転生憑依パプティマス・シロッコがガンダムSEEDの世界に生まれ変わっていたらと言う設定の作品。そのセリフ集です。
1から考えて書いてくと滅茶苦茶時間かかりすぎますので、他のも書きたい今は概要だけの今作でご容赦くださいませ。
パトリック・ザラ
「なに? ラクス・クラインらが・・・? ハンッ! けざかしいことを・・・。
構わぬ、放っておけ。こちらの準備も完了した」
「思い知るがいい、ナチャラル共。この一撃が、我らコーディネーターの創世の光とならん事を! 発射―――――っ!!!」
ラウル・クルーゼ
「フッ・・・(愚かだな、パトリック。憎しみに満ちた破壊の光で生み出せる物など、死体の山と廃墟しか存在しない子供でも分かる理屈すら解せなくなるとは。
そうなるとアレはシロッコが造った物ではないと言うことか・・・)」
パプティマス・白ッコ(転生主人公)
「おいおい、そういう友達甲斐のない出来の悪い冗談はやめてくれクルーゼ。
あんな薄らデカいだけで金ばかり食らう代物を、この私が手掛ける訳がないだろう? なにしろ、私の美学に反すること甚だしい代物だからな」
クルーゼ
「ハハハハ、すまないシロッコ。少々確かめたくなってしまったのでね。気分を害したなら謝罪させてもらう。(・・・やはりシロッコではなかったか。だとするなら誰だ?
かつての私がシロッコと出会う前に考えて破棄した計画を引き継いで継続させている・・・?
一体どこの誰が何の目的で、あのような絶望だけで練り上げられた計画を・・・)」
ディランダル
「(ふっ・・・すまないね、ラウ。
君はいい友人だったが、君が親友と呼んでいる人物と私は、共に同じ天を仰ぐことができない定めにあるようなのだよ。
君が私ではなく彼を選ぶとするならば、進む道が違えてしまうのもまた定めというもの。これも運命だと思って受け入れて欲しい。君には感謝している。
ありがとう我が友よ。そして―――さようなら)」
ラクス・クライン(エターナル艦長)
「ザフトは直ちにジェネシスを停止しなさい! 核を撃たれ、その痛みと悲しみを知るわたくしたちが、それでも同じことをしようというのですか!? 撃てば癒やされるのですか? 同じように罪なき人々と子供を?
これが正義と? 互いに放つ砲火が、何を生んでいくのか? まだ分からないのですか!? まだ犠牲が欲しいのですか!? わたくしたちは―――」
ピーッ! ピーッ! ピーッ!!
「モビルスーツ接近! ブルー52、チャーリー!」
「あっ!?」
白ッコ
「君の歌は嫌いではなかった・・・だが、乱戦の中オープンチャンネルで演説をしながら戦争を指揮する今の君は、リリー・マルレーンよりも尚不愉快だ!
戦後世界を主導するのは女であるべきだが、その意思を持たないまま戦いに身を投じた君では余計な争いを生むばかり! 悪いがここで舞台の上から退場してもらおう!」
オリジナル会話・シロッコとクルーゼ
クルーゼ
「・・・まさか人類が本当に、私が手を下さなくてもここまで来てしまうとはな・・・。もはや我々だけでは戦いを止める術がなくなってしまったようだ。これからどうする、シロッコ。
いや、この状況下まできて我々に出来ることはあるのだろうか・・・?」
シロッコ
「事態は最初から見えていた。戦いを止めるだけなら簡単だ。問題はその後のことだからな・・・」
クルーゼ
「なに? どういう事なんだシロッコ。きちんと分かるように説明してくれないか?」
シロッコ
「もちろんだ。――まず、戦いの止め方だが・・・これは至って簡単な作業で済む。連合とザフト、双方のトップを殺すだけでいい。
それだけで戦闘は終わるし、双方の和平派、平和論者達が即座に動いて政権を奪い取るだろう。ただ其れだけのことで終わるのが、この茶番じみた戦争ゴッコなのだよ、我が親友」
クルーゼ
「おいおい、シロッコ。さすがに其れはあり得まい? これは国の総意によって始められた戦争であり、互いの国の国民達は敵に対して憎しみを抱き、愛すべき者達の仇を討つ為、核をこれ以上撃たせぬために戦っているのだから、そう簡単には・・・」
シロッコ
「ふ・・・。君は今、総意と言ったがなクルーゼ。この戦いについて互いの国の国民達が何かを思ったことが有っただろうか? 考えたことが有っただろうか?
