試作品集   作:ひきがやもとまち

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前々から書きたかった『FFタクティクス』二次創作を時間できたので書いてみました。
アルガスアンチなところまで書きたかったのですけど、電池切れて充電しなくちゃいけなくなったことが残念です。
取り敢えずできてる所まで投稿させていただきました。


平民派DQN女オリ主がいくFFタクティクス

 ――私は現代日本で『FFタクティクス』をプレイしていた▲■と申していた者・・・・・・。

 貴方は、“獅子戦争”をご存じでしょうか?

 FFタクティクスの舞台であるイヴァリースを二分して争われた後継者戦争の名です。

 一人の無名の若者、若き英雄の搭乗によって幕を閉じたとされる大乱・・・・・・この物語世界に住む者なら誰もが知っているとされている英雄端です。

 

 ――しかし、それが真実なのか今の私は知らない。覚えていないのです。

 

 交通事故に遭い、一度死んでFFタクティクスの世界に生まれ変わるとき、神様にとって都合が悪いから消されてしまったのか、あるいは最初から覚えようとしなかったのか。

 それすら今の私の記憶には残されていません。

 

 ここにいるのは、獅子戦争以前より武門の頭領として名高い名門だったベオルブ家の長姉『ラムダ・ベオルブ』。

 

 後に教会の手によって秘匿される“デュライ白書”の中で真の英雄として綴られる一方で、教会からは神を冒涜して国家の秩序を乱した元凶そのものと弾劾され、歴史の表舞台を記した記録からは存在を抹消されることになる少女騎士。

 

 ですが、私は知っています。

 忘れてしまった記憶と違って、残されていた自我がハッキリと理解している。

 

 それは、人が目に見えるものだけを“真実”であると思いたがる生物だという事実。

 自分が信じたいものをこそ“真実”だと“正しい”のだと決めつけたがり、縋りたがる弱さを持った生き物こそが人間あると言う紛れもなき真実。

 

 どちらが“真実”なのか?と選ぶことはしても、“どちらともが”真実なのではないか?とする声には耳を塞いで目をつむる。

 そんな愚かしくも愛しい存在こそが人間という名の種族たち・・・・・・。

 

 

 さあ、私と共に人々が追い求める“真実”を追体験する、歴史の旅へと出かけてみましょう――。

 

 

 

 

 歴史劇のはじまりは獅子戦争勃発の一年前、魔法都市ガリランドにある王立士官アカデミーの講堂から幕を開けます。

 その日、アカデミーに通う学生たち・・・若手貴族の子弟たちからなる士官候補生一同は、指導官役の北天騎士団団員によって全員が講堂に呼び集められていたのでした。

 

 

「・・・昨夜もまた、イグーロス行きの荷馬車がやられたんだとさ」

「それも、骸旅団の仕業なのかしら・・・?」

 

 同期生たちの囁き交わす声が耳の中に入ってきて、私は薄目を開けてそちらをチラリと一瞥し、特に目新しい物があるわけでもなさそうだったので直ぐに視線を正面に戻しました。

 

 

 ・・・この頃、イヴァリースでは鴎国との間でゼラモニアを巡って争われた五十年戦争の敗北により国そのものが疲弊しており、戦地から帰還してきた騎士たちに恩賞を支払う余裕さえなく、事実上のタダ働きとしてこき使っただけで解雇された元騎士たちが国中に溢れているという有様でした。

 

 当然、国のために戦いながら何の報酬も与えられることなく兵士たちを路頭に放り出す戦後処理は、職を奪われた騎士たちに王家や貴族に対する忠誠心を放棄させ、盗賊に身をやつす者や王家に対して謀反を企てる者など多くの凶賊や逆賊を生み出す結果を招いてしまい余計に内政を悪化させる悪循環を生じさせます。

 

 そのため当時のイヴァリースでは強盗や殺人が日常的に起きるほど治安が悪化しており、それらに反比例して民衆を守るべき責務を果たそうとしない統治者への信頼は下落の一途をたどっていたのです。

 

 そうして中で近年に台頭してきたのが“骸旅団”と呼ばれる一大勢力。

 元々は五十年戦争末期に、有志を募って結成された民間義勇部隊『骸騎士団』が母体となり、貴族に反抗するため結成された義賊集団だった組織です。

 ・・・ですが同時に、人が作る組織の弊害故に昨今では変質が激しさを増してきた集団でもありました・・・。

 

