不思議集団   作:藍澤 碧

3 / 4
3.事件(?)は起きた

そんな平和な日々の中で、事は起きた。

 

何気ない日常から、自分のルーツを知ることとなったのである。

 

 

 

ユクモ出身の私のルーツは、どうやら、そのユクモに流れ着いてユクモを築いたご先祖さまの、更にご先祖さまらしい。

その人も、藍瑪蔬(あいめそ)という名で、鈴菜(すずな),誠之輔(まこのふ),朱納(しゅな)という仲間がいて、瀕死のところを黒鷹(からす)という殿方に助けられていたというのだ。

しかも、明らかに黒鷹さんは藍瑪蔬さんに好意を寄せていたと判った。

 

それを、一緒に調べてくれていた皆と、書物で知ってしまったため、

「からすって誰!?知り合いに居るの!?」

となってしまい、シュナさんはじめ、皆に押しかけられて、何とも恥ずかしいお茶会が開かれたのだった。

 

その結果、からすさんにも好意を寄せられているのでは!?という話でその日は盛り上がり、照れくさいのを通り越して、本当に恥ずかしい1日となったのである。

 

 

こんなんじゃ、次にからすさんと狩りに行く時、一体どんな顔して会えばいいのよ・・・?

 

ついったーアイルーを、スズナもマコノフさんもシュナさんも使っていないのをいい事に、みんなが帰った翌日。

オトモ広場に向かう道すがらついったーアイルーに、

『めちゃくちゃ恥ずかしい事件発生・・・。私が穴に入りたい・・・』

と呟いてしまった。

どこかに吐き出さずには、耐えられない位に照れくさくて仕方なかったのだ。

 

 

 

ずぼっ!!

「!!!」

『大丈夫か!!?何があった!?力になるよ』

ぎゃ―――!!!

からすさんから、ついったーアイルーが来てしまったぁ~~~~~~!!

動揺のあまり、肝心要のからすさん本人がついったーアイルーを利用していたことを、す―――っかり忘れていたぁ――――――!!

いやっ!これはお返事できないよ・・・。

アイルーの腕と看板の前で、またしても恥ずかしさのあまり、うずくまる私。

 

「・・・・・・・・・」

 

地面の下のアイルーは珍しく押し黙ったまま、一向に動かない。

かなりの時間が経ってから、少し鼻にかかったような声が地面の中からした。

「お返事書かないのニャ?」

こういう対応をしてくれるアイルーには、ポイントをつけてあげられて、それをたくさん集めたコは何か栄誉が与えられるんだったな・・・。

「ん。ありがと。でも、ムリ・・・。書けない・・・」

「・・・・・・ニャ・・・。か、書いた方がいいと思うニャ」

アイルーが食い下がってくれてしまう。

親切なのだけれど、ちょっと、今は・・・。

そう思いながら、その手を眺めていると、どうも見覚えのある色柄のような気がしてくる。

んん!?

この手首の辺りまで黒で、手先の方が白いのは・・・?

それにさっきの声・・・。

鼻声っぽかったから、ハッキリとは判らなかったけれど・・・。

むぅ・・・。

「やっぱり、書いた方がいいと思う?」

「ボクはそう思うニャ」

鼻にかかってはいるけれど、やっぱり!!

「これ、秘密にしておいてよ―――!オモチー!」

「!!!ひっ秘密にするニャ!」

明らかに、腕がビクッとした。

「お、お返事書かニャいなら、失礼するニャ!!!」

ザカザカザカ・・・、すぽん。

「本当に内緒だよ―――!!」

 

ずぼっ!!

「!!」

また来た!なになに?

『本当に大丈夫かい!?返事をくれないか?』

からすさ―――ん。だからムリだってば―――!

ご心配はとってもありがたいのだけれどぉ―――。

んんっ!?

