ご無沙汰だったため忘れられてるかもしれませんが、バカ話ですので気楽に読んで頂けたら幸いです。
前回までの、あらすじ説明。
現代日本の町中で、転生者っぽい訳わかんない怪盗っぽい奴と探偵っぽい奴との戦闘に巻き込まれて戦死させられたっぽい日本人ゲーマーの少年は異世界に転生したっぽく、MMORPGで使ってたネタキャラの【ナベ次郎】の身体で見知らぬ異世界で出会った少女【アクちゃん】と宛もなければ目的もない旅に出たのでありました。
結論。チート転生者は理不尽だ。
・・・・・・まぁ、そんな感じで(どんな?)異世界現地誕生者アクと共に旅立った幼女エルフ姿のナベ次郎は、聖光国だか性交国だか漢字名は知らんし見取らん国を、西へ西へと向かって旅を続けているのでありました。
「「あっるっこ~♪ あっるっこ~♪ 私は~戦士~~♪
歩くの~大好き~♪ ドンドン行きまっしょう~~♪♪」」
幼女と並んで手を繋いでスキップ歩きながら、『となりのト○ロ』のテーマを歌いながら・・・・・・。
まぁ中身はともかく外見的には子供同士ですし、精神年齢的にも似たようなもんですからね。仕方ありません。
子供だったら皆大好き「となりのトロール」を気に入ってしまうのは、世界の壁を越えて仕方がなし。お隣さん家のトロールさんも「小さくて可愛い女の子」が好きなのは世界の常識。基本です(超ド偏見)
よい子の皆さんは異世界に転生しても、幼女と一緒に歌うために日本アニメの名作テーマ曲を教えたりしないよう気をつけましょう。
まぁ、周囲には草も木も生えていない、低い丘と赤茶けた土だけが地平線の彼方まで広がってそうな荒野のど真ん中で、仲良く手を繋ぎながら『ジブリ神曲』を歌いながらスキップ移動している女の子たちという生き物を『よい子』と表現するのが適切かどうかは別として。
「キ~ツネ~も~♪ タ~ヌキ~も~♪ 出~て~お~いで~~、っと」
「ドンドン橋で~♪ 私は~、ってアレ? どうされたんですか魔王様、って、うわっ!?」
とりあえず歌ってる途中でナベ次郎が一端抜けて、笑顔のままアクちゃんの腰を両手で持ち上げながら、高い高いで後方大ジャンプ。
町中のストリートでファイトする人達の世界では日常的移動手段をやったわけですが、一体なんのためにやったのか? 全くワケガワカラナイよ、と思った次の瞬間。
ズガガガガッ!!!
「え? えぇぇぇッ!? ぼ、ボクたちが今まで立ってた場所に矢が!? 矢の雨が急に降ってきて、ってえぇぇ!?」
「ほう! オレたちの初撃を躱すたぁ、中々やるな。見直したぜ、お嬢ちゃん。どうやら見た目通りのザコって訳じゃあねぇようだ」
丘の上辺りから突然響いてきた声とともに、あちらこちらから「ワー!ワー!」とか叫びながら次から次へウジャウジャ沸いてきて、あっという間にナベ次郎とアクちゃんたちが立ってた場所(過去形)を取り囲むように、ショートソードやレザーアーマーやショートボウなどの序盤装備で武装した大勢の男達があらわれて逃げ道を塞いでしまおうとしたのです!(過去形。未遂とも言う)
そうです。これは所謂―――盗賊たちが現れた!です!
そんな襲ってきた盗賊たちの一人が声を上げてきました!
