試作品集   作:ひきがやもとまち

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以前に出した「転生した私はコズミック・イラの立会人になろう。」の正式版、そのプロローグに当たる回です。試作版のと違って地の文が+されて物語にもなっております。

本来なら『屁理屈ガンダム二次創作』のみに出すべき作品なのでしょうが、投稿したばかりで知名度おなので誰の目にも止まらないのは流石に寂しく、同時投稿と言う形を取らせて頂きました。最低限度の知名度が得られた以降は徹底しますので今はお許しのほどを。

*タイトルを原題のに変更しました。


転生した私はコズミック・イラの立会人になろう。プロローグ

 諸君らは、パプティマス・シロッコという名で呼ばれた男をご存じだろうか?

 

 なに、大した男ではない。己が野望のためティターンズとやらいう碌でなし組織に加担して身を滅ぼした、愚かで傲慢な野心家だった男のことさ。

 

 だが、なぜ今になって私がそんな男の話をしているかと言えば、“先頃死んだ私が”転生の神に求めた転生対象の名が、そのパプティマス・シロッコだったと言うだけのこと。

 そして求めた転生先は宇宙世紀とは異なる歴史を歩んだ地球世界。

 

 『機動戦士ガンダムCEED』の大西洋連邦にである。

 

 ・・・なに、心配ない。別に連合などと言うヤクザやティターンズと変わらぬ組織に肩入れして世界をこの手にするなどと、大それた野望を持ってのことではない。ただ、パプティマス・シロッコの天才的才能がなければユニウス戦役で起きた愚かな時代の流れは変えられないと感じただけに過ぎぬのさ・・・。

 

 ふふ、これも傲慢に感じられてしまう言葉だったかな・・・?

 だが、そう言うべき男なのだよ。パプティマス・シロッコと呼ばれた男は。

 

 そして今の私は、コズミック・イラの立会人になるためパプティマス・シロッコに転生した身である以上、そう見られるのは仕方のないことだと割り切るとしよう。・・・ククク。

 

 

 

 

「――パプティマス・シロッコ技術主任。先頃ザフト軍司令部は貴様を士官として任じ、隊長を示す白服を与えることを正式に決定した。謹んで受領するように」

「はっ。光栄であります。ご期待に添えられるよう微力を尽くします」

 

 国防委員長の執務室で、委員長手ずから渡された白色の軍服を受け取りながら私は実直な軍人に相応しい態度と口調と表情を心がけた答弁を繰り返す。

 

「・・・言うまでもないことだが本来、モビルスーツ開発で多大な功績のある貴様を危険きわまる前線に送り出すのは本意ではない・・・。

 が、『現場で実機に乗ってみなければ解らないこともある』とする貴様の強い希望を容れ、妥協した決定であることを強く胸に刻み適切な対応を取ってくれるものと確信した故でのものだ。判っているな?」

「はっ。不祥の身に特別なご配慮、まこと感謝に耐えません。このご恩には必ず報いさせて頂く所存であります」

「うむ」

 

 応用に頷き返しながら目の前の男、プラント評議会国防委員長の座にあるパトリック・ザラ――『SEED』世界における最大級の戦争犯罪人の片割れはデスクの引き出しを開けて一枚の書類を取り出すと、私の方へ向けて差し出してくる。

 

「貴様の配属先には士官学校で同期だったらしい、クルーゼ隊のヴェサリウスを推薦しておいてやった。形としてはクルーゼ隊の副隊長として奴を補佐する立ち位置になるだろう。実践と理論の違いというものを先任であるクルーゼからよく学んでおくように。――以上だ」

「はっ! 失礼致します!」

 

 敬礼し、踵を返すとキビキビとした足取りで歩み去って行く私の背中に「シロッコ」と、親しげな声が――あるいは、親しげを装った声が――かけられたので振り返る。

 

 視線の先にはザラ議長がおり、その顔には友好的な笑みを浮かべているが、どこかしら昏い陰を感じさせる微笑みでもあった。

 