この手・・・・・・。

黄色い腕に肉球模様、手先が黄色っぽい茶色・・・。

「マコノフさんに言わないでよね、マスター・ネコノフ」

「言わない・・・!ニャ・・・!ニャんの事ニャ!?」

「お返事は書けないよー。ネコノフ―――」

「な、なら、失礼するニャ!」

ザカザカザカ・・・、すぽん。

 

あ――あぁ。もう!何なのよぉ―――。

2人続けて、友人だなんて・・・。

 

 

 

ずぼっ!!

わっ!

ん?黄緑のリボン!

らいんアイルーか・・・。

スズナとからす・・・あ!

『藍メソ!どうしたんだ!?返事をくれよ』

からすさ―――ん。

あぁあぁ・・・。

スズナとからすさんしか使っていない直接連絡できる、らいんアイルーが、とうとう来てしまった。

からすさんがしびれを切らしたらしい。

あ・・・。呼び捨てにされている・・・。

そんなに動揺しないでよぉ・・・。

ますます恥ずかしいじゃないの・・・。

「らいんアイルー、ちょっと待ってね」

「ニャ!」

うーん。どうしよう・・・。えーと・・・。

「えーと。『大丈夫!心配してくれてありがとう。たいしたことじゃないのよ』って、たいしたことだけど・・・」

こうとでも書くしかないでしょ・・・。

「うん。これでいいわ。お願いね」

「ニャ!」

ザカザカザカ・・・、すぽん。

 

・・・さて、オトモ広場に行こう・・・。

と、立ち上がって数歩も歩かないうちに・・・。

 

ずぼっ!!

「!!!」

『本当かい!?心配だよ・・・』

らいんアイルーだった。

いつになく立て続けに、しかも若干執拗に心配してくれている。

「うーん・・・。こまったなぁ。『本当に大丈夫!ちょっと照れくさい事があっただけだから。今度会った時にでも話すよ』って、話すの―――!?いや、えっと・・・」

ザカザカザカ・・・。

「あ!待って!!」

すぽん。

「あぁあぁ~~~!!どうしよう・・・・・・」

思わずその場にへたり込む・・・。

 

 

 

「あれ?メソさん、大丈夫かい?」

村人が通りかかって、声を掛けてくれた。

「あ!うん!大丈夫!!」

慌てて立ち上がり、オトモ広場に向かった。

 

 

 

 

 

オトモ広場の帰り。

 

ずぼっ!!

『心配だから、今から会いに行くよ』

うわ!!ぎゃ―――!!

「大変!!『いやいやいや!!大丈夫!!今度の狩りの時で大丈夫だから!!』急いでお願い!!」

「ニャ!!」

ザカザカザカ・・・、すぽん。

 

これはマズイ・・・。

スズナ!スズナ!!

らいんアイルーで、即、スズナに連絡を取った。

「えっと、『どうしよう!?からすさんが来ちゃう!!止めたけど間に合わないかもしれない!!』と・・・。これも急ぎでお願い!」

「ニャ!!」

ザカザカザカ・・・、すぽん。

 

ふぅ・・・。

 

 

 

ずぼっ!!

「!!!」

『今、シナト村だから、シナトマトをお土産に持って行くよ』

・・・・・・。

「いや、だからぁ―――・・・・・・。もー!『大丈夫だって言ってるのに―――。気をつけてね』飛行船に乗っちゃう前に!!お願い!!」

 

ザカザカザカ・・・、すぽん。

 

 

 

無理だー。来ちゃう~。

シナト村からだと、一旦ドンドルマかな?

ん?ポッケ村かなぁ?

とにかく・・・。

 

 

ずぼっ!!

「!!」

『それは・・・。うーん。取り敢えず、対策会議でもする?みんなも呼んで、あたしも向かうよ』

 

スズナ!グッドタイミング!!

「よし!『シナト村から来るそうだから、先に来られると思うけれど、早く来て~~~!!!』よろしくね!」

「ニャ!」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。