しいて名付けるなら、『盗賊その1』とでも呼んでおきましょう。
「てめぇ、オレたちの奇襲を見抜くとは何をしやがった!? 魔法使い・・・・・・いや、その耳はまさか、噂に聞く亜人のエルフか!? 無視してねぇで答えやがれ亜人ヤロウ!!」
「ふむ・・・いや、失礼。無視してたわけじゃなかったんですが・・・・・・考えてみたら、Ⅰの頃から盗賊に襲われるイベントって多かったようで、あんま無かったなと、ふと思い出しましてね・・・・・・。
途中にはあるんですけど、人質取られるだけで戦わないか、結構強かったパターンが多い印象あって、現実とイメージがギャップ差で少しだけ・・・・・・フゥ」
「・・・・・・?? 何わけわかんねぇこと言ってやがる! 舐めてやがるとブっ殺すぞこの野郎!?」
盗賊その1大激怒。ナベ次郎は余裕で見下ろしながら腕組みしている。
悪の魔王のイベントバトルっぽいと言えばっぽいですが・・・・・・言われてみれば言う通りな気がしなくもない今みたいな盗賊襲撃イベントの定番展開。
なんとなく今みたいな時には、ドラゴン関係なくなったクエストのBGMを思い浮かべちゃう人が多いような気がしますけど、人間の盗賊とはあんまし戦う機会がない勇者たちの物語なのでイメージとはあんまし合ってる場面は多くない現実。
最も多そうなのは、覆面マントにパンツ一枚の親分ひきいる鎧甲冑の子分たち一味ですが、結構強い人達ですからね彼らって。あとは『山賊ウルフ』ぐらいなもの。
考えてみたら多くなかった、超王道クエスト世界の盗賊襲撃。
皆さんも世界を滅ぼそうとする魔王を倒して世界も救える勇者パワーを、盗賊ごときに使わないよう気をつけましょう。完全にオーバーキルです。イジメいくない。虐殺はもっとNO。
「で? 貴方たちの目的とホワッチュアネーム」
「フンッ、ふざけたガキだぜ。だが腕前に免じて教えてやろう、お前らを殺す男達の名をな。それは―――」
勿体ぶった調子で間を置いて、インパクトたっぷりに自分たち組織の誇りべき名を告げる盗賊たちの頭領らしき髭モジャの男。
荒野のど真ん中で突然に襲いかかってきた謎の盗賊団、そんな彼らの名。それは――!
「俺たちは、泣く子も黙る“山賊団”『もぐら』!!
そして俺の名は“もぐら”の頭領、オ・ウンゴール様よッ!!!」
「山賊ッ!? こんな荒野のど真ん中なのに山賊ぅっ!?」
言われて慌てて周囲を見渡すナベ次郎!
・・・しかし何度見渡しても山はありません。丘と砂と枯れ木ばかりです。こっから見える限りでは地平線の辺りまで山が見える地域は一つもありませんが・・・・・・それでも彼ら自身が『自分たちは山賊だ』と自供してるんですから山賊なんでしょう、きっと。
犯罪捜査は自供が重要証拠。だから刑事は自白にこだわります。無実でも自白すれば証拠、自白させれば証拠。国家権力持ってる警察の卑怯者ー。
「しかも『モグラ』て・・・・・・なんで、そんな弱そうな名前を・・・。ネーミングの時点で負けたがってるとしか思えない・・・・・・」
呻くような声でダメ出しするしかない、人のこと言う資格ないこと山の如しなケンカ馬鹿エルフの『ナベ次郎』
誰でも他人のことなら正論を言えるもんだというのは、真実のようです。
ちなみに、この中世ヨーロッパ風異世界の言語には、何故だか書き文字としては『漢字』が主流で、彼らの組織名『もぐら』も異世界基準では『土竜』と書きます。
でも今は戦闘中で、この場に紙とか木版はないので説明する術がありません。アッチは同じ異世界人同士だと思ってるから言わずとも分かってる前提で、コッチはカタカナ前提。
言葉が通じる場合でさえ、異世界文化コミュニケーションは難しい。
「まぁ、モグラでもカカシでも何でもいいですけど、邪魔です。見逃してあげますから、怪我しない内にアジトに帰りなさいな。
戦場という場所は、名もなき盗賊その1、その2、その3程度のザコが粋がって生きていけるほど甘くないのです。早く帰ってママのおっぱいでも吸わせてもらうのがお似合いですよ。『グハハ、今日もええ乳しとるやんけチュッパチュッパ』とか乳繰りながら」
「んだとこの亜人野郎! 人がガキだと思ってりゃ、いい気になりやがって!?」
「そうだ! だいたいテメェらエルフは、魔法なしじゃなんも出来ねぇって話じゃねぇか! だったら魔法使いと同じよ! 気力が尽きりゃ案山子になるのはテメェらの方だろうがよ!」
「・・・・・・いや、それ以前になんかオメェ今、変な意味で『ママのおっぱい』とか言ってなかったか? あれは俺たちにとって悪口になるもんなんだろうか・・・?」
「ま、魔王様・・・・・・(赤~~////)」
そして相変わらずカオス状態発生。コイツはこの状況にならんと本領発揮できないもんなんだろうか?
