不思議集団   作:藍澤 碧

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4.やっぱり事件だった

家に帰ると、ムァがまだ帰っていなかった。

 

こういうそわそわと落ち着かない時には、ムァをモフりたいのにー。

 

 

夕方になってやっと帰って来たムァは、あからさまにマタタビ臭をさせて、盛大に酔っ払ってふにゃふにゃになっていた。

 

「どうしたの!?」

「えへへー。今までのアルバイトのご褒美で貯めていたマタタビぜーんぶで、盛大にマタタビパーティーしてきたニャ―」

ふにゃふにゃの割にはしっかりした答えが返ってきた。

「あらまぁ・・・」

「ふニャーん・・・」

「その割には、そんなに楽しそうじゃないわね?」

その瞬間、堰を切ったように泣き出した。

「うニャ――――――ん!!」

大泣きである。

ぐしゃぐしゃの顔で抱きついてきた。

「うニャ―――ん!!クビになったのニャ~~~~~~!」

「えぇ!?何で!?どうしたの!?」

「藍メソも悪いのニャ―――!」

「えぇ――!?ごめん!!何かしちゃった!?」

「うニャ―――ん!」

あ!

「もしかして、オモチとネコノフに気付いちゃったから?」

「そうニャ―――!それで、ボクたち3匹ともパニックになって・・・。うぐっ・・・えぐっ」

私はマタタビ臭いのも忘れて、ムァを抱きしめて、必死に撫でる。

背中を丁寧に撫で続けるうちに、少し落ち着いたのか、続きを話し始めた。

「ぐす。えぐ。それで・・・。特定の人にしか見せていない人の呟きを、しかも宛先まで間違えて、見せちゃったのニャ・・・」

「ええ!? 3人とも・・・?」

「うニャ―――ん。そうニャー。ニャぜか同じ人の呟きを、それぞれ別の人宛に届けたのだけど、全員違う人に見せちゃったのニャ・・・」

「えぇ~~~~~~!!それ、完全に私の所為じゃないの―――」

「うニャ―――ん! えぐっ!間違えたのはボクたちが悪いニャ。だから、仕方ないニャー」

「ごめん!!!ごめんね~~~!!」

ムァを抱き締め謝りながら、必死に撫で続けた。

「オモチとネコノフが来たら、2人にも謝らなきゃ。本当にごめんね」

「うぐ。ぐす。・・・オモチとネコノフ・・・ぐす。来るニャ?」

「うん。オモチとネコノフは知ってるけど、ちょっと事件があってね・・・」

びっくりしたのか、ムァががばっと体を起こして、こちらを見る。

「ニャ!!ぐす・・・、じ、事件ニャ!?」

「うん」

ムァを撫で続けながら、答える。

「ニャに!?何でオモチとネコノフは知ってるニャ!?藍メソのオトモはムァなのに~~~!!!」

そう言いながら、ボロボロと泣き出した。

「あぁ!ムァ、ごめん!違うの。2人は偶然知っちゃったのよ」

「ニャぁ―――ん!どういうことニャ―――?」

「ごめん!落ち着いて!ほら、さっき、オモチとネコノフに気付いちゃった話あったでしょう?」

「ふニャ・・・」

「あの時に、2人がそれぞれ持ってきてくれた呟きが、からすさんからだったのよぅ」

「ニャニャ!!」

「そう。だから、何となく知らなくもないという程度なんだけど、事件の一部は2人とも知っちゃったのよ」

 

そこで、昼間、自分がやらかしたドジと事の流れを説明した。

 

「ニャ!そんニャ!藍メソこそ大変ニャ!」

「ははは・・・。まあね・・・」

自嘲気味に笑うしかない。

 

「ニャニャニャ」

ところが、まだ涙目のままのムァが、ニヤニヤし始めた。

「これで、ミツもからすさんも、報われるかもしれニャいニャ・・・」

 

「!??・・・ムァ!?」

口に出したつもりがなかったのか、聞こえないと思っていたのか、ムァは驚いて口を押さえる。

「ニャんでもニャいニャ・・・」

動揺のあまり、“ニャ”率がアップしている。

「何よぅ?何を隠してるの?」

首を振って必死に否定する。

「ニャにも隠してニャいニャ」

ふぅ。

「まぁ、そのうち解るんでしょうから、いいわ・・・」

 

追及をされなくなって安心したのか、腕の中に滑り込んできた。

そのムァを抱き上げてベッドに座る。

抱きしめたムァをモフモフしながら、私は言った。

「あーもう。からすさんが来ちゃうのも滅茶苦茶恥ずかしいし、どうしたらいいか分からないけど、みんなが来るのも恥ずかしいよぉう・・・」

「ニャ?まだ、覚悟が決まってないニャ?」

トロンとし始めたムァが聞き返す。

「そんなもん、ないよー。だいたい、どんな覚悟よ?」

「ニャー。・・・・・・受け入れる・・・覚悟・・・ニャ・・・」

半分、夢の中のムァが、途切れ途切れに答えるけれど、何を言っているのか、しかも、肝心な所が聞き取れない。

「も――。何を受け入れろっていうのよ~?」

とはいえ、私の所為でついったーアイルーのアルバイトをクビにされてしまって、酔っ払って帰って来たムァに申し訳なくて、それ以上問い詰めたりなんてできなかった。

 

腕の中で丸くなって、すーすーと寝息を立てるムァを起こさないようにしながら、一緒にベッドに転がる。

「ふぁ。 あー。お魚料理三昧も、おしまいかぁ~」

残念だなぁ、それは。

楽しそうだったからかわいそうだけれど・・・。

 

 

にしても、覚悟って何のことなんだろう?

と、それをぐるぐると考えていたはずなのに、ムァを抱いたまま、私も眠りに落ちていったのだった・・・。

 

 

 

 

 




不思議集団についてはここで終りますが、お話は続きます。

注:恋愛モードに入ります!
モンハン世界に恋愛話が入り込んでもいいと思う方のみ、ぜひご覧ください!!
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