 組織が民衆からの支持を得て巨大化していく過程で、志も何もない本物の犯罪者までもが内部になだれ込むようになり、彼らの成す悪徳によって良貨は駆逐されはじめ、今では彼らの理想を成すはずだった戦いの目的は復讐戦と略奪戦にその姿を変えていってしまっていたのです。

 

 その被害は、幾人もの英雄や魔道師を輩出してきたガリランドの街もまた例外ではありませんでした・・・・・・。

 

 

「これから何が始まるんだろう? 知らないか、ディリータ?」

 

 傍らから兄の声で、親友であり幼なじみでもあり将来的には腹心の参謀として迎え入れることがほぼ確定している若者に話しかけるのが聞こえてきたので、私はあらためて視線を母の異なる自分の兄『ラムザ・ベオルブ』へと向け直したのです。

 

 線が細く、体つきは華奢で、女性のように面差しの柔らかで中性的な風貌を持つ武門の頭領ベオルブ家の末弟。

 兄二人と違って正室の子ではなく、平民出の側室から産まれた子であるためか政略結婚で嫁いできた母から産まれた私たち兄妹のような鋭さがなく、優しげな印象を見るものに与える一方で、『軟弱な見た目が武人らしくない』と陰口を叩かれる原因にもなっている武官貴族の子としては些か異端な私の兄上様で御座いましたとさ。

 

「いや・・・。ただ、ある程度の想像はつくが・・・」

「というと?」

「ラーグ公がこの街へおいでになる」

「ラーグ公が・・・? 何故・・・?」

「ラーグ公だけじゃない。ランベリーの領主・エルムドア侯爵もだ」

「それは初耳だ。・・・公式訪問じゃないな」

 

 ディリータさんから大雑把な説明を受けたことで、兄は一定の予測を立てられたらしく後半は理解の色が声に宿っていました。

 基本的に甘い人ですが、頭の悪い人ではないですからね。むしろ成績そのもは優等生の部類に入るほど。

 ただ、致命的なまでに人の悪意や作為、打算など人の悪感情にとことんまで疎く、人を疑うよりも信じたがる心理的傾向が戦略戦術関連における授業の成績を落とす原因になってしまっているんですよねぇ。

 

 去年の終わりにつけられた教官個人による個別評価では、

 

『技術的には優れており、教本通りに兵を動かす分には申し分ない。

 ただし、不測の事態により自己の判断で兵を動かさなければならい状況時には疑心暗鬼に陥り足を止めてしまう傾向が強く、教本通りにしか動くことのできない欠点を有している。

 総合得点としては、誰かの作戦指揮の下で一部隊を率い敵と戦う小隊指揮官としては理想的。多数の部隊を指揮統率する大将軍の地位には適正を欠く人物だと思われる』

 

 ・・・あれチラ見して読んじゃったときには、反論の余地がありませんでしたからねー・・・いや本当にマジでマジで。

 

「――今のイヴァリースはどこもかしこも“危険地帯”ばかりだ」

 

 一瞬、何かを言おうとして言葉を濁したディリータさんは、適切な表現を探すため少しのあいだ考えた後に『地位に配慮した表現』を使って説明を再開されたようでした。

 

「騎士団は八面六臂の大活躍だが、実際には人手が足りない・・・。

 そこで俺たち士官候補生の出番ってわけさ」

「要するに、貴族のお偉い皆様方がようやく重い腰を上げられて盗賊退治に本腰を入れられることが決まり、面子を保って協力し合うために非公式という形を取らざるを得なかった・・・と言うわけですよ兄様」

 

 身分に配慮して直裁的に言うわけにはいかなかったディリータさんに代わって、私が代理で結論を兄上様にご報告申し上げさせて頂きました。

 自分で思ったよりも大きな声が出てしまったせいか、周囲にいた何人かの生徒たちが「ギョッ」として私の顔を見つめてきたので「なんだよ?」と見つめ返して差し上げると慌てたように仲間内での噂話に戻っていっていかれましたとさ。

 

 ちなみに兄たちの反応は、苦笑する兄と、肩をすくめる兄の親友という熟れた反応。さすがに付き合い長いと癖のある性格を熟知されていて付き合いやすくていいですよね。大好きですよ、お二方。

 

「・・・相変わらず歯に衣を着せる気がまったく無い奴だなラムダは・・・。本来なら、聞かされているこっちの身が持たなくなるところだが、さすがにもう慣れさせられてしまったしな・・・」

