわわわっ!?す、すいませんリンネイさんっ!」
「俺は気にしねぇけどよ…それとサンキューな」
「え?」
「だってイヴが起こしに来てくれなかったらずっと寝たままだったかも知んねぇし。それに…俺、初めての学園祭だし」
私にそう言って柔らかく笑ったリンネイさんは、私の頭にぽんと手を置いたかと思うと、そのまま頭を軽く撫で始めました。
「だからさイヴ…あ、ありがとな?」
「ふぇっ!?/////」
思わず変な声が出てしまいました…。リンネイさんから「ありがとう」って聞くのは初めてじゃないですけど…それよりも頭を撫でられてるぅ!?恥ずかしいですよお…
「さて、自分のクラスの列に戻るか。じゃーなイヴ」
ぱっと頭を離したリンネイさんはチサトさんやカノンさん達がいるところに向かって行きました。私は撫でられた頭に手を添える。
「……まだリンネイさんの…暖かい。もう少しだけ撫でて欲しかったです…♡って私は何を考えてるんですか/////」
頬を赤らめながら私もクラスの列に入って行った。
(…あ!リンネイさんに『一緒に学園祭回りませんか?』って誘うの忘れてましたぁ…あ、朝の集まり終わってからでも間に合いますよね?)
廻寧side
「あら廻ちゃん。もうすぐ開会式始まるわよ?今まで何処にいたのかしら?」
「ん……寝てた」
「はぁ、廻ちゃんらしいわね」
準備サボってたから咎められるかと思ったがそうでも無いみたいだな。安心したかと思ったその矢先、近くにいた白鷺に声をかけられる。後ろから松原が宥めようとしているが効果がないようだ…
「へぇ…奥沢くんサボって寝ていたの?」
「げっ!白鷺」
「お説教が必要かしら?」
そういう白鷺は笑っているのに殺意のコスモが燃え上がり今にも黄〇聖闘士になりそうな勢いだった。
「ち、千聖ちゃん落ち着いて…顔笑ってるのに怖いよ?落ち着いて話を聞こ?ね?」
「止めないで花音!奥沢くんには言わなきゃ行けないことなのよ!!」
そう言いながら、白鷺は正拳突きの構えなのかペ〇サス流星拳を発動しようとしている。言わなきゃ行けないことなのよって言ってるわりにやってる事は言葉(物理的)にしか見えないんだよなぁ…
「容赦のない女王様もステキです!!」
「イスは黙りなさいっ!」
「あ、ありがとうございます/////今日もいいビンタです!!」
割って入った白鷺のイス、もとい雅臣は白鷺のビンタで興奮気味になってるし…俺の初めての学園祭は始まる前からカオスを迎えそうだった。その時生徒会長らしき人物が体育館の壇上に上がりマイクスピーカーをオンにする。
『皆さん、おはようございます。生徒会長の鰐部七菜です。今日は雲ひとつない晴天の中、花咲川学園祭を迎えることができました。つきまして今年度は…』
生徒会長の鰐部という女子の長いスピーチが終わり、いよいよ学園祭の開会が宣言される。
『それではこれより…花咲川学園文化祭の開会をここに宣言します!皆さん!めいいっぱい楽しみましょう!』
鰐部が降檀すると大きな拍手と開会を喜ぶ喝采、狂声やらが体育館に響き渡った。開会式を終えて体育館を出ると中庭から何やら香ばしい匂いが漂ってきた。何の匂いだと思った俺はそこに向かうと、でかい看板に『出張!!北沢精肉店』と書かれていた。もちろんその屋台にいたのは北沢だがそれ以外にもこころや美咲も屋台の近くにいる。
「あ!廻くんせんぱーい!おーい!」
「北沢か。それに美咲とこころもいんのか」
「やっほーお兄t」
「あ!リンネー!」
こころは俺を見かけると目をキラキラと光らせ飛び付いてくる。俺はバランスを崩して倒れそうになるが何とか踏みとどまった。危うく背中殴打するとこだったぜ…
「危ねぇ…いきなり飛びつくなよ」
「だって今日は学園祭よ!こーんなに楽しい気分になるから仕方ないじゃない!見て!笑顔になってる人が沢山いるわ!」
「はぁ…お前は平常運転で何よりだな…」
「リンネイさーん!」
声をかけられ、後ろを振り向くとイヴが駆け足で俺達の所に駆け寄ってくる。
「ん?どうしたイヴ?」
「はぁ…はぁ…お話があってきました」
「話?別にいいけど」
「あ、ありがとうございます!」
息を荒らげていたイヴは呼吸を整えて俺に顔を合わせる。
「リンネイさんっ!わわ…私と一緒に文化祭回りませんかっ!?」
「………へ?」
突然のことに困惑してるとそれを聞いてたこころが俺の後ろからひょっこり顔を出す。
「イヴ!リンネーはあたしと一緒に回るのよ!しかも昨日約束したもの!ね、リンネー?」
そう言ってこころは俺の左腕に身体を絡んできた。女子特有の柔らかい感触とシャンプーなのか、柑橘系の匂いが俺を刺激する。というか人いるのになんで堂々とそういうことするかねぇ?ギャラリー湧きそうだし目立ちたくないんだよなぁ…
「おいっ!こころ!?あ、当たって…」
「昨日約束したってそうなんですかリンネイさん!?」
「へ?ま、まぁそうだが…」
「うぅ…で、ですが私にも引けない事情があります!」
イヴはそう言うと空いている俺の右腕に自分の身体を絡め始めた。イヴの柔らかいものもむにむにと腕に絡んでくる。
「はぁ!?イヴ!お前まで何をしてっ!?」
「わ、私だってリンネイさんと回りたいんです!」
「む〜っ!あたしが先なの〜!」
俺を挟んでイヴとこころが俺を取り合う。止めに入ったら多分俺に被害が被る、そんな気がしてならない。だってイヴもこころも火柱立ててるし。何とかならないかと思っていたそんな時、それを後ろから見ていた美咲が俺達のとこにくる。
「あのー、お取り込み中申し訳ないのですが…3人で学校を回るっていう選択肢はないのですか?」
美咲の言葉に言い合っていたイヴとこころが口を止める。止めるどころかヒートアップしそうな発言に聞こえたが今の2人には効果は的面だったみたいだ。
「それだわ!美咲は天才ね!」
「そんな考え思いつきませんでした!」
「…ゑ?」
気分が良くなったイヴとこころは放ったらかしになった俺をそのまま引き連れて行く。
「よーっし!イヴ!リンネー!行くわよ〜!」
「いざ!出陣です!」
「お前ら……連れてくのはいいがまず俺を離せー!!」
美咲side
「流石みーくん!こころんとイヴちんをまとめるなんてすごいよー!」
「あはは…お兄ちゃんにはちょっと悪いことした気がしたけどね?」
あたしはコロッケをひと口食べながらはぐみと話す。こころがお兄ちゃんを好きなのは知ってるけどさっきの様子からしてまさか若宮さんもお兄ちゃんの事…
「さてさて、どうなります事やら…」
ぽつりと呟いたあたしの言葉はお兄ちゃん達にはもちろん、はぐみにも聞こえていなかった。
ギプスが外れるまであと3週間…リハビリもあるから仕事復帰は多分5月かもでした。それと、この小説の更新を待っていたかもしれない方々には長らく待たせてしまったこと申し訳ございません。