「――貴様には“期待している”」

「・・・はっ。閣下。必ずや」

 

 双方、含むところのある遣り取りを終え、私は軍本部の建物内にあるロビーを足早に通り過ぎ出入り口へと向かい、外に出て軽く深呼吸して毒気を吐き出す。狸の相手をするというのも存外に疲れるものだった。

 

「さて・・・これからどうするか・・・?」

 

 まだ建物のすぐ近くにあるという地理的な問題から、監視カメラの目などを意識した発言で監視者たちの目を欺きながら私は周囲を軽く見渡し、これから行くべき先について考える。

 今日はこの後これと言った予定もなく、共に過ごす恋人――メインヒロインとなり得そうな女性との出会いもなかった寂しい十代少年の時を過ごした敵キャラでしかない私だが、どうやら良き友人には恵まれていたらしい。

 

 本部ビルの近くに止めてあった車の1つからクラクションを鳴らす音が聞こえ、そちらに目をやると見慣れたセダンのフロントガラスが開かれて、親しく付き合う友人の顔が笑みと共に現れる。

 

 私はその顔に、苦笑を以て返す演技を“して見せる”。

 

「やぁ、クルーゼ隊長殿。迎えに来てくれたのかい? わざわざ君が来るほどのことでもなかろうに・・・」

「ご謙遜を。ザフトにおけるモビルスーツ開発の権威である若き天才様が軍に入隊されたのですから、タクシー役ぐらいは小官如きが如何様にも請け負わせて頂きますよ、シロッコ副隊長殿?」

 

 我々は同時に笑い出し、過剰なほどに大きい笑い声で後方から盗み見ている2人の黒服たち白い目を向けられるのを感覚によって確信する。

 

 演技を続けながら我々は、落ち合う予定だった場所へ自然と向かえるよう示し合わせた訳でもない息の合った会話を繰り広げてゆく。

 

「なに、せっかく技術者から軍の指揮官に出世したんだ。昇進祝いに一杯やろうと誘うのは、友人としては当然のことだと思ったのでね。迷惑だったかな?」

「とんでもない。喜んで誘いに乗らせてもらうとも。・・・しかし、その言い様だと今日は君の奢りと言うことでよいのかな? クルーゼ?」

「いいや、もちろん君の奢りだよシロッコ。君の昇進を祝う会なのだから、君の払いで気持ちよく飲むのが筋というものだ」

「おいおい、クルーゼ・・・?」

 

 わざとらしく不機嫌そうにしてみせる私にクルーゼは、同じくらいにわざとらしく俗っぽい笑顔を浮かべて見せてから敢えて物欲丸出しの台詞を口にだす。

 

「せっかく白服になれたのだ。高給取りに加われた喜びを早い内に実感するため、初任給は飲むだけでパァーッと使ってしまうのがいいだろうと思ったまでさ。白服の給料は君が思っているよりずっといいものなのだぞ? なにしろ他にも色々と役得が付いてくるからな・・・」

「なるほどな。そう言うことなら納得だ。ありがたく好意に甘えさせて頂くよ、白服の先輩ラウ・ル・クルーゼ隊長殿」

 

 もう一度だけ笑ってからクルーゼは車を走らせ初めて、それまでは敢えて付けっぱなしにしていたドライブレコーダーも「飲みに行くときまで付けておくのは無粋か・・・」と呟いてから切ってしまう。

 

 

 

 ――そこまでして、ようやく私たちは一息入れることが出来るのだった。

 まったく、なまじ有能すぎると上から目を付けられて利用されるか抹殺されるかの二つの一つしか道がないのがザフト軍という閉ざされた世界でのみ生き続けてきた者たちの軍がもつ欠点だな。

 

「・・・やれやれ、不便なことだ。求められた役割を演じ続けるというのも存外に難しい。以前までとは大違いだよ・・・」

 