いかにもな悪役っぽい上から目線の見下しセリフを転生者の方から言われた盗賊、もとい山賊たちはいきり立ってナベ次郎たちに凄味をきかせ、ナベ次郎は白けムードで「しっ、しっ」と犬猫でも追い払うような仕草で威勢だけがいいザコ集団と戦う気はなく、アクちゃんを顔を赤らめて黙り込み、ナベ次郎が言ってた言葉の意味を理解できる意外な耳年増っぷりをさり気なく披露してしまっていた・・・・・・その瞬間。
新たな声が、戦場へと轟き渡る。
『ハッ! 魔法使いがな~んですってぇッ!!!』
突然に後方から響いてきた、悪の軍団の悪女ボスリーダーみたいな声とセリフ!
それと同時に天から現れ「ピカッ!」と光り輝いて、悪の盗賊軍団へと降り注ごうとする光の玉・・・・・・それを見てオ・ウンゴールは心の中で「ハッ」となる。
(しまった! これは、魔法の玉―――光の魔法による攻撃か!?)
彼らにとって、それは恐れていた人物が到着してしまったことを意味するもの。
本来はそれが到着する前に、自分たちを釣るエサとしてブラ下げらてただけの子供二人を先に潰して、作戦を瓦解させてやるつもりでの襲撃だったものが――なんかノリと勢いで正面決戦する羽目になってしまった現状をようやく認識して、「ヤバい!」とは思ったものの今更遅く。
もはや彼らには、天から来たりて無数の裁きの光となって降り注ぐ、光の玉から逃れる術もステータスも存在せず、今からでは脱出できる者が何人いるか分からない大ピンチの状況に陥って、そして――!!
「とうっ!!」
ナベ次郎が・・・・・・跳ぶッ。
天から舞い降りんとする光の玉に向かって、高く大きく飛翔していくナベ次郎の小さな体。
その体はやがて向きを変え、まるで天地が逆転したかのように、重力に抗い宇宙へと飛びたがる魂のように、天の理に向かって唾を吐きかける反逆の天使であるかのように。
足を天に向け、腕を地に翳す。
天と地を逆転させたかのようなアベコベの姿勢になった彼女は、聖なる光の玉に向かって足蹴にするかのように靴先を伸ばす。
「抉り込むように―――蹴るべしッ!!
クロスカウンター・オーバーヘッド・キ――――ッック!!!」
バシィィィィッン!!!と。
盛大に効果音を鳴り響かせながら、黄金色に輝いてた光の玉に右足先を叩きつけ、魔法でできた光の玉・・・・・・つまりは、光るボールを右足で蹴飛ばして、最初に飛んできた人がいる方へと弾き飛ばす。
ギュルルルル!!! シュボォォォォォォッ!!!とか。
なんかそんな効果音を響いてくる幻聴を轟かせながら、一旦は蹴られて落下した光のボールが地面スレスレの高度を維持しながら飛んできた方向へと真っ直ぐ戻っていく。
それはまるで、『頂点を目指して駆け上がろうとする天才の前に立ち塞がるライバル宣言のようだった』と後に盗賊たちの1人は語る。
微妙に間違ってないところが何かビミョー。
『る、ルナ様! 玉が! ルナ様の黄金に光る玉が、我々の方に突っ込んできますッ!?』
「変な言い方するんじゃないわよ!? イヤラシいわね!って、えぇぇッ!? ちょ、待っ、なんで戻ってくるのよ!?