「ラムダの“これ”は生まれつきだからねー。気にしてる方がバカらしく感じてくるくらいだし、いいんじゃないかな? 別に。ラムダらしくてさ」

 

 生真面目で配慮の行き届いた性格のディリータさんからは、まだしも諦め切れてない表情と声で論評され、兄からは割り切られてるのか見限られてるのか判断に困る言葉を賜る妹転生者の私です。いや本当の所どっちなんですか、兄上様よ。地味に気になるぞオイ。

 

 

 ・・・実のところ国内勢力最大規模とは言え、たかだかゴロツキとならず者の寄せ集めでしかない骸旅団による被害がここまで大きくなってしまったのにはワケがあります。

 

 それは鎮圧する側の貴族たちが骸旅団の討伐よりも、『他家の貴族に対しての面子や家格を気にする余り、軍事的には有効な作戦案を政治的理由により退ける傾向が強かったから』――と言うものでした。

 

 具体的には、自領内で暴れている盗賊たちに討伐軍を派遣した後、敵が隣にある別の貴族の領内に逃げ込んでしまうと相手に対する配慮から境界線より遙か遠ざかった地点で軍を返してしまう・・・等の現場判断。

 

 他にも、政治的に敵対している貴族の領土内で叛徒たちが暴れ出した頃には統治能力の欠如を非難する発言を繰り返していた名門貴族が、いざ自分の領内で反乱が起きたりすると今までの発言が仇となり、他の貴族に知られないため箝口令を敷いてしまって発見報告が遅れる・・・等の後方での責任者による怠慢。

 

 これらが積み重なり、『貴族による支配そのもの』を否定するためイヴァリース中を縦横無尽に暴れ回っている骸旅団相手に先手先手を取られる貴族配下の騎士団が多く出てしまうという結果を根いてしまっているというわけですね。

 

 おまけにここで、家同士による伝統的な確執まで関わってくると収拾がつかなくなるのも道理というもの。そりゃあ人手も不足するでしょうよ、当たり前ですけどね。

 

「貴族が面子や伝統の問題を一時棚上げにするためには、形式が必要です。そのためには比類なき名門の当主が範を示すのが一番楽で効率がいい。

 そのための今回の非公式訪問。そのためのエルムドア侯爵とラーグ公という人選です。多分ですけどね? これが一番効率よさそうな配分でしたから、おそらくは合っているでしょう多分」

 

 肩をすくめて総論を口にする私。

 

 イヴァリースは、王家が直接統治するルザリア地方、ガリオンヌ領、ゼルテニア領、フォボハム領、ランベリー領にライオネル領を加えた5つの上級貴族たちがそれぞれに統治する地方領。これに大小無数の貴族たちが統治している中堅貴族領とがひしめき合って版図としている封建国家です。

 

 この内、ライオネル領はグレバドス教会の所轄領であるため貴族同士の揉め事には基本的に中立の立場を取ることが多く、残る四家の中で北西に領土を持つ『北天騎士団』有するラーグ公と、五十年戦争末期に名を馳せた英雄『銀の貴公子』エルムドア侯爵・・・国の南東を統治している二人が手を取り合って国内の治安維持に本腰を入れて乗り出すとなれば残る二つの名門も無視するわけには参りません。

 外聞が悪すぎますし、忠義心が疑われ政敵につけいる隙を与えてしまう。

 

 と言って、ラーグ公のお膝元であるイグーロスまで侯爵が出向いてしまえば、配下になるため膝を屈したことになってしまいます。

 そこで、候補生でいる間は家同士の確執を持ち込まないことを国法により義務づけられている、貴族子弟の全員が入学を義務づけられた名門校ガリランド王立士官アカデミーで非公式会談という手はずが整えられた・・・そんな感じだと思われます。

 

 なかなかに政治的配慮の行き届いた良い策だとは思うのですが・・・もう少し早く重い腰を上げてくれなかったものかなぁ~、とコロンブスの卵を思い煩わなくもない私。

 ・・・ぶっちゃけ、割と本気で骸旅団による被害が尋常じゃないレベルに達してましてね。これ絶対、今年の税収に大きな影を落とすなぁーって段階まで放っておかれたことについては疑問の余地ありまくりな私ッス。

 

 そんな、貴族にあるまじき骸旅団敵思考に私が陥りだした頃、「一同、整列ッ!」ようやく指導官役の北天騎士様が講堂にご到着されました。

 やれやれ、長かったなと思いながら言われたとおりに整列して同期生たちと並び合い、正騎士殿からのお言葉を拝聴するため、視線を騎士様の上がった壇上へと向けるのでした。

 

「士官候補生の諸君、任務である!