 大きく息を吐き出しながら、運転席に座る男――仮面ではなくサングラスをかけた姿の『SEED』世界最大の悪役ラウ・ル・クルーゼが疲れたように笑ってみせるのを、私は苦笑しながら見つめ返す。

 

(変われば変わるものだ)

 

 と、感心しながら・・・。

 

「おいおい、君がそれを言うのか? 世界を欺き、全てを欺き、『人類など滅んでしまえ!』と叫んでいた仮面の男、ラウ・ル・クルーゼが?」

「言ってくれるなよ、シロッコ。私にも恥ずかしさを感じる人間らしい心ぐらい戻ってきているのだからな・・・」

 

 苦虫を噛み潰したような、と表現するには楽しさも混じえた悔恨の苦笑を浮かべてクルーゼは、服のポケットから薬の錠剤が入った小さな小瓶――ピルケースを取り出して見下ろす。

 

 それは以前まで彼が服用していた物と、“全く同じように似せて作られた”別物の薬。

 より正しく言い換えるなら『効果が桁違いで別物と言った方が正しい薬』だ。

 今の彼は私が長年の研究の末に作り出したコレによって『死の運命』から逃れる術を手に入れ、精神的な余裕をも獲得していたのである。

 

「・・・コレのおかげで私は常に「死の恐怖」に怯える日々を送らなくて済むようになった。

 いつ自分が死ぬのか、明日自分は生きていられているのかと、ビクビクして明日に怯えながら生きなくても良くなった。

 ただの命ある一個の命として人としての人生を、どう生きるかで悩み迷って考えられるようになったのだ。君のおかげで人間になれたのだ。これで変われない人がいるなら嘘だろう?」

「確かにな。君の言うことは間違っていない」

 

 私は大真面目に首肯して同意した後、おどけた笑顔で道化じみたセリフを言ってやる。

 

「――なにしろ作るのに、金と時間がかかっている。神の定めた運命を覆す禁断の領域、人の限界を忘れた愚か者の夢の結晶なのだ。これで効果がなかったら泣くに泣けないな、制作者としてはの話だが?」

「だから、それを言ってくれるなと言うに・・・」

 

 私は哄笑し、クルーゼは苦笑する。

 私が十数年がかりで手に入れた、望んだ結末へと至る道の肖像がここにある―――。

 

 

 ――実のところ、私がコズミック・イラの世界にシロッコとして生まれ変わったとき、プラントを選ばなかったのには幾つかの理由があった。

 

 まず第一に、私パプティマス・シロッコはニュータイプであってコーディネーターではない。ナチュラルなのだ。大人になった後ならシロッコのハイスペックに物を言わせて騙し通せる自信があったが子供の時もそれが通じる確証はない。

 クルーゼの子供時代と同じように地球でナチュラルとして生まれ、長じてからプラントに赴く方が安全であり確実であると考えた故でのことだった。

 

 そして第二に。こちらの方が本命というか狙いだったのだが、遺伝子工学について学ぶためである。

 プラントの遺伝子工学ではない、ナチュラルが持つ遺伝子工学に関する資料をコーディネーターを名乗る前に可能な限り知っておくこと。それはクルーゼを救うためには必要不可欠なことだったからだ。

 

 ご存じのようにコーディネーターの国家であるプラントと、ナチュラルによる国家連合体であるユーラシア連合・大西洋連邦とは、その創立された理由からして仲がきわめて悪い。

 戦争が勃発した後には事実上の国交断絶状態となり、平和目的だろうと何だろうと宇宙から地上に降りることが非常に難しくなるだろうことは想像に難くない。

 

 ならば戦争が始まる前から、訪れることが出来なくなる地が持つ情報を少しでも多く習得しておくことは技術者として当たり前のことでしかなく、やって当然の優先順位と呼ぶべき物だった。

 

 遺伝子工学ではコーディネーや―の方が圧倒的に上だとは言っても、やはり歴史の浅い国の資料では抜け落ちている部分がないとは言えないし、なによりも『失敗の記録』は次の成功のため非常に重要な意義と価値を持つ。歴史学において敗戦国の資料が特級の国家資料として重要視されるのはそれが理由なのである。