アッチ行きなさいよアッチ! アッチってば、ちょっと止め、キャァァァァァァッ!?」
『う、うわぁぁぁぁぁぁッ!?』
そして・・・・・・チュドォォォォォォォォッン!!!と着弾してから大爆発。
お約束通りのお約束展開として、敵を倒すため撃ってきた爆発する玉が打ち返されると、撃ったヤツの元に戻ってきて爆発して負けるものと相場が決まっている。盗賊VS途中で声かけ乱入してくる正義ヒーローバトルのお約束。
もっとも今回は、勝ったのが盗賊で、負けたのが盗賊倒しにきたヒーローっぽい配置でしたが。最近ではそーいうのも人気あるそうですし、偶には有りということで。
『きゅ、きゅうぅぅぅぅぅ・・・・・・』
そんな感じで、乱入してきた敵を倒し。
気絶したヤラレ役の正義か悪の軍団たちが、折り重なって山になってる場所の横に着地して、考える前に実行犯になっちゃうケンカ馬鹿エルフは「スタッ」と地面に格好良く見えるように降りたって、「フッ・・・」と長い前髪のキャラだった場合には格好良く見える仕草でかき上げてから。
「この程度のシュートじゃあ、世界は狙えない。悔しかったら強くなれ。
世界一の座を競い合うグラウンドで待っていてやろう、お嬢ちゃん!!」
ビシィッ!!と。特になんの意味もなく訳も分かってないまま格好いいポーズと台詞だけは言っとく馬鹿エルフ(ケンカすら要らん)
この後のことどーするかなんて、コイツには全く頭にありません。考えてません。考えるより先に、まず格好つける。
ダメ人間過ぎるエルフの見本が、この異世界にいて息をしてます。
よい子の皆も悪い子の皆も、コイツみたいにだけはなっちゃ絶対ダメです。格好悪いだけだから・・・。
「あ、アンタ・・・・・・まさか、俺たちのことを助けてくれたのか・・・?
あの聖女ルナ・エレガントから、アンタたちを殺そうとしてた俺たちなんかを助けるために・・・・・・!?
この聖光国を統べる三聖女の一人にして、国のトップであるエンジェル・ホワイトの妹でもあるルナ・エレガントを敵に回してまで、俺たちのことをッ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
そして早速、しっぺ返し到来。
ノリと勢いと格好付けだけを動機として犯っちまった、国のトップ姉妹の次女を知らずに気づかず倒しちゃった後になってから教えられて知らされるという、バカに相応しいバカっぽい顛末。
しかも何か知らんけど、盗賊たちは感動してるらしい。
殺されそーなところを命助けてもらって涙ぐんでるヤツまでいるし。
「ま、魔王様・・・、聖女様に手を出しちゃうのはいけないことですけど、死なせないよう気絶させるだけで、盗賊の皆さんまで助けてあげるなんて!
やっぱり魔王様は、スゴく優しい方だったんですね! ボク見直しちゃいました! 魔王様はさすがです♪」
あとアクちゃんからの好感度が少しだけ上がったっぽいけど・・・・・・こっちはまぁ、元から低くなさそうだから別にいいとして。
当のナベ次郎自身の主観としては、
―――え? さっきの人って、そんなに凄い人だったの?
つい格好つけられそうだったからやっただけなんですけど・・・・・・どうしよう。
というのが正直すぎる本心なところ。
一国の政治的トップの妹であり、国防のナンバー3を倒した理由が『つい格好つけたくなって』でやっちまってたのが真実だったと知られた場合、自分の名前は一体この異世界でどのような伝えられ方で歴史に刻まれることになるだろう?