 諸君らも知っていると思うが、昨今このガリオンヌの地にも野蛮極まりない輩どもが急増している。中でも骸旅団は王家に仇成す不忠の者ども。見過ごすことの出来ぬ盗賊どもだ。

 我々北天騎士団は、君命により骸旅団殲滅作戦を開始する。

 この作戦は大規模な作戦である。北天騎士団に限らず、イグーロス城に駐留するラーグ閣下の近衛騎士団など多くの騎士団が参加する作戦だ。

 諸君らの任務は後方支援である。具体的には、手薄となるイグーロスへ赴き、警備の任についてもらいたい」

 

 ――もっと具体的に説明するならば、ラーグ公と北天騎士団のトップが御座しますベオルブ家の居城に、作戦に参加する貴族の子弟たちである諸君らを一カ所に集めて人質にさせてもらうのが我々の任務である・・・。

 

 声には出さず、心の中だけでつぶやき捨てる私。ラムダ・ベオルブは性格が悪い。

 そんなことを考えているときでした。

 講堂の扉が開かれて、部屋の外から一人の女騎士が駆け込んでくる。

 

「・・・なに!? それは本当か?」

 

 壇上に立っていた騎士の耳元に唇を寄せて、何事かをささやいて来る相手の言葉までは聞こえませんでしたが、それを聞かされた騎士の反応から見て吉報ではなさそうですね。

 

「士官候補生の諸君、装備を固め、剣を手に取るがいい!

 我々北天騎士団によって撃破された盗賊団の一味が、この町へ逃げ込もうとしているとの連絡を受けた。我々はこれより街に潜入しようとする奴らの掃討を開始する! 諸君らも同行したまえ!」

 

 案の定、報告を終えた女性騎士が部屋を出るまで待つことなく、大仰な身振り手振りを交えながら左手を掲げて握りしめ、壇上の騎士様から士官候補生に対して初めての『殺人命令』という、騎士の家系に産まれた者にとっては有り難~いご命令を押しつけられたわけであります。

 

「これは殲滅戦の前哨戦である! 以上だ! ただちに準備にかかれッ!!」

 

 断言し、背中を向けて去って行く騎士の後ろ姿を見送りながら周囲の士官候補生たちを見回してみると、不安で顔色が真っ青になっているのが半分。残りの半数は強がって必要以上に大声で気勢を上げてる人とで占められてますねー。

 いやー、分かり易いなぁ~。

 

 落ち着いて言われたとおりに準備を始めているのは、この二人だけ。

 

「気をつけろよ、ラムザ。成績では他の奴らよりも上なお前だって実戦は初めてなんだ。無理に進もうとせず、確実に仕留められる敵から倒していけばそれでいい」

「侮るなよ、ディリータ? 僕だってベオルブ家の一員だ。こんな所で無駄死にはしない」

「・・・だといいんだがな。お前は顔に似合わず燃えやすいところがあるから心配だぞ、俺は・・・?」

 

 士官アカデミー今期の成績ナンバー1と2の会話は、相変わらず安定してスゴく安心できますよ。あ~、癒やされます。

 

「と言うよりも、僕よりも女の子のラムダを心配すべきところなんじゃないのかいディリータ? 僕はこれでも男なんだぜ?」

「いやまぁ、そうなんだが・・・コイツはなぁ・・・。念のため聞いておいてやるが、ラムダ。お前は仮に敵が食い詰めて犯罪に手を染めてしまっただけのやむを得ない事情を持った平民出身者だったとしても殺せるk――――」

「殺しますよ。情状酌量の余地は微塵もない人たちですから遠慮なくね」

「・・・即答かよ・・・。だから聞かなくていいと思ったんだよなぁ-、コイツには・・・」

 

 ばつが悪そうな顔で自分の準備に戻っていくディリータさん。

 あと、念のためって何ですか念のためって。おかしいでしょ、人に気を遣って聞いてあげてるときにその表現が出てくること自体が絶対的に。

 

 

 ・・・でも実際問題、今回の敵さんは殺すことに何の躊躇いも感じさせられてないのは紛れもない事実。

 事情はわかりますし、志には共感します。同情もしましょう。

 

