誰が為の魔法   作:虹野衣司

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魔力を高めるという霊脈にたどり着いた一行。さっそくビィとスフラマールは練習を始めるが、魔物に囲まれてしまう。近くに魔物の巣があったようだ。場所を変えようとした一行は、少年の悲鳴を聞いて慌てて駆け出す。


第一話②

一行は魔物と戦いながら森を進み、ついに霊脈にたどり着いた。

「ふぃー。なぁなぁ、ここが霊脈なのか」

「そうよビィさん。魔力の高まりを感じるでしょう?」

「ん?そうか?オイラにはさっぱりわからねぇぜ」

「いいえ、大丈夫よ!ここでこれからきっちり特訓すれば、必ず分かるようになるわ!」

「へへ、楽しみだぜ!」

「では、早速特訓を始めるわよ。まずは腕立て伏せ100回!」

「ええー!せんせー、そりゃ無理だぜ…オイラ手はあっても…」

「いいえ、ビィさん。あなたなら必ずできるわ。まず地面に立って…」

言われるがままに、なんとか腕立て伏せをする体勢になるビィ。

「こ、これで本当にできるのか?」

「ええ、できるわ。それじゃあ行くわよ。1、2、3…」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!オイラできてるか分かんねぇぜ」

「ラカムさん、どう思ったかしら」

「いきなり振るのか!?」

「で、どうかしら」

「ったく…。ビィは体を上げようとしたときに腕の力ではなく、羽の力で上がってるだろう」

「うん?そうなのか。腕立て伏せって難しいんだな」

「そこで、だ。おいノア」

「僕かな」

「お前しかいねえだろ」

「ふふふ、ちょっと待ってね。ラカムの考えていることは分かるよ。こうすればいいんだろう?」

「うぎゃー!いきなり何するんだよー!」

「あ、ああ。ノア、正解だ。お前が抑えて置いてやってくれ。だが、その前に――」

「さすがラカムさんね。特訓の前に魔物のお出ましだわ」

「ふふふ、ラカムが褒められると僕もうれしいよ」

「ええい、いいからさっさと片づけるぞ」

 

戦闘

 

「なぁなぁ、倒してもきりがないみたいだぜ?」

「そう言われるとそうだな…」

「ラカムさん!きっとあそこが魔物の巣になっているのよ」

「おいおい、それじゃあ俺たちの特訓で魔物を起こしちまったってことか」

「ラカム、よそ見してると危ないよ?」

ラカムを襲う魔物を、間一髪のところでノアが払いのける。

「わりぃな…」

「気にしないでよ、ラカム」

「2人は本当に仲良しなのね。さて、このままだと練習にならないから場所を動こうと思うのだけど、いいかしら」

「オイラはせんせーに賛成だぜ。魔物に襲われたら特訓に集中できねえもんな」

「ああ、そうだな。俺も賛成だ」

「ラカムが賛成なら僕も賛成するよ」

「では、向こうの方へ行きましょう。きっと――」

「ぎゃーーー!」

「!?今の声は?」

「向こうからだ。子どもが魔物に襲われてるかもしれねえ、急ぐぞ!」

一行は子どもを助けるために駆け出した。

 




更新かなりとてもすごく空いてしまってごめんなさい。
FGOのイベントが忙しくて、気付いたら古戦場始まっていて…。
これからもまったり更新します。

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