「・・・すー・・・プハ~」
ひとまずポケットから取り出した煙草を一本咥えて、ライターで火をつけてから煙を一吐きして時間を稼ぎ。
なんかしらソレっぽい理由になりそうなセリフやイベントを思い出そうと努力して努力して、思い出して、それで―――
「・・・・・・気にするな。別に貴様らを助けたわけではない」
と、ツンデレなのか定番なのか、こーいう場面におけるお約束セリフを口にしてお茶を濁す馬鹿エルフ。
意味不明ではあるけれども、何かしら相手にとっては意味ある行動だったみたく聞こえなくもない印象の言い方で、助けられた方としては深く追求しづらい状況を利用した、我ながら見事な台詞のチョイス。今日の自分は何かが違う・・・・・・フフフ、錯覚かもしれないけれども。
「・・・・・・なるほどな。アンタの方でも何かしら狙いがあった上で、聖女を釣るため自ら目立つ囮になってたって訳か。そして俺たちと聖女は、見事それに引っかかっちまった。
フッ、どーりであんな目立ちまくる行動してたわけだ。
考えてみりゃあ、こんな荒野のど真ん中で馬鹿でかい声出しながら暢気にお手々つないでピクニックと洒落込んでる変態なんざいるわきゃあねぇ。その程度も分からなくなっちまうとは、俺様もヤキが回ったもんだぜ」
「・・・・・・・・・・・・・・・ですね。そんなバカ丸出しのヤツなんて現実にいるわけないですからね本当に、HAHAHA」
どーも、初めまして。コイツが荒野のど真ん中で馬鹿でかい声で歌いながら幼女と手をつないで歩いてた、暢気者の変態エルフ・ナベ次郎です。
「本音を言えば、俺らが聖女を殺して名をあげるつもりで待ち構えていたんだが―――ゴロツキにもゴロツキなりに通さなきゃならねぇルールってもんがある。
命を助けてもらった上に、襲ってきた俺らも見逃そうとしたアンタの獲物を横からかすめ取ることは出来ねぇし、したくもねぇ。
行っちまいな。縁があったら、また会おうぜ。チビっこい嬢ちゃんたち」
そう言って、背を向けて去って行くオ・ウンゴールに連れられてゾロゾロと立ち去っていく荒野で襲ってきた山賊団「土竜」に属する犯罪者の皆様方。
『達者でな~。悪い役人どもから賄賂を強請られないよう気をつけろよー』
『金髪の小っこい嬢ちゃんも、デッカい嬢ちゃんみたいに早く大きくなれるよう祈ってるぞ~』
『諦めるなよ~。寝る子供は育ってデカくなるって昔、母ちゃんが父ちゃんに言ってたもんだー』
親分が去って行く背中を追って、後からついてく部下の人たちも振り返って片手を振りながら口々に言葉を残して歩み去って行く土竜たち。
気は荒々しくて力づくで助平な盗賊らしい盗賊な人たちでしたね。山賊ですけれども。
って言うかアイツら最後の方、局部描写の話しか一言も言ってねぇ。
「さよーなら~、またどこかで会いましょうね~。・・・・・・ふぅ、なんとか誤魔化すことができたみたいで何よりですね。
ではアクさん、行きましょう。思わぬトラブルに巻き込まれて足止めを食ってしまった、国内を西へ向かって進む旅の再開を―――って、アクさん? どうしたんです?
なんか暗い顔して、私の顔より下の方をジーッと見つめたままになっちゃってるみたいですが・・・」
「魔王・・・様・・・・・・。ボクは・・・・・・バストが欲しいで――コホン。
――はやく大きくなって、皆さんと再会したときに「あっ」と言わせて驚かせてみたいです、魔王様(フンスッ!)」
「??? なるほど。よく分かりませんが、デッカいことは良いことです。多分。
しかしまぁ、今回は色々あって疲れましたねぇー。ん~~~(プルルン♪)」
「・・・・・・(ジ~~~・・・)」
こうして、地味に無自覚なネタとして、同行者に暗黒面のダークサイドへの覚醒っぽいものを促しながら魔王ナベ次郎とアクちゃんたちの旅は続く。
その先に待つのは、更なる冒険か悲劇か混沌か? それとも日本の恥をさらしまくりに行くだけなのか? 今はまだ、誰も知らない・・・。
――――ま、それはそれとして別枠での話として。
「ふんぎぃぃぃぃ~~~~ッ!!! お、重いわよアンタたちぃ~~~ッ!? は、早く退きなさいよ! 起きなさいよねちょっとーッ!!
こ、この私を誰だと思ってるの!? 私は三聖女が一人、ルナ・エレガント様よ!!
その私をお尻の下に敷いたまま気絶して目覚めないなんて、どーいうつもりなの!?
重いのよ! 動けないのよ! 早く私の上から退いて! 私をここから出して! 動かして!
だ、誰か~~~!! この私を助けなさないってば、お願いよ~~~~~ッ!!
あぁ~~~ん!! このままだと漏れちゃう! 早く出なきゃ漏れちゃう!
ダメ! ダメッ!! だめ~~~~ッ!!! ――――あ♪」
『『『き、きゅゥゥゥゥゥ~~~~~・・・・・・ばふり』』』
尚、バカの類友かもしれない人たちの屍拾う者なく、無事に生還。
つづき