 ――ですが、どんな理由があろうと『民衆のための戦いで、民間人を巻き込むこと』は許されません。まして武器を持つ兵士同士による市街戦など問答無用で論外。

 あれは民間人の命と財産を盾に使って、敵の攻撃を一時的でも凌ごうとする下策中の下策。少なくとも『民のための革命』を大義名分として掲げている平民出身の反乱部隊が使っていい戦法では断じてなし。

 

 

 

「国民の命と生活を守るために軍人はいて、それをするから私たち貴族は国民の払ってくれた税金で豊かな暮らしをしていられてる。

 民を守り、民を傷つける敵と戦えない貴族なんてブタ以下のクズでしょう? だったら私はただ、戦うだけです。人の上に立つ貴族としての務めを果たすためだけにね・・・・・・戦争です。一人残らず殲滅させますよ。

 戦に敗れて撤退中の敗残兵が民間人に被害を加えるようになる、その前に一人残らず絶対に――殺し尽くす」

 

 

つづく

 

 

オリキャラ設定『ラムダ・ベオルブ』

 ラムザの腹違いの妹に生まれ変わったTS転生者。

 ダイスダーク、ザルバック兄弟の実妹。

 歳の離れた兄たちよりもラムザと一緒にいる時間の方が長かったため、実の兄たちよりラムザやディリータといる方を好むようになった。

 女騎士は騎士団内に限らず、アカデミーでも珍しいため奇異の目で見られやすく差別を受けるときもあるのだが、彼女は自分の成績と家柄を使い分けることで相手を黙らせてしまうためプライドの高い男子候補生からは煙たがられているが、実力主義の生徒たちからは男女の別なく好かれている。

 また、隠れファンクラブを結成している女子たちがいるのは、ファンタジー世界であっても婦女子としての嗜みなのかもしれない・・・。

 

 外見的にはCHAPTER2のラムザに近く、黒い甲冑を身に纏い、ややくすんだ色の金髪と吊り目がちな青い瞳の持ち主。

 価値基準としてはラムザに近いが兄よりも言動が過激であり、大人しめな外見とは裏腹に責任を果たすことなく権利ばかりを主張する者には一切容赦しない激しさを内包している。

 

 貴族派DQNのアルガスと対をなす平民派DQNの毒舌キャラ。

 世界観に合わせて言動の過激さが増していく性質を持ち合わせている女の子で、ある意味この世界そのものにとって最大級の異分子的存在。

 

 父バルバネオス曰く、

 

『性格的にはザルバックに似て潔癖なところがあるが、才能はダイスダークに似て魔法と剣、そして策略と謀略の才に恵まれた極めて珍しい愛し子であり、鬼子でもある愛娘。

 長じた暁には、兄たちに勝るとも劣らぬ雄材大略の偉才として国の歴史に不滅の名を残し、イヴァリース初の女性騎士団長になることさえあり得るだろう。

 だが同時に、国に未曾有の国難をもたらす梟雄にもなり得る才と運命までもを、あの子は持って産まれてきてしまっている・・・。

 そして、どちらになるかはラムダ本人の意思ではなく、おそらくはイヴァリースがその時どの様な状態にあるかで決まってしまうことなのだろう・・・・・・』

 

 

・・・父が彼女に残した最期の遺言にして予言が実現するその日まで、残り一年・・・・・・。




追記『ラムダの毒舌碌』予告欄

アルガス「ラムザッ!やれ!殺すんだ!こいつはお前の敵だ!ベオルブ家の敵だ!わかるか? お前の敵なんだよ!こいつは敗者だ!人生の敗北者を生かしておく余裕は…」

ラムダ『…うるさいですねぇ…。少し黙っていてもらえませんか? ベオルブ家の温情で逗留を許可してあげてるだけの居候の分際で指揮権に口を挟むのはやめてもらいたのですがね、ラムザ兄様に拾ってもらった人生負け犬組の飼い犬さん?』


アルガス「ラムザ、目を覚ませ。そいつはオレたちとは違う。わかるだろ、ラムザ。オレたち貴族はコイツと一緒に暮らしていけないんだ」

ラムダ『…いや、あなた貴族じゃないでしょ。お爺さんが味方裏切った罰として爵位剥奪された貧乏騎士見習いの子せがれさんでしょう? …とゆーか、いつまでも家にいないで侯爵助けてあげたんですから、いい加減ランベリーに帰ってください。マジで邪魔』

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