 

 失敗から学ぶことの大切さは、無論技術や科学の面にも応用される。

 事実、生まれつき優秀で失敗しづらいコーディネーターが持つ栄光の記録よりも、生まれつき平凡なナチュラルたちが持つ敗北の記録の方が遙かに参考資料として役立ってくれた。

 

 なぜなら私が作りたかったのは『確実に安全にコーディネーターを生み出す技術』ではなく、『最高のコーディネーターを作ろうとして失敗した結果の出来損ないを救う技術』なのだから。

 

 

「ああ、忘れていた。今週の追加分だ。使いすぎることなど起きないとは思うが、念のために持っておいてくれ。何かあったとき君の手元にないかもしれないと思うとゾッとしない」

「ああ、すまない。ありがとう、感謝するよ。これが減るとどうにも不安になるのでね・・・」

「わかるよ」

 

 原作の彼を見て知っている私は、心からの理解を込めて同意する。

 彼は自分の頬を指でなぞり、昨日までと比べて今日はどうなっているのか、かわってはいないだろうか確認するように震える指で擦り上げてゆく。

 

 彼がそうまでして不安がる理由も理解できる。

 ――なにしろ薬は完全なものではない。彼は完全に死の運命より脱した訳ではないのである。またいつあの日々に逆戻りするかと思って不安に怯えてしまうのは仕方がない。

 

 『生きられるかも知れない』と知った者にとって、死は何よりも恐ろしいものだ。

 『死ぬ以外に道はない』と信じていた頃と同じ精神など求めるべくもないほど圧倒的に。

 

 

 ――結論から言えば、彼の身体を苛む生まれつきの欠陥、『常人の数倍の早さで減り続けるテロメア』の問題はパプティマス・シロッコの天才を持ってしても解決することは不可能だった。

 私がシロッコの才能と、遺伝子工学技術において他のガンダムを大きく引き離す『SEED』世界の二大勢力プラント連合の技術を掛け合わせて作り出すことが出来たのは、『テロメアの減退速度を遅らせる薬』と、その効果を高めるための食事療法各種による補助的な延命療法のみである。

 

 如何にテロメアが、遺伝子が複製される度に短くなってゆき、クルーゼが年老いたアル・ダ・フラガの体細胞から創り出されたクローン人間に過ぎなかったとしても。

 クルーゼはクルーゼであり、残り寿命が確定しているアル・ダ・フラガ本人ではない。やりよう次第では普通の人間と同じように死ぬことは出来ずとも、『今日明日に死ぬ心配だけは皆無』という状態にまで持って行くことは可能なのである。

 

 その結果がもたらした効果は、今見てもらっているとおりだ。

 クルーゼには死ぬまでの間に『死ぬための心の準備をする時間』が与えられたことで安心感が生まれ、周りのことに目を向けるだけの余裕が出来た。

 死ぬまでの時間に何をしようか?と、考えて実行しても途中で強制中断させられる可能性が大きく削られたのである。

 

 私はこの程度が限界だったかと、シロッコの才能を十全に活かしきれなかった前世の自分の凡人さに落胆したが、クルーゼは逆に「これだけでも十分だ」と本心から浮かべた笑顔で笑って返してくれた。

 

 おそらくはこれが、『寿命で死ねるのが当たり前』で生きてきた現代日本人と、『寿命が最初から短く設定されている』動乱期の人間との間に広がる死生観の差なのだろうと、私はおぼろげながら実感させられ、キラ・ヤマトたち原作オーブ勢と周囲との間の温度差に多少ながらも納得させられたものだ。

 

 