一体何故こんな戦争をやっているのか? やらされているのか? やらねばならなくなっているかを本気で考えたものが一人でも存在していたことがあったのだろうか?」
クルーゼ
「それは・・・」
シロッコ
「ありはすまい。誰もが皆、似たような言葉を繰り返し合うことしかしないで行ってきた戦争なのだからな。『今は戦争なのだから仕方がない』――と」
クルーゼ
「・・・・・・」
シロッコ
「もっと言うなら、『撃たれたから撃ち返す』『撃たなければ撃たれる』『ナチュラルだから』『コーディネーターだから』と、誰もが敵を殺すのを敵のせいにして自分自身の悪意を希薄化して戦っている。
憎しみと恨みから、自分の意思で敵国の人間を殺したいと思っている気持ちに言い訳しながら撃っているから、人を殺しているのだという自覚が沸きづらいのだよ。
自らのエゴで人を殺そうと思い、引き金を引くときに命を奪う責任を自分以外の他者に押しつけていたのでは戦闘だけ終わらせても戦争が終わらせられるはずがあるまい?
私が自分の手で行動を起こそうとしなかったのは、実にこれが理由なのだ我が友よ・・・」
シロッコ
「そもそも、この戦争は何をやりたいのかがまるで見えてこない。それが一番の問題だと私は思っている」
クルーゼ
「と言うと?」
シロッコ
「考えてもみたまえ。ザフト軍はもともと、植民地コロニー故に固有の武力を持たなかったプラントが地球に対して対等な地位を得ようとして設立されたものだったはずだ。そして核を撃たれ、その報復も兼ねて核を封じることが出来るニュートロン・ジャマーを地球中に散布した。ここまではまぁ、理解は出来る。
新興の弱小国家が背景となるべき武力も持たずに宗主国に対して対等な立場で交渉を求めたとしても受け入れる理由が相手側にあるとは思えんからな。使うかどうかは別として、あの時点でプラントに軍事力は最低限必要不可欠だっただろう」
クルーゼ
「ふむ・・・。当時の私は君とで会う前でテロメアの進行を遅らせる薬を渡されてもいなかったが故の絶望に支配されていたから、そこまでは考えなかったが・・・言われてみると確かにおかしな点が多すぎる。
そもそもザフト軍は『プラント防衛』を理念として設立されたもの。それが何故今、敵国の領土を半分以上支配して総力戦をやっている?
なぜ、対等な自治権獲得の為の戦争が敵種族の根絶などと言う民族浄化じみた時代錯誤な蛮行にまで発展してしまっているのだろうか?
私に言うべき資格がないのは分かっているのだが、冷静になって考えてみると不可思議な要素が散見しすぎて疑問を持たざるを得なくなってしまう・・・私と同じで寿命に恐怖する必要のない普通の人々が一体何故ここまで・・・・・・」
シロッコ
「私が思うに、人々が理性ではなく、感情だけを基準にして物事を考えてしまうようになっていたからではないかな?」
クルーゼ
「感情で・・・考える?」
シロッコ
「あるいは、心という美辞麗句で包んだ感情論でと言うべきか。
自分と異なる相手を動かす為には心に届く言葉が必要だが、現行の指導者達は感情を煽ることしかしていない。
その点ではパトリック・ザラとムルタ・アズラエル、ラクス・クラインの三者に違いはあっても差は存在しない。誰もが皆、曖昧な理想を唱えるばかりで具体性のある明確な未来のヴィジョンを示すことが出来ないままなのだ。
だからこそ誰もが未来に不安を覚えて、過激な主張を叫ぶ指導者を喝采してしまう。感情だけで動いてしゃべる愚か者達に共鳴して戦火を拡大するだけの現状になってしまっているのだよ」
「誰もが理性ではなく感情によって判断と選択を行ってしまうようになり、感傷に基づいて賛成し、生理的反感によって反対する。
この戦争が本当にコーディネーター、ナチュラル、どちらかの未来にとって有意義であるのか否かの議論は置き去りにしてな。
一部を除いて、賛成する者も反対する者も相手の愚かさを罵倒するだけで、説得に手間暇時間をかけようとしなかった。これでは正常な判断力など保てるはずがない。
そこをパトリック率いるタカ派の最右翼、アズラエルを盟主とするブルー・コスモス思想に付け入られて利用された」
「確かに戦争は誰にとってもイヤなものだ。やりたくて人殺しをしに来る変人は0でなくとも、多くはあるまい。
だからと言って、「非道だ」「イヤだ」「やめよう」と叫ぶだけなら子供でも出来ること。自分の思い描く平和な未来を具体的に語って聞かせて理解を得られなければ、どんな正論も理屈の域を超えることは出来ないだろう。理屈で人の心は動かない・・・。
自分の意思で選んで考えて、行動して判断する。人間として当たり前のことをしなくなった人間は、人の形をした国家の道具に成り下がるしか道はないというのに」
「個として強力すぎてしまうから、『人は一人では生きられない』と言う基本さえ忘れられてしまっている・・・。
この世界の二大人類のひとつ、コーディネーターを生み出したジョージ・グレンもつくづく罪な業を人類に課してくれたものだな――」