「そうだ。私の方も伝え忘れていたのだが、出撃は二日後の一二〇八、船は第三デッキに停泊してあるから、忘れずに来てくれたまえよ」

「ずいぶんと急な話だな。何かあったのか?」

「諜報部からもたらされたばかりの超一級極秘事項だ。軍事機密なので許可なき者に口外はできん・・・などと言うのは今更過ぎるかな?」

「破棄したとは言え、人類滅亡計画の『ついで』として、プラントをも滅ぼすつもりでいた謀臣の陰謀計画を聞かされた身としてはな」

 

 ははははは、とまたしても笑い声で満ちる車内。

 そして笑いを収めたクルーゼが、表情を改めて語り出す内容に私の方も知らぬ間に、戦時下の顔へと筋肉筋を動かされていた。

 

 ついに“あの日”が訪れたのである。

 

「三日前のことだ。オーブが所有する中立コロニー『ヘリオポリス』方面と向かう連合艦らしき艦影を哨戒に出ていたローラシア級が目撃した」

「ほう?」

「見たこともないフォルムをしていて、すぐに見えなくなったそうだが、コンピューターに照合させたデータにも存在しないことから連合の新造戦艦であることが予想される。

 ――が、軍上層部は『また時代遅れな連合お得意の艦隊決戦思想か』と左程に危険視していない。「敵の能力ではこの程度が限界か」と、相対的に重要視して“やっている”がね。真面目に対処する気がないのは明白すぎるざっくばらんな対処を命じられてしまったよ」

 

 そこらのコンビニで面白い新商品を見つけたらしいと、その程度の情報を話すように気楽な口調で語るクルーゼだが、その内容は彼が言うほど自体を楽観視してはいないことを意味していた。

 

 ザフト軍が誇るエース部隊を率いる彼が“その程度の重要性しかない任務”につけることを上が快く思う訳がない。彼がかなりの無理を言って出港許可を取り付けてきたのは間違いない。

 彼ほどの男がそれほどに重要視する“ヘリオポリス絡みの新造戦艦”・・・考えられることは一つしかあり得ない。

 

「だが、それでも出撃(で)るのだろう? そうするだけの理由は何かな? 教えてくれないかクルーゼ」

「勘だ。私の勘がそうしろと告げている。

 “アレを見過ごせば、いずれその代価を我らが命で支払わねばならなくなる”・・・と」

 

 ビンゴだ。予想通りの答えに、私の表情も厳しく、そして好戦的になる。

 いよいよ『奴』と戦えるのかと思うと、パプティマス・シロッコとして、1人のガンダム凰として燃えるところがないはずが無い。

 

「故に出航許可を取り付け、補給も急ぐよう命じてある。

 ――が、どれほど急がせようと機械だ。人間の都合だけで早めるのには限界がある。どんなに急がせても二日後が限界だった。

 それまでに英気を養い、万全の状態で出撃して欲しいと願う隊長から新任の部下に対する心からの歓迎会だ。存分に飲み食い楽しむといい。君の奢りでな、シロッコ副隊長殿」

「・・・そこは出来れば、新任の部下に対する心遣いとして、隊長様からの奢りでとして欲しいところなのだがな? クルーゼ隊長?」

「それは次の機会にさせてもらおう。誰かと約束の一つでもしていた方が生き延びようという気にもなると言うものさ。

 それを教えてやるのが配属先の原隊指揮官として果たすべき義務・・・そのように解釈できるよう頑張ってくれたまえ、我が新しき参謀殿」

「・・・善処すると致しましょう、我らが戴く隊長殿」

 

 三度の笑い。戦場に赴くまえに訪れた束の間の休息時間に、戦士たちは休み英気を養い覚悟を手にする。

 敵と戦い、倒す覚悟を。必ず生き延びて帰ってくると誓う覚悟を。

 

 そして私は・・・・・・この狂った時代コズミック・イラが正常な時代の中の一つになれたことを目撃して、立会人となる。その為の覚悟を。

 

 

 今、時代の歯車が動き出す。

 その赴く先は誰も知らない、知らせない。

 未来を決める権利など、私が誰にも与えてやらない